株式会社ディレクションシーズでは、ぱちんこ・パチスロ遊技機の液晶映像開発を行っている。企画立案や演出・絵コンテに始まり、2D・3DCG、コンポジット、制御プログラム、組み込みまで、液晶映像の全工程に対応できることが強みだ。2011 年に専門学校を卒業しアニメーターとして入社したY・M 氏に、現在までの道のりをふり返ってもらった。
採用段階で一番重視されたのは、
遊技機の経験ではなく、映像制作への熱意でした
ーー応募から採用にいたるまでの経緯を教えていただけますか?
Y・M 氏:2 年制の専門学校で3DCG の工程を一通り学んだ結果、自分にはアニメーションが向いていると感じました。そこで集中的にアニメーションを勉強しつつ、アニメーターを募集している会社を探していく過程で当社の存在を知ったのです。Web サイトで紹介されていたキャラクターアニメーションのテイストと、自分のやりたい方向性が凄く近かったので「ここしかない!」と感じました。
ーー応募した時点で、遊技機に関する知識はありましたか?
Y・M 氏:まったくと言って良いほどありませんでした(笑)。当社では入社時の遊技機経験は問われないので、私のように遊技機を知らない状態で入社してくるスタッフは少なくありません。採用段階で一番重視されたのは、映像制作への熱意でした。
ーーということは、入社後に遊技機の勉強をなさったのでしょうか?
Y・M 氏:そうです。遊技機の映像を作るからには、遊技機特有の約束事や演出の知識が欠かせません。加えて、ツールや作業ルールの勉強も必須です。入社後の約1 ヶ月間は新人用の研修を受けました。私の場合は休日にホールへ足を運び、お客様の気持ちになってプレイすることもありますね。とはいえ社内には研修用の実機があるので、仕事の合間に勉強することもできます。
ーー入社から現在までの間に、どのような変化がありましたか?
Y・M 氏:アニメーターとしての成長を実感しています。仕事は楽しいことと辛いことの繰り返しですが、着実にできることは増えていて、社内での評価も上がっています。ただ、今現在は伸び悩みの時期にさしかかっているように思います。物理的に正しい動きは表現できるようになったのですが、メリハリのある動き、気持ちの良い動き、格好良い動きといった“ 演出” に関しては先輩たちに比べるとまだまだ未熟です。さらに上のレベルを目指して、もっと腕を磨きたいです。
TEXT _尾形美幸(EduCat)
PHOTO _弘田 充