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Vol.1:AEユーザーのためのNuke的思考

Vol.1:AEユーザーのためのNuke的思考

Nukeは非常に優れたコンポジットアプリケーションだ。目立ったところでは、3Dコンポジットや立体映像への対応などがあるのだが、実際に使用したことがある人となると、日本では割と少ないのではないだろうか。そこでまずは、基本的なコンポジットに主眼を置いて解説していこう。

ノードベースのコンポジットとは

今回からスタートした本連載。近頃、注目を集めるNukeによるコンポジットワークについて、実践的な解説をしていきたいと思う。

Nukeはいわゆる、ノードベースのコンポジットシステム/Node-based Compositing System である。それに対して、レイヤーベースのコンポジットシステム/Layer-based Compositing Systemの代表格と言えるのが、日本国内で最も用いられているであろう、After Effectsだ。

元々、映像合成というものは、フォアグラウンドとバックグラウンドという2ソースが考え方のベースである。例えば、古くからのテープベースでの合成編集は、フォアとバックを合成して一旦新たな画像を生成し、それをバックグラウンドに置きつつ、さらに、新しい画像をフォアグラウンドとして合成してまた新たな画像を作り出す......といった手順である。
ノードベースのコンポジットでは、概ねこの手法を踏襲しており、ステップ・バイ・ステップで出来上がっているため、ひとつひとつのノードがどの素材に適用されているかが判りやすく、パラメータにもアクセスしやすく、それゆえにコントロールしやすい。
 またNukeの場合、そうしたノードを汲み上げた「ノードグラフ/NodeGraph」は一見複雑そうに見えるのだが、実は何をやってるのか非常に判りやすいのだ。しかもNodeGraph は AEの同じようなアイコンのレイヤーを上下にのみ重ねていくわけではなく、NodeGraphの全体像を地図のような感覚で、把握しやすい(方向音痴の人には申し訳ないが......)。

一方、レイヤーベースのシステムを見てみると、Photoshop的な思考で時間軸を取り込んだタイムラインを持っているUIが特徴的だ。複数のソースの合成だけに止まらず、エフェクトなどを組み合わせたワイプなどの凝ったトランジションを作成できるし、編集ソフトのような使い方もできる。
 逆にノードベースではタイムラインという考え方が薄いため、カットとカットを繋ぐような使い方が困難だ。加えて、NodeGraphが、"一見、複雑"なので取っ付き辛い。

とは言え、レイヤーベースが万能ということでは決してなく、素材が多くなりレイヤーが"深い(積み上がった)"複雑なコンポジットになると、影響範囲が判り辛い。"レイヤー"という考え方は、ぱっと見では整理されているように感じるが、実は全体像が把握し辛いのだ。

NodeGraphは一見複雑だが、地図のように認識できるので把握しやすい。

Node Graphは一見複雑だが、あの「Blur」は右上(ハイライトさせた箇所)・・・といった具合にアクセスしたい Node Operator の場所を、さながら地図のように認識できるので把握しやすい。

レイヤーベースのコンポジットでは、偏執的な使い方も可能であり、合成しながら編集していくことが可能。

一方、AEに代表される時間軸を持ったレイヤーベースのコンポジットでは、編集的な使い方も可能であり、合成しながら編集していくことが可能。そうした作業を行いたい場合には重宝する

ノードベースとレイヤーベース、どちらも一長一短である。

ノードベースとレイヤーベース、どちらも一長一短である。一般的に、ノードベースは1カットずつを複雑に作りこむコンポジット作業に向いており(タテに強い)、レイヤーベースは時間軸に沿ってコンポジットするのに長けている(ヨコに強い)。

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