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学生CGトライアル「WHO'S NEXT?」2021年第2弾 結果発表! 優秀賞&審査員講評コメント一挙公開

学生CGトライアル「WHO'S NEXT?」2021年第2弾 結果発表! 優秀賞&審査員講評コメント一挙公開

第11位:『Holy Knight』 獲得点数:12点

畑 健太朗さん
CGを初めて1年になります。まだまだ駆け出しなので、とりあえずは継続を目標に据え、長期的な視点を持って少しずつ表現の幅を磨いていきたいです。
https://twitter.com/7Lava

●作品解説
重厚感を出すために、装飾や汚し等で情報量を増やすことを意識しました。色味や見せ方を工夫することでクオリティの向上を図りました。

●使用ツール
Maya,ZBrush,SubstancePainter,Marmoset,Toolbag4

【受賞コメント】
フォトリアル3Dに蒙い専門学校に入学してしまったため、強豪校の学生に比べると技術面や環境面でハンデがありましたが、絵作り等を評価していただけて入賞できたことを大変光栄に思います。正直なところ、今までは卑屈になって上達を諦めていた節があったのですが、今回の入賞を受け、これからは自分の能力や可能性をちゃんと信じてあげて、やらない・できない言い訳を探さずに、様々な事に真摯に向き合っていきたいと思います。


●審査員コメント 抜粋

宮川英久(コンセプトアーティスト)
モデリングもテクスチャもしっかりとされていて印象が良い作品です。 ただ一方で気になるのがライティングです。質感設定もあると思うのですが、少々やり過ぎな金属の光沢感がリアリティを損なってしまっています。これだけ良く出来ているのにもかかわらず、ちょっとした「おもちゃ感」があるというか。そこまでしなくてもディテールはしっかりと見えるので、あえてもうちょっと落ち着いたトーンにした方が良い結果を生んだのではないでしょうか。 また、金属パーツの質感がその凹凸に関わらず均一なのが気になります。傷などが入っているのはとてもいいと思うのですが...。

こびとのくつ 工藤美樹(代表取締役社長/ビジュアルテクノロジスト/レタッチャー)
鎧のディティールやテクスチャ表現に依存しすぎず、構図やライティングセンスを感じる作品です。もう少し奥に空間を感じるような深みのあるライティングがあればさらによかったと思います。また光源を絞ることで、画面内に間合いのような暗部を作り、加えて光が当たって滲んでいるような表現を加えれば、さらに質感表現も豊かに見えてくると思います。全体のトーンコントロールを映画や絵画から学び取れば、作品レベルが劇的に飛躍すると思われます。そういった幅広いアートに関する知識や知見もぜひ深めていって下さい。

Framestore London 井上倫孝(シニアモデラー)
ゲームのコンセプトアートの様で、キャラクターを見せる点で非常にシンプルかつ効果的だと思います。一見するとテクスチャーによるディテールが主のようですが、静止画ならばディテールようにハイレゾモデルを作ったかもしれませんが、そうならそちらを使ったバージョンもみてみたいですね。

Industrial Light & Magic 佐々木 稔(Enviro Generalist)
目新しいデザインではないですが、これがもし3Dコンセプトの仕事であれば、何も文句はない完成された画だと思います。Object, texture,light,layout, design 全てにおいて見せたいものをきちんと質を完成させて仕上げているところがプロだと思いました。モデラーという事ですが、TextureもLightももっと遊んでみてほしいです。もっと他の作品が見てみてみたいです、応援しています。

スマートエンジニア 沖田一成(CGデザイナー)
こだわったポイントとして『重厚感を出すために、装飾や汚し等で情報量を増やすことを意識しました。』とあげていましたが、そこはうまく表現できていると思います。 もう少し立体感の出るライティングを研究すれば、より重厚感が増すと思います。

KATACHI 曽根良洋(代表取締役)
重厚感が出て良いと思います! 鎧の汚しですが、経年劣化によるものなのか、戦いの中でつけられた傷なのかはっきりしないので頭の中でストーリーを考えてみて下さい。 全体に満遍なく入れてしまうと重くなるのでメリハリを意識してみてください。

第12位:『TOKYO』 獲得点数:10点

小山内 澪さん(日本工学院八王子専門学校)
背景モデラー目指してます。
Twitter @Airzobj
artstation: https://www.artstation.com/airzvfx

●作品解説
ライティングとテクスチャにこだわりました。

●使用ツール
Maya,SubstancePainter,Photoshop,AfterEffects

【受賞コメント】
前回より上の順位になれたのでとても嬉しいです!講評ありがとうございました!


