>   >  CG専門学校の講師歴15年を超えるプロが伝授「見る力」の強化で劇的に造形力が上がる人物キャラクターのフェイシャルモデリング
CG専門学校の講師歴15年を超えるプロが伝授<br/>「見る力」の強化で劇的に造形力が上がる<br/>人物キャラクターのフェイシャルモデリング

CG専門学校の講師歴15年を超えるプロが伝授
「見る力」の強化で劇的に造形力が上がる
人物キャラクターのフェイシャルモデリング

鼻と唇

構造を作れば鼻の穴の形状は必然的に決まる

鼻がバランスよく美しく作れない人は、モデリングの視点が「鼻の穴を作ろう」としていることで、それが最大の間違いだということに気がついていません。

田島キヨミ直伝! 人物キャラクターのフェイシャルモデリング

▲A 鼻は4つの構成要素「鼻背・鼻尖・鼻翼・鼻柱」でできており、4つのフォルムのデザインが組み合わさって鼻というフォルムになります/ B つまり鼻翼と鼻柱の厚みによって必然的に鼻の穴の形状が決まるわけなのです。穴を作ろうとする考え方をやめ、好みの鼻の写真を収集して各構成要素のフォルムを観察すれば、構造的に説得力があり魅力的な鼻が作れます。構造は絶対的です。デザインとはちがいます

正しく作ればレンダリングで鼻の穴は黒くなる

レンダリングしたときに鼻の穴が黒くならない人は、穴をトンネルのように捉えています。穴は鼻翼などの各パーツの肉の厚みによって作られているわけですから、表層だけ見て厚みを無視してしまうと結果的にレンダリングに反映されるということです。

田島キヨミ直伝! 人物キャラクターのフェイシャルモデリング

▲A:構造的に正しく作れば必ず穴の部分は黒くなります/B:横から見たときに鼻の穴が見えない理由は(※ライティングによって暗くは見えます)、鼻柱が鼻の奥まで続いているためです。自分の鼻に指を入れて周辺部をなぞってみると各パーツの厚みが理解できるのでやってみてください

唇は尖っているという思い込みを消去しよう

唇はパーツの中で最もシンプルなので、美しく作れない人は「見る力」が致命的に弱い可能性があります。

田島キヨミ直伝! 人物キャラクターのフェイシャルモデリング

▲A:色をフォルムと勘違いして思い込んでいると、口角まで尖らせてしまいます/B:立体的な唇を墨のラインだけで表しています。この簡略化こそがフォルムのヒントなのです。口角は厚みのある肉が閉じられて畳まれている状態だと理解しましょう

田島キヨミ直伝! 人物キャラクターのフェイシャルモデリング

▲正面ではリップラインしか見ることはできません

田島キヨミ直伝! 人物キャラクターのフェイシャルモデリング

▲歯列に沿ったカーブが口角に向かって流れていくフォルムを、カメラを回してしっかり見なければいけません

唇のフォルムにはキャラの性格が表れる

フェイシャルアニメーションでは眉とまぶた周りの動きは「心の内で湧き上がった感情」を、唇の動きには「外面に放出した感情」を表現すると教えています。しかしフォルムに関して言えば、唇はキャラの性質や性格が大きく反映される箇所です。

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▲今回の男性モデル<左>は意志の強さや寡黙さを、女性モデル<右>は無邪気さと愛らしいセクシーさを表現しています。つまりこれらの参考画像は唇のデフォルト形状ではないし、デフォルト形状があるという観念こそがフォルムに対する思い込みです。「見る力」は構造だけでなく性質に対しても高める必要があるわけです

<5>キャラ造形スキルアップ Maya Tips

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