Softimage 編
最後は、Autodesk Softimage の場合。まずSoftimageでレンダーパスを出力する場合、V-Ray やMaya と同じように Softimage 標準のプリセットが用意されているので、これを使用するのが簡単だ。Softimage から mental ray で OpenEXR を出力する場合は、標準ではマルチレイヤー OpenEXR を出力する設定がないため、1レイヤー/1ファイル出力となる。なお、V-RayやMaya で使用されるレンダーパスと Softimage で使用されているレンダーパスは解釈が異なり、Maya と比較した場合
・Softimage:レンダーパス > Maya:レンダーレイヤー
・Softimage:レンダーチャンネル > Maya:レンダーパス
と考えた方がしっくりくるだろう。
Softimage 標準で出力できるチャンネルは[レンダ→レンダ→シーンオプション...]から[Scene Render Options]ウィンドウで確認できる
1.デプスチャンネルの出力設定
[レンダ→レンダ→ Render Manager...]から Render Manager ウィンドウを開き、[レンダチャンネル出力→追加]を選択
[レンダチャンネル]から[深度]を選択
[レンダチャンネル出力]で追加されたチャンネルが確認できる
Softimage 標準では[深度]チャンネルを選択すると、mental ray Depth(.zt)形式で出力されてしまうので、これをOpenEXRに変更するため[編集]から[出力フォーマット]を[OpenEXR(.exr)]へ変更する
なお、今回は1レイヤー/1ファイルとするので、チャンネルも[Depth]から[RGB]に変更した。ここを変更せずレンダリングすると、OpenEXR 内の[Depth]というレイヤー内に格納される。
2.モーションベクターチャンネルの出力設定
モーションベクターはデプスと同様の手段で出力することも可能だが、今回は NUKE で扱いやすいモーションベクターの出力法を解説する。
[Render Manager]ウィンドウから[パスシェーダ→出力→追加→ Motion Vector(mip)]を選択
選択後表示されるウィンドウで[浮動小数動少数フォーマット]から[Toxik]を選択。[代替チャンネル]の[追加]を選択し、出力するチャンネル名を追加する。今回は[mv2D]という名前で追加した
ここからはデプスチャンネルと同様に、[レンダチャンネル出力→追加]から[mv2D]チャンネルを追加する
3.オブジェクトマスクチャンネルの出力設定
オブジェクトマスクチャンネルの出力設定については複数の方法があるが、ここではデプス、モーションベクターと同じパスから出力する方法を解説する。この方法はシェーダ単位でオブジェクトマスクを出力したいときに向いている。
[Render Tree]ウィンドウを開き、割り当てたいオブジェクトのノードを表示し[Store Color in Channel]ノードを作成する。このとき、"store" で検索をかけるとノードを見つけやすい
[Store_Color_in_Channel]ノード内の[入力]カラーを[R:1,G:0,B:0]にし、[レンダチャンネル>追加]からレンダチャンネル名を入力。今回は[maskA]とする。これにより、入力カラーで設定した色を[maskA]チャンネルに格納する設定となる
同様に[Color4 passthrougth]ノードを作成する
[Color4_passthrougth]ノード内の[channel→追加]ボタンで入力チャンネルを追加する
これらを上図のように接続する
これで赤マスクの出力設定ができた。同様に緑、青マスクも作成すると作成後は上図のようになる
再度、[Render Manager]ウィンドウで先ほど作成した[maskA]チャンネルを追加する
[利用可能なチャンネル]を確認すると、標準ではなかった[mv2D]と[maskA]チャンネルが追加されている
TEXT_テラオカマサヒロ(Galaxy of Terror)
株式会社ギャラクシーオブテラーにて VFX ディレクターとして活躍中。現在は北米に活動拠点を置き、実写合成からフルCGまで幅広いVFX制作に携わっている。
個人サイト「tiraokan.」
TEXT(Houdini編)_秋元純一(TRANSISTOR STUDIO)
TEXT(Softimage編)_宮崎友真(Galaxy of Terror)