本誌『CGWORLD vol.258』の特別企画から始まった大人気アイドルグループIDOLiSH7の新曲『Mr.AFFECTiON』MVの舞台裏に迫る本短期連載(全7回)。第6回のテーマは「編集」。普段あまり目にすることはないが、映像制作においてその仕上がりを大きく左右する重要な工程だ。MVにおける編集の役割とはどんなものなのか、そしてそこにどんなこだわりが詰め込まれているのか、詳しくお話を伺った。
※本記事の取材は6月5日(金)、Skypeによるオンライン上にて実施されました
TEXT_野澤 慧 / Satoshi Nozawa
EDIT_小村仁美 / Hitomi Komura(CGWORLD)
企画協力_斉藤美絵 / Mie Saito
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不思議な縁が結びつけた最高の座組
ついに6回目を迎えた本連載、今回は「編集」にスポットライトを当てる。そもそも編集とはどんな工程なのか曖昧な方もおられるかもしれないが、簡単に言ってしまえば、いくつかの映像を繋いで、ひとつの映像に組み上げていく工程だ。収録・加工された素材を取捨選択し、それらをつなぎ合わせることで映像作品として完成させていく。
素材を活かすも殺すも編集次第といっても過言ではない、その重要な役割を今作で担っているのがTMA1所属の映像編集者・梅脇かおり氏だ。TMA1は『シン・ゴジラ』(2016)の編集・VFXスーパーバイザーなど数多くの映像作品に携わってきた佐藤敦紀氏が起ち上げたVFXスタジオで、VFX制作を中心に、宣伝映像などの企画・制作を行なっている。梅脇氏も『シン・ゴジラ』の編集助手をはじめとして、映画やPV、アニメの予告編など数々の映像作品に携わってきた経歴をもつ。
本作の制作にあたり、スタッフィングを担当したオレンジの制作プロデューサー半澤優樹氏は、編集に大きなウェイトを置いていたという。半澤氏は以前『シン・ゴジラ』の庵野秀明総監督が代表を務めるスタジオカラーに所属していたこともあり、「『シン・ゴジラ』の制作中、佐藤敦紀さんとお話をさせていただき、編集作業の重要度はよく理解していました。その上で、アニメーションだけでなく、実写MVの編集経験がある方を探していたところ、2018年の夏頃に知人の編集マンに梅脇さんを紹介していただいたのをきっかけに、TMA1さんに正式にオファーをしました」と語る。
「実際にお会いしてみたら、前述の佐藤敦紀さんのスタジオだったことにまず驚き、続いて梅脇さんが弊社の『宝石の国』や『BEASTARS』の予告編の編集も担当していただいていたことがわかって、さらに驚きました。予告編のお仕事は宣伝部が窓口になるので社内の制作スタッフと直接ご一緒する機会がないんですが、実はスタッフクレジットに一緒に載っていたという。何という偶然かと思いましたね」(半澤氏)。さらに偶然にも山本監督と梅脇氏も以前同じ職場で働いていたことがあったというから、何とも不思議な縁を感じる話だ。
▲梅脇氏が編集を手がけた『宝石の国』のPV。「オレンジにとって初の元請けとなる思い入れの強い作品です。オファーをした後にそのPVを梅脇さんが担当してくださっていたと知ったときは驚きでした」と半澤氏。運命的なものを感じざるをえないエピソードだ
全てのIDOLiSH7ファンに寄り添う、オーソドックスな構成
本来、編集スタッフは制作スケジュールの後半から作業に加わることが多いが、今回、梅脇氏は最初期の構想段階から参加している。「今回は、どこまでが"編集"の領域なんだろうって結構悩みました」と話す梅脇氏。今回はこれまで培ってきた編集経験を基に演出面でもアドバイスをしたという。
