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昨今注目を集めるビジュアライゼーションやバーチャルプロダクションの制作において、ノートPCはどこまで活用できるのか。その分野の担い手であり技術開発にも参画するモデリングブロスが、クリエイター向けのASUS製モバイルワークステーションを検証。高負荷にも対応するスペックと、利便性を高める機能に迫った。

TEXT_近藤寿成(スプール)
PHOTO_弘田 充

まず重視するのは「メニーコアCPU」
ゲームエンジンのためのGPU も高性能に

VFXのモデリングから製造業界向けビジュアライゼーションモデルの制作まで、多彩なコンテンツやアセットの制作を担うモデリングブロス。現在は系列会社スタジオブロスと共に行っている ソニーPCLとの協業の中で、バーチャルプロダクションなどの映像ソリューション開発も手掛けている。

今回はモデリングブロスの代表で、以前はハリウッドでCGアーティストとして活躍していた今泉隼介氏に、同社の業務内容を踏まえて、ASUSモバイルワークステーション 「ProArt StudioBook」の実力や使い勝手を検証してもらった。


  • 今泉隼介 氏


    モデリングブロス 代表

モデリングブロスの業務において、「VFX用の背景アセット制作やハードサーフェスモデリング」「ゲームエンジンを活用したビジュアライゼーション」「バーチャルプロダクション」の3つが、大きな柱として挙げられる。ビジュアライゼーションでは、例えば自動車メーカーのデザイン検討に利用するビジュアライゼーションを、メーカーから提供されるCADデータを活用してゲームエンジンで実現する。これにより、車のタイヤやボディカラー、あるいは背景などをコンフィグレーターで変更し、その様子を360度好きな角度からチェックできるようになる。一方バーチャルプロダクションは、大型LEDディスプレイに背景映像を映し出し、その前に立つ人物や物体などを一緒に撮影する手法である。カメラの動きに連動して背景のパースを動かす必要があることから、背景映像をリアルタイムにレンダリングする技術が求められる。モデリングブロスでは、その背景コンテンツや連動技術の開発を担っているかたちだ。

▲自動車業界ではとくにハイクオリティが求められる傾向にあり、カーコンフィグレーターなどではレイトレーシングに対応した表現が当たり前になりつつある。当然、負荷の高いコンテンツになりやすいわけだが、高スペックモデルのProArt StudioBookなら「リアルタイム表示での作業にも対応できるレベルにある」(今泉氏)

今泉氏によれば、ゲームエンジンを使用したリアルタイムのビジュアライゼーションは、高いクオリティを求められるフェーズに入っているとのこと。レイトレーシング対応が当たり前になりつつあり、PCへの負荷は「非常に高くなっている」そうだ。また、社内では「イテレーションの回数をいかに増やすかに重点を置いている」(今泉氏)ことから、より早く結果が見られるようなPC環境を目指しているという。 そのため、モデリングブロスではPCパーツ全体でスペックの高さを求めているが、その中でもまず重視するのが「メニーコアのCPU」である。DCCやCAD、ゲームエンジンなどのアプリケーションが昨年からメニーコアに対応し始めたことから、作業時の負荷低減と効率向上を目的にメニーコアCPUへの入れ替えを進めているそうだ。その意味で今泉氏は、今回のモデルが「インテル® Xeon® プロセッサー」を搭載する点に期待を寄せる。また、ビジュアライゼーションで利用するゲームエンジンはGPUパワーが求められることから、GPUも優先度は高い。実際、今泉氏が利用するデスクトップは一般向けの一世代前のミドルハイエンドのCPUとGPUを採用している。

▲ボディや内装などのカラーリングが、ユーザーにもメーカーにも直接に関わってくるというのは自動車業界ならでは。当然、細かい調整が求められる部分となるが、ProArt StudioBookが搭載するディスプレイには「違和感がない」と今泉氏。キャリブレーションは何気に手間のかかる作業となるだけに、最初から調整されている点はうれしいポイントだ

これらの背景を踏まえ、今回は今泉氏が高い負荷のかかるテストを実施すると共に、全体的な使い勝手をチェック。ASUSモバイルワークステーション「ProArt StudioBook」がもつ実力を検証した。

検証ハードウェアについて

今回は、ASUS製のクリエイター向けモバイルワークステーションをピックアップ。広色域に対応した17型液晶ディスプレイを搭載する「ProArt StudioBook Pro X W730G5T」と「ProArt StudioBook Pro 17 W700G3T」の2モデルで、ビジュアライゼーション時の性能を検証した。

ProArt StudioBook Pro Xはワークステーション向けの6コアCPU「インテル® Xeon® E-2276M プロセッサー」と業務用GPU「NVIDIA Quadro RTX 5000」を、ProArt StudioBook Pro 17は6コアCPU「インテル® Core™ i7-9750H プロセッサー」と業務用GPU「NVIDIA Quadro RTX 3000 Max-Q」を搭載。どちらも、ハイスペックとコンパクトサイズを高いレベルで両立するモデルとなる。

さらに、両モデルの液晶ディスプレイはASUS ProArt Calibration技術を搭載し、sRGB 129%、Adobe RGB 97%、DCI-P3 97%に対応すると共にDelta-Eは1.5未満を実現するほか、PANTONE認証も取得する。

ProArt StudioBook Pro X W730G5T
¥649,000(税込)

