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Autodesk 3ds Max 対応<br />GPU レンダラ一挙レビュー

Autodesk 3ds Max 対応
GPU レンダラ一挙レビュー

検証4:NVIDIA Tesla による GPU アクセラレーション

最後に、NVIDIA Tesla C2070 で前出のレンダラがどのくらいアクセラレーション出来るのか、比較を行なってみた。
結果、一番効果が顕著だったのが iray であった。
評価機である HP Z800 Workstation に搭載されていた前世代の Quadro FX4800 、Fermi(現行)世代の Quardo 4000、そして Quadro 4000+Tesla C2070 の各組み合わせで、制限を反復500回で行い、レンダリング時間の比較したのが、下のグラフだ。

irayのレンダリング時間

iray によるレンダリング時間比較。Tesla C2070 によるGPU アクセラレーションの効果が顕著だ

バーが短いほど高速にレンダリングされている。今回は CPU のみでのレンダリングは行なっていないが、Quadro 4000+Tesla C2070 の環境では Quadro FX4800 の3.6倍ものスピードでレンダリングされているのが判る。Nvidia によれば GPU を追加すればするほど高速化されるようなので、電源の許す限り載せてみるのも面白いかもしれない。
ただし、Tesla C2070 についてはかなり電力を消費するようで、テスト環境ではレンダリング時にブレーカーが落ちるほどだった。ちなみに、カタログ上の TDP(最大放熱量)は 238W である。Quadro 4000 が 142W なので、両方使用すると実にビデオ関係だけで 320W。XeonX5667(3.06 GHz) でも 95W なのでかなりの大食いだ。
そうした問題はあるものの、ネットワークディストリビュートレンダリングをすることもできるので、GPU を使ったレンダーファームというものも大いに考えられる。

irayのレンダリング時間

iray によるレンダリング結果。レンダリングサイズは 1,400×800 ピクセル。車のマテリアルには Autodesk Metallic Paint などを設定している

統括:業務内容によりレンダラの使い分けを

今回は、3種類の GPU レンダラを使用してみたが、それぞれ目的が異なるので、どれが最適かは業務の内容によってチョイスが変わってくるだろう。

筆者の率直な印象としては;

iray:プロダクトビジュアライゼーション、建築パースなど向け
VRay-RT:高品質アニメーション向け
QuickSilver:短納期、スモールプロジェクト向け

......という印象を受けた。
ただし、言うまでもなく CPU も GPU も進化が早いので、恩恵を受けるには最新の情報を常に収集しておく必要があるのは言うまでもない。

Autodesk 3ds Max 2012パッケージ画像

Autodesk 3ds Max 2012

価格:535,500円(新規製品、オンラインストア価格)
対応OS:7/Vista/XP
問い合わせ先:オートデスク インフォメーションセンター
オートデスク認定販売パートナー検索はこちら
オートデスク 3ds Max情報サイト

V-Ray 2.0 for 3ds Max

Chaos Group V-Ray 2.0 for 3ds Max

オンラインストア価格:138,600 円
(1ドングル付属版版)ほか
※動作環境の詳細は 公式サイト を参照のこと
CHAOS GROUP 公式サイト

Quadro4000製品画像

NVIDIA Quadro 4000

実勢価格:10 万円前後
CUDAコアプロセッサ数:256
グラフィックスプロセッサ:475 MHz
メモリ:2GB
パス:PCI-Express x16
※仕様の詳細は 公式サイト を参照のこと
問:(株)エルザ ジャパン

TESLA C2070製品画像

NVIDIA TESLA C2070

実勢価格:25 万円前後
CUDAコア数:448
プロセッサ周波数:1.15GHz
単精度演算性能:1.03TFlops
倍精度演算性能:515GFlops
※仕様の詳細は 公式サイト を参照のこと
問:(株)エルザ ジャパン

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