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第3回:アイドル7人の魅力を引き出すワイシャツ衣装

第3回:アイドル7人の魅力を引き出すワイシャツ衣装

メンバーらしさを汲み取り、ダンスを効果的に見せるデザイン

さて、ここからは7人のワイシャツ衣装について詳しく紹介していこう。メンバーそれぞれの性格やグループ内での立ち位置を考慮した上で、ひとつひとつこだわり、考え抜かれた衣装やアクセサリーたち。そこに込められたデザインの意味の深さや制作秘話にも驚くことまちがいなしだ。アクセサリーのデザイン画など、初出の情報と共にお届けする。じっくりとご覧いただき、制作陣の愛を感じていただきたい!

宮崎氏提案のワイシャツデザイン

▲本誌でもご紹介した7人のデザイン画。「ワイシャツデザインは宮崎さんのこだわりが炸裂していたので、自分からのリクエスト出しなどはせず、監督としてジャッジをしていくだけだった気がしますね」と山本監督。後ほど、ひとりひとり紹介していくので、こちらのデザイン画と共にチェックいただきたい

▲Marvelous Designerで制作されたワイシャツ衣装。衣装制作をしていく中で、当初はシルエットがピッタリになりがちで、衣装を着て動くとタイトさが顕著にみられたため、遊びが必要だった。そこで全体的にデザイン画よりもゆとりをもたせている

宮崎氏提案のアクセサリーデザイン

▲先に紹介した【7人のデザイン画】でも描かれているが、アクセサリーも宮崎氏がデザインしている。ここではそれらも詳しく紹介しよう。【左】アクセサリーデザイン画①。こちらは七瀬 陸さん、二階堂大和さん、和泉三月さん、四葉 環さんが着用するもの。【右】アクセサリーデザイン②。こちらは和泉一織さん、逢坂壮五さん、六弥ナギさんが着用するもの。メンバーを象徴する音楽記号が象られたおしゃれなデザインだ。アクセサリーの種類が全て異なるのも、色に対しても、こだわりを感じる

和泉一織さんの衣装

▲ワイシャツ衣装を着た一織さん。こちらの衣装は「エレガントな"パーフェクト高校生"である一織さんに相応しいデザインを目指しました」(宮崎氏)という。袖はダブルカフスでフォーマルにし、襟の形はスタンドカラーを選択した。シャツの第一ボタンは外しドレスダウンさせつつも、ダンスシーンの際に必要以上にはだけないよう、ダブルフラットのドレスピアスで飾っている。さわやかさとほのかなセクシーさを共存させた上で、禁欲的な雰囲気をまとった衣装に仕上げられた

二階堂大和さんの衣装

▲ワイシャツ衣装を着た二階堂さん。IDOLiSH7のリーダーである二階堂さんの衣装は、身体にフィットしたシルエットになっている。袖はロールアップさせ、鍛えられた腕の筋肉を見せる着こなしに。アクセサリーもバングルが選ばれており、自然と目線が腕周りに集まる。バングルにはシャープマークの印字が彫られ、この太めのシルバーのバングルに細めの黒いブレスレットを重ね合わせることで、男性らしさが演出された。「二階堂さんは手が大きいので、ゴツ目の重ね付けが似合いそうだと思ってデザインしました」と宮崎氏。また、襟を立たせる大人のスタイルも難なく着こなしてしまうのは、さすがIDOLiSH7のお兄さん。コンテンポラリーダンスでは、立てた襟が表情を効果的に隠し、悲しみや憂いの芝居を際立たせている

和泉三月さんの衣装

▲ワイシャツ衣装を着た三月さん。このデザインは、宮崎氏がダンスの振り付けを見学していたときに閃いたという。三月さんは小柄な体格だが、MVのダイナミックなダンスの振りを活かすため、オーバーサイズのデザインとなった。ダンス中ひらひらと揺れ動くワイシャツが、画面に華やかさをプラスしている。もちろんLLサイズのワイシャツを着てもらっているわけではなく、三月さんを正確に採寸した上で、身体に合わせたオーバーサイズシャツをセレクトしたとのこと。振りの中にキックが入っていることを考慮して、パンツはロールアップが選択された。さらにアンクレットも着用している。「山本監督に"三月さんは右足にアンクレットを着けるのでちゃんと映してくださいね!"と頼んだら、凄く目立つように撮影してくれたので嬉しかったです」と宮崎氏。小柄でも大きな存在感を放つ三月さんらしい衣装となった