最初の構想会議が開かれたのは2018年秋ごろのこと。かねてよりIDOLiSH7の大ファンであるオレンジのCGディレクター池谷茉衣子氏からの意見を軸としてその場でどんどんとアイデアが生まれ、その日のうちに字コンテを作成。このときにはもう「IDOLiSH7の軌跡を時系列でなぞっていくような構成」や「前半はネガティブな雰囲気にしつつ後半で爆発的にポジティブに」、そして「最後は希望の道に向かっていく」といったMVの根幹となる部分は概ね決まっていた。
その後、梅脇氏がアイデアを持ち帰り、すぐさまVコンテ作成まで進んでいったというから驚きのスピード感だ。そちらのVコンテは第5回の連載記事内でも紹介しているものだが、ここで意識したというのが"王道"で"オーソドックス"な編集にするということ。
▲梅脇氏が制作した初期のVコンテ。こちらは前回も紹介した字だけのバージョンのものだ。初回の打ち合わせで決められた方向性を基に作られたVコンテだが、既にしっかりと大筋が出来上がっている。本編と見比べれば、完成に至る流れと試行錯誤を感じていただけるだろう
「今までにないMVにしたい」というオーダーと、字コンテのイメージから、今作はいわゆる"ザ・アイドルMV"にはならないと感じた梅脇氏は、あえて「サビで盛り上げる」「メロの切り替わりでシーンを切り替える」といった定番の手法をいくつも採り入れていった。今回のMVはいわゆる"アイドルらしさ"からは外したテイストだけに、さらにカット割りでも奇をてらった構成にしてしまうと、特殊なものになってしまうからだ。「やっぱりいつものIDOLiSH7が好きというファンの方からも乖離しないようにしたいなと思っていました。あとは単純に音楽に乗って気持ち良い映像を目指しました」(梅脇氏)と語るように、全てのファンに寄り添ったものにしたいと考えていたようだ。
確かにしっかりとダンスを魅せる大サビの構成は、何度見ても思わず鳥肌が立ってしまうほど気持ち良い。この爽快感は前半部分をしっかりと抑えた構成にしていたからこそ生まれたものだろう。まさに監督・制作陣のねらい通りといったところだが、そんな前半部分にはかなりの試行錯誤があったようだ。
中でも最後まで難航したというのが、やはり前半のコンテンポラリーダンスのシーンだ。本誌やこれまでの連載でも何かと挙げられることの多かったシーンだが、編集サイドからはその試行錯誤の様子がはっきりと見えていたと梅脇氏は話す。山本監督も「他のところとは違うことをさせたいけど、ダンスという枠から外れたくない。演技でもただの演技ではなくて、あくまでも音に乗ったものにしたい、といったような微妙なラインをずっと探っていた感じでしたからね。その揺れ動いた様を全部梅脇さんに見られていたと思いますね(笑)」と笑う。制作陣のなかにいながらも、現場チームとは少し離れたポジションだからこそ、かえって現場の葛藤がよく見えるということもあるようだ。
そんな梅脇氏が個人的に気に入っているカットのひとつが「七瀬 陸さんが吹雪に飲み込まれてシャツ姿に変わり、目線を上げる」シーン。「コンテを見たときから音楽に乗ってバーッと観てほしいカットだなと思っていたので、顔を上げるところまで一連で観られて、その後のコンテンポラリーダンスに切り替わっていくという良いながれにできたなと思っています」。山本監督は「MVの中でも異質なシーンで心配な部分もあった」と語るが、気持ちの良いシーンにまとめることができた自信のカットのようだ。
▲梅脇氏お気に入りのカット①。上手くシャツのカットへと繋げられた、編集マンとして手応えを感じたシーンでもある。梅脇氏は「撮影済みカットが上がってきたときすごい! キター! と思いました! 私はポジション的には一緒に作る仲間でありながら、最初の観客でもあると思っています」と話す
編集ツールには主にPremiere Proを使用。DaVinci Resolveを使う編集マンも多いようだが、梅脇氏はAfter EffectsとのやりとりがしやすいようにとPremiere Proを選択している。編集作業の過程でエフェクトを自作して追加することもあるが、同じAdobe製のツールにしておけばやりとりもスムーズだ。また、制作会社内で作業を行う場合、自分の編集室や編集マシン以外を使わなければならないことも。その際に、Premiere Proが用意されていることが比較的多いのだそうだ。
