>   >  国を越え、アジア全域でプリビズの振興に取り組む。「PREVIS SOCIETY ASIA」シンポジウム
国を越え、アジア全域でプリビズの振興に取り組む。「PREVIS SOCIETY ASIA」シンポジウム

国を越え、アジア全域でプリビズの振興に取り組む。「PREVIS SOCIETY ASIA」シンポジウム

<2>プリビズを映像教育に活かす〜Reallusionの取り組み〜

続いて、クリストファー・チェン氏がReallusionが主催する学生コンペ「ASIAGRAPH REALLUSION AWARD」について紹介した。

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  • クリストファー・チェン氏(PREVIS SOCIETY ASIA理事、Reallusion台湾支社副社長)


シリコンバレーが本社のReallusionは台北にR&D拠点を設けている。同社が開発・発売する2D/3Dアニメーションを中心としたDCCツールに共通するコンセプトはリアルタイム処理豊富なライブラリを利用することだという、例えばiCloneの場合は、独自のリアルタイムアニメーションエンジンを実装することでディレクター目線で即座に結果が得られることを強みとしている。さらにシンプルなUIに仕上げることで手早く操作が習得可能であることから、具体的なオペレーションを学ぶことで手いっぱいになりがちな3DCGアニメーションの学習において、ストーリーテリング等の映像演出を効率的に習得できるとアピールした。

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(左)Reallusionの製品ポートフォリオ/(右)独自開発した各種リアルタイムエンジンと、豊富なアセットライブラリを用意することでツール自体の習得や素材の準備に必要なコストを大幅に削減できるという

Reallusionと台湾の元智大学が主催する、「ASIAGRAPH REALLUSION AWARD」は、その名のとおり、文京学院大学の喜多見 康教授(コンテンツ多言語知財化センター長)が長年にわたり取り組んでいるアジア全域のデジタルコンテンツを対象とした総合イベントASIAGRAPHとのタイアップで2012年からスタートした学生コンペである。大学生部門と高校生部門で各々3Dコンペと2Dコンペが行われているが、3DコンペではiCloneを用いて、各年のテーマに沿ったオリジナルCGアニメーションを48時間で制作するというルールになっている。各国の団体と連携することで(日本の場合はCG-ARTS協会)、オーストラリアを加えたアジア諸国の3DCGを学ぶ学生たちが個人もしくはグループ(最大3名)で参加しているとのこと。

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(左)本アワード実施の背景をまとめたもの。一般のDCCツール(図中では、modeling software tools)では、多機能ゆえに操作が難解のため"達成感が得られない(Extreme low sense of achievement)"という指摘が興味深い/(右)2015年度・授賞式のスナップ。マレーシアのUniversiti Tun Hussein Onn Malaysiaの学生コンビが最優秀賞を獲得した

「ASIAGRAPH REALLUSION AWARD 2015」(大学生・3D部門)最優秀賞(Best Film)受賞作品『SEED OF LIFE』。学生が48時間で作成したとは思えないクオリティである

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チェン氏のプレゼン後半で示された、北京の精華大学 継続教育学部のLIN HUA教授のコメント。4年もの年月を費やし、3ds MaxによるCGアニメーションを学んだ学生のうち、作品として完成させられるのは65名中3〜5名しかいないとのこと。その理由は、アニメーション制作ではなく、ツール操作を覚えることで大半の時間を浪費してしまうからだという。案件や職場によってツールが変わることは大いにあるという現実を考えれば、教育課程においては、アニメーション表現の原理・原則を学ぶことに重きを置くべきであり、転じて実際に作品を作り上げていくことに注力すべきという考えは一理ある

このコンテストの背景には、プリビズの教育ということがあります。iCloneにはモデルやアニメーションなどのアセットが揃っているので、ストーリーがうまくできれば作品を完成させることができる。つまり、映像制作の要である「ストーリーをつくる」ということを学ぶことができるのです。(引用元:PSA公式サイトで公開されているチェン氏のプレゼンテーション抄訳

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<3>韓国(Pretzeal)と中国(Base FX)におけるプリビズ事情

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