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グランプリは"悪カッコいい桃太郎"〜HOLOGRAPHIC VR CONTEST 2016 Finalレポート〜

ホログラフィック映像による世界初のコンテスト「HOLOGRAPHIC VR CONTEST 2016」の各賞を決定するFinal(本選)が、2016年11月3日(木・祝)にDMM VR THEATERにて行われた。

TEXT_藤井紀明 / Noriaki Fujii(CGWORLD)
PHOTO_弘田 充 / Mitsuru Hirota

映像表現としての次代を担う新たなチャレンジ

審員は放送作家の鈴木おさむ氏を筆頭に本誌編集長を含む4名。各賞と賞金はグランプリに50万円、準グランプリに10万円、特別賞2作品にはCGWORLD定期購読1年分が贈られる。審査基準は大きく3点で、誰もが楽しめる芸術性やエンターテインメント性があるか、VR THEATERの特性を活かした表現ができているか、3DCGなどの技術を活かした立体的な映像になっているかというもの。当日は、本選に勝ち上がった各作品の制作者代表が見どころなどを壇上でプレゼンし、全作品を上映後に受賞者の発表というながれで進行した。

上映の合間には、審査員も務めたパフォーマンス集団「白A」による、VR THEATER専用の新作パフォーマンスも披露され、会場を盛り上げた。

▲白Aによるパフォーマンス『Avatar』

グランプリを勝ち取ったのは、本誌連載でもおなじみの秋元純一氏率いるトランジスタ・スタジオが制作した『KIBIDANCE』。誰もが知る昔話「桃太郎」を下敷きに、迫力あるダンスバトルとして仕上げた作品である。

審査委員長を務めた鈴木おさむ氏は「満場一致で決まりました。圧倒的な物語性があり、ダンスの動きに現実の人間らしい微妙なズレを入れるなど、デジタルの中にあるひと雫のアナログ感がリアリティを増している圧巻の作品です」と評した。

本作をはじめ、受賞作品に共通していたのが、VR THEATER独自の2枚のスクリーンを上手く使った空間的な演出の巧さだ。映像体験としての新しさがあり、ホログラフィックという確固たる独自性をもつ表現には、まだおおいなる可能性を秘めていることが実感できるコンテンストだったと言えるだろう。

グランプリ:『KIBIDANCE』(トランジスタ・スタジオ)

キャラクターの動きはモーションキャプチャをベースにしているが、音楽と動きの微妙なズレを手付けで加えることでリアリティが付与されている。ストーリー性、エンターテインメント性、表現力に優れ、アイデアと技術の両面から抜きん出て優れていたことが、審査員満場一致でグランプリに選出される結果となった

準グランプリ:『DEEP』(イアリンジャパン)

準グランプリに輝いたのは、イアリンジャパンによる『DEEP』。色とりどりの海洋生物がさまよう姿を幻想的に描いた作品だ。2枚のスクリーンを活かして海の中の空間をアーティスティックに表現している

特別賞:『Book of the Dead』(平井香絵)

特別賞を受賞した平井香絵氏による『Book of the Dead』。死後の世界をゴシック調のアートと音楽で表現した作品だ。独特の色彩感覚やデザイン、奥行き方向の空間演出が大きな見どころとなっている

特別賞:『untilted flow』(m.arai)

同じく特別賞を受賞した、m.arai氏による『untilted flow』。誰も見たことのないものを提示することをテーマに、空間自体がノイズと共に転送される様を物理シミュレーションによって表現している



  • Information

    HOLOGRAPHIC VR CONTEST 2016 Final
    日程:2016年11月3日(木・祝)
    場所:DMM VR THEATER(横浜)
    入場料:2,000円(一般)、1,000円(学生)
    主催:DMM.futureworks/共催:CGWORLD
    hvc2016.com

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