>   >  世の流れにまどわされず、 マイペースでつくり続けます。(なる)シリーズ企画「20人に聞く」<7>
世の流れにまどわされず、 マイペースでつくり続けます。(なる)シリーズ企画「20人に聞く」<7>

世の流れにまどわされず、 マイペースでつくり続けます。(なる)シリーズ企画「20人に聞く」<7>

<2>『天穂のサクナヒメ』がターニングポイント?

CGW:『天穂(てんすい)のサクナヒメ』は、マーベラスがパブリッシャーということですが、タッグを組まれた経緯を教えてください。

PS4『天穂のサクナヒメ』ティザートレーラー(BitSummit2018)

なる前作『アスタブリード』(2013)を発売後に参加した「BitSummit」でMarvelous USAのXSEED Gamesの方と知り合う機会があったのです。交流を重ねるうちに「次作は一緒にやりましょう」と声をかけてもらえました。ですが、自分たちの信条から出資は受けていません。開発の主導権はえーでるわいすであることを了承してもらい、主に販売面の協力をしてもらっています。

  • えーでるわいす新作、鋭意製作中!
    『天穂(てんすい)のサクナヒメ』


    ジャンル:稲作シミュレーションダンジョン探索コンボアクションRPG
    対応ハード:PlayStation(R)4
    プレイ人数:1人
    発売日:未定
    価格:未定
    CERO:審査予定

    © 2019 Edelweiss. Licensed to XSEED Games / Marvelous USA, Inc. and Marvelous, Inc.


CGW:開発については過去作と同様、なるさん主導で進められているわけですね。

なる:はい。タイトル案などの相談に乗ってもらったりもしていますが、基本的には今まで通りの開発スタイルを貫いています。ただ、今までで最も大きな規模の開発になっているので、このスタイルの集大成になるかもしれません。これ以上の規模になると単純に私が全てをみきれなくなるので、『天穂のサクナヒメ』の次につくるときは別のスタイルを模索したいと思っています。その意味では、今回がターニングポイントになるかもしれません。

CGW:先ほど「1本を完成させるのに時間をかけすぎてしまう」と言われましたが、ゲーム開発が好きなだけでは長く活動を続けるのは難しいと思います。なにか秘訣があるのでしょうか?

なる:特に考えたことはありません。1本目をつくったときは同人ゲーム自体がブームになったタイミングだったので順当に販売数が伸びました。2本目のときはSteamが登場したタイミングで「個人でも海外で売ることができる」ようになりました。タイミングに恵まれたということはありますね。

CGW:サークル「えーでるわいす」の展望は?

なる:私個人としては、サークルそのものを大きくするつもりはないんです。5年後、10年後にはなくなっていてもいいだろうと(笑) ただ、まだまだつくりたいゲームがあります。サークルが続いていくかというよりは、つくりたいものがなくなるまでこの活動は続いていく。そんな感覚です。

CGW:最後に、プロのゲーム開発者を目指している方々へアドバイスをいただけますか?

なる:個人的には、"プロになることを目標にするべきではない"と思っています。つくりたいモノがあるならそれをつくることを目標にする、興味をもてることがあればそれを目標にするべきだと。そうした目標のために手を動かし続けていれば、いつの間にかプロと呼ばれるようになっていると思います。

CGW:個人制作の成果をSNSで公開したことが商業デビューにつながる時代ですしね。今日は、ありがとうございました!

info.

  • 月刊CGWORLD + digital video vol.246(2019年2月号)
    第1特集:デジタルヒューマン最前線
    第2特集:インダストリー×XR
    定価:1,512 円(税込)
    判型:A4ワイド
    総ページ数:128
    発売日:2019年1月10日

Profileプロフィール

なる/NAL

なる/NAL

大阪府出身。専門学校を卒業後、ゲーム開発会社へ入社。プログラマーとして複数タイトルの開発に携わる。2004年から「えーでるわいす」としてインディーズゲーム製作を開始。2011年に独立、現在はパートナーのこいち氏と共に「えーでるわいす」としての活動に専念している。

えーでるわいす
@nal_ew

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