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Aiming『Project Caravan』広大なフィールド&数多のキャラクターを、手描きイラスト風の3Dで表現

Aiming『Project Caravan』広大なフィールド&数多のキャラクターを、手描きイラスト風の3Dで表現

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2016年8月、Aimingは同社が鋭意開発中のMMORPG『Project Caravan』(以降、『Caravan』)のPVを公開した。YouTubeにアップされた本PVは、11月時点で2万4千回以上再生されており、国内外のゲームファンの期待を集めている。9月に開催した 「Caravanスタッフ採用セミナー」には、当初の参加枠を上回る数のゲーム開発者や3Dアーティストが参加した。PVとセミナーがきっかけとなって入社にいたり、現在は本作の開発に参加しているスタッフもいるという。まだ未完成のゲームにも関わらず、多くのファンと業界関係者の注目を集められたことは大きな励みになっていると高屋敷 哲氏(プロデューサー)は語る。

「本作の開発は、椎葉(忠志氏/同社CEO )の『グラフィックスにこだわったプロジェクトを立ち上げてほしい』という要望からはじまりました。そのため、開発当初からグラフィックスのクオリティには最優先でこだわっています」(高屋敷氏)。本作の広大なフィールドと数多のキャラクターは、手描きイラスト風の美しい3Dで表現されており、その制作にはAutodeskのハイエンド3DツールであるMayaが使用されている。本記事では、高屋敷氏と久保貴美氏(アートディレクター/マネージャー)への取材を通して、最新の3Dスマートフォンゲームの開発事情をお伝えする。

▲左から高屋敷 哲氏(プロデューサー)、 久保貴美氏(アートディレクター/マネージャー)

PCモニタでも見劣りしない、ハイクオリティなフィールドを量産

▲2016年8月開催のAimingFES2016にて初公開された、『Project Caravan』のPV

本作は、スマートフォンとPCの双方から同一のサーバにアクセスできる、クロスプラットフォームのMMORPGとして開発されている。必然的に、スマートフォンでも軽快に動作するデータ管理と、PCの大きなモニタで見ても見劣りしない高品質なグラフィックス制作の両立が求められる。「スマートフォンゲームのクオリティは、日々進化しています。グラフィックスの面でも、ゲーム性の面でも、我々はその進化についていく必要があります。加えて、スマートフォンという単一のプラットフォームに安住することなく、他のプラットフォームへ進出したいという思いもありました」(高屋敷氏)。自ら高いハードルを設定することで、ゲームの価値はもちろん、自分たちの開発力が高まることもねらっての決断だったという。

本作の開発チームが発足したのは2015年11月で、当初の3ヶ月間は、高屋敷氏、久保氏をはじめ、Aiming東京本社に所属する10名未満のスタッフのみで試作が重ねられた。主なチームメンバーは企画1名(高屋敷氏)、アートディレクション1名(久保氏)、背景制作リーダー1名、キャラクター制作リーダー1名、エフェクト制作リーダー1名、プログラムリーダー2名(サーバサイドとクライアントサイド1名ずつ)などで、全員が『幻塔戦記グリフォン』(以降、『グリフォン』)の開発メンバーだった。『グリフォン』は、2013年6月にサービス開始した横スクロールのファンタジーアクションRPGで、Aimingを代表する人気作の1つだ。なお、本作のグラフィックスも3Dでつくられている。

「開発スピードを出したいなら、チームは少人数の方が良いですね。最初の試作では、『グリフォン』のアセットやプログラムデータをごっそりテストサーバにコピーして、どんどん見映えやシステムを変えていきました。『グリフォン』という土台の上に、新しいグラフィックス、ゲーム性、システムを積み重ね、世界観や仕様を固めていったのです」(高屋敷氏)。『グリフォン』の名残はつくり込みが本格化した現在も若干残っており、『Caravan』には『グリフォン』に登場したモンスターも登場する予定だ。「モデルのポリゴンデータはそのままですが、シェーダを変えることで『Caravan』の世界観に馴染ませています。リグやモーションも『Caravan』のシステムに合わせてつくり直しました」(久保氏)。3Dの場合、ポリゴンデータは同じでも、シェーダの設定を変更すれば、フォトリアル、セルルック、手描きイラスト風など、見映えを様々に変更できる。グラフィックスの方向性、データのつくり方などをあらかじめ決めておけば、大人数でデータを量産してもクオリティをコントロールしやすい点もメリットだという。