●審査員コメント 抜粋

宮川英久(コンセプトアーティスト)
とてもいい構図ですね。ライティングも素晴らしいです。(もうほんの少し弱くても良いようには感じましたが...) 質感表現も良く出来ていると思いますが、必ずしも最高の出来であるとは思えない部分は散見されます。例えば左の水色のビニールの屋根(?...「富士無線」と書かれている部分です)は経年劣化を意識しているのは感じるのですが、こうなるならもっともっと汚れてぼろぼろで良いでしょうし、「中村商店」の電柱看板ももっと錆びているべきでしょう。 で、ここまでの作品を作れるのですから製作者の小山内さんはそこは多分解ってるのだろうなぁと思います。 そういったアラを見つけることは出来るのにも関わらず、これだけ力のある作品に仕上がっているのは構図とライティングが相当に優れているからです。素晴らしい作品です。個人的に非常に好きです。

デジタル・メディア・ラボ 根生航/窪田靖久/山端克利/桂川亮太(CGディレクター)
観る人の想像を掻き立てるような世界観の構築に魅力を感じる 個々のモデルも良くできている。ツタ表現の構成バランスも良く、 構図的に抜けのある箇所にカラスを配置しているのも面白い 全体的に看板への経年変化表現が弱いのが残念ポイント。 画面中央下部、画としてポイントになりそうな部分が壁でつぶされていて、 情報量がないので、そのあたりを効果的に使えると良くなりそう (グラフィティやその内容でより想像を掻き立てるようにするとか)

スパイス 大田智久(ディレクター)
画面を構成する線や色面の入り方がとても絵画的で、自然に絵の中で視線を誘導してくれるような安心感があります。季節や時間、湿度などが感じれるような絵作りだと思います。まだ観察する余地はあるとおもいますので、この調子でがんばってください。

白組 花房 真(アートディレクター)
窓の割れ方、物のサビ方、ビニールの破れ方など、細部まで拘っていて、素晴らしいと 思います。ライティングや空気感も綺麗だし、実際にありそうな東京の街角の雰囲気が よく出ていて、絵としてもまとまりがあると思います。ただ、この世界が、ただの神田 の裏道ではなく、人がいなくなった世界ということが、わかりにくいのが気になります。 例えば、手前の電信柱が、もっと斜めに倒れているとか、店の段ボールが、もっと乱雑に 転がっているなど。特に蔦は、もっと垂れ下がっている表現を、随所に入れることで、 リアリティーや、廃墟感も増すと思います。

第12位:『Parkforest』 獲得点数:10点

Amelia Chrysanti Khomalaさん(ECCコンピュータ専門学校)
artstation:
https://www.artstation.com/misspelledelot

●作品解説
冷たい空気感、寂しげな雰囲気を課題に、曇り空、物寂しい演出しました。

●使用ツール
Maya,Zbrush,SubstancePainter,SubstanceDesigner,Photoshop,UnrealEngine4

【受賞コメント】
沢山の方に講評していただき、大変嬉しく思います。 これに満足せず、頂いたアドバイスを今後の作品制作にも活かしていきたいです。ありがとうございました。 Thank you!


●審査員コメント 抜粋

Khaki 田崎陽太(Environment Artist/Generalist)
こだわったという空気感がとても表現できていると思いました。冷ややかな感じやじめっとした空気感が伝わってきます。人工物(メリーゴーランド)のクオリティに対して木や葉っぱのクオリティが少し低く、マイナスの印象になってしまっているのが惜しい。

こびとのくつ 工藤美樹(代表取締役社長/ビジュアルテクノロジスト/レタッチャー)
世界観とモチーフの選択が素晴らしく文学的な作品だと思います。植物の質感表現やモデリングの詰めなど、課題はたくさんあると思いますが、主題がそれを補うくらいの強さがあります。この世界観をさらに強化するためには①アングルの再検討②木やカルーセル、手前の木馬のスケールを修正し、特に手前の木馬を大きく扱うことで画面内に抑揚をつける②左右どちらかに構図を振り、画面内での粗密を構築する③光を少し絞り、光によって主題を絞り込み物語性を増す、などを反映すると小説のような深みのある絵に進化すると思います。

