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独自のスタイルをとるYAMATOWORKSの制作環境

アニメーション作品のCGIを数多く手がける制作集団、YAMATOWORKS。外部としてCGパートを請け負うのみに留まらないスタイルをとる彼らは、作品現場に深く入り込み、雰囲気や制作過程の波の中に身を置いて、自分たちで演出や動きを提案しアニメーションをつくっていく。そのスタイルは、『牙狼(GARO) -炎の刻印-』においても発揮されている。

「普通は原画があって、指示があって、その通りにCGは動かしていくものだけど、ぼくらはそういうのもなく、アニメーターが現場の波に合わせてアドリブでつけていく。カット的にCGでは無理だろうという画づらなら、形から変えてしまったりもする。だから逆にCGで上手く盛り上げておいて、とかって振られたりもします。今作だったら、甲冑の顔は動かない設定だったけど、勢いで動かしちゃいましたしね(笑)」(YAMATOWORKS 金本 真氏)。それがそのまま通るのも、作中の雰囲気を現場で肌でくみ取っての提案であり、またそのクオリティが圧倒的に優れているからこそだ。

『牙狼(GARO)-炎の刻印-』
テレビ東京系6局のほかスターチャンネル(BS10ch)[無料放送]、ファミリー劇場にて今春まで放送された
https://garo-project.jp/ANIME/
©2014「炎の刻印」雨宮慶太/東北新社

そんなYAMATOWORKSでは、CG制作の環境もまた独自のスタンスで構築している。メインツールはLightWave 3Dとし、そこからあくまで"素材"として、ライン、陰影、反射、影、ジオメトリ、カラー等のレイヤーをそれぞれに出力。ファイナルの画づくりはAfter Effectsで完成させる。プラグイン等はいっさい使わないため、レンダリング負荷は重くならない。

オペレーションの軽さやトライ&エラーのしやすさを重視したワークフローであり、LightWave 3Dを選ぶ理由もそこにある。「なのでYAMATOWORKSさんから相談があったときも、そのあたりを意識したマシン構成を提案して、まずは検証機として使ってみてもらったんです」と語るのは、サイコムの山田正太郎氏だ。


利用前提とワークフローを意識した柔軟なマシン構成の提案

CG制作用途ではあるけれども、表示負荷、レンダリング負荷共にフォトリアル系よりは圧倒的に軽く、何よりレスポンスを重要視する。そして当然のことながら、耐久性にも優れていること。こうした要望を聞いて、1台1台をパーツ単位で細かくカスタマイズして提案できるのがサイコム流。豊富なオプションを用意するBTOならではの提案を、プロ向けであっても利用想定に合わせて行なっていけるのが最大の強みだ。

「使い方によって、CPUなのかグラフィックスボードなのか、どこの性能を上げるか、そのコストパフォーマンスはどうか、静音性は必要か、耐久性にどこまで投資するか......etc。それぞれの現場で求められる仕様はちがいますからね」(山田氏)。そうした対話から最適解と言えそうなパーツ構成を選び出し、まずは使ってもらう。



「プロ向けだったら使ってもらわないとわからないから」というサイコムでは、BtoBでのマシン導入においてはまずは組んでみて検証、というスタンスも比較的柔軟に採るのだという。「削れるところは削るという相談にも乗ってもらいながら、コストパフォーマンスに優れた構成を作っていけたのは大きいですね。それにやはり安定性。今回、制作中に止まってワークフローが乱れるなどのトラブルはほぼなかったので」(金本氏、同社 澤田覚史氏)。

そもそも制作フローにおいては、"マシンが止まらない"ということは最大のポイントと言ってもいい。YAMATOWORKSのCG用途は比較的軽いとはいえ、何カ月も起ち上げっぱなしであったり、CPUフル稼働になる時間が多いなど、CG制作現場のマシン利用は十分に重稼働だ。山田氏は、「エアフローを十分とって防塵フィルタを組み込み、ファンパーツの数や性能にも配慮した筐体になっているので、そのあたりはサイコムとしても成果が出てよかったですね」と振り返る。