四葉 環さんの衣装

▲ワイシャツ衣装を着た四葉さん。ダンスも体格もダイナミックな四葉さんだが、ダンスの振り付けの際に高くジャンプする姿が印象的だったことから、シャツにも動きが出るようにとボタンを外してたデザインとなった。「IDOLiSH7のセクシー担当だと聞いていたので、留めているボタンは3つだけにしてもらい、お腹も首まわりもビラビラになるように着てもらいました」(宮崎氏)とのこと。また、逢坂さんと並んだときに、真逆の印象にしたいというねらいもあったという。確かに逢坂さんと見比べてみると、同じ白いワイシャツにもかかわらず、異なる印象を受ける。アクセサリーは、メゾピアノのモチーフが付いたネックレス。キレイな鎖骨を強調し、四葉さんの無自覚な色気を演出している

逢坂壮五さんの衣装

▲ワイシャツ衣装を着た逢坂壮五さん。7人の中で最もシンプルだというのが、この逢坂さんの衣装だ。物足りないと感じるかもしれないが、カジュアルなボタンダウンカラーにフォーマルなフライフロントスタイルを合わせた上級者向けのデザインとなっている。「このフォーマルとカジュアルの絶妙なバランス感を着こなせるのは逢坂さんだ! と考えました」と宮崎氏。袖を折るなどのアレンジを加えずとも、すんなりと自分のモノにしてしまう逢坂さん。さすがのひと言に尽きる。また、アクセントとして付けたメゾフォルテのボタンダウンピアスが襟の揺れを抑えているため、一見まったく隙がなさそうに見えるのだが、実はシャツの丈が最も短く、腕を上げるだけでお腹が見えてしまう。あえてこうしたアンバランスな形に仕上げて逢坂さんの色気を引き立てたとのこと

六弥ナギさんの衣装

▲ワイシャツ衣装を着た六弥さん。どんな服装も着こなしてしまうスタイル抜群の六弥さんは、ワイシャツのデザインに印象をもっていくのではなく、アクセサリーに意識が向くようにスタイリングされている。「私は六弥さんからメンバーに対する愛や思いやりを強く感じたので、アクセサリーにもそうした想いや願いを込めています」と宮崎氏。当初指輪のストーンの色はメンバーのカラーにしようと考えられていた。しかし、相手の目を真っ直ぐ見てコミュニケーションをとる六弥さんの姿から、メンバーの「目の色」の宝石をあしらうことに。IDOLiSH7の派生ユニット『ピタゴラス☆ファイター』を一緒に歌うメンバーの二階堂さんと三月さんの目の色から、スモーキークオーツ(右手中指)とヘソナイトガーネット(右手小指)を使用した。ちなみに右手の親指はナチュラルの音符と六弥さんの瞳のカラーの装飾となっている

七瀬 陸さんの衣装

▲ワイシャツ衣装を着た七瀬さん。ワイシャツ衣装のシーンの中でもひと際画面に映るのが七瀬さんだ。シルエットはワイシャツの透け感が活きるようにゆったり設計され、襟もゆったりと広げ、スッキリしたうなじが美しく見えるようにデザインされている。極力余計な情報を入れないたいために、ボタンもフロントフライスタイルで隠した。また、三月さん以外のメンバーのパンツは揃いのものに見えるが、実は七瀬さんのものだけノークッション、スマートな印象となっている。アクセサリーは左耳にだけダブルシャープのイヤリングを着用。耳は影になって見えづらくなりがちだが、編集スタッフに依頼し明るくする処理を施すことで目立たせている

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Marvelous Designerを用いたこだわりの衣装制作

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