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試してくれたシステムコーディネーター
株式会社白組 システム部 部長 鈴木 勝氏
3DCG・VFXを中心に多種多彩なハイクオリティビジュアルを手がける白組において、制作の基幹となるシステムを中心に様々な問題を常に考え続ける。
www.shirogumi.com

『永遠の0』、『friends もののけ島のナキ』などの映画作品をはじめ、TVシリーズ、CM、ゲームムービーなど様々な映像作品を手がける白組。常に3DCG・VFX技術の第一線を歩み続けている同社が"制作現場"においてマウスコンピューターのIntel Core i7搭載モバイルワークステーションの検証を行なった。Intel Core i7-4700MQという高速CPUに加え、グラフィックスにQuadro K3100M、SSDにIntel DC S3500(300GB)を積んだモバイルらしからぬスペックを誇る同機の感触は果たして!?

現場で使ってみたい、と思えるハイスペック・モバイル!

実写が絡む白組のVFX制作においては、撮影に立ち会うことも大切にしている。しかしこれまで、現場にここまで高スペックなマシンを持ち込むことはなかった。今回試した「MB-P9310X-WS」というマシンは、4コア8スレッドのIntel Corei7-4700MQという高速CPUもさることながら、32GBメインメモリ構成に加え、300GBのSSDを搭載した、大容量高速環境。
普段デスクトップで使っているソフトウェアを動かすポテンシャルがあり、これならば撮影現場に持って行き、現場でCGに要求される確認作業に活用することで効率を高められるのではと思えた。また、グラフィックスとして主要なDCCツールとの相性が良い"Quadroを搭載している"ということも今回安心して検証を引き受けた理由のひとつだ。あわただしいプロジェクト準備において、導入前検証に時間を掛けなくても良いことは存外に大きい。
VFXとしては撮影された現場を再現することが多く求められるが、現場で採寸して3DCGソフトですぐに確認することがどれくらいできるかを試すべく、環境としては一覧に記したようなDCCソフトウェアを一式インストールした。
結論としては、当然全てのソフトが検証の必要もほぼなく問題なく使えた。詳細はトピックにまとめてあるのでそちらを参照してほしい。
システムをサポートする立場として特に好印象を受けたのは、SSDとしてデータセンターでも用いられる高品質・高性能タイプのIntel DC S3500(300GB)を採用しているため、DCCツールの起動のみならずインストール、アンインストールも非常に高速に行えた点だ。比較の為にデスクトップのPCにMayaをインストールしたり、アンインストールしてみると圧倒的な差が出た。この高速感はじわりと感じる便利さでもあった。

基本性能は折り紙つき!

それ以外のところでは、システム部として基本性能も合わせてチェックした。例えばネットワーク速度。1Gbpsの有線LANにてファイルサーバ→本機にデータコピーしたところ、900Mbpsオーバーでコピーできた。ファイルサーバはファイルサーバはWindows Storage Server 2012でその間にスイッチを2台経由しているが、このスピードが出る。64bit版のWindows 7 UltimateかWindows 8、Windows Server 2012で採用されているSMB3.0対応が、搭載されているIntel SSDのパワーを存分に引き出してくれている。
制作においては、テスト素材やテスト3Dデータのやり取りが頻繁に行われる。特にCGの場合は映像ファイルと異なり、修正されたデータを何度もやり取りする可能性が高いため、データ移動の速さは何よりも手助けになる。
ただ使ってみると、本機の3kgを超える本体重量は持ち歩きにはズッシリくるものがある。それでいてGPUをフルに使った作業をこなすため、撮影現場においてもバッテリー駆動だけでは運用に限界も。また、モニターに関しても色域が広い状態で固定されており変更できない点が気になった。広色域のモニターで作業する場合、目的に合わせたエミュレーションや、LUT(ルックアップテーブル)を使ったり、マスターになるモニターと合わせるコントロールがないと、作業が煩雑になってしまうからだ。
しかし、本機が誇る本性能の高さは映像業務において何よりも得難い。本機だけでなく全てのモバイルPCに言えることではあるので、CGワークフローのモバイル革新は、高負荷時にも長時間業務がこなせるモバイルが出て完結するのかもしれない