今作でも最終の編集作業はオレンジ社内で行われた。完成に向かうにつれて確信を強めていく梅脇氏の一方で、オレンジ制作陣は「もう良いのか悪いのかわからなくなっちゃいましたよ......」とぐったりした様子だったそうだ。梅脇氏は「私はもうオレンジさんファンの状態だったので、新しいテイクが上がって来るたびに喜んでいたのですが、皆さんはぐったりされていて。早くファンの方々に観てもらって、オレンジさんを褒めてほしいなあって、公開までウズウズしていましたね(笑)」とふり返る。そうして待ちに待った街頭公開日には梅脇氏も山本監督や半澤氏らとともに現場にくり出したという。
今作について「全部がオススメカットです!! 4分弱と短い映像なのですが、全篇にわたって細かく音楽に合わせてタイミングをいじったり、フレームを切ったり、コマを抜いたりとやっているので全部観てください!」と語ってくれた梅脇氏。最高のアイドルと最高のスタッフが作り上げた最高の素材を、見事、最高のMVへと昇華させてみせた。
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「繋いでみないとわからないことがある」から、常に更新をくり返す
「繋いでみないとわからないことがある」から、常に更新をくり返す
さて、ここからはより技術的な内容を交えてお届けする。イメージを著しく損なう可能性があるため、読み進める際はご承知いただきたい。
一般的な映像編集作業とは異なり、今作では演出的な部分にも関わっていた梅脇氏は、初期から映像を更新し続けていった。まず、打ち合わせを基に字コンテVを作成した後は、Vコンテを字だけのものから絵コンテを使用したものへと更新。ダンスのモーションキャプチャが実施された後は収録風景の映像のみをつないだ仮組み映像を作成し、全体の流れを視覚的に把握する。また、Vコンテについては絵コンテから想像していたものよりも動きが複雑なところがあったため、実際の動きで尺を決められるようにと、画面左上にダンス映像を差し込むかたちでさらにアップデートした。
ちなみにモーキャプ収録には梅脇氏も立ち会い、イメージを膨らませた。山本監督含めオレンジのスタッフ陣も梅脇氏も、ダンスのモーションキャプチャに立ち会うのは初めて。映画等のモーション収録ではジャンプする、刀を振るといったような単一のアクションごとに短く区切って撮っていくため、4分間踊り続ける今回のような収録は珍しかったという。
モーキャプ映像をVコンテに入れ込んだ後も山本監督とやり取りを重ね、さらにくり返し修正しながら各カットの尺を決めていく。尺が決まったら、随時制作チームから上がってきたアニマティクスのカットに差し替える作業を行う。「臨機応変に差し替えていただいていました」(半澤氏)の言葉通り、頻繁に更新を重ねて常に最新の状態を維持していたという。
「やっぱり繋いでみないとわからないことって結構あります。カットごとに制作する方が違うこともままあるので、繋いでみたら『あれ、監督の意図と違う』となる可能性もある。なので、なるべく早く差し替えるようにしていました」と梅脇氏。そこから完パケの音楽に合わせて再編集。そして、カットの更新があり次第、さらに更新を重ねていく。その間同時並行でクレジットを作成し、ようやく完成を迎える。これが本作の編集作業の大まかな流れとなる。ただでさえハードな作業量だが、さらに今作では制作中に大きな出来事が2つ発生したのだという。
MV制作中に起こった2大事件
ひとつはサビのパート割りが変更になったこと。「サビの歌い手が変更になったため、コンテから変更しなくてはならず、工数が増えてしまったのは大変でしたね......」と半澤氏。根本から変更する必要があったため、工数的にもかなり負担が大きかったようだ。
