サイコムには、強いこだわりをもつユーザーが多い。今回は、CM・MVから映画まで数多くのハイエンドVFXを手がけるKhakiのCGディレクター横原大和氏が、長年のサイコムユーザーとしての視点から「Aqua-Master」シリーズの魅力を語る。
ハイエンドに挑み続ける、Khaki流マシン選定の哲学
2013年に創業メンバー3名のフリーランスVFXアーティスト集団として始動したKhaki。現在は30名体制にまで成長しており、その活動フィールドも着実に広げている。
「最近ではPerfumeさんのMVで4D Gaussian Splattingを使ったり、AIを取り入れた作品制作など、新しい技術も積極的に採用するようにしています」と語るのは、共同創立者であり、CGディレクター/アートディレクターとして活躍する横原大和氏。
横原氏を中心とするCGチームは、GPUレンダラをはじめとするリアルタイム性の高いワークフローを軸に、ハイクオリティな表現をスピード感をもって創り出すことがモットーだという。
「モデラー以外のCGアーティストは基本的にゼネラリストとして、担当ショットを自己完結させることにもこだわっています」。
使用ツールはHoudiniやBlenderなど多岐にわたり、レンダラはGPUベースのRedshiftを基本に、用途に応じてHoudiniのKarmaやBlenderのCyclesも活用する。
横原大和/Hirokazu Yokohara
Co-Founder | CGディレクター/アートディレクター
ロドリゲス・ ガブリエル/Gabriel Rodrigues
CGアーティスト
メンバー全員がディレクターでありVFXアーティストであることを特徴とするクリエイティブプロダクション。CM、MV、アニメ、大型映像など幅広い媒体でVFXを手がけている。
khaki.tokyo
幅広い表現領域を支える“カスタマイズ性”という強み
そんなKhakiがマシン選定で最も重視するのはGPUだ。「GPUレンダラ中心なので、その時々の最新かつ最高グレードのGPUを選んでいます。以前はGeForce RTX 4090を最低ラインとしていましたが、現在は半数以上をRTX 5090へアップグレードしました。案件に応じてGPUの換装も頻繁に行うので、カスタマイズ性も重視しています」。
Khakiがサイコム製品を使い始めたのは、2016年の法人化がきっかけだ。「以前は自作PCも使っていましたが、確実性とコスト面からBTOを選ぶようになりました。サイコムの魅力は、他社と比べてパーツ選択の自由度が高いこと。マザーボードや電源、冷却方式まで細かく選べるので、用途や予算に合わせて最適な構成が組めます」。
最近導入したのが、CPUの冷却に水冷ユニットを採用する「Aqua-Master」シリーズだ。期待の新鋭、ロドリゲス・ガブリエル氏の作業マシンとして活躍している。
強力な水冷ユニットが、安定した高性能を実現|Aqua-Master X870A
「Aqua-Master X870A」は、CPUにAMD Ryzenシリーズを搭載し、その冷却に水冷ユニットを採用したクリエイター向けPCだ。
Aqua-Masterシリーズが採用するのは、Asetek製の最新世代高性能水冷ユニット。Noctua製の高品質な冷却ファンと組み合わせることで、高い静音性も実現している。
ロドリゲス氏が使用するマシンの構成は表の通り。標準構成からGPUをNVIDIA GeForce RTX 5090に、メモリを128GBへアップグレードしている点が特徴だ。サイコムの強みは、マザーボードから電源、冷却方式まで、全パーツをBTOで柔軟にカスタマイズできる点にある。
GPUとCPU、どちらのパワーも必要なアーティストにオススメ
Khakiでは、エフェクト系のHoudiniアーティストや高負荷のレンダリングを多く行うリードアーティストのマシンに、Aqua-Masterシリーズを積極的に採用している。
「Blenderの場合、最終レンダリングはCPUレンダラであるCycles以外の選択肢が現状ではありません。Houdiniのシミュレーション処理においても、CPUパフォーマンスは非常に重要です」(横原氏)。
長時間高負荷な3DCG処理を続けてもサーマルスロットリングによるクロック低下が起きにくく、安定したパフォーマンスをキープできる点が、タフな制作環境でAqua-Masterシリーズが選ばれる大きな理由となっている。
ⓒ Sony Music Labels inc.
RedshiftとKarma XPUを巧みに使い分ける
ロドリゲス氏は、2026年4月で入社1年を迎えた新鋭だ。ガジェットやハードウェアに精通しており、Gaussian Splattingなど撮影知識が求められる案件も積極的に担当するほか、社内マシンのメンテナンスにも携わっている。
そんなロドリゲス氏が最近参加したのが、King Gnu『AIZO』MVだ。本作ではショットワークをHoudiniに統一。物量が多かったため、USDの有用性や不具合発生時のリカバリーを考慮し、レンダラはRedshiftとKarmaの2種類を使い分けた。特にKarmaは、CPUとGPUの両方で処理を行うXPUモードを活用することで、物量とクオリティを両立させた。
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Director:OSRIN/ Producer:Kento Yoshida
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TEXT & EDIT_NUMAKURA Arihito
PHOTO_弘田 充 / Mitsuru Hirota