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Vol.12:CGコンプ

Vol.12:CGコンプ

per light AOVs

AOVsを用いた、beautyの再構築からのCGコンプを行う前に、もうひとつ紹介しておかなければならないものがある。per light AOVsと呼ばれる、上記で紹介したAOVsをさらに光源ごとに分けたものである。これに関してはレンダラによっては対応していないのもある。今回、用いるV-Rayでは、light selectとよばれ、またこのV-Rayのlight selectは直接光においてだけ有効である。

V-Rayのper light AOVsであるlight selectには出力タイプとしてNormalRawDiffuseSpecularが準備されている。なぜかここだけlightingではなく、標準的な「Diffuse」という表記になっている。NormalはDiffuseとSpecularを足したもの、RawはRaw DiffuseとRaw Specularを足したものということになっている。Raw Diffuse、Raw Specularはそれぞれ、Diffuse、Specularをカラー情報(diffuse color texture)で割って、Raw(生)なシェーディング情報を得ることができるものである

つまりV-Rayでは、light select(per light AOVs)を用いてlightingとspecularが光源ごとに出力が可能になる。per light AOVsを用いると、環境光だけ弱めたり強めたり、ある光源からのスペキュラだけを取り除いたりと、CGソフトウェアでのライティングでやるようなことが再現できたりする。そして、これこそがCGコンプにおいて求められていることのひとつである。一度、3DCGソフトウェアで行なったライティングで算出された情報をAOVsという形でキャッシュしてコンプ上で再度ライティングしているような感じである。実際にはもっと2D的にコントロールすることが多い。つまりロトなどを用いて、部分的に各要素を調整するといったようなイメージである。

AOVsをレイヤー(チャンネル)で格納しているデータの流れであれば、そのデータの流れ上のどのノードであってもViewer越しにもっているレイヤー(チャンネル)を確認できる。この場合、たとえば、ls0_diffというのはlight selectでlight0というライトを指定したdiffuseという意味で命名している。同じくls1_specはlight1で生じるspecularになる

light select(per light AOVs)だけ表示した例。各々のライトがどのように作用しているかが見て取れる。CGライティングを受け取って、まず最初に確認してその役割を知っておくとライトコンプをする上で指針をつくりやすい

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