そして、さらに大きかったのが、急遽、ラストのサビ前にブレイクが追加され、曲の尺が変わったことだ。ラスサビに合わせて一番盛り上がるカットをもってくるという構成だったが、この曲変更によって、サビに入る前に画だけが盛り上がるという違和感のある映像になってしまった。
とはいえ、その時点ではアニメーション制作もかなり進んでおり、モーキャプ収録も終わってしまっていたため、そのまま進めていく方針になりかけていたという。しかし梅脇氏は「変更された曲を聞いたときは、すごくショックを受けました。ラストのサビに一番の盛り上がりをもってきていたのに、思いっきりズレてしまったので......実写なら撮影素材の中から何とかできるんですが、アニメだと余剰素材がないので困りました。制作状況も知っていたので悩みましたが、ここはどうしても妥協できなくて現行のカットを入れ替えてみたり、カットの追加も含めて何パターンか監督にご提案しました」とふり返るように、あきらめずその時点でできる最善を模索し、提案した。
これに半澤氏も「現場の負担を考えると悩みましたが、クオリティを考慮すれば確実に梅脇さんの案の方が良かった。何とか流用できるところは流用してアニメーターの負担を最小限に食い止めながら、編集に上手く合わせられないかと山本監督と検討しました」と話す。苦渋の決断ではあったが、極力負担を軽減する手法を採りつつ、音楽にハマる気持ちの良い映像を目指した。新規カットとしては七瀬 陸さんと和泉一織さんのツーショットカットを追加。背景は黒一色にしつつも、エフェクトで華やかさをプラスすることで印象的なカットに演出。苦肉の策ではあったが、最終的にはファンにも喜んでもらえるカットとなった。
▲本編映像と、曲変更前のアニマティクス比較。本編映像のブレイク部分の時点で、アニマティクスではすでに盛り上がりを迎えていることがわかる。七瀬さんと和泉一織さんの新規カットが追加されたことで、ブレイクの溜めからのサビの爆発感が気持ち良いながれにまとまっている。制作スタッフを苦しめることとなった変更点ではあるが、楽曲側、MV側全てのスタッフが全力で臨んでいた証とも言えよう
こうしたデモ曲の変更は実写MVでは少なくないことだという。ただ実写の場合、ダンスや顔のクローズアップについては撮影現場で複数のアングルからフル尺分の映像を撮影しておくので、大きな変更があっても比較的柔軟に対応できる。一方で、アニメでは初期のVコンテの段階で尺を決め、それに合わせてカット制作を行なっていくため、尺が変わった際に代わりとなる素材がない。
もっとも今作では、タイミング等の微調整が多く発生することをあらかじめ想定して、事前に梅脇氏の方から各カットの前後につける調整用のフレームである「クッションフレーム」を多めにしてほしいと制作陣に依頼をしていたのだという。クッションフレームが多めに作られていれば、タイミング調整の他にも動きの余韻を残したり、顔をしっかり見せたりといった微妙なニュアンスの調整も可能になる。結果、今作では一般的なアニメ作品と比べて長めのクッションフレームが付けられている。
「アニメってやっぱり作りがギリギリなんですよね。VFXをやっていたときは12フレームとかの長めのクッションを当たり前に付けていましたから」と山本監督。アニメ制作では1コマ、1枚増えるごとに、如実に制作費が増していく。可能な限り抑えてはいるが、それでも常にギリギリの状態で作られているのがアニメの実情だ。
CGアニメでも同じことが言えるが、それでも作画アニメに比べれば対応できる部分が多く、やや長めのクッションフレームを付けることができたとのこと。その分、「クッションフレームの中にすごく良い表情があったのに、どうしても入れられなくて泣く泣く切ったところが何カ所かありました」(梅脇氏)と、ジレンマもあったという。
●お蔵入りになったクッションフレームのカットを大公開!