「開発当初から、『Caravan』では広大でリッチなフィールドを実現したいと考えていました。昨今のスマートフォンゲームは、フィールドも移動も簡略化・記号化されていて、空間性の感じられないものが多い。昔ながらのMMORPGで広いフィールドを探索してきた私のような世代と、若い世代とでは、ゲームの楽しみ方が随分ちがうなと感じています」(高屋敷氏)。フィールドを歩き、景色を眺め、ゲーム世界に没入する楽しさを全世代のプレイヤーに体験してもらうため、本作の開発ではハイクオリティなフィールドを量産できる体制を目指しているという。「PCでじっくりやり込みたいプレイヤーが堪能できるグラフィックスやクエストをふんだんに用意する一方で、スマートフォンでカジュアルに楽しめるオート移動、オートバトルの機能も搭載します。今はシステム設計の最終段階で、近日中に本格的な量産に入れる見通しです」(高屋敷氏)。




▲『Caravan』のために描かれたコンセプトアートの数々。都市、村、山林、神殿など、様々なフィールドがデザインされている。これらのアートの多くは、Aiming 台湾スタジオのアーティストが手がけている。「世界観のコア部分は東京チームが決定し、台湾チームにイメージを膨らませてもらっています。日本のカルチャーに憧れて育った若い世代が中心なので、我々に近いセンスをもっているうえ、パワーがあります」(高屋敷氏)

▲開発中の峡谷フィールド。広々とした空間と奥行き、豊かな色彩に驚くが、シェーダやノーマルマップを効果的に活用しているため表示負荷は高くないという。「フィールドを表示してキャラクターを歩かせるだけなら、それほど高いスペックは必要ありません」(高屋敷氏)。先に紹介したコンセプトアートを見れば一目瞭然のように、予定しているフィールドは種類が多く広大なため、クオリティを維持しつつ量産することが最大の課題だという


▲【上段左】開発中の森林フィールド/【上段右】木々に近寄っても一定レベルのディテールが表現されているため、没入感が損なわれない/【下段左】開発中の平原フィールド/【下段右】岩肌の細かい凹凸、細かく生え茂った草などが世界観を補強している



▲『Caravan』の世界には時間の流れがあり、同じ場所でも時間帯によって風景が変化する。【上段】は日中、【下段左】は夕方、【下段右】は夜の風景だ。時間帯が変われば、出現するモンスターも変化するという

▲フィールド内には水が流れているエリアもある。岸にぶつかった水の気泡、風に揺れる草木など、細かなディテールもなるべく表現したいという。「プラットフォームのスペックに応じて、キャラクターやフィールドのダイナミクス計算をオフにするなど、プレイヤーが快適に遊べる設計にする予定です」(高屋敷氏)


▲Aimingにはドット画の時代から広大なフィールドを表現してきた開発者が多数所属しており、その経験は『Caravan』のフィールド表現にも活かされている。「ドット画時代のマップチップ(小さな画像サイズのチップと呼ばれる部品をパズルのように組み合わせ、広大なマップを表現する手法)をアレンジして、フィールドを生成しています」(久保氏)。段差のあるマップチップ【上段左/下段左】と、そのワイヤフレーム【上段右/下段右】。マップチップ1枚あたりの広さは20×20m程度。これらはMayaで制作されている

▲Mayaで制作した多彩なマップチップをUnityにインポートし、それらを組み合わせてフィールドを表現している。同一メッシュのマップチップは1つのインスタンスで制御されており、インスタンスを変更すれば、その変更が全部のマップチップに適用される。マップチップを機械的に並べると陸地の輪郭線が直線になってしまうため、配置方法を工夫し、有機的で自然なカーブの輪郭線を表現している

Profileプロフィール

Aiming

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久保貴美氏(アートディレクター/マネージャー)、高屋敷 哲氏(プロデューサー)

株式会社Aiming

株式会社Aiming

http://aiming-inc.com/ja

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