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エントリー向け構成(※)であれば
300万円以下で導入可能に

(※)ハードウェアにXsens MVN Awinda、ソフトウェアにMVN Studioを選択した場合

MVNの前身であるMovenの発売が開始されたのは2007年。専用カメラやスタジオを必要としない、慣性センサーを搭載したフルボディスーツによるモーションキャプチャシステムは大きな注目を集めた。発売から現在にいたるまで、たゆまぬ進化を続けるMVNは、世界各国でユーザを増やし、VFX・ゲーム・アニメ・ライブイベントなどの多彩な分野で活用されてきた。そして今秋、ハードウェアとソフトウェアの両方を一新するメジャーアップグレードが発表された。「プロフェッショナルのモーションキャプチャに再び革命をもたらす」と宣言するMVNの最新の姿を紐解いていこう。




最初に紹介したいのは精度の向上だ。新しいMVNでは最新のジャイロ(角速度)/地磁気/加速度センサーが搭載され、これらが検出した値からモーションデータを生成している。この生成用のセンサーフュージョンアルゴリズムを刷新し、精度と安定性が向上したのに加え、新たに気圧センサーが搭載されたことで、高さ情報も取得できるようになった。MVNの屋外でのワイヤレス通信範囲は最大で150mもあるため、例えばビルの10階から1階まで駆け下りるモーションもキャプチャ可能となったのだ。光学式のモーションキャプチャスタジオでは不可能な、MVNだからこそ可能な収録と言えるだろう。
次に紹介したいのは小型化だ。先ほど述べたように気圧センサーが追加搭載されたにも関わらず、センサーパック自体は従来よりも小型化している。さらにバッテリーの駆動時間も従来より長くなったため、アクターの演技を妨げる要素が減り、より一層密度の濃い収録が可能となった。
最後に紹介するのは、製品導入時の選択肢の増加だ。ハードウェアは、手軽さ重視のエントリー向け簡易モデル「Xsens MVN Awinda」と、機能性重視のプロダクション向けモデル「Xsens MVN Link」の2種類が発表された。最大4スーツまでの同時収録に対応しており、AwindaとLinkの混在収録も可能である。同様にソフトウェアも、機能制限ありのMVNStudioと、機能制限なしのMVN Studio Proの2種類が登場した。用途や予算に合わせて、ハードとソフトの組み合わせを柔軟に選択できる。例えばXsens MVN Awinda 1台とMVN Studio 1台の組み合わせなら、ハード保証2年、保守1年、トレーニング付属でも導入費用を300万円以下に抑えられる。導入の敷居が大幅に下がったと断言できる。

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POINT 01
高精度の高さ情報が
取得可能に

今回のバージョンアップから搭載された気圧センサーにより、高精度の高さ情報が取得可能となった。磁場耐性も向上したことで、歩く・走るといった横移動はもちろん、跳ぶ・登るといった上下移動においても、収録データの信頼性が向上している。また、フルボディスーツの素材や、ジッパーの位置も改良されているため、従来よりもアクターの動きを妨げず、着脱が容易になっている点も心強い。

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POINT 02
センサーの小型化と
バッテリー駆動時間の延長

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Aの右側は従来のMVNのセンサー、左側は最新のXsensMVN Linkのセンサーだ。体積比約1/4まで小型化しているのに加え、ケーブルの強度も上がっており、50kgの力が加わっても断線しない作りになっている。BはXsens MVNLinkのバッテリーで、こちらも非常にコンパクトながら、駆動時間は9.5時間まで延長されている。さらにGPSも搭載しており、将来的にはソフトウェアを機能拡張し、GPSデータを扱えるようにすることが計画されている。

TEXT_尾形美幸(EduCat)

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