<2>演者も期待を寄せる、"辞書にない"作中アイテムの3DCG表現
昨年12月に行われた、最終話のプレスコ収録後のキャスト集合写真
ーー本作はアニメオリジナル作品ということで、先の展開がわからないなか、演じるというのはどんなお気持ちですか?
寺島:僕は、ザシュニナというキャラクターの役割から、先の展開がわかっていた方がより説得力を持って演じることができると思い、先行してシナリオを読ませてもらいました。先の展開を知らないまま演じることもできますが、わかって演じるのとでは気持ちが変わってくるのでそこは意識して演じた部分ですね。説得力を出す表現についてはかなり悩みました。ザシュニナは全てわかった上で行動しているけれども、全てを説明せずに人類に考えさせる。その"何かわからないけれどもスゴイもの"だという説得力を芝居で表現できるかどうか。加えて、自分の知覚できる範囲の外で、自分自身が変化しているという微妙な変化、そのさじ加減が難しかったですね。その点については音響監督とも密に相談をして臨みました。
三浦:僕も先のシナリオをいただいたのですが、あえて読みませんでした。交渉人として相手に対して意図や目的と言ったものを聞く立場なので、先の展開を本当に知らないというリアルさを出したかったんです。物語の中でザシュニナがもたらすものがいくつかあります。そうした中で、次はどんなオーバーテクノロジーなものが登場するのかというのはとても興味をそそる部分です。そしてザシュニナはその先に一体何を考えているのかを早く知りたくなるところに、この作品の物語の牽引力があるのではと思います。
ーーそうした作品づくりの環境やキャラクター性など、本作は役者として新しい経験となったのでは。
寺島:そうですね。僕は頭で考えるタイプなんですが、今回のザシュニナというキャラクターは、いかに緻密にキャラをつくって表現できるかと点がチャレンジだったと思います。
三浦:ものすごく個人的なことを言うと、僕は声優の世界に入ってからCMやナレーションの仕事が多く、あまりアニメで演じてこなかったんです。そんななか、この作品で初めて主演を務めさせていただきました。主役として、そして座長として作品に向かうということが、一番難しいことだったかもしれません。(寺島さんに向かって)そんな僕に付き合ってくれてありがとうね(笑)。
寺島:いやいやいや(笑)。僕、三浦さんが真道役だと聞いたときに、これは面白い現場になるぞと思いましたよ!
ーーでは、これから放送を楽しみにされている視聴者の方にメッセージをいただけますか。
三浦:僕たちもこれから作品に登場するアイテムが、3DCGでどのように表現されていくのかわからないので楽しみにしているところです。オンエアになったときは驚くと思いますので、そのときに演者と気持ちを共有して楽しんでいただければと思います。
寺島:SF的なワードがたくさん出てくる作品です。"フレゴニクス"というものが出てくるのですが、調べてみると辞書にも載っていない言葉なんです。つまり、本作はそれを初めて映像化する作品でもあるわけです。いつかその言葉が本当に辞書に載るような時代になったら、それを同時体験した者としてすごく面白い経験になるのではと思います。そして3DCG主体のデジタルアニメーションということで、際限のない映像が組み上がっていくことにも非常に期待を寄せています。また、音楽もフルオーケストラで録るとのことで、様々な部分でこれまでにない作品になると思います。役者陣もオンエアを楽しみにしていますので、ご覧の皆様もぜひ毎週期待していただければ嬉しいです。