Industrial Light & Magic 佐々木 稔(Enviro Generalist)
ObjectやTextureのDetailがまだ作業途中段階のように見えますが、この絵の素晴らしいのは何より構図です。CGだけが好きな人にはこのテクニカルに質が高くない絵のセンスに興味がないのかもしれませんが、Layoutがとても素晴らしいので一枚絵としてのバランスがとてもいい平面構成になっています。一つ一つのObjectの配置や距離感がとても良いです。恐らく写真を撮っても素敵な景色を撮られる方だと思います。今後ObjectはAssetでMegaScanのようなところからいくらでも手に入るので、このようなレイアウト能力絵的なセンスが重宝されるはずです。英語で感想を書いた方が良ければ言ってください。

神央薬品 ノブタコウイチ(CGプロデューサー)
悲しい感じ、廃れた感じ軽い恐怖感等も出ていて良いと思います。旗や葉などが少し均一に感じられてしまうのが勿体ないかなと思いました。絵の中にもう少し煩雑を意識してみるともっと良くなると思います。

デイジー 太田修司(シニアCGディレクター)
廃墟ってなんで怖いのに魅力的なんでしょうか?かつては楽しかった場所が荒廃してしまった物語を考えてしまいます。

プロダクション・アイジー 田中宏侍(撮影監督/CGIプロデューサー)
質感は良いですね!好みの問題ですが、広角すぎる気がするのと、画面センター(見せたいもの?)よりも手前の木馬がクリヤーすぎるのが気になしました。意図してセンターを外しているとは思いますが、少し存在感を消して奥のメリーゴーランドの存在感を出すと、見せたいの物がはっきりして良いと感じました。

Aiming 久保貴美(アートディレクター)
良い点:フォグや色彩と相まって、うまく雰囲気を表現できていると思います。
悪い点:手前の壊れた馬が明るくなっているせいか視線がそこに誘導されるのですが奥のメリーゴーラウンドに導いたほうが効果的だと思いました。

第12位:『ClosingTime』 獲得点数:10点

前田大輝さん(ECCコンピュータ専門学校)
普段は専門学校でゲーム制作やCG制作について勉強しています。質感表現やマテリアル作りが好きです。将来的にはゲーム関連に携わっていきたいと考えております。

●作品解説
海外に留学した際に訪れたお店を参考に制作しました。 日本では味わえない独特の海外な雰囲気を出せるように頑張りました。

●使用ツール
Maya,Photoshop,SubstancePainter,ZBrush,UnrealEngine

【受賞コメント】
2021年第1弾に続き、評価していただき大変うれしく思います。もう一度受賞するとは思ってもおらず、発表された日は大声で喜びました。 「Closing Time」は私がゲーム開発の留学に行った際のお店をモチーフに制作しております。 期間があまりない中どうしてもWHO'S NEXTに応募したく制作しました。 まだまだこの作品は課題点が多く、審査員からのありがたいお言葉を参考に改良をしていきたいです。


●審査員コメント 抜粋

トランジスタ・スタジオ 秋元純一(取締役副社長)
ダイナーの雰囲気がよく構成されており、情報量も多く、丁寧に作られていると思います。ゴミや経理の様子から、クローズのタイミングだと言うことは一発で理解できるので、ストーリーの表現も詰まっていると思います。細かい事を突っ込んでいけば、もう誰も来ないはずの店の床掃除に、注意書きの立て札は少々違和感を感じました。また、夕刻なのか明け方なのかもわかりにくいのが惜しいですね。動画であれば、SEで逃げられる様な表現も、静止画だと説得力が必要です。そういった部分まで配慮出来ていると更に良かったと感じました。

宮川英久(コンセプトアーティスト)
全体的に良く作りこまれていますし、ライティングや質感表現などが光る作品ですね。構図も良い感じです。 ここまで完成度が高まってくると、手前のテーブルの上のレシートが良くわからない厚みがあったりする点や、電卓のような何かが何か理解し辛い点が非常に勿体無いです。これらはどういう事なのでしょうか...ここまで良い作品を作れる方なので、何か意図がありそうなのですがそれが解らないのがもどかしいです。 そういった疑問点はあるものの、作品としては好印象です。

