ArnoldとRadeon ProRenderの互換性を検証
・テクスチャマップ
続いて、テクスチャマップを貼ったマテリアルを使用したシーンの自動コンバートもテストしてみた。
▲Arnoldでレンダリングした画像 No.06
▲No.06のシーンをRadeon ProRenderにコンバートしてレンダリングした画像
シェーダのカラーやメタリック部分に若干差はみられるが、テクスチャマッピングは問題なく再現されている。
▲Arnoldを使用した、No.06のシーンのハイパーシェード
▲Radeon ProRenderに自動コンバートした後の、No.06のシーンのハイパーシェード
シェーディングネットワークを比較してみると、名称も含め、なかなか上手く変換していることがわかる。
・グローバルイルミネーション
グローバルイルミネーション(GI)を使ったフォトリアルなレンダラは、建築パースなどの用途で使われることも多い。内観パースで多用されるような、キッチンのモデルデータのシーンをコンバートしてみた。
▲Arnoldでレンダリングした画像 No.07
▲No.07のシーンをRadeon ProRenderにコンバートしてレンダリングした画像
グローバルイルミネーションの雰囲気は上手く変換してくれているが、ひとつだけ難点が! MayaのカメラのFilm OffsetをRadeon ProRenderはレンダリングできないようだ。建築用途では必ず使われる機能なので、ぜひ対応していただきたい。
レンダラの変更にともなうシーンの入れ替え作業では、オブジェクト、ライト、カメラ、マテリアル、レンダー設定など、膨大なアトリビュートを変更しなければならない。全部を手動で変換するとなると気が遠くなってしまうが、Radeon ProRenderが前述のレベルまで自動変換してくれれば、後は微調整を行うだけで再現できるので大変助かる。このようにシステム上の差をソフトウェアが吸収してくれると、アーティストは本来の創造的な作業に時間を割くことができる。