  • OS
  • Windows 10 Pro for Workstations 64ビット
  • CPU
  • インテル® Xeon® E-2276M プロセッサー(6コア / 12スレッド / 2.8GHz /インテル® ターボ・ブースト・テクノロジー2.0利用時は最大4.7GHz /キャッシュ12MB)
  • GPU
  • NVIDIA® Quadro RTX™ 5000
  • メモリ
  • 64GB DDR4-2666 ECC対応
  • ストレージ
  • 1TB M.2 NVMe PCIe 3.0 Performance SSD
  • ディスプレイ
  • 17.0型WUXGA(1920×1200)16:10、DCI-P3:97%

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ProArt StudioBook Pro 17 W700G3T
¥252,780(税込)

  • OS
  • Windows 10 Pro 64ビット
  • CPU
  • インテル® Core™ i7-9750H プロセッサー(6コア / 12スレッド / 2.6GHz /インテル® ターボ・ブースト・テクノロジー2.0利用時は最大4.5GHz /キャッシュ12MB)
  • GPU
  • NVIDIA® Quadro RTX™ 3000 Max-Q
  • メモリ
  • 32GB DDR4-2666
  • ストレージ
  • 1TB (PCI Express 3.0 x4接続)
  • ディスプレイ
  • 17.0型WUXGA(1920×1200)16:10、DCI-P3:97%

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ビジュアライゼーション向けデータの UE4フレームレート計測結果は?

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検証01:ビジュアライゼーションのフレームレート計測

検証では、ゲームエンジン「Unreal Engine」によるカービジュアライゼーションのデモ素材を使用し、Screen Percentage 200(内部で大きな解像度を生成して縮める事でチラつきなどを抑える機能)のフルHD表示で出力した際のフレームレートを計測した。今泉氏によれば、このデモ素材は本来、DLSSを使用した「GeForce RTX 3080」搭載のデスクトップPCでの出力を想定。そのPCでも40~45fpsという、非常に大きな負荷のかかる素材となる。

検証結果では、ProArt StudioBook Pro Xが15fps前後、ProArt StudioBook Pro 17が7fps前後で出力できた。ProArt StudioBook Pro Xの数値は「GeForce RTX 2080 Ti搭載のデスクトップPCとほぼ同等」(今泉氏)であることから、今泉氏は「リアルタイムCGの制作にも十分活用できる」と太鼓判を押す。またProArtStudioBook Pro 17についても、「DCCツールを使ったアセット制作やテクスチャーの修正などであれば、問題なく作業できるはず」と評価した。



▲あくまで参考値になるが、カーコンフィギュレーターに使用した車のデータは、CADから変換したもので、ポリゴン数は1700万程度。

検証 02:インターフェースなどの特徴と評価

今回の2モデルは、スペック以外にも魅力的な特徴をもつ。ProArt StudioBook Pro Xは、タッチパッドと5.65型液晶を融合した「ScreenPad™ 2.0」を搭載。Webブラウザやモデリングソフトのツールウィンドウを表示するなど、サブディスプレイとして幅広い活用が可能だ。今泉氏も「使い方次第で作業効率が上がる」と興味を示す。ProArt StudioBook Pro 17は、テンキー機能を備えたタッチパッド「NumberPad」を搭載。ワンタッチで素早く表示切替できることから、「社長業での事務作業に威力を発揮する」(今泉氏)。また、ディスプレイが180度まで開くというのもポイントの1つ。複数の同僚やプレゼン相手に画面を見せたいときなどに重宝する。

▲ScreenPad™ 2.0

▲NumberPad

▲180度開いた状態

今回の検証サンプルは日本語キーボードとなっておりますが発売する製品は英語キーボードとなります。」

30日間返品保証キャンペーン

なお、オフィシャルオンラインストアASUS Storeでは、 「ProArt StudioBook Pro X W730G5T」と「ProArt StudioBook Pro 17 W700G3T」の2モデルの購入者を対象に「ASUS Store限定30日間返品保証キャンペーン」が適用される。安心して製品をご購入いただく為のキャンペーンだ。購入から30日後も、継続する場合には、ASUSのあんしん保証プレミアム3年版(保証期間が1年から3年に延長)のアクティベーションコードもプレゼントされる。詳細は下記URLよりチェックしてもらいたい。

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バーチャルプロダクションの撮影現場作業にも

検証結果から、今泉氏はProArt StudioBook Pro Xのパフォーマンスの高さを認識。バーチャルプロダクションでは今後、撮影現場でのライティングやカメラの調整作業が起きると想定されるため、「そういったケースでの利用にも期待ができる」と分析する。ProArt StudioBook Pro 17についても、「この価格でQuadroを使用できるのはとてもリーズナブル」とコスパの高さに言及した。

また、昨今の状況から「リモートワークでの活用」にも目を向ける。一般的なノートPCではスペックが足りないケースも多いが、今回の2モデルは「オフィスでも自宅でも、同じPCでシームレスに作業できるレベルにある」と評価。ディスプレイの色再現度がプロ基準にかなっている点も含め、今泉氏は今後の業務利用において「様々な可能性がある」と語った。

まとめ

01:ProArt StudioBook Pro XはリアルタイムCG制作にも対応可能

02:ProArt StudioBook Pro 17はアセット制作に十分活用できる

03:広色域対応のディスプレイや独自のタッチパッドも魅力的