画面中心部から遠ざかるほど解像感を下げ、GPUの処理負荷を軽減
以上のように、本作のグラフィックスはどのパートにおいても大幅に進化しているが、プレイヤーのPC環境に求めるスペックは前作から変化していない。そのため、プレイヤーが注目しているであろう画面中心部の解像感はUE4のテンポラル アンチエイリアシング機能によって向上させ、画面周辺部にいくにつれ計算する画素数を段階的に間引くことでGPUの処理負荷を軽減する対策も講じられている。
「OculusのGitリポジトリに実装されたMask-Based Foveated Renderingを参考に、類似の独自機能をエンジニアがUE4の描画パイプラインに実装しました」(多田氏)。これら2種類の対策により、画面中心部から遠ざかるほど解像感が低下しているにも関わらず、社内のテストプレイではそれが気になるという指摘がなかったという。
▲画面周辺部の計算する画素数を間引いていない状態
▲画素数を間引いた状態
▲黒点の多い端の方ほど計算する画素数を間引くことで、GPUの処理負荷を軽減している
移動方向に向かって集中線を描画し、VR酔いを防ぐ
さらに本作では、VR酔いへの対策も新たに講じられた。「移動システムの導入にあたり様々な移動方法を試した結果、プレイヤーの意思に反した移動はVR酔いを誘発することがわかりました。そこで固定位置での高速移動(ワープ)をプレイヤーが自らの意思で行える方法を採用しました。加えて移動方向に向かって集中線のようなエフェクトを描画することで、視線誘導も図っています」(赤澤氏)。前述した画面内の解像感に差を付ける機能も視線誘導にひと役買っているようだ。
▲高速移動(ワープ)中に表示される集中線のようなエフェクト。プレイヤーは自らの意思でワープポイントを選択し、ワープを実行できるため、移動によるVR酔いの誘発はほとんどないという
フルパッケージ版のリリースで本作の開発は一段落したが、開発メンバーは「得られたノウハウを次のVRタイトルに活かしたい」と口を揃える。今後も国産VRゲームの開発を牽引するタイトルを生み出してくれることを期待したい。
エフェクト編は以上です。
No.1 キャラクターモデル&モーション編
No.2 ステージ編
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『TITAN SLAYER Ⅱ』
発売・開発:コロプラ
発売価格:3,090円(Steam)
対応HMD:HTC Vive、Oculus Rift
ジャンル:アクション