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    こんにちは! サンジゲン のまみやです。花粉症には辛い季節となりましたね、まだまだ本格化はこれからのようですが。。。
    さて、第 1 回目 はいかがでしたでしょうか? 現在フジテレビ "ノイタミナ" で放送中の 『ブラック★ロックシューター』(以下『B★RS』) の制作もいよいよクライマックスを迎えようとしています。今回は、第 3 話「こらえた涙があふれそうなの」 と オープニングから、1 カットずつご紹介いたします!

    © BRS on TV

    第 3 話「こらえた涙があふれそうなの」

    【CUT189】〜コンテでは見えない芝居を演出する〜
    (アニメーター/清水剛吏)

    このカット189 は、別カットがインサートするので、アニマティクスでは、カッティングで必要な要素であるタイミングを決めるために、挿入する画が入るタイミング(=「★Rock Cannon」を打つところ)だけは完成させたものとしてチェックを受けました。また、コンテには描かれていませんが、カット頭が間延びしたように感じたので、アドリブでカット頭にピン(フォーカス)送りを加えました。今石(洋之)さんの作品では、コンテの意図を汲んだ上での自由は許されるので、コンテの絵を再現するだけではなく、常に自分でさらなる演出を加えてブラッシュアップするよう、いつも心掛けています。

    アニメーションテイクでは、動きだけではなく、背景の画づくりまでチェックを受けるのですが、このカットでは、3DCG で UV を展開してテクスチャをマッピングすると「画が 3D っぽくなりすぎて嫌だ」と、今石 3D 特技監督からリテイクが出たので、撮影側でテクスチャ素材を重ねて画づくりを完成させることを前提に、敢えて 3D 側では背景の素材を白と黒でハッキリさせるとこまでで OK となりました。これは、サンジゲン社内に撮影部署がある強みだと思います。
    また、「シルエットが見て分かるような影が欲しい」とリテイクが出たので、コンピュータが計算して生成する影ではなく、影の形をしたオブジェクトなどを用意して画づくりを行いました。BRS(ブラックロックシューター)の立っている足場などがそうですね。このカットに限らず、いつもフル 3D だけど、アニメ的なウソをつき、作画に馴染むように気をつけています。


    第 3 話【CUT189】ショットブレイク。(左上)絵コンテ、(右上)アニマティクス、(左下)3DCG完成、(右下)撮影処理を施した完成形

    絵コンテには描かれていない部分を想像し、演出の意図をくみ取ってカットを作る、これはアニメーターにとって、まさに腕のみせどころではないでしょうか! うちのスタッフは謙虚な方ばかりですが、カット制作に関しては皆さん前衛的です! 上がったカットをチェックする時に、今石 3D 特技監督が嬉しそうに笑う姿を拝見していると、清水さんのように、限られた中での自由を楽しみながらカットを作っている様子がよく伝わってきます。ですが、そのように、ちょっとした演出や芝居付けができるのも、経験とセンスがあってこそ(好き勝手にやればよいわけではありません)! 手前味噌ですが、そうした才能溢れるスタッフたちの生み出したカットが『B★RS』にはたくさん詰まっているんですよ(まみや)

    オープニング

    【CUT026】〜一瞬に念を込めた 1 カット〜
    (アニメーター/石田竜介)

    このカットは、BRS(ブラックロックシューター)STR(ストレングス) が互いに攻撃し合い、双方ともはじかれるというカットです。尺は短く、一瞬で終わってしまい、のりしろをいれても 1 秒弱しかありません。そこで少ない枚数の中で、動きが繋がって見えるように試行錯誤しました。
    エフェクトは色々な作画を参考に、シルエットを気にしながらあまりCG臭くならないように気をつけています。STRの拳を流れるエフェクトは、レーザーがバリアにはじかれる場面の作画を参考にしてみました。

    カット後半の衝撃波も某作画の作品を観た際に、どこかで使ってみたいなぁと思っていたものをやってみました。あのエフェクトは 3D ではなく 2D で作っているんですよ。
    作品にも依るのですが、サンジゲンではカットの割り振りを決める際、やりたいカットの希望を出すことができます。僕の場合は、『B★RS』キャラクターの中で、一番ロボット成分が多い STR を動かしたくて、このカットを選びました。ロボットはやはり良いですね! しかも、パンチ。アニメーションを付けていて楽しかったです。これからもやりたいことをねじ込みつつ、楽しみながらカットを作っていきたいと思います。


    オープニング【CUT026】ショットブレイク。(左上)絵コンテ、(右上)アニマティクス、(左下)3DCG完成、(右下)撮影処理を施した完成形

    このあたり一連のカットは音楽とも合っていて、武器と武器がぶつかり合うときのエフェクトがとても格好良く、私も好きなシーンです。1 秒にも満たない尺の中で、こんなにもかっこいいアニメーションが付けられるのかと感動しました。そして、カットの中で自分のやりたいことを実践するのを楽しんでいるアニメーターがここにもひとり......スタッフのカット制作への貪欲さは、サンジゲンの魅力のひとつだと思います。実は、『B★RS』オープニングのカットは、全てサンジゲンが担当しています。いずれも素晴らしいカットばかりなので、個人的には全カットをご紹介したいほど魅力あるムービーとなっています。本編だけでなく、ぜひ、オープニングにもご注目ください!(まみや)

    さてさて、次回は第 4 話「いつか夢見た世界が閉じる」からご紹介します。お楽しみにお待ちください!

    TEXT_間宮 舞(サンジゲン

    『ブラック★ロックシューター』メインビジュアル

    TVシリーズ『ブラック★ロックシューター』

    2012年2月2日より、フジテレビ"ノイタミナ"ほかにて全8話絶賛放送中!

    原作:BRSプロジェクト
    キャラクター原案:huke
    監督:吉岡 忍
    CG 特技監督:今石洋之
    シリーズ構成・脚本:岡田麿里
    総作画監督・キャラクターデザイン:芳垣裕介
    © BRS on TV

    公式サイト

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