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Vol.109 Growth

Vol.109 Growth

03 Rend Geometry Flow

最終出力用のセットアップを解説します。

キャッシュが完了したら、必要に応じてSmooth SOP【A】を用いて、Polygonのラインを滑らかにします。カクカクしてしまう場合もありますが、それをそのまま使っても問題ないので、最終形をどうしたいかで判断してください。

次に、Wrangle【B】を使い、Point番号を用いてパラメトリック座標系に一列に並べます。それを0〜1の範囲に並べ直し、それを用いて太さをコントロールします。また、後々使いやすくするために、UVなどにしています【1】

これをこのままPoiygon Curveとしてレンダリングしても良いですが、場合によってはPolygon化する必要もあります。その場合はPolywire SOPなどを用いて法線をNormal SOPできれいに整理します【C】。今回は、あくまでもビジュアライズ用途としてVOPで色を付けたりして確認しています【2】


04 Operators

主要ノードを解説します。

●Attribute Wrangle SOP(Wrangle)

今回紹介するノードは、Wrangleです。

Wrangleと省略して呼んでいますが、正式名称は「Attribute Wrangle SOP」です。このノードは、VOPの内部で、Snipet VOPというものを利用して、VEXベースのVEXPressoionを用いてコーディングしていく特殊なノードになります。

以前は、VEXをコンパイルしてノード化して使用していた技術が、もっと簡易的に使用できるようになりました。余分な宣言やコーディングの煩わしい部分をある程度省いてくれるのと、Houdini内でエディットできるため、非常にコーディングしやすく、プログラミングの敷居を下げてくれます。とはいえ、ある程度の文法や関数への慣れは求められるため、基礎知識は必要になります。

ただ、筆者としては、Houdiniの導入時点からWrangleを多用してしまうことには懐疑的です。Wrangleが優秀すぎるがゆえに、何でもできてしまうことがある意味で諸刃の剣となってしまうことを懸念しています。デバック力が身についていない状態でWrangleを多用した場合、エラーを回避できなくなってしまったり、ノードが既に準備されているものまで、逆に回りくどくコーディングしたりする遠回りを強いられる可能性が高いです。現にそういった状況も多く見てきたので、本連載ではあまり取り上げていません。

とはいえ、近年の傾向を見るに、やはりWrangleの活用は避けられないのも事実です。今後は、VOPとWrangleを織り交ぜながら、バランスを取りつつ執筆していければと思っています。

WrangleとVOPをどちらも翻訳できる状態がベストですし、本当にコーディングする必要があるのか、まずは疑ってみる目を養うことも重要です。あくまでもツールのひとつと位置付け、頼りっきりにならず、広い視野でHoudiniを見ていただければと思います。

どちらにしても、Houdiniを使う上では、疑いの目が本当に大事になってきますので、Wrangleを通して注意喚起をしたいと思い付き、今回の記事を執筆しました。


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