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Vol.18:バンカーの仕事~実写ドラマ編~

Vol.18:バンカーの仕事~実写ドラマ編~

吉トロのマドンナ、菅氏が奮闘記に再び登場! 前回好評だった"アニメの背景"に続いて、今回は"実写ドラマ"での「バンカー」の仕事を紹介します。アニメの仕事では聞いたこともない、様々な言葉が飛び交って......!? 菅氏が新たに出会った映像世界の一端を分かりやすく紹介していきます。

アニメの次は実写ドラマ!

バンカーとして吉祥寺トロンに来て、1年が経ちました。アニメの背景素材や CG のアーカイブも作ってみて、バンカーとして少し落ち着いたかな......と思っていた矢先に、次なる仕事は実写ドラマ『エアーズロック』。吉祥寺トロンのメンバーは、荒編集・オンライン編集・MA・VFX・着ぐるみ制作(!?)をするとのこと。
【日報】CG 会社に入ったはずが!?

映像制作の会社に勤めているにもかかわらず、実写ドラマの仕事はまったくの初体験! 今回のバンカーとしての仕事は、撮影素材の変換とアーカイブ化。しかし、アニメでは聞いたことのない専門用語や横文字の連続!! 混乱しつつも、作業しながら私が新しく知ったことなどを、つらつら書いてみたいと思います。



ProRes 422 への変換

『エアーズロック』のデータは、撮影現場から制作の高間くん(イケてる CG クリエイター兼制作補助)によって SD カードで吉祥寺トロンに届けられます。
【日報】ちは! 武者修行にヤッてキタっす!!

映画やドラマの大がかりな撮影をイメージしていたので、最初に「これがデータです」といって SD カードを見せられた時は、「あれ? このメディア......私のデジカメに入ってるやつと一緒じゃん!」と衝撃的でした。ちなみに『エアーズロック』は、デジタル一眼レフカメラの EOS DIGITAL で撮影したらしいです。

バンカーの私の仕事は、まず、このファイルのコーデックを「H.264」から「ProRes 422」に変換することから始まります。ProRes 422 とは、またまったく聞きなれない用語が呼び出してきました......。何で H.264 のままじゃダメなんでしょうか? ちゃんと QuickTime でデータ再生できてるし、このまま編集しちゃえば良いんじゃない? なんて自分の仕事をなくしてしまいそうな疑問を抱きつつ、さっそく「ProRes」についてリサーチしてみました!


「ProRes 422」を編集に使う理由
・H.264 は編集を想定してないコーデック!
H.264 は、Blu-ray や YouTube の動画などで、全体を流して見ることが目的のコーデックです。そのため、普通に圧縮されているだけではなく、シーンのチェンジや移動などではフレーム間予測を用いた高度な処理を行なっていて、グリグリと編集していると何かの拍子に全然違うフレームが表示されちゃうことがあるのです......それは怖い! また、ファイルのサイズ自体は小さいものの CPU 負荷が高く、やっぱり編集には向かないみたいです。

・ProRes はパソコンの CPU 負荷が軽い!
今回の編集では Final Cut Pro を使用しました。もともと ProRes はパソコンの CPU 負荷が軽い設計になっています。CPU 負荷が軽くなると、編集ソフト上でプレビューをスムーズに見ることができ、編集する際とても便利ですね。編集者さんにインタビューしたところ「ProRes はサクサクと動作が軽快で、感覚的に使い心地が良い」とのこと!

・ProRes がネイティブでサポートされている!
今回使用しているメディア出力デバイス「AJA Io XT」は、ネイティブで ProRes をサポートしています。AJA 社に限らず、ProRes の使用を前提にしたメーカーは多く、それを聞くと ProRes が編集では一般的に使われているんだ! ってことが実感できます。今回『エアーズロック』の納品は HDCAM で行ないました。HDCAM を使用する際 ProRes はかなりメジャーなコーデックですが、HDCAM-SR 等、メディアが違えば勝手も違ってくるとのこと。ちなみに ProRes 422 への変換は、「Magic Bullet Grinder」というソフトを使えば、ファイルを直接ドラッグするだけで完了です!

右のフォルダからファイルを直接ドラッグ!

次ページへ続く)

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