▼審査参加企業・アーティスト
<<特別審査員>>
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秋元純一
トランジスタ・スタジオ/CGディレクター・取締役副社長
2006年に株式会社トランジスタ・スタジオ入社。専門学校時代よりHoudiniを使用し続けて現在ではCGWORLD.jpにて「Houdini Cook Book」を連載中。
www.transistorstudio.co.jp
【総評】
今回は、個人的にも評価がばらついて、難しい採点が多かったように感じました。それだけ拮抗していたのだと思います。それぞれの作品にかける思いは十分感じましたし、真剣さも伝わってきます。作品を表現する上で、やはりその次代の流行りなども顕著に現れるのが学生の作品だと思います。どうしても、既視感は否めませんし、それを避けるのはプロでも難しい事の様に思えます。その中でも、オリジナリティやストーリー性を自分なりに詰め込んでいる作品を選ばせて頂いたと思います。学生のうちはどうしてもCG作品に目が行きがちだと思いますが、自分の中での創造性を養うのは、実はかけ離れた場所にある様に思います。また、構図などの勉強も兼ねて、普段スマートフォンで写真を撮る際も、構図に気を配る様な心持ちが重要なのかもしれません。普段の生活の何気ない姿勢が、実は作品には大きな影響を及ぼすと、私自身感じて止みません。こういった講評の機会をいただく度に、皆さんの作品に対する姿勢をみて、自分自身襟を正す様な気持ちになれます。応募作品も回を重ねるごとに多くなって行っている様です。皆さんにとってもチャレンジする機会が増える事は非常に望ましい事なので、これからも前のめりなモチベーションで望んで欲しいですね。
[ 採点結果 ]
池内啓人さん:4点 塩谷涼平さん:3点 金友なつきさん:3点 佐藤駿平さん:2点 大柳和也さん:1点 小山内 澪さん:1点 齋藤 毅さん:1点 島袋 蓮さん:1点 玉村杏奈さん:1点 前田大輝さん:1点 野口陽翔さん:1点 道祖尾亜紀さん:1点
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鈴木卓矢
SAFEHOUSE / 取締役・モデリングスーパーバイザー
SeniorArtist として BlizzardEntertainment の Cinematics 部署で背景のデザインからモデリングまでを担当し多くの作品に携わる。 現在はドイツで ArtDirector としてリアルタイム映像制作で活躍している ErasmusBrosdau とタッグを組んで、 SAFEHOUSE inc. を設立。 最近では後進を育てる為に自身の経験を基にした Blizzard と同じ環境レベルでのアーティスト教育をしています。
safehouse.co.jp
【総評】
今回180作品を超えて過去最多作品数ということでWho'sNextが作品制作のモチベーションの一つになっているのかなと感じました。
年々クオリティーがアップしているように思えます。
ただ今回は僕の中で上位はすぐに決まりました。
そこに共通して言えることは、なんとなくこんなだろうなという雰囲気で作るんじゃなくてあたかもそこにいたかのように
一つ一つにすごくこだわって丁寧に作られているという所がとても印象的でした。
みなさんもそういったこだわりがぱっと見でわかるような作品を心掛けるとまた次回もレベルの高い作品が見られるのかなとおもいます。
[ 採点結果 ]
佐藤駿平さん:5点 小林太一さん:4点 松田 空さん:3点 山田瑞来さん:3点 池内啓人さん:2点 福地翔妃さん:2点 瀧上太一さん:1点
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宮川英久
コンセプトアーティスト
アメリカ合衆国でシニアコンセプトアーティストとしてゲーム業界を中心に活動しております。代表的な仕事歴としては"Halo Infinite" "Guardians of the Galaxy - Mission: Breakout!" "The Marvel Experience" 映画 "A Wrinkle in Time"などがあります。
www.artstation.com/supratio twitter.com/HidehisaM
【総評】
審査員という大役を頂き感謝に尽きません。皆様の作品の熱気に圧倒され、とても良い刺激になりました。クオリティもさることながら、作品の表現の幅や個性が豊かになってきているように感じます。そういった意味で点数を付けるのが非常に悩ましい審査でした。これからも皆様の個性を大事にしつつ、お互いに精進していきましょう!
