>   >  アクションゲームの鍵を握るアニメーションの極意とは? プラチナゲームズ流の制作手法~「CEDEC2017」レポート(1)~
アクションゲームの鍵を握るアニメーションの極意とは? プラチナゲームズ流の制作手法<br />~「CEDEC2017」レポート(1)~

アクションゲームの鍵を握るアニメーションの極意とは? プラチナゲームズ流の制作手法
~「CEDEC2017」レポート(1)~

<4>アクションゲームのアニメーションに求められる機能

「待機」とは各々キャラクターが何もせずに立っているときの動きで、ゲームアニメーションの場合は、常に待機で始まって様々なアニメーションにつながり、最後に待機で終わる(=ループ構造を取る)点が特徴になる。そのため、次につながる動きの邪魔にならないこと。すなわち「ニュートラルであること」が求められる。

山口氏は「ファンタズマラネア」の例でいえば、「ハサミを振り上げているのは待機アニメーションとして不適格」だとした。攻撃的なイメージを醸し出しているからだ。それよりも、攻撃時にあらためてハサミを振り上げて、振り下ろすというアニメーションをつくることが望ましいという。

待機シルエットでわかる「ニュートラルさの必要性」

「攻撃」で重要なことは、ユーザーが納得できない攻撃アニメーションはしないということだ。そのためリアリティをもちつつも、視認性や避けやすさといった要素が重要になる。コントラストやリズム感をつけることも重要だ。これを一言でまとめると「わかりやすさ」となる。

実際に「ファンタズマラネア」のジャンプ攻撃で、一度空中で動きをためて落下する動きをつくったところ、テストプレイで非常に回避しにくいことがわかった。そのため、同じようなタイミングで上昇・下降するように動きが修正されたという。

ジャンプアニメーションの是非は「遊びやすさ」で決まった

「ダメージ」はプレイヤーが攻撃に成功したときに再生される動きのことだ。そのためプレイヤーに対する報酬を動きの面で提示するという機能が含まれる。ダメージ量に応じて複数の動きを用意することも必要だ。そのため大ダメージ時の動きは、プレイヤーに対して「勝てそう」、「勝てるかも」といった、見通しを与えるものにもなる。つまり動きの「爽快感」が重要というわけだ。

ダメージ時のアニメーションではヒット感や手触り感の追求が重要

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<5>イテレーションを高める制作スタイル

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