>   >  リガーの人材不足解消と業界の底上げのために、自分たちができること〜BACKBONEスタジオ設立3年目の取り組み
リガーの人材不足解消と業界の底上げのために、自分たちができること〜BACKBONEスタジオ設立3年目の取り組み

リガーの人材不足解消と業界の底上げのために、自分たちができること〜BACKBONEスタジオ設立3年目の取り組み

<3>CGスタジオとして異例のリソース全公開

CGW:最後に社内リソースの全公開についても、ねらいを教えてください。

福本:中長期で、クライアント様が自らのプロジェクトの予定としっかり照らし合わせて、前もって打診していただけることで、お互いに計画的に受発注できることをねらいとしています。また、リソース表を「見える化」することで、「空いている」「空いていない」ということをお問い合わせすることなく、リソース表を見てご判断いただけるので、クライアント様のお問い合わせの負荷が下がる効果があります。こういったBACKBONEの試みが上手くいって、他の会社さまにもこのカルチャーが浸透すると、発注側にも受注側にも大きくメリットが生まれるかもしれない、と考えて公開することにしました。

CGW:御社は常に仕事が埋まっているイメージがあるんですが......。

福本:いえいえ、急なキャンセルなどで、一時的に空いてしまうときなどは稀にありますし、一部スタッフの手が空くときもあります。空きが多いときは「こんなにリソースが空いていて、このスタジオは大丈夫か?」と思われる危険性もあります。ただ、隠しても空いているときは空いていますので(笑)。それよりも、プロジェクトの受発注の最適化や、マッチングのお手伝いをする方が重要かなと。

CGW:どれくらい先までの状況を公開される予定ですか?

福本:現在は5ヶ月分を公開していますが、8〜9ヶ月分の公開も検討しています。まだ実験的に公開したばかりなので、いろいろと模索している状況です。

公式サイトで公開中のリソース状況。10名の社内スタッフについて、5ヶ月分の空き状況が掲載されている

CGW:それにしても、自社のリソースを公開するCGスタジオって、他に類をみないですね。

福本:正直ちょっと怖い気持ちもありますが(笑)。まずは実験的に進めてみようと思っています。

CGW:本業もさることながら、取り組みが盛りだくさんですね。

福本:「BACKBONE」のスタジオ名には、頼れる裏方として業界を支えたい、という想いが込められていますので、今後もいろいろと取り組んでいこうと考えています。もしニーズがあれば、リグ道場ならぬ「リグ・キャンプ」などもやってみたいですね。朝までリグについて語り合う、的な。

CGW:個人的には、ぜひ御社のカリキュラム型教育の内容をベースに『リガーになる本』を書いてもらいたいです。

福本:リグの教材って本当に少ないですよね。若手のリガーに聞くと、ほとんどの方が『Mayaリギング 正しいキャラクターリグの作り方』で勉強をされているようです。リグの本を執筆したい想いはあるのですが、今はなかなか時間が取れなくて......。いつか書きたいですね。。

CGW:ありがとうございました。ますますのご活躍を楽しみにしています。

Profileプロフィール

福本健太郎(BACKBONEスタジオ)✕宮田眞規(カナバングラフィックス)✕堀内李緒(アカツキ)

福本健太郎(BACKBONEスタジオ)✕宮田眞規(カナバングラフィックス)✕堀内李緒(アカツキ)

右から、福本健太郎氏(リブゼント・イノベーションズ株式会社 BACKBONE事業部長)、宮田眞規氏(カナバングラフィックス リギングアーティスト)、堀内李緒氏(アカツキ モバイルゲーム事業部 デザイナー)

スペシャルインタビュー