Industrial Light & Magic 佐々木 稔(Enviro Generalist)
object detail, texture, light, layout, design 全てにおいて完成度が高いと思います。このまま役者がここに居ても不思議ではないと思います。細かいところは後でいくらでも仕上げられるのでここまで出来ているという事が大事だとおもってます。窓の外のWhiteレベルが低いのかLightがおかしいのか、Colorの幅がない2Dの貼り付けのせいなのか、そこが気になりますがベースとしては上出来だと思います。ここまで出来ているなら昼と夜バージョンも見てみたいですね。

ポイント・ピクチャーズ CG部一同
実際に留学で訪れた場所だけあり、映画やゲームで見るのと同様のダイナーの雰囲気が出ていると思いました。閉店後の静まり返った雰囲気が、繁盛している時間帯の様子をも想像させます。差し込む西日でコントラストや雰囲気を出しているのは良いと思います。奥の方がやや変化に欠ける気がしたので、ジュークボックス周りのネオン類の光量を上げて、他のオブジェクトがそれを反射しているなどのひと工夫があっても良いかもしれません。

第12位:『神社』 獲得点数:10点

福地翔妃さん(デジタルハリウッド大学)
背景モデラーとしての就職を目指しています。これからも作品制作に取り組んでいき、よりリアリティのある表現ができるように頑張りたいです。

●作品解説
自然に囲まれた小さな神社をつくりました。木などの自然物を作った経験がなかったので、試行錯誤をしながら制作を進めていきました。

●使用ツール
Blender,SubstancePainter,Photoshop,Grove3D,Graswald,Megascans

【受賞コメント】
素晴らしい審査員の方々から講評をいただけて大変嬉しく思います。自分では認識できていなかった改善点を知ることができ、大変勉強になりました。今回の反省点をこれからの作品制作に活かしていきたいと思います。このような貴重な機会を与えてくださった関係者の皆様に、心から感謝いたします。本当にありがとうございました。


●審査員コメント 抜粋

SAFEHOUSE 鈴木卓矢(取締役/モデリングSV)
空気感がすばらしいですね。 あさの霧がかかった涼しくてさわやかな感じが絵から感じるので雰囲気がいいですね。 特に苔のボリューム感の表現や地面の情報量が素晴らしいです。 質感やライティングもすごく丁寧に表現されているので全体的にまとまった作品になっているとおもいます。 ただ気になるのが奥の社が別シーンでテクスチャーをかいたのか環境となじんでいないところですね。手前の灯篭には苔が生えているのに社の土台部分に地面からの湿気が表現できていないのでテクスチャーに高さを感じません。石畳もテクスチャーではなくてモデルをちゃんと切り分けるともう少し立体感が出るのではないでしょうか?

ジェットスタジオ 赤崎弘幸(ディレクター)
シンプルですが非常におさまりがよく魅力的なレイアウトの画だなと思いました。ライティングもシンプルでありながら、しっかりと奥行きを感じる質感設定・絵作りがされていると感じました。ほんの少しだけ画面が傾いているのは意図してでしょうか?

アニマ 松尾彰大(Department Manager(Environment))
森の中の神社、神秘的な雰囲気に作られていて良いですね!湿度の高い霧っぽい環境に合った質感表現が出来ているので嘘っぽくありません。

スマートエンジニア 沖田一成(CGデザイナー)
湿度の高そうな空気感がうまく表現されていて、非常に雰囲気の良い絵になっていると思います。

スクウェア・エニックス イメージ・スタジオ部 一同
構図や絵のとしてはとても良いです。さらに突き詰めるならば、質感の作りこみに注力してみてはいかがでしょうか。各パーツの作り込みはもっと上げられる可能性を感じます。鳥居の質感、地面のディティールや質感、建物の造形、木や草の質感等まだまだ各パーツに詰めるべき要素があると感じられます。時間をかけ質感を上げていくと、もっと良くなる可能性がある作品だと思いました。

第16位:『整備場』 獲得点数:9点

野口陽翔さん(デジタルハリウッド大学)
大学3年の20歳です。背景を作るのが好きです。背景モデラ―を目指しています。
Artstation→ https://www.artstation.com/noguharu

●作品解説
ロボットの整備場をイメージして制作しました。ライティングをこだわりました。

●使用ツール
Maya,SubstancePainter,Photoshop,Redshift,AfterEffects

【受賞コメント】
この度は入賞させていただきありがとうございました。過去よりも上の順位をいただくことができ、嬉しい気持ちでいっぱいです。しかし、課題点も多く見え、今後の目標ができたのでこの順位に満足せず、今回の改善点を踏まえさらに成長できるよう努めていきます。お忙しい中、たくさんの講評、アドバイスをしていただき本当にありがとうございました。


