Shotgun導入によって、問題の早期発見・対応が可能に
続いて、今回の本題であるShotgun導入がもたらすメリットをご説明しましょう。最初に紹介するのは、プロジェクト管理者にとってのメリットです。Shotgunはプロジェクト管理ツールなので、タスクやスケジュールなどを管理するプロダクション マネージャー、ショットのクオリティを管理するスーパーバイザーなどは、そのメリットを最も享受できます。具体的には、Shotgunの導入で以下の仕事が効率化され、所要時間の短縮が可能となります。
- ・制作スタッフへのタスクの割り振り、進捗確認
- ・ショットのレビューと、チェックバック(ペイントオーバーや、メモなど)の作成
- ・社外の協力会社が制作したショットデータの取得(ダウンロード、圧縮データの解凍、別フォルダへのコピーなど)
- ・クライアントや監督からの、ショットに対する問い合わせへの対応
- ・過去のメール、チェックバック、ショットデータの捜索
- ・大幅な予定変更、方針転換への対応
さらにShotgunの導入は、アーティストやエンジニアなどの制作スタッフにも多くのメリットをもたらします。具体的には、以下の仕事が効率化され、所要時間の短縮が可能となります。なお、前述の通りShotgunのインタフェースは自由にカスタマイズできるので、プロジェクト管理者はタスクの一覧を、制作スタッフは自分のタスクのみを閲覧するといった使い分けも可能です。
- ・ショットに対する最新チェックバックの受信と、内容の確認
- ・過去のメール、チェックバック、ショットデータの捜索
- ・プロダクションマネージャーやスーパーバイザーへの連絡
- ・プロジェクトの進捗状況や、クオリティラインの把握
つまりShotgunには、プロジェクト管理と情報伝達にかかる工数を可能な限り削減できるというメリットがあるのです。
ではここで、20人規模のプロジェクトにShotgunを導入した場合にどの程度の工数が削減可能か、
シミュレーションをしてみましょう。今回は控えめに見積もって、1人1日20分の工数削減ができたと仮定します。
- 1日あたりの工数削減:20人×20分=400分
- 1ヶ月あたりの工数削減:400分×20日=8,000分=133.3時間=16.6人日(1日8時間勤務の場合)
- 1年あたりの工数削減:16.6人日×12ヶ月=199.2人日=9.9人月(1ヶ月20日勤務の場合)
日本の一般的なCG映像制作において、約10人月の工数削減が実現すれば、Shotgunの年間ライセンス20本分の金額がまかなえるのに加え、利益も見込めます。つまりShotgunの導入は、会社経営者にとってもメリットがあるのです。おまけにShotgunを使えば、プロジェクトに関する様々な情報を可視化して一元管理できるので、問題の早期発見・対応が可能となります。ショットデータの取り違え、情報伝達ミスなどの防止にも効果を発揮します。そのため前述の工数削減のほかにも、様々なメリットが享受できるのです。
- ・プロジェクトの工数削減
- ・クオリティラインの明確化による、クオリティの確保
- ・スケジュールの明確化による、納期の順守
- ・スタッフの適正な稼動
- ・過度な残業の削減
- ・人為的なミスの削減
- ・メンバー間、メンバーとクライアント間のコミュニケーション不足によるトラブルの削減
- ・業務委託スタッフ、新人スタッフがプロジェクトに参加しやすい環境の構築
Shotgun導入の第一歩を、誰が踏み出すのか?
前述のように様々なメリットが期待できるShotgun。とはいえ、ご自身のスタジオのカルチャーになじむのかどうか、実際のところは試してみないとわからないですよね。私自身、前職で初めてShotgunをさわったときには試行錯誤の連続でした。そんな当時の経験を思い出しながら、Shotgun導入の道先案内人を務めさせていただきます。ボーンデジタルでは、Shotgun無償トライアルサポートを実施中です。この機会に、ぜひShotgun導入の第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。まずは、社内でプロジェクトを管理しているプロダクション マネージャー、スーパーバイザーなどの皆様が中心となって、基本操作を修得し、自社用のカスタマイズをなさることをお勧めします。
次回の更新では、Shotgunの具体的な構造、基本操作、設定方法について解説していきます。お楽しみに!
Shotgun無償トライアルサポートのご案内
ショットガン・トキトウとボーンデジタルのスタッフが、お客様の事情や要望を伺い、最適な設定の提案や運用サポートをさせていただきます!
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TEXT&Illustration_ショットガン・トキトウ(ボーンデジタル)
EDIT_尾形美幸(ボーンデジタル)