POINT
「安心して現場に送り出せる」プロ仕様の信頼性をもつ、ハイスペックモバイル

1.PhotoScanデータのリトポ、撮影現場の空間の再現を現場で対応可能

メモリを多く搭載しているので、写真撮影したデータを一度スタジオに送りPhotoScanしてもらい、本機で受け取って3D-Coatによるリトポまでを行ってもらった。32GBという大容量メモリ構成もありストレスなく行うことができた。そしてVFX用の撮影でのテストでは、PFTrackやNUKEXを用いて動画をトラッキングし、ポイントクラウドを使ってスキャン的に活用。最終的な結果を出すには時間もあり現場だけでは難しいが、 CPUはIntel Core i7-4700MQ、メモリは32GB、SSDはIntel DC S3500といったバランスの良さから、非常に高速に動いたためかなり撮影の助けになったと報告を受けた。

それぞれNUKEX(左)、PFTrack(右)の作業画面(The FoundryとThe Pixel Farmより引用)。4コア8スレッドの高速CPUの持つ強力なスピードとマルチタスク性能が3DCG 制作におけるオペレーションの鍵を握る。

2.ミッションクリティカルなプロの撮影現場で、信頼がおける「Quadro」

「当てにしてモバイル環境を持って行き、動かなかった」というのは最も避けたい事態。特に撮影の現場は、ヒト、モノ、カネ、あらゆる点において条件も時間も限られる。そうした場所で実際に使うとなると、安心して動作してくれるということが何にも増して重要になる。特にMayaなどは最近でこそ一部のGeForceが検証済みリストに入っているものの、モバイル系はQuadroがほとんどだ。通常は導入前に検証に時間も掛けるが、それをしなくて済むだけでもありがたい。


(左)Maya、Mudbox 等はインストールすれば、設定がデフォルトで完了している。NUKEについては、手動でプログラムを選択し、モードが変わるかを確認。問題ない/(右)GPU動作時にはライトが点灯するため、動作状況が把握しやすい

TOPIC
1.今回インストールし、試してみたプロ向けDCCソフト一覧

Autodesk:Extension for Maya 2014 Service Pack Autodesk 1
Autodesk:Extension for Mudbox 2014
3D-Coat:3D-Coat v4
VICON:boujou 5
The Pixel Farm:PFTrack 2013.1
Adobe:Creative Cloud (CS6)
ESET:NOD32 Endpoint
The Foundry:NUKEX 8.0 v3
New House Internet Services B.V.:PTGui 9.1.9

2.これは速い! ギガクラスのネットワーク転送速度

ピーク時には945Mbpsを記録。6GBのデータが1分くらいで送れる計算だ

総括:Intel Core i7-4700MQ搭載モバイルは、現場環境を一歩、前へ進めるきっかけになる

LTEが一般的になり、離れた場所や回線の通っていない場所でもかなりの速度でデータを受け渡しできるようになった今、撮影現場へのモバイル持ち込みの可能性が広がったなと感じている。その中で、CPU、GPU、メモリ、SSDの全てで高い基本性能を誇り、バランスのよい本機は、実際に使ってみてもとても白組的な使い方にマッチするものと思えた。重さはあるものの、画面もやはり15.6インチワイド、1,920×1,080表示の本機くらいのものは必要である。今回のテストは、現場環境を一歩前へ踏み出させるきっかけになったと言えるだろう。

MB-P9310X-WS

製品情報

マウスコンピューター
Intel Core i7-4700MQ搭載
モバイルワークステーション
MB-P9310X-WS

今回の検証マシンスペック

CPU:Intel Core i7-4700MQ、RAM:PC3-12800 32GB、SSD:Intel DC S3500 300GB、VGA:NVIDIA Quadro K3100M/4GB、ODD:BD-R XLドライブ、TFT:15.6型ノングレア液晶パネル ※NTSC95%色域仕様、OS:Windows 8.1 Pro 64ビット
参考価格:258,800円(税別・送料別途)
問:(株)マウスコンピューター
TEL(法人): 03-6739-3808(平日:9~18時、土日祝:10 ~20時)
TEL(個人): 03-6833-1010(10~20時 ※年末年始を除き無休)

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