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vol.83 Clip

vol.83 Clip

今回は、前回紹介したForによるくり返しを利用して、複数の質感をもつ彫刻のようなモデルのつくり方を解説します。

TEXT_秋元純一 / Jyunichi Akimoto(トランジスタ・スタジオ/ディレクター)
日本でも指折りのHoudini アーティスト。
手がけてきた作品は数々の賞を受賞している。
代表作に、HIDETAKETAKAYAMA『Express feat. Silla(mum)』など。
www.transistorstudio.co.jp
blog.junichiakimoto.com


EDIT_小村仁美 / Hitomi Komura(CGWORLD)

Clip SOPでジオメトリをカットする

今回のモチーフは現代アート的な彫刻です。前回の記事で紹介したForを使ったくり返しの作業はHoudiniの得意分野でもあり、今回のプロシージャルモデリングもForを主軸として組み立てていくワークフローになっています。また今回はVDBも活用しています。VDBは彫刻のようなモチーフにはもってこいです。今回はすでにスキャンされて整理されたデータを使用していますが、それをHoudiniの中でさらに整理したり、今回のフローを応用した作業にもVDBを使用しています。

SOPの中には、通常の目的とは異なる使い方でも力を発揮するものが多々あります。今回のテーマのメインとなるClipやVDBも、元々の目的からは若干ずれた使い方かもしれません。しかし、Houdiniは応用にこそ意味があるソフトです。普通の使い方で良いならば、その他のCGソフトでも事足りてしまいます。実際の機能を理解しつつ、常に応用の可能性を検証することにHoudiniを使う意義が出てくるのだと確信しています。Clipは非常にシンプルな機能しかもち合わせていません。しかし、使用する環境を変えてあげることで非常に強力な武器となります。それこそがSOPの最大の魅力といえます。

今回のHoudiniプロジェクトデータはこちら

※今回は外部サイトのスキャンデータをジオメトリとして使用しているため、プロジェクトデータにはジオメトリが含まれておりません。ご使用の際にはご自身で下記サイトよりスキャンデータをダウンロードして設定してください。 Three D Scans

01 All Flow

全体のワークフローを紹介します。



  • ノードの全体像(左から右に続きます)


まず、ベースとなるジオメトリを用意します。今回はThree D Scansというサイトからダウンロードしたジオメトリでテストしています。外部ファイル【A】は軸がちがっていたりサイズが大きすぎたりする場合があるため、作業しやすいように調整します【B】。調整したジオメトリをVDB from Polygons SOP【C】からVDBに変換します。Distanceへ設定して、SDFとします。今回は土台部分はいらないので、土台部分のマスクをジオメトリで作成し、こちらもVDBに変換します【D】【1】。そして、VDB Combine SOP【E】を使ってVDB同士をコンバインします。このとき、SDFとして演算することで減算できます【2】


これをConvert VDB SOP【F】でPolygon化します。Adaptiveに数値を入れ込むことで、平面に近い部分はPolygonを削減できます。次に、Clipでカットするための角度をTransform SOPを使って設定します【G】。Clipは一定の軸に対してストレートにカットするため、出来上がりを想像して調整しましょう【3】。次にForを使ってくり返しの設定をします。ForのEnd【H】設定は、Iteration MethodがBy Count、Gather MethodがMerge Each Iterationになります。Begin【I】の設定は、MethodがFetch Inputで、インプットをそのまま読み込む設定で、Iterationの結果を読み込まないようにします。次に、Clip SOP【J】のDistanceは、Metadata【K】から読み込んだIterationの値から、それぞれ順にカットする距離を変えていきます。カットしたジオメトリにDivide SOP【L】を使って、Remove Shared Edgesをチェックし、カットの切り口をPolygon化します【4】


それをResample SOP【M】で一定のPointを配置し、PolyExtrude SOP【N】でInsetします。Poly Fill SOPなどを使って、多角形ポリゴンを三角化しても良いでしょう【O】。同じくPolyExtrude SOP【P】で厚みを付け、Group Create SOP【Q】を使い、角度からEdgeをグループ化します。Bevel SOP【R】でも角度で選べますが、今回は精度を求めるため、いったんGroup Create SOPを使用しています【5】。最後に、Attribute Create SOP【S】で、IterationからグループになりうるAttributeを作成して完成です【6】。出来上がったジオメトリは、最初にTransform SOPで移動した分、Invertで元に戻します【T】

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02 VDB Clip Flow

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