▼本編には乗っていないクッションフレームの一部。梅脇氏が泣く泣く削ったというカットを、ここで紹介する。「すごく良い表情だったので、どうにか入れられないかと頑張ったんですがどうにもなりませんでした......」(梅脇氏)という言葉の通り、本編とはまた違う魅力的な表情ばかりだ
アニメMVには珍しい「スローリップ」で魅せる
さらに、通常のアニメMVと異なるポイントとして挙げられるのが、MV中盤のアイドルが1人ずつ白シャツから衣装チェンジしていくカットで、歌詞と口の動きを合わせるリップシンクだ。
編集作業中、梅脇氏は池谷氏から「リップシンクを見せるカットが少なくて見せ場が弱い気がする」、という指摘を受けたという。当初、この部分は1人あたり3カットずつキメ顔を切り替えて見せるような構成だったが、ちゃんと口パクさせようと"スローリップ"を使う構成に変更。スローリップとは、演者の周りの現象はスローだが、口は歌詞のタイミングに合わせるという手法だ。実写MVでは昔から良く用いられているが、アニメMVではほとんど見ないという。
それぞれのアイドルについて何フレームのときに何の口をしているかを梅脇氏がリスト化し、そのデータを基にオレンジの宮崎 瞳氏に口の部分の作画をオーダー。しっかりと口パクをみせるカットをつくることで、従来のアニメMVとは一線を画すような実在感のある映像になった。「ここはすごく個人的に上がってくるのが楽しみだったので、1stカットが届いたときは大喜びでした。みんな顔が良い〜!!って(笑)。それまでアニマティクスや線撮だったものが、仕上がってきて最初に観られるというのは編集マンの特権ですよね」と当時の興奮を滲ませた。
▲スローリップによるリップシンクを採り入れているカットの例
こうしたアニメ・実写の双方の業界で活躍する梅脇氏ならではといえるアイデア、引き出しの多さにはとても助けられた、と半澤氏は語る。「もともと『Mr.AFFECTiON』のMVを作ることになったときに、"リアルに存在しているアイドルたち"というコンセプトだったので、ただのアニメのMVにはしたくなかったんですよね。実写MVの編集もアニメの編集も手がけてこられた梅脇さんはまさにうってつけの人選でした」。ちょうど梅脇氏が別件で『アイドリッシュセブン』の案件を終えたばかりだったということも、運命的なめぐり合わせだったようだ。
また、梅脇氏が今作の中でオレンジファンとして個人的にお気に入りだというのが、和泉三月さんが繋がれた鎖に抗うカットだという。動き、カメラワーク、表情、そしてアニメ的な外連味と実写っぽい表情の奥行きが"ザ・オレンジアニメーション"なのだと語る。
▲梅脇氏お気に入りのカット②。こちらはIDOLiSH7、そしてオレンジ作品の大ファンである梅脇氏がファンとして選ぶカットだ。「Vコンで想像していたよりもはるかに良い動き、良いエフェクトでした! どの作品も、いつも良いところを見つけていこうと思ってやっていますが、想像を超えたカットが来ると幸せな仕事だと思います」と絶賛
「ある意味ファンでもあってくれる方に、最後の編集を託せたのが良かったなと思います」と山本監督。さらに「今後も梅脇さんはもちろん、ファンの方に驚いてもらえるような作品をつくっていきたいですね(笑)」と意気込みを語ってくれた。
▲梅脇氏が編集を手がけた『BEASTARS』PV。ジャックが振り向くところが梅脇氏のオススメポイントだという。「オレンジさんのアニメーションは、2Dの良さと3Dの良さが融合していると思います。振り向くだけの動きでも、オレンジさんが作るとふわっと角度が付いたり奥行き感があったりするのがめちゃくちゃ気持ち良いんですよ。そういうところは『Mr.AFFECTiON』のMVでも活かせていると思います!」(梅脇氏)
今回は編集工程にスポットを当てた。ひとくちに編集といっても奥の深い世界なのだと驚くことの多い回だった。MVならではの難しさや「IDOLiSH7」ゆえの壁もあり、しかしだからこそ、そんな困難を乗り越えるスタッフ陣の愛の深さを強く感じることができた。さて、第6回まで続いてきた本連載だが、いよいよ次回で最終回。最終回も初出し情報満載でお届けする予定だ。どうか最後までお付き合いただきたい。