>   >  「HOLOGRAPHIC VR CONTEST 2016」グランプリ受賞作品『KIBIDANCE』はこうしてつくられた!
「HOLOGRAPHIC VR CONTEST 2016」グランプリ受賞作品『KIBIDANCE』はこうしてつくられた!

「HOLOGRAPHIC VR CONTEST 2016」グランプリ受賞作品『KIBIDANCE』はこうしてつくられた!

Topic 3 舞台装置を意識した背景&ライティング

音楽の周波数に合わせた明滅をHoudiniで制御

背景として作成したもののうち、前面に配置されるものはプロップとして扱った。作成する内容や演出、動かし方に関しては、実際の演劇の舞台装置をかなり意識し、それらしく見えるよう工夫してある。また、ホログラムではディテールが描けない分、それぞれの背景の色味や質感をわかりやすく変えることで、映像を見ている人にシーンのちがいが伝わりやすいように配慮されている。また、背景のアニメーションに関しては、キャラクターを目立たせるためにキャラクターより暗い色でつくる必要があり、どうしても目立たなくなってしまう。そこで、その条件下でどのようにリッチに表現がで きるかを模索した。舞台っぽさを保ちつつ、実際の舞台ではできないことを表現するため、曲によって演出が自動生成されるシステムを考案した。曲の音域を分け、それに合わせてオブジェクトやエフェクトが有機的に動くよう、Houdiniでシミュレーションを行なった。木のスピーカーや太陽のフレアなどが音の影響を受けて変化している。

ライティングに関しても、舞台感を大きく出すため、実際のDMM VR THEATERのステージのライト配置 に寄せた。写真などからおおまかにスポットライトの位置を起こし、それに合わせてシーンにライトを置いているため、映像の中にリアル感をもち込むことが可能になった。また、背景アニメーションと同様に、Houdiniの機能を使用して音楽に合わせてライトに変化が生まれるように設定している。「実際の照明と連動させることができたら、より面白いものになったかもしれませんね」と秋元氏は語る。

また、シーン構成で気を遣ったのは、キャラクターの「出ハケ」(舞台への入退場)だ。舞台らしさの表現としてももちろんだが、Marvelous DesignerでClothシミュレーションを行う場合、使用カットの尺の長さに応じてシミュレーションデータを作成しなければならないため、キャラクターがシーン上に長くいればそれだけ処理が重くなる。その分エラーが発生する危険性も増すため、そこを避けるために舞台の切り替えのような出ハケ演出をはさむことで、カットの切り替えを行なったとのこと。

背景プロップとアニメーション


配置も含め、舞台背景を意識したプロップ群


背景に使われた木の形のスピーカーのモデル。映像中では、幹部に並ぶ円形のスピーカーが、ビートに合わせて明滅する。背景のプロップ類は静止状態がなるべくないように、HoudiniのCHOPを使用し、音源から動きを自動的に作り出している

実際の映像。木のスピーカーが明滅しているのがわかる

実際の照明の位置を再現したライティング


Houdini内で、CHOPを使用して音源からライティングの強弱や色味を生成し、その情報をFBX形式でMayaへ出力している


MayaでHoudiniから出力されたライティング情報を整理してレンダリングする

実際の映像



  • Information

    HOLOGRAPHIC VR CONTEST 2016 Final
    日程:2016年11月3日(木・祝)
    場所:DMM VR THEATER(横浜)
    入場料:2,000円(一般)、1,000円(学生)
    主催:DMM.futureworks/共催:CGWORLD
    hvc2016.com

Profileプロフィール

トランジスタ・スタジオ/Transistor Studio

トランジスタ・スタジオ/Transistor Studio

前列左から モデラー:チョン・ダビデ氏/リードモデラー:岡田寛成氏/モデリングディレクター:金山隼人氏/スーツアクター:榊原將師氏/テクニカルディレクター:平井豊和氏、後列左からキャラクターデザイナー:佐藤 健氏/モデラー:佐川智司氏/ディレクター:秋元純一氏/ゼネラルデザイナー:平田正徳氏

www.transistorstudio.co.jp

スペシャルインタビュー