●審査員コメント 抜粋

トランジスタ・スタジオ 秋元純一(取締役副社長)
整備工場の、オイル臭く埃っぽい空気感を表現しており、更に大型のモノが整備されるのだと、一目瞭然のダイナミックな構図が素晴らしいと思います。テクスチャの表現はもう一つ、、という具合ですが、十分背景の情報量も多く、丁寧に作られていると感じます。驚いたのが、カメラへの理解力だと思います。露出の具合などもよく考えられており、更に、広角のディストーションまで表現されている事です。割と学生作品では珍しいと思いました。また、実はこれも背景作品では珍しい事ですが、人物をきっちり入れ込んでいる事でしょうか。後ろ姿でも、これがあると無いとでは、まるで雰囲気が違います。その心意気を評価したいと思いました。

Khaki 田崎陽太(Environment Artist/Generalist)
モデルの細かい作りこみなどは素晴らしいです。ただライティングかコンポジットの調整か分かりませんが全体的にコントラストが強く暗い印象になってしまったのが惜しいと思いました。明暗のバランスがもっと整えばより完成度が高くなる気がします。

Industrial Light & Magic 佐々木 稔(Enviro Generalist)
light, layout, designがとてもよくできてると思います。コンセプト画だと考えれば充分完成だと思います。object detail, textureをきちんとbrushupしていけばより良いものになると思います。上部の光に頼らず、環境光で反射率を各場所において明るさを演出することで奥行や温度差や空気感を増すことができると思います。人がいるので布が垂れかかっていたり、や紙で広告や告知が張ってあったり床にはもっとゴミやDebrisが転がっていてもいいと思います。ガンばって下さい。

神央薬品 ノブタコウイチ(CGプロデューサー)
個性的なアングルでグッと惹きつけられてしまいました。物量感もあって見応えもあって良い感じですね。若干暗すぎる部分があるのと、少し綺麗すぎる感じと整理され過ぎてる感じを意識すればもっとリアリティもついてさらに良くなると感じました。

スクウェア・エニックス イメージ・スタジオ部 一同
ライティングや構図など、絵としてまとまっており、とても素晴らしい作品です。細かい点ではありますが、各構造物のディティールまで見ていくと、今一歩ディティールが足りない部分が造形/質感共に見受けられます。各パーツに対してもう一歩踏み込んで細かいつくり込みを行うと、さらに良い作品になるのではないでしょうか。

第17位:『Forest Sanctuary』 獲得点数:8点

加納雅利子さん(HAL大阪)
CGを学習して2年半になります。 作品を見た人に、そこに広がる世界の歴史や人の営みを感じ取ってもらえるような背景作品を制作していきたいです。将来的には、コンシューマゲームでのエンバイロメントの制作に携わり、ユーザーが没入できる世界観を表現していきたいです。

●作品解説
森林にある霊験あらたかな神社をコンセプトに、「聖域」としての神社の神聖さを表現しました。

●使用ツール
Maya,Zbrush,SubstancePainter,SubstanceDesigner,Blender,Megascans,Photoshop

【受賞コメント】
初の応募でしたが、このような形で賞を頂けて大変うれしく感じております。審査員や企業様からいただいたご講評は全て拝読し、今の自分に必要な力が何かを判断することができました。今回の経験を元に今後の制作ではよりクオリティをアップできるよう励み、次回応募する際はより高みを目指して努力していきたいと思います。この度は、お忙しい中審査やご講評をいただき、誠にありがとうございました。


●審査員コメント 抜粋

こびとのくつ 工藤美樹(代表取締役社長/ビジュアルテクノロジスト/レタッチャー)
山深い神社の持っている清浄な空気感を表現したいという気持ちが作品から伝わってきました。木々の間に差し込む光の筋の表現は、着眼点として素晴らしいと思います。さらに①手前にもっと見切れる植物を入れ空間の奥行きを出す②画面内にもう一段の暗部を作り深みを加える③光の筋を効果的に見せるため一段明るい光を石段にあてコントラストを作る④手前から奥までの樹木の濃度にもっと差をつけることで空気感や臨場感を出す。以上4点を反映するだけで、抜きんでる素地を十分持っていると思います。加えて植物や石、樹木などのテクスチャー表現をブラッシュアップすれば、さらに濃度の高い重厚な作品に変化していくと思われます。今後の進化に期待しております。

