[PR]
今年、満を持して日本初上陸をはたしたBOXX Technologiesのハイエンドワークステーション。この秋にHaswell世代の最新インテルCore i7を搭載したAPEXX 4 7201がラインナップに加わったので、さっそく検証してみた。
HD感覚で4Kフッテージが扱える
これはかなりの衝撃だ!
筆者はこれまでも4K以上の素材を扱ってきたが、HD完パケが主であるため、4Kフル解像度での仕上げは環境整備を待っていた。今回はBOXX Technologies(以下、BOXX)の最新ワークステーションAPEXX 4 7201が国内発売されたのを受けて、そのパフォーマンスを試させてもらった。APEXX 47201は、扱いやすいケースサイズにGPUが4枚挿し(!)できる。電源がそれに耐えると公言されていること、さらに水冷仕様ということで、電源、熱問題にナーバスになる必要がない。今回の評価機は、FirePro W8100が1枚という構成なので一般的なワークステーション程度だろうな、と高をくくっていたが、素材をDot by Dotで再生するときや、拡大して細部のチェックをするなどの編集業務における通常オペレーションで、ちらつくことなくスムーズに操作できることに驚いた。ついつい4K映像を扱っていることを忘れそうになってしまう。
もうひとつ気になっていたのが、FireProが得意とする多画面表示。デュアルスクリーンは作業効率を格段に上げてくれる。それなくして筆者の重なりがちで多様な仕事を捌くことはできないのだが、何せ相手は4Kディスプレイである。「いやぁ、無理でしょう」と、思っていた環境も、前述のような強力描画性能のおかげで、片側にフルスクリーンの4Kプレビュー、片側に編集タイムラインとコントロールツール群を表示しても余裕だった。快感も2倍増しになったのは言うまでもない。ここまでの印象は触り始めて小一時間の間のことである。それでここまでワクワクさせてくれる「APEXX 4 7201」は、ヘタなワークステーションを軽く周回遅れにさせてしまう高いポテンシャルを秘めているのだ。
検証1
『Adobe Premiere
Pro CC 2014』
近年Premiere Proの機能向上が目覚ましい。その中核を成すのが「Mercury Playback Engine」だろう。再生する際に素材のデコード処理をグラフィックスボードに分散する、というものだが、今回は、EPICで撮影した素材を並べたタイムラインを、片面にフル解像度でプレビュー表示、もう片面に編集画面という状態で再生した。瞬間に再生開始、ストップもズレることなく止まる。相手は4K素材である。このレスポンスには驚いた。
Dot by Dotで4K素材をネイティブで見てみると、改めてその解像度に驚く。それがリアルタイムに再生するのは快感だ
これまでは解像度を下げてもひと間ふた間くらいあってからの再生で、エフェクト部分は、オフラインファイルを作成して編集後にネイティブ素材に乗せ換えていたが、これだけのパワーがあればネイティブ素材で編集から完パケまでが余裕で行えるはずだ。またGPUを使ってのレンダリング処理について、映像素材をCineformコーデックに変換する計測をしてみた。結果は、筆者の常用マシンとの比較で、2倍以上の高速化が確認できた。
カラコレ、テロップにリアルタイム処理を求める状況は多いが、さらにSapphireやTrapcodeなどの光系エフェクトもリアルタイム処理できるのは驚嘆に値する
評価機と筆者実機の構成比較 | |||||||||
検証 2
『DaVinci Resolve 11』
もともとDaVinciは、GPUパワーを効率的に使えるように設計されているため、FirePro W8100のパフォーマンスに期待したいところだ。今回は4Kデジタルフィルムカメラ「Blackmagic URSA」のCinema DNG Rawファイルを取り込んでみた。出しはSSDをUSB3.0で繋いだだけという乱暴なもの。「がんばれー、APEXXーっ」と、再生してみると、スルスルーっと再生されていく。再生、停止のレスポンスもSDサイズですか? と疑いたくなるほどスムーズ。4Kかつフル解像度の設定なのにだ。これはとんでもない体験だった。
基本構成のノードを接続して再生したが、これまた快適な再生だった。待たされないことは、クリエイティブワークにとってとても重要なこと
試しに通常レベルのプライマリとセカンダリを追加してのリアルタイム性能を試してみても、問題なく再生した。カラコレコントロールへの追従性は申し分なく、動かした分が即座に反映されていく。実に軽快だ。APEXX 4環境なら、監督やクライアント立ち会いの下、リアルタイムセッションも可能だろう。
参考までに、評価機と筆者の手持ちPCとのベンチマーク測定値も併せて載せておく
総括
トライアンドエラーは、作品のクオリティ向上にも自身のノウハウ作成にも必要な時間だが、忙しくなるにつけ、これまでの経験則の中だけで処理することが増えていく。APEXX 4 7201は、その大事な時間を圧倒的に増やしてくれる。あれやこれやと閃いたことを試してみて、その結果をすぐに確認できることはかなりのアドバンテージだ。一連の検証では、ファンがうなりを上げることが一度もなかった。次はマシンががんばっている感を出しているところを見てみたい。筆者は、今回の構成のテストマシンを向こう数年間の編集、合成、カラーグレーディングと多岐にわたる作業のベースマシンとして共にしてみたいと思う。まさに『ストレスフリーは創造力を加速する』のである。
TEXT_林 和哉
PHOTO_弘田 充
APEXX 4 7201
CPU:Intel Core i7 5960X
(8コア/16スレッド)3.0GHz
※CPU水冷ユニット
RAM:64GB(DDR4)
ストレージ:SSD(240GB)
※RAIDなし
GPU:AMD FirePro W8100
OS:Windows 8.1
Professional 64bit
筐体サイズ:APEXX 4 7201
(W174mm×H457mm×D513mm)
価格:677,916円(ベーシックモデル)
※本構成はBTOでのご提供となります。
GPU:AMD FirePro W8100を選択ください。
問:トーワ電機(株)
TEL:03-3868-3900(平日9:00~17:00)
※サポート、技術的な問い合わせは
公式サイト(下記)のフォームより
boxxtech.jp