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エフェクトアーティストはどこへゆく? <br/>~CGWORLD エフェクト特集TIPS執筆陣・座談会

エフェクトアーティストはどこへゆく? 
~CGWORLD エフェクト特集TIPS執筆陣・座談会

<3>スマホゲームのエフェクト制作は在宅ワークに向いている

CGW:話題が少し変わりますが、仕事と生活のバランスは上手く取れていますか?

秋山:僕は子どもがいるのでワークライフバランスにはけっこう気を遣っています。毎日子どもを保育園に迎えに行かないといけないので(笑)。子どもが生まれたことがきっかけになって独立に踏み切ったんですよね。

近藤:ワークライフバランスについては、CG業界も直面していく問題ですね。これから家庭をもつ人がどんどん増えていくので。

秋山:若い業界ではあるけど、いよいよそういう段階に入ってきたなと。実際皆さん、毎日忙しいですか(笑)?

鈴木:フレームワークからつくっているとどうしても忙しくなる日がありますが、だいたい10時~20時が基本ですね。

近藤:僕は9時半から18時半までですが、20時くらいまで残っちゃってます......。以前は土日出勤もありましたが最近はなくなりました。僕も結婚しているので、今後のことを考えると、在宅ワークには魅かれます(笑)。

秋山:結婚して子どもができたら、と思うと在宅という選択肢が現実味を帯びてきますよね。僕はだいたい毎日9時~17時で仕事して子どもを寝かしつけた後にまた2時間くらい作業したり。スマホゲームのエフェクト制作だと完全に切り分けができて自分のペースでできるし、受注量を自分で調整してバランスを取りやすいんですよ。

秋山氏によるスマートフォン向け2Dエフェクトのサンプル動画

近藤:秋山さんはスマホゲームのエフェクトをメインで制作されていますが、顔合わせってどうしています?

秋山:挨拶は大切なので初めは顔合わせに出ます。そこからプロジェクトの概要を聞いて資料をもらって、2回目以降の打ち合わせはSkypeでやります。チェックバックはほとんど文字ベースやチャットワークで済ませていますね。

鈴木:ツールが改良を重ねて制作環境が随分と良くなったし、PCのスペックも上がって処理が速くなって、テクノロジーの進化とともに自宅でも仕事がしやすくなりましたよね。

秋山:とはいえ、進化に比例して要求も多くなるという一面も(笑)。僕の場合ですが、子どもがいる中で仕事をやりくりしているので、とにかくストレスを溜めないことが重要なんですよ。仕事でストレスが溜まるとプライベートに影響が出ちゃうから。

一同:大事ですよね!

秋山:以前は各方面からの要求に振り回されがちでしたが、独立してからはひとりでできる部分が多くなったので、けっこう自由で気楽に仕事をさせてもらっています。

近藤:やっぱり在宅ワーク憧れるなあ(笑)。

秋山・鈴木:(笑)。

鈴木:最近ではAIを使った機械学習の分野に勢いがあるから、将来的にはパラメータの試行錯誤などがAIでできるようになって、もっと楽になるかもしれませんね。

秋山:作業の雛形を5割くらいやってもらうとか、自動化はもっと進みそうですね。

鈴木:今はマウスやペンタブ、キーボードで制作していますが、身体を使ってエフェクトが制作できるUIが出てきたりしないかな。あと、モーションキャプチャのアクターみたいな感じでエフェクトのアクターとか。

秋山:ああ、なるほど。それだと、VRのエフェクト編集とかやってみたいな。くるくる回りながら編集するとか。

近藤:他には、シミュレーションやレンダリングにかかる時間が今後なくなってくるんじゃないかと思いますね。ゲームの表現力が向上して、ムービーとの境目がシームレスになっていくのかなと。実際『スターウォーズ』などの大作映画でもUE4の映像を使ったシーンが使われていたりするし。

鈴木:量子コンピュータがものすごく速くなっているから、そういう未来が来るかも。

近藤:最終的には頭の中で考えただけで映像ができるようになったり......。

一同:(笑)。


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Profileプロフィール

近藤隆史(株式会社デジタル・メディア・ラボ)✕ 秋山高廣(合同会社フライポット)✕ 鈴木克史(株式会社ICS)

近藤隆史(株式会社デジタル・メディア・ラボ)✕ 秋山高廣(合同会社フライポット)✕ 鈴木克史(株式会社ICS)

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