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Aiming『Project Caravan』広大なフィールド&数多のキャラクターを、手描きイラスト風の3Dで表現

Aiming『Project Caravan』広大なフィールド&数多のキャラクターを、手描きイラスト風の3Dで表現

ゲームの世界観に合わせ、ダイナミクスやエフェクトを調整

本作はキャラクターのモーションにもこだわっており、ポリゴンの増加に合わせてボーンの数も増やされた。『グリフォン』では平均30∼40本、最大でも70本未満だったボーンが、『Caravan』では80本程度まで増やされている。ボーンの基本構造は変わっていないが、本作では髪・衣服・アクセサリーなどのゆれものにダイナミクスを適用しているため、ゆれもの用ボーンが各キャラクターに追加されたという。「やわらかい動きをさせるには、ある程度の数のボーンが必要でした。ただし、リアルな動きにしすぎると世界観から浮いてしまうし、めり込み制御が大変です。そのためアニメーターが手を加え、動きをデフォルメしています」(久保氏)。

エフェクトはSPARK GEARで制作しており、本作のエフェクトチームにはSPARK GEARの開発スタッフも参加している。「本作の試作にあたり、初めてSPARK GEARを導入し、アーティストたちに使ってもらいました。高品質なエフェクト制作が可能で、しかも量産に向いているツールだったので、今では本格的に使っています」(高屋敷氏)。前述のダイナミクス同様、エフェクトも世界観に合わせた調整を加えている。「リアルなエフェクトではなく、日本のセルルックアニメのようなデフォルメされたエフェクトを目指しています」(久保氏)。

続々と新作が登場するスマートフォンゲーム市場。その進化は留まることがなく、ついにはPCにも対応するクロスプラットフォームのMMORPGが開発されるまでになった。『Caravan』のサービスが開始されるとき、そのグラフィックスがどこまで進化しているのか非常に楽しみだ。一方で、MayaをはじめとするAutodeskのツール群が真価を発揮するフィールドが、益々広がっていくことも間違いないだろう。今後のスマートフォンゲーム開発と、そこでの3D制作のあり方に、引き続き注目していきたい。

▲【左】人型のキャラクターの足にはIKが設定されており、自然な仕草で足が地面に設置するようになっている/【右】モンスターのコントローラ。ボーン数の増加に比例して、コントロールできる範囲も増えている

▲ドワーフの攻撃モーション。投石時の重さを表現する予備動作に多くのフレームが使われている。背中に背負っているプロペラがちゃんと回転しており、動きに愛嬌を加えている点も面白い

▲キャラクターの髪とスカートにはダイナミクスが設定されており、フィールド内の風にふかれてゆれるようになっている。大気中を粒子が飛び交い、木の葉や枝、その落ち影がゆれる様子にも注目してほしい

▲SPARK GEARとUnityを併用したエフェクトの制作工程を紹介する。【左】SPARK GEARの作業画面。氷や煙など、エフェクトを構成する素材群が左上に表示されている。これらを描画するタイミングを、右下のタイムラインで調整している/【右】Unityの作業画面。右側は編集画面、左側はゲーム画面。右側での編集結果を受けて、ゲーム内での実際の見映えが左側に表示される。このUnityのデータと、【左】のSPARK GEARのデータは連動しており、SPARK GEARでの調整結果も、リアルタイムにUnityへと反映される。「ライトの影響具合、背景との兼ね合いなどをUnityで確認しながら、リアルタイムにSPARK GEARのデータを編集できるため、直感的で迅速なエフェクト制作が可能です」(久保氏)

▲【左】SPARK GEARで制作したエフェクトに、Unity上でブルーム効果(エフェクトが発する光によって、周囲の物体が照らされる効果)を加えている/【右】同じく、ブラー効果を加えている

▲前述の過程を経て制作したエフェクトを使ったバトルシーン

▲複数のキャラクターと魔法エフェクトが入り乱れるリッチなバトルシーン

▲【左】ゴブリンによる炎系魔法/【右】同じく風系魔法

▲氷系魔法のエフェクト

▲剣攻撃のエフェクト

TEXT_尾形美幸(CGWORLD)
PHOTO_弘田充

PRODUCT INFORMATION
Maya2017

Autodesk Maya 2017

●動作環境
OS:Windows 7(SP1)およびWindows 10 Professional、Apple Mac OS X 10.10.5 および10.11.x
CPU:IntelまたはAMD製の64ビット マルチコアプロセッサ
HDD:4GB のハードディスク空き容量
メモリ:8GB(16GB以上を推奨)

●価格(税別)
Maya 2017 with Basic Support(1年間ライセンス):224,000円

Maya2017

Autodesk Maya LT 2017

●動作環境
OS:Windows 7(SP1)およびWindows 10 Professional、Apple Mac OS X 10.10.5 および10.11.xx
CPU:IntelまたはAMD製の64ビット マルチコアプロセッサ
HDD:4GBのハードディスク空き容量
メモリ:8GB(16GB以上を推奨)

●価格(税別)
Maya LT 2017(1ヵ月ライセンス):4,000円
Maya LT 2017 with Basic Support(1年間ライセンス):33,000円

Profileプロフィール

Aiming

Aiming

久保貴美氏(アートディレクター/マネージャー)、高屋敷 哲氏(プロデューサー)

株式会社Aiming

株式会社Aiming

http://aiming-inc.com/ja

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