Framestore London 井上倫孝(シニアモデラー)
鳥居と階段を真ん中に配置した構図はシンプルかつ大胆で、神々しい雰囲気も相まって非常に見応えのある画になっていると思います。意味不明な表現に聞こえるかもしれませんが、なんとなく「左右に縦書きのテキストを置いて雑誌の見開きにしたくなる」様な画です(?)。CGに関して言えば、前後の分離感が気になります。おそらくこの画は広角よりの画ではないでしょうか。だとすれば背景のボケの量も調整が必要でしょう。室内からの窓の風景と違いここでは手前から奥まで通しで見れます。にもかかわらず前景のCG部分から一気に背景のボケにジャンプするので深度が感じられません。例えば左の灯籠の上が目立ちます。あとは木のテクスチャーのスケール感も少しずれている様な気もします。個人的にはとても好みの画で素晴らしいと思うのでさらにもう一詰めすればより良くなるのではないでしょうか。

神央薬品 ノブタコウイチ(CGプロデューサー)
静粛な自然の風景の感じが出ていてとても良いと思いました。コメントでも仰られているライティングも力入れただけあって陽の差す感じと影の描写が上手く出来ているのではないでしょうか。石段のところが階段としては自然物過ぎるのとコピペ感が出てしまっているところはもう少し工夫してみてはどうでしょうか。

スパイス 大田智久(ディレクター)
ファーストインプレッションはとても綺麗で吸い込まれるような空間を感じました。それは構図であり、ライティングであったり、とてもバランスのよくとれた画だとおもいました。もっとすっきり空間を見せるために もう少し鳥居にコントラストが入るようなライティングになると自然に奥に抜けていくと思います。 ぱっと見有機的な線の組み合わせなのでそれっぽくみえてしまっていますがもっと観察をするとより説得力のあるものになるかと思います。例えば石階段も人間が手で作ったものでこれだけ同じ角度が維持できるのか、日が当たる場所と日陰では同じ植物は同じようにそだつのかなど。遠景が急にぼけているのも少し唐突な印象でした。

exsa 海老澤広樹(プロデューサー)
シンプルな構図ですが、ディティールが多く 絵に力が生まれているのが素晴らしいと思います。 「密」な部分だけでなく、「粗」の部分を作ってあげると、 より「密」が際立って良いと思います。

スクウェア・エニックス イメージ・スタジオ部 一同
ライティングや構図など、絵としてまとまっており、とても素晴らしい作品です。細かい点ではありますが、各構造物のディティールまで見ていくと、今一歩ディティールが足りない部分が造形/質感共に見受けられます。各パーツに対してもう一歩踏み込んで細かいつくり込みを行うと、さらに良い作品になるのではないでしょうか。

第17位:『baby dragon lettuce』 獲得点数:8点

長島亜希子さん(デジタルハリウッド東京本校)
キャラクターを作ることが大好きで、日々勉強を続けています。作品を見ていただけると幸いです。

●作品解説
卒業制作で作る映像作品のイメージアートを作りました。赤ちゃんドラゴンのレタスと少女の思い出を振り返る作品です。温かいレトロ作品にする予定なので、雰囲気が伝わると嬉しいです。

●使用ツール
ZBrush,SubstancePainter,Maya,Photoshop

【受賞コメント】
この度は入賞作品に選んでいただきありがとうございます。 現在、こちらのキャラクターで卒業制作を作っているので大変励みになりました。 また審査員の方々からいただいたコメントを元にブラッシュアップをしました! 映像作品は9月頭に完成予定です。 ブラッシュアップと作品進捗もあげているので、そちらと合わせて見ていただけると幸いです。 twitter:@tacotan_3d


●審査員コメント 抜粋

Framestore London 井上倫孝(シニアモデラー)
鳥居と階段を真ん中に配置した構図はシンプルかつ大胆で、神々しい雰囲気も相まって非常に見応えのある画になっていると思います。意味不明な表現に聞こえるかもしれませんが、なんとなく「左右に縦書きのテキストを置いて雑誌の見開きにしたくなる」様な画です(?)。CGに関して言えば、前後の分離感が気になります。おそらくこの画は広角よりの画ではないでしょうか。だとすれば背景のボケの量も調整が必要でしょう。室内からの窓の風景と違いここでは手前から奥まで通しで見れます。にもかかわらず前景のCG部分から一気に背景のボケにジャンプするので深度が感じられません。例えば左の灯籠の上が目立ちます。あとは木のテクスチャーのスケール感も少しずれている様な気もします。個人的にはとても好みの画で素晴らしいと思うのでさらにもう一詰めすればより良くなるのではないでしょうか。

