デルのワークステーション「Dell Precision」シリーズは、長年にわたりクリエイティブ業界で活躍する人材を多く輩出してきた日本工学院専門学校(以下、日本工学院)に採用されてきた。今回は、実際に同校を見学させてもらい、教職員の方々に学生が使用するPCの選定基準などを聞いた。

<1>理想的な教育は、理想的な環境の下にある

「日本工学院には『理想的教育は理想的環境にあり』という基本的な考えがあり、機材選定についても日本のCGプロダクションやゲーム会社でプロが使っている機材と同等のものを選定しています」と、 同校クリエイターズカレッジの谷口直也先生は語る。 そうした精神の下、さまざまなメーカーの機材を検討した結果、最新鋭かつ、コストバランスの良い「Dell Precision T1700」ワークステーションに決めたのだという。

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  • 谷口直也
    日本工学院専門学校 クリエイターズカレッジ
    ゲームクリエイター科 ゲームクリエイター科四年制 CG映像科 科長

選定のポイントは、パワフルであること、高い信頼性を持つこと、スマートな筐体デザインであること。さらに、多数のマシンを導入するため、コストバランスも重要となり、充分な性能を持ち、適切な価格バランスを持ったグラフィックスボードを選択できることも選定の条件のポイントとなった。

現在は、2014年夏に導入したものを含め、ゲームクリエイター科、CG映像科あわせて 250台ほどのデルのマシンを運用している。

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ミニタワー型 Dell Precision とマルチディスプレイ環境。右側のディスプレイは先生が操作する画面を表示する

<2>学習環境を支える安定性

また、専門に配属されている同校のサポートスタッフも、デルのマシンの安定性を高く評価し、彼らからの強い要望で、デルのマシンが選定されているという。実際、デルのサポートに連絡するような故障はほとんどなく、昨年導入したマシンは、まだ1台も故障しておらず、安心して運用できているという。機材は、予算にもよるが、4年に1回、段階的に更新するペースでリニューアルしているそうだ。

「学校のマシンは、休日も学生に解放されているため、複数台でレンダリングをさせたり、夜間にレンダリングを設定しておいたり、学生たちは最大限機材を活用しています」(同校クリエイターズカレッジ 細川一弘先生)。

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  • 細川一弘
    日本工学院専門学校 クリエイターズカレッジ
    CG映像科 クリエイティブラボ科

液晶ディスプレイやキーボード等、周辺機器もデル製で統一されている。全員のマシンがマルチディスプレイ環境だが、右側の1面は、授業の中で先生がツールを操作する画面を配信し、それぞれが手元にある画面を見ながら授業を受けられるよう工夫がなされている。メインのディスプレイは価格以上に表示が美しいものが導入でき、学生たちにも好評だという。

■採用マシンの主要スペック
1)Dell Precision T1700 MT(ミニタワー)
  • CPU
  • E3-1245V3
  • メモリ
  • 8G
  • グラフィックス
  • Quadro k2000
2)Dell Precision T1700 MT(ミニタワー)
  • CPU
  • Intelcorei7-4770
  • メモリ
  • 16G
  • グラフィックス
  • Quadro k600

また、日本工学院では、ハリウッドに在住し第一線で活躍しているCGクリエイター、糸数弘樹氏が遠隔で行う授業も組まれており、 学生たちの作品に対してコメントやアドバイスが与えられ、学生のテンションも上がっているそうだ。

遠隔授業では、オンライン会議用の「スカイプ for ビジネス(旧Microsoft Lync)」を活用している。 遠隔という都合上、なかなか伝わりにくい部分は画面やファイルの共有、事前に授業テキストの共有などで、少しでも埋められるよう工夫されている。 授業はモデリングが中心であるため、ファイルのやり取りにもそれほど苦労はなく実施できているという。

遠隔授業は、同校蒲田校から約30名、同校八王子校からも約30名受講しており、オープンキャンバスの時には学外の人が見学できる。 糸数氏の授業はテクニックはもちろんのこと、人生論なども語られ、好評だという。

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ミニタワー型 Dell Precisionの筐体の上のくぼみの部分が、各個人が持ち歩いている携帯用ハードディスクを置くのに役立っている

最後に最新機材に対する学生たちの声を聞いてみた。「新しいマシンは、以前に比べて全然速くなった」、「作品のレンダリングクオリティを上げても、制作に時間がかからず、より短時間で求める画像を作れるようになった」、「パソコンも良くなると、作品も良くなる」と、全体的に好意的な意見が多く聞かれた。

TEXT_安藤幸央(エクサ
PHOTO_弘田 充