もちろん60~70万円以上にもなる本格ワークステーションなら当然そのあたりの安定性も高い。しかし、用途的にそこまでのものを必要としないとうニーズは、制作現場でも多いことは確かだ。とはいえコストパフォーマンスを追い求めるあまり価格性能比のみで構成を選ぶと、筐体とのバランスで安定度の低いマシンになる可能性もある。「サポートも手厚く、相談ができて、その中間を埋める良い選択肢になった。何より止まらなかった!」というのが、YAMATOWORKSからの"Sycomブランド"への評価であり、最大限の賛辞と呼べるものだ。


ニーズに合わせて応える!検証機の提供&共同開発

これまで見てきたように、サイコムでは個々のパーツまでこだわり、クライアントの利用状況にあったマシンを提供している。 ここから先は、YAMATOWORKSの要望に対して実際に同社がどういった提案をしたのか、具体例を紹介しよう。

~YAMATOWORKSのニーズ 01~
LightWave 3Dに最適、かつコストパフォーマンスに優れた、止まらないマシンが欲しい!

それなら・・・
レンダリングのCPU負荷がそれほど高くならないのなら、6コア以上を選ばなくてもよい。CGソフトの特性からクロック数重視で。メモリはオペレーションの快適さに直結するため最大限に積み込みたい、コストパフォーマンス的にもDDR4メモリを避けるためマザーボードはZ97系に決定。グラフィックスボードも高負荷というよりは中程度の負荷が想定されるため、QuadroでもミドルレンジのK2200で対応できそう。あとは静音性が求められない&水冷仕様は必要ないということなので、とりあえず空冷モデルとして組んで検証! 本機の構成については、ページ右上の「Lepton WS2450Z97-A[評価機]」を参照してほしい。

ポイント!
①CPUとグラフィックスボードをほどよいバランスで!
②メモリは最大限に!
③基本仕様からはずれても柔軟にカスタマイズ!



~YAMATOWORKSのニーズ 02~
オペレーション中に裏で軽めに回しておくのにちょうどよいレンダリングマシンが欲しい!

それなら・・・
要望を聞く限り、バックグラウンドでは最速のレンダリングを求めていないので、ほどほど(Intel Core i5程度)のCPU性能でひとまず検証。ただし、メモリはレンダリング時間にも影響するため最大限(32GB)に積む。作業中に処理をかけておくだけのマシンなので、画面表示等は最低限でよい。グラフィックスボード以下、不要なパーツ類はすべて外し、コストパフォーマンスを優先。また、場所をとらないように省スペース化した筐体を用意する。

ポイント!
①メモリは最大限に!
②必要機能を絞り込んだ構成!
③安定性を保ちつつ、極力場所をとらない筐体!

※こちらの構成は、販売は未確定であり検証中


総括

サイコムと言えば、静音化等のコンセプチュアルなPCや高性能ゲーミングPC等を扱い、短納期とサポート体制の手厚さにより、コンシューマーで評価を得ているPCブランドだ。PCパーツ単体でも広く取り扱いを行なっているという特長を併せもっているため、BTOの幅広さにも定評がある。プロユース製品の取り扱いについては始まって1年程度とまだ間もないが、そうした背景から着実にユーザーを増やしつつあり、本作品の事例を見ても、ブランドのバックグラウンドは確かに引き継がれている。


メインとなる作業マシンだけでなく、「裏で回すレンダリング用マシンがあるといいのだが」という要望を聞くと、ラインナップになくともコストパフォーマンスに優れた小型PCを開発。共同開発として製品化も目指すなど、ユーザーの声に耳を傾けニーズを探す姿勢も興味深い。"安かろう悪かろう"でも"高いんだから高性能"でもない、そのちょうどよいバランスと安心感が、サイコムの魅力に感じられる。

文・構成_高木貞武
PHOTO_弘田 充


問:株式会社サイコム
TEL:048-994-6070 / FAX:048-994-6079
URL:http://www.sycom.co.jp/custom/model?no=000242