>   >  『コードギアス 復活のルルーシュ』作画とCGが混ざり合う、妥協なきナイトメアフレーム表現 No.1 ランスロットsiN 編
『コードギアス 復活のルルーシュ』作画とCGが混ざり合う、妥協なきナイトメアフレーム表現 No.1 ランスロットsiN 編

『コードギアス 復活のルルーシュ』作画とCGが混ざり合う、妥協なきナイトメアフレーム表現 No.1 ランスロットsiN 編

約1年、テイク15におよんだランスロットsiNのCGモデル

前述の通り、テイク1のランスロットsiNは「モブとして十分なクオリティ」を前提につくられていたため、テイク2以降はクローズアップのカメラワークにも耐えられるディテールの追加が必須となった。「テイク1の段階で提供された設定画は全身の斜め前と斜め後の2点のみで、『細部はお任せします』という話でした。ですので、『よし、任された』と思ってつくったのですが、何テイクか進んだ後に可動部分や開閉ギミックなどの詳細な設定画が追加されたため、いったん仕切り直すことにしました」(長嶋氏)。CGモデルの場合、形状が完成してから開閉ギミックなどを追加するとポリゴン面のながれが崩れるため、いったん仕切り直した方が早いという判断がなされた。

「長嶋はとても手が早いので、リテイク対応にかかる時間は短いです。ただ、練馬スタジオのメインスタッフは多くの仕事を抱えていたこともあり、リテイクが返ってくるまでに1ヶ月以上を要することもあって、スケジューリングに苦労しました。加えてランスロットsiNは特にリテイク内容が細やかだったので、通算のテイク数は15を数えることになり、完成までに約1年を要しました」(井上氏)。

▲【左】テイク1。この段階では、まだコクーンやランドスピナーが制作されていない。画像左には、比較用に設定画が置かれている/【右】テイク2。コクーンとランドスピナーを追加。プロポーションや細部の形状がかなり変わっている


▲【左】テイク3。この段階から、基本色を適用/【右】テイク4。ヴァリスを追加。コクーンの形状が特に変わっている


▲【左】テイク2の頭部に対する、赤ペンでの修正指示/【右】テイク3の頭部。先の赤ペンのラインに、可能な限りピッタリ合わせる修正が行われているが、正面・側面・背面に合わせた結果、上面だけは少しずれている。この後も完成にいたるまで、同じような修正が全身において繰り返された。「手描きの四面図なんですが、意外とピッタリ合わせることができ『やっぱりプロだな』と感心することが何度かありました。逆に合わないときは、僕の立体の解釈がまちがっているんじゃないかと思うようにしていました。とはいえ、合わないときは合わないので、どこかで諦めることも必要です」(長嶋氏)


▲【左】初期テイク段階の手。この後、先に紹介した作画用の手の設定画とまったく同じポーズをとったチェック用画像をつくるよう求められ、【右】が制作された


▲【左】上のテイクに対する、赤ペンでの修正指示/【右】ほぼ完成状態の手。先に紹介した頭部と同様、赤ペンのラインに可能な限りピッタリ合わせる修正が行われている。「プラモデルでも再現できそうな典型的なロボットの手だと、ここまで人間の手に近い握りこぶしを握ることはできません。ただ、本作では『この設定画にしっかり合わせてほしい』と依頼されたので、生身の人間と完全に同じではないものの、ロボットなりにいろいろと関節を工夫したリグを組みました。今までにつくったロボットの手の中で、一番難しかったです」(長嶋氏)


▲【左】テイク5/【右】テイク6。この段階でプロポーションの調整はほぼ終わっており、以降は細かいディテールの修正となる


▲【左】テイク7/【右】テイク8。この段階になるとぱっと見ではちがいがわかりにくいが、細部の形状やラインの位置が変わっている


▲テイク9は武装の修正のみのため非掲載。【左】テイク10/【右】テイク11。形状はほぼ完成。以降は作画に合わせ、テクスチャでラインを減らす処理や、色と質感の調整が行われ、テイク15でOKとなった


▲ランスロットsiNの形状チェック用ターンテーブル。形状のOKが出た状態。ポリゴン数は約10万で、レンダリング時に3ds MaxのTurboSmoothモディファイヤを適用している

©SUNRISE/PROJECT L-GEASS Character Design ©2006-2018 CLAMP・ST

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ひとつのモデルデータで、3つの色彩設定に対応

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