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CGコンテンツの活用分野の拡大、映像作品自体のボリュームの増大に伴い、昨今各所で大型の求人募集が行われるCG・映像業界。パイプラインの効率化に加え、それらを支える優秀な人材の獲得が事業拡大の至上命題となっている。それでは、こういった状況の中で、今映像制作の現場に求められている人物像とは如何なるものなのだろうか。
国内を代表するポストプロダクションとして常にハイクオリティな映像を作り出してきた株式会社オムニバス・ジャパンの中核メンバーである迫田憲二氏と城戸久倫氏、そして過去に同社の『坂の上の雲』、『GARO』といった大型プロジェクトの中で派遣実績を持つ人材エージェントのグローバル・テクノロジー・デザイン株式会社(※以下GTD)の諏訪了氏にそれぞれの立場から「今、映像業界に求められる人材像」について伺った。

映像に対する情熱が何より大事

長年CMの映像制作で培ってきた技術力を背景に、ハイクオリティな映像編集とCGを組み合わせ、近年では映画、TVドラマシリーズ、遊技機向け映像制作など長尺作品の比率を高めるオムニバス・ジャパン。段階的に分業制に移行しているという同社であるが、求める人物像はどのように変わってきているのだろうか?

「現場としてはCG・映像がとにかく好きで情熱を持っている方と一緒に働きたいという点については変わりませんね。好きでないとやっていけない業界でもありますからね(笑)」
そう語るのは現在CGIセンターでスタッフの統括をしている迫田氏。自身も現場の叩き上げのスタッフとしてこれまで、CM・映画・TVドラマ案件などでCGディレクターとして携わり、最近では『GARO~RED REQUIEM』、『もののけ島のナキ』、『貞子3D』などの大型映画作品の立体視の3Dスーパーバイザーとしても携わってきた。

一方、過去に『宇宙兄弟』、『坂の上の雲』、『踊る大捜査線3』といった大型作品や石井克人監督の数々のCM作品に携わってきたCGIプロデューサーの城戸氏も「案件の度に好きな度合を試されているような気がしますね。単純に画を作ること以外にも大変なことが多く、それでも好きだという気持ちがないとやっていけない部分が多い」と語るように、映像への溢れる情熱が求められるのは今も昔も変わらないようだ。

制作ボリュームの増大により、求められる組織力

だが一方で、長尺の案件が増加する中で、求められる人材のスキルや志向について徐々に変化してきているそうだ。
「これまでは最終的な画の仕上がりに対して喜びを見いだせるタイプのクリエイターを多く採用してきました。ただ、今後はチーム全体でより効率的な画作りをするために"制作過程"にもこだわれる、そこに楽しみを見いだせる方も採用していきたいと考えています。効率的なパイプラインを組むことができる人材に対するニーズが高まってますね」(迫田氏)
10年前であればジェネラリスト的な立ち回りができる人間が一人で完結できる案件も多かったが、現在では多くのスペシャリストが協働で取り組まないことには、求められる水準の作品を生み出していくのは難しい時代になってきているのだそうだ。

こうした"組織力"が試される時代においては、対人能力の高さがクリエイターの市場価値を決める決定的な要因になると、企業とクリエイターの橋渡しをする人材エージェントGTDの諏訪氏をはじめとしてオムニバス・ジャパン両氏も口を揃える。
「もちろん専門的な知識や技術も必要ですが、同時に相手の意図をくみ取ること、そして意図を正確に伝えられる人が仕事には就いていただきやすい傾向にありますね。自分の専門分野だけでなく前後の工程を理解している人とそうでない人の生産性は雲泥の差と言ってもいいでしょう」(諏訪氏)
「我々も同感です。コミュニケーション能力は採用時に重視しています。CGはPCの前で黙々と作るという印象が先行しがちですが、実際には撮影の現場で撮影スタッフや、監督プロデューサー、クライアントといった多くの関係者に制作意図を伝え、画作りにまで落とし込んでいく必要がありますからね」(城戸氏)

さらには「案件によってはプロジェクトの最初の方から関わって頂くこともありますが、プロジェクトの途中から参加していただくケースも多いのが実情です。ですから現場の状況をすぐに把握し、その状況に合わせて動いて頂ける方はとても助かります」(迫田氏)と語るように、チームの状況を冷静に判断した上で自らの専門性を発揮できる人材が求められているようだ。
現に『GARO』シリーズの制作時、社内チームが手一杯な状態の中で、GTDからコンポジターとして派遣されたスタッフが、VFXの現場で撮影まで動いてくれたことが非常に印象に残っているという。

企業とクリエイターの橋渡しとなるエージェント活用のメリットとは

上述の通り、オムニバス・ジャパンは多くのプロジェクトでGTDに人材提供という側面でサポートを受けてきた。採用を希望するプロダクションにとって日々刻々と変化するプロジェクトの進捗に合わせて適切な人員を予定通りにアサインすることは、求人要件の細分化とともにより困難になってきている。そんな中で、多種の人材リソースを抱える人材エージェントのサービスを活用するメリットは大きいだろう。
『坂の上の雲』ではエフェクターを、『GARO』シリーズではコンポジッターを、他案件でもマットペインターやプロダクションマネージャーといった職種まで幅広く人材提供できてきた実績は、GTDが培ってきたオムニバス・ジャパンとの緻密なコミュニケーションの賜物といえるだろう。

では一方でGTDと契約するクリエイターにとって登録するメリットについてはどうだろうか?
「転職先の情報収集、ポートフォリオの作成、面接の日程調整そして転職先との給与交渉など、転職活動の事務作業にかかる面倒な手間を任せることができるのがまず大きなメリットになるかと思います」(諏訪氏)
日々の業務に忙殺されるクリエイターにとって明日への一歩を踏み出すその一歩目をサポートしてもらえるのは確かに大きい。CG業界に専門特化しているGTDだからこそ、制作現場から直接ヒアリングした詳細な求人情報・企業情報の案内ができ、そして転職に際しての細かなアドバイスやフォローも期待できる。
さらに、紹介先の企業が、派遣スタッフにとって今後のキャリアアップへと繋がるというケースもあるそうだ。「弊社は人材派遣を行っていますが、一方で登録して頂くクリエイターの方達の中には派遣先から契約終了後にオファーを受け、そのまま正社員になられる方も多くいらっしゃいます」(諏訪氏)。

諏訪氏が『クリエイターと企業との橋渡しをするのが自分達の仕事』と話すように、彼らが派遣という形で働く場をコーディネイトすることにより、企業にとっては実際の業務を通じ実力を測ることができ、キャリアアップを望むクリエイターにとっては、実際の仕事を通してしか見えてこない企業の体質というものが判断出来るメリットが生まれる。

新しいメディアの台頭や絶え間ない技術の変革により映像業界において求められる人物像のあり方は日々変化を続けるが、今後も広いネットワークを活かし、企業、個人クリエイター相互の橋渡しをする人材エージェントが果たす役割は大きくなりそうだ。
なお、オムニバス・ジャパンとGTDは今後両社共同で継続的に会社説明会を実施するとのことで、参加希望者は下記のイベントにまずは気軽に申し込みをしてみてはどうだろうか?

TEXT_宮田悠輔