03 POP Fluid
ベースのフローが完了したら、最終的にPOP Fluid DOP【A】を使って、ParticleをFluidへ変換します。追加するノードは1つですが、実際は数多くのMicro Solverの集まりで、PBDをベースにした設計になっています。これ1つで、動きに対して非常に簡単にFluidの質感を出すことができます【1】。
実際にディテールを見てみると、通常のParticleにメッシュを貼ったもの【2】と、Fluidに貼ったもの【3】では、一目瞭然のちがいが見て取れます。
設定も非常にシンプルです。パラメータの解説は後述しますが、基本的にFluidの特性をもたせ、凝集と張力をシミュレーションし、ParticleそれぞれのPositionを更新するといったものです。元々はWhitewater Solver DOPの内部にひっそりと使用されているものですが、今後発展してメインでも使用していくようなアプローチになると考えられます。SPHのような粒子法を用いたシミュレーションがそのコストの高さから嫌われがちではありますが、PBDのアプローチとOpenCLの存在がある昨今、ディテールを求めるようなシチュエーションでは、非常に有用だと考えます。
04 Operators
主要ノードを解説します。
●POP Fluid DOP
今回紹介するノードは、POP Fluid DOPです。Particle間を凝集や張力といった特性を考え、フォースでその距離を保ちます。シンプルな流体を表現するのにはうってつけのノードです。
Projection Type:主にUpdate Positionsを使用します。Particleの位置とVelocityを更新します。
Particle Separation:近接しているParticleとのターゲット距離の値です。
Constraint Iterations:Particle間の距離を正確に保つための精度です。
Constraint Stiffness:Partcie間の距離を保とうとする力です。
Maximum Acceleration:Constraintによって加速する最大の速度です。高いほど、Constraintが不安定になる可能性があります。
Tensile Radius:Particleが凝集しすぎないようにする最小の距離です。
Tensile Strength:凝集したParticleが反発する力の大きさです。
Viscosity:Velocityを拡散し、近接するParticleの動きを寄せて、動きを粘着質にします。
Vorticity Confinement:Vorticityを維持し、エネルギーが中和されないようにします。
Use OpenCL:シミュレーションの際に、OpenCLを使用します。環境にもよりますが、シミュレーションが高速になる可能性が高いです。
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