>   >  『コードギアス 復活のルルーシュ』作画とCGが混ざり合う、妥協なきナイトメアフレーム表現 No.1 ランスロットsiN 編
『コードギアス 復活のルルーシュ』作画とCGが混ざり合う、妥協なきナイトメアフレーム表現 No.1 ランスロットsiN 編

『コードギアス 復活のルルーシュ』作画とCGが混ざり合う、妥協なきナイトメアフレーム表現 No.1 ランスロットsiN 編

分離・破壊表現も視野に入れたセットアップ

▲ランスロットsiNのリグ。CATを使用しており、上の作業画面ではメインのボーン構造のみを表示している。基本的には、これらを操作するだけでカット制作ができるようにセットアップされている


▲各所のアーマー、エナジー・ウイング、ランドスピナーなどの変形ギミックの操作や細かい制御は、前述のメインのボーン構造に追加したボーンで行う。これらの追加ボーンは、レイヤーを分けることで普段は隠しており、アニメーターが区別しやすいように配慮されている


▲先の画像から、ランスロットsiNの本体を非表示にしたもの。これらを使い、各種変形ギミックを操作する


▲ランスロットsiNの本体から分離させても問題のない武装類は、あえてダミーのボーンで制御している。「過去の経験則から、武装類はCAT(メインのボーン構造)から切り離したダミーのボーンで制御するようにしています。特にロボットは作中での分離・破壊表現が多用されるので、本体から切り離せるパーツは可能な限りダミーで制御するようにしています」(長嶋氏)


▲先の画像から、ランスロットsiNの本体を非表示にしたもの。左肩のコクーンや、アームパーツのシールドが分離できるようになっていることがわかる。特にヴァリスやMVSは変形ギミックが複雑なので、見た目の印象よりも制御点が多くなっている。なお、変形ギミックのアニメーションキーは事前にマイナスフレームに打ってあるため、アニメーターはキーをずらすだけで変形ギミックを制御できる。そのため前述の制御点をアニメーターが触る必要はほとんどない。これらのボーンや制御点も、レイヤーを分けることで普段は隠している


▲ヴァリスの形状・変形ギミックのチェック用ターンテーブル。形状と変形ギミックのOKが出た状態。マウント時、ノーマルモード、フルバーストモードへと順番に変形する。色と質感は、この後の工程で設定される


▲MVSの形状・変形ギミックのチェック用ターンテーブル。前述のヴァリスと同じく、形状と変形ギミックのOKが出た状態。色と質感は、この後の工程で設定される。TVシリーズのMVSと同じく、刃の部分は赤色に発光する。「色彩設定が届く前から、本作でも発光するだろうと予想はついていたので、心の準備はしていました。MVSに限らず、TVシリーズのルックや演出を参考にしながらつくるよう心がけていましたね」(長嶋氏)


▲エナジー・ウイングを展開し、左腕・左脚のプロポーションを変形させた状態。「徹底的にシンプルなCAT構造にしているので、カット制作時にはレイアウトに合わせた自由な変形が可能です」(長嶋氏)。ロボットであっても、アニメのカット制作時には演出意図に合わせた有機的な変形が求められることが多々あるため、自在に拡大・縮小・伸縮ができるセットアップとなっている

©SUNRISE/PROJECT L-GEASS Character Design ©2006-2018 CLAMP・ST

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ラフ原画を下敷きとした、CGカット制作

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