>   >  Houdini Cook Book:Vol.94 Build Material
Vol.94 Build Material

Vol.94 Build Material

Materialをゼロから作成します。

TEXT_秋元純一 / Junichi Akimoto(トランジスタ・スタジオ/ディレクター)
日本でも指折りのHoudini アーティスト。
手がけてきた作品は数々の賞を受賞している。
代表作に、HIDETAKE TAKAYAMA『Express feat. Silla(mum)』など。
www.transistorstudio.co.jp
blog.junichiakimoto.com


EDIT_小村仁美 / Hitomi Komura(CGWORLD)

MaterialとMantraで実現するプロシージャルシェーディング

前回の連載では、Mantraを中心に解説しました。今回は、Materialの視点から掘り下げていきたいと思います。Mantraの素晴らしいところは、Materialと密接に関わっていて、そのMaterialが非常に汎用性が高いと言う点です。

近年ではサードパーティ製品の台頭により、Mantraの存在意義が薄れつつあります。速さが重視される風潮の中、レンダリング速度が非常に速いサードパーティ製のレンダラに比べると、Mantraはのんびりしたところがあるのは事実です。ただ、シチュエーションによってはMantraも捨てたものではなく、Materialの構築によりテクスチャワークのいらない完全にプロシージャルな質感をつけることが可能になります。

これは、そもそもUVすらも必要としないようなオートマティックなシェーディングフローを組み上げられることを意味し、それはすなわち生産性の大幅な向上につながります。今回は、そのようなプロシージャルなシェーディングをゼロから組み上げて、MantraとMaterialの優れた機能を理解していきたいと考えています。

今回のHoudiniプロジェクトデータはこちら

01 Setup

全体のセットアップを解説します。

まず、全体のセットアップを開始します。Materialをビルドするために、最終的にレンダリングしたいものを準備します。Material Network【A】を作成し、この中にMaterialを作成していきます。デフォルトで用意してあるMaterial Networkでも問題ありません。Light【B】とCamera【C】を準備します。次に、ブランクなObject【D】を作成しレイアウトをします。プロシージャルなシェーディングをするためには、まず、世界の大きさがはっきりわかっていた方が良いので、最初にレイアウトをとっておきます。ここのネットワークには映っていませんが、Materialを詰める際に、あまり複雑で重たいジオメトリで作成すると時間の無駄になってしまいますので、テスト用のジオメトリを準備して切り替えながら作業すると効率が上がります。

Material Networkの中では、Material Builder【E】を使って、新たにMaterialを作成します。ジオメトリはDelayed Load Procedural【F】を使ってキャッシュを読み込むようにし、Collect【G】を使ってShaderをまとめ、このCollectをGeometryが選択している状態にセッティングします。最後に、MantraをPhisically Based Renderingで設定すれば、準備は完了です。


今回のMaterialは、木に対してペンキが塗られているような素材を作成していきたいと思います。Materialのフローは大きく4つあり、木目の作成【H】、ペンキの質感【I】、ペンキのマスク【J】、最後にそれらを合成【K】するながれになります。

Materialの作成は、一見複雑なように見受けられますが、実際には要素をコンポジットしていくようなながれになりますので、NUKEなどノードベースの合成を経験している人にとってはそこまで難易度の高いものではありません。ただ、シェーディングを作成するノウハウがないと合成までたどり着けないため、その部分の理解が深まればと思います。Houdiniでは、ある程度汎用的なMaterialは用意されています。ただ、今回のように、プロシージャルな模様を作成したり、異なる質感を合成したりするためには、ゼロから作成できる技術を習得しておく必要があります。

次ページ:
02 Material Flow

その他の連載