<2>PiStageユーザーの事例紹介
MoonShine Animation:PiStageをベータ版から使っている古参ユーザーの事例
TVBuddy Animations made with Pi Square Pipeline
台湾のMoonShine Animationではゲーム用の3Dデータの流用ではなくCGI用に別途用意したデータが使用されている。フル3DCGアニメーションの番組30エピソード、3つのVRプロジェクトがPiStageを活用して制作された。360度VR映像の場合、どこにカメラを設置するのかが重要な課題になるが、PiStageを活用すればリアルタイムにキャラクターを動かしながらカメラの位置を細かく検討し、調整することが可能となるという。
【上】MoonShine Animationから借りた実データで、MayaとUnreal Engineを繋いだPiStage表示例、【下】同上。レンズフレアあり
The Third Floor:ハリウッドのメジャーなプリビズ専門のスタジオ
プリビズのバーチャルプロダクション
The Third Floorはプリビズ専門のCGスタジオで、マーベルのスーパーヒーロー映画のプリビズはほとんどこの会社が手がけている。以前はMaya Viewport 2.0をプリビズ用に使っていたが、クオリティで気に入らないことが多々あり、ゲームエンジンを使うことを考え始めたそうだ。ところが何ヵ月もかかって試行錯誤したが、満足するプリビズが完成しなかった。そのためPiStageを見つけるまでは失敗の連続だったという。PiStageを使い、もともともっていたMayaのアセットをUnreal Engine用に変換することですぐに成果を得ることができた。ストーリーボード、ゲームエンジンとバーチャルカメラ、リアルタイムのクロースシミュレーションを利用することもでき、ライブでモーションキャプチャのデータを取り込むこともできる素晴らしいプリビズ環境が完成したという。
その他のPiStage活用作品
GO GO GIWAS_new_trailer(Engine Studio)
『ノーマン・ザ・スノーマン〜北の国のオーロラ』(太陽企画)。ストップモーションアニメ作品のVR用のリメイクでPiStageが活用された
<3>7月リリース予定、PiStage 1.3の新機能
2019年7月にリリース予定されているPiStage 1.3の新しい機能は、以下の通り。
・最新のUnreal 4.22のサポート
・リアルタイムレイトレーシング対応
・プロジェクトセッティング、メモリのコントロール、レンダリングセッティング可能に
・Rectangular Area Lightサポート
・アセットマネジメントとアクターマネジメント機能の向上
・Maya Camera シーケンスの設定をサポート。複数カメラのコントロールが可能に
・Mayaのタイムワープ機能もサポート、アニメーションがより細かく設定可能に
さらにmesh deformationという動きを誇張する機能も予定されているという。「これからもエンドユーザーの要望が多いものから実装していく予定」とヤオ氏はPiStageの今後について語った。