[ 採点結果 ]
島袋 蓮さん:2点 池内啓人さん:2点 大柳和也さん:1点 松田 空さん:1点 小山内 澪さん:1点 中西瑠似さん:1点 小林太一さん:1点 富岡祐太さん:1点 高橋 遥さん:1点 畑 健太朗さん:1点 中條大地さん:1点 玉村杏奈さん:1点 瀧上太一さん:1点 前田大輝さん:1点 佐藤駿平さん:1点 金友なつきさん:1点 白石遼夢さん:1点 豊田英莉香さん:1点
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井上倫孝氏
Framestore London/シニアモデラー
米国の美術大学を卒業後、Framestoreのニューヨーク支社に入社。CM部門でコマーシャルCGの製作に従事し、2017年からロンドンの映画部門にモデラーとして転籍。代表作はファンタスティックスビーストシリーズ、His Dark Materialシリーズ、Thorシリーズなど。
www.framestore.com
【総評】
上位のやや下あたりラインが特に評価が難しい印象を受けました。CGのレベルは高くても、何を見せたくて、そしてそれを上手く見せることができているかが少しあやふやな作品も見受けられました。このあたりが個人的には評価の分かれ目になったと思います。そういう意味では、CGと関係ない方、家族、友人なんかにもみてもらうと、また違った目線での意外なアドバイスがもらえるかもしれません。
180を超える作品数ですので全体的にレベル差は見受けられましたが、参加者の皆様は上位者の作品を一つの指標として今後も制作を続けて頂けらと思います。
今回本当に沢山の素晴らしい作品を拝見し、自分自身にも大変刺激になりました。良い意味でクオリティにばらつきがあり、経験者から初心者まで広く参加できるWHO'S NEXTは一つの目標となる素晴らしいコンテストだと思います。
[ 採点結果 ]
松田 空さん:4点 小林太一さん:4点 池内啓人さん:3点 佐藤駿平さん:2点 芝田留唯さん:1点 畑 健太朗さん:1点 加納雅利子さん:1点 長島亜希子さん:1点 坪田知美さん:1点 山田瑞来さん:1点 瀧上太一さん:1点
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工藤美樹氏
こびとのくつ/代表取締役社長 ビジュアルテクノロジスト/レタッチャー
7歳より油画・水彩・陶芸・書道を学ぶ。のち漆芸の人間国宝 田口善國氏に師事。 職人的専門性とチームワークを兼ね備えたリタッチ会社、こびとのくつ株式会社を創業。 企画・撮影段階から、予算・機材等の相談に応え、多媒体に対応可能なデータ設計 や独自のHDR現像技術など、画像制作に関する専門家として顧客のサポートにあたっている。NEWYORK ADC Gold Cube 3部門同時受賞/NEWYORK ONE SHOW Gold3部門同時受賞/その他受賞歴多数。
https://kobito.co.jp/
【総評】
御応募いただいた作品から学ぶことが多く、素晴らしい機会をいただけたことに感謝しかありません。
全体を通じて感じたのは、技術力のみならず、構図・主題の選定と絞り込み・光の演出・深度や空気遠近法等のバランスが、高次で定着できている作品が多かったという点です。技術力が上がれば絵画や光の勉強を、主題や構図が構築出来たらモデリングやテクスチャの勉強を、映画や小説を通じて人間の心の機微を知る。そういった全方位的な学習プロセスを通じ、アーティストとしても人間としても進化していければ素晴らしいと思っています。
最後に19世紀の作家オスカー・ワイルドの言葉を贈ります『もしなりたいものを決めずにダイナミックでアーティスティックな人生を歩めば、もし毎日自分のことを決めつけずに人生を過ごせば、あなたは何にでもなれるのです。それがあなたへの報いなのです。』
[ 採点結果 ]
中條大地さん:5点 佐藤駿平さん:5点 大柳和也さん:2点 英之宮田さん:2点 加納雅利子さん:2点 坪田知美さん:2点 Khomala Amelia Chrysantiさん:1点 畑 健太朗さん:1点
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佐々木 稔氏
Industrial Light & Magic/Digital Enviro Generalist
30年前日本で8年間TVのMotionGraphicやCMやゲームのCG gengeralistをし、その後サンタモニカで映画とCMの映像をEnviroに特化したGeneralistとして10年、その後バンクーバーで10年映画だけのEnviro GeneralistやMattePainterや3D conceptをやってます。CGを使っていますがCGにあまり興味はなく、映像や絵を作ることに数十年興味を持ってます。現在Disney+でオンエア中のLokiの第五話の崩壊した長尺のNYのシーンを一人で制作したので是非見てください。(巨大煙はやってません)ずいぶん前に参加したんですが上映がCovidのせいで伸びていたBlackWidowも是非。
http://www.minorysan.com
【総評】
CGWORLDの審査は初めてやってみたのですがレベルが高くて今後が楽しみな作品が多く楽しかったです。ありがとうございました。全体的に共通して言えたのはTextureとShadingの探求が足りないと実感しました。要するに、作りこめる能力は既に皆さん持っていることが作品から伝わるのに、そこに時間をかけてリサーチをせずにスルーしてる気がしました。最近ではこの世に存在してるもののCG Objectsは作らずに手に入るし自然光の勉強もしなくてもほぼほぼリアルに見せれるので、大事なのは細かいObjectやTexのbrushupと意図的な追加Fake Lighting(大袈裟な)のような気もします。そして今後大事になるであろうアートディレクションやレイアウト構図能力が全体的に足りていないと感じ、逆にそれらが見れたり感じれるものに点数を付けたつもりです。なのでテクニカルにも総評したのですが、テクニカルなスキルが絵からは見えなくても今後その人のセンスやアイディアがCG業界や映像を作る業界で必要になるような尖るものがある人にはより的確にコメントしたつもりです。自分の意見が皆さんの役に立てれば幸いです。聞きたいことがあれば遠慮なく聞いてください、時間をかけて回答していければと思います。
[ 採点結果 ]
畑 健太朗さん:4点 大柳和也さん:3点 山田瑞来さん:3点 前田大輝さん:3点 佐藤駿平さん:3点 野口陽翔さん:2点 Khomala Amelia Chrysantiさん:1点 玉村杏奈さん:1点