>   >  真昼の東京でKAIJU戦を実現した壮絶なVFX『パシフィック・リム:アップライジング』スティーブン・S・デナイト監督インタビュー
真昼の東京でKAIJU戦を実現した壮絶なVFX『パシフィック・リム:アップライジング』スティーブン・S・デナイト監督インタビュー

真昼の東京でKAIJU戦を実現した壮絶なVFX『パシフィック・リム:アップライジング』スティーブン・S・デナイト監督インタビュー

<2>プラクティカル・エフェクトについて

©Legendary Pictures/Universal Pictures.

――今回、『エイリアン: コヴェナント』(2017)のアニマトロニクスを手がけたオーストラリアのオッド・スタジオ(Odd Studio)と、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズで知られるニュージーランドのウェタ・ワークショップ(Weta Workshop)が造形物関係(※4)でクレジットされていましたね。最近の傾向として、CG一辺倒だった時代からCGを使わないプラクティカル・エフェクトへの回帰(例として『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017)や『ジュラシック・ワールド/炎の王国』(2018)など)が感じられますが、実際どう思われますか?

※4 この他に、コン・ポッドと呼ばれるイェーガー操縦室の装置やパイロットスーツ、ヘルメットなどの造形を、前作に続いてレガシー・エフェクト(Legacy Effects)社が担当した。同社は『ターミネーター』シリーズ、『ジュラシック・パーク』シリーズなどの、造形物やアニマトロニクスなどを手がけた、スタン・ウィンストン・スタジオ(Stan Winston Studio)の後継となる工房である

©Legendary Pictures/Universal Pictures.

デナイト:自分としては、「昔ながらのプラクティカル・エフェクトに帰ろう」という傾向は大歓迎です。私は元々、ミニチュアを使って撮っていた時代の映画が大好きで、それを観ながら育った世代です。また、例えばピーター・ジャクソン監督も、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズでは非常に大きなスケールモデルをつくり、撮影していました。それからジョン・カーペンター監督の『遊星からの物体X』(1982)のために、ロブ・ボッティンがつくり上げたクリーチャーは素晴らしいものでした。自分でもそういったプラクティカル・エフェクトを使った作品をもっと撮ってみたいし、世の中もそちらに向かって欲しいです。

――円筒状のガラスケースの中に浮いていたKAIJUブレインは、アニマトロニクスでしたか?

デナイト:いえ、あれは100%CGIです。なかなか良くできていたでしょう?

――そうですね! どちらかわかりませんでした。

『パシフィック・リム:アップライジング』特別映像/進化の証&魂の継承

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<3>日本の映像コンテンツについて

Profileプロフィール

スティーヴン・S・デナイト/Steven S. DeKnight

スティーヴン・S・デナイト/Steven S. DeKnight

アメリカ合衆国ニュージャージ州出身。脚本家、映画監督、TVプロデューサー。『スパルタカス』、『デアデビル』、『バフィー ~恋する十字架~』など全米大ヒットドラマを数多く手がける。『パシフィック・リム』監督ギレルモ・デル・トロからシリーズを引き継ぐ形で本作にて長編監督デビュー。幼いころから日本の怪獣映画が大好きで、ウルトラマンやマグマ大使やゴジラを見て育ち、強く影響を受けていると公言している

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