デイジー 太田修司(シニアCGディレクター)
暖かみのある色彩感覚でとても3人(1人と2匹ですが)の関係性がやさしく感じられポカポカします。 各キャラの目の質感にもう少しこだわるとより良くなりそうです(特に女の子のハイライトや黒く潰れ気味のゴーグルレンズ等)。親ドラゴン?の前後関係がわかりずらいので、女の子と接触する部分をつくったり、ライティングでシャドウを落としたりしてもいいですね。

exsa 海老澤広樹(プロデューサー)
自分が作りたいものを作っているのが伝わり、 とても好感が持てます。 モデリングだけでなく、セットアップ、ポージングにも力を入れると、 モデルのイメージもより良くなると思います。

Z-FLAG CG TEAM ひるま克治(薄毛系ポジティブ社長)
いい雰囲気になっていると思います。世界観もよく分かるし、背景も引き立つように考えられて配置されています。カゴの持ち方がちょっと残念かな。映像が楽しみです!

第17位:『わすれもの』 獲得点数:8点

島袋 蓮さん(神戸電子専門学校)
ゲーム業界の背景モデラーを志望しており、作品の表現や世界観を、受け手が直感的に理解できるような背景制作を目指しています。

●作品解説
「日常に突如起こる非日常、そして、忘れ去られたもの」をコンセプトに制作しました。拘ったポイントはテクスチャの書き込みや、様々なツールを用いて、効率的な絵作りを目指したことです。

●使用ツール
Maya,Blender,SubstancePainter,UnrealEngine5,Photoshop

【受賞コメント】
この度は、賞を頂き大変光栄です。「WHO'S NEXT?」は入学当時からの目標の一つだったので、実際に賞を頂けて本当に嬉しく思います。また、講評も自分自身では気づかなっかた部分のご指摘などもとても勉強になりました。今後も様々なことにチャレンジし、今以上に良い作品を作れるよう頑張りたいと思います。


●審査員コメント 抜粋

トランジスタ・スタジオ 秋元純一(取締役副社長)
まず、構図の力強さが印象的な作品です。見せたい箇所をしっかりと割り切っていて、背景を背景として作れている、稀な作品だと感じました。細かく見ていくと、背景のディテール、テクスチャの微妙なサイズ感など、気になる点もあります。ただ、それを最初の印象で十分カバーしていると思いました。ものすごく客観視している部分に、更にテープがその世界観との隔たりを作っていて、ライティングなども不気味さを効果的に演出していると思います。カメラが動いているのも見たくなる様な作品に仕上げてきていると、大変関心しました。

宮川英久(コンセプトアーティスト)
個人的に好きな作品です。全体的な色合いとライティング、構図も上手く決まっていると思います。本来ならばここまで強いライティングに関してはあまり肯定的ではないのですが、この作品においてはむしろこれぐらい強い方が演出として上手く機能してくると思いました。 大きな問題点はそこまでありませんが、天井と壁の接合している部分の処理や、ウサギののっているカートの経年劣化具合など、もう少しだけ詰められる部分があるように感じました。部分部分によって、「この環境は使われなくなってからどの程度時間が経過したのだろう」という考えにばらつきが生まれてしまっているのが正直なところです。 とても魅力的な作品だと思います。

アニマ 松尾彰大(Department Manager(Environment))
事件の雰囲気と血に濡れたぬいぐるみから狂気な印象が出ていて良いと思います。何が起きたのかいろいろな事が想像できて面白いです。 ただ、少しスケール感にちぐはぐな印象があるので、大きさを一つひとつ測り直してみても良いと思います。スケールのアンバランスさも不気味な要素ではあるのですが...。もし狙ってやっていたらすみません!

exsa 海老澤広樹(プロデューサー)
雰囲気がうまく出せていて、地力の高さを感じます。 配色にもセンスの良さを感じます。

第20位:『文明の跡地』 獲得点数:6点

寺島英治さん(HAL東京)
CGを初めて1年目の学生です。将来、ゲームの背景制作に携わる事を目標に日々勉強を続けています。この1年間夢中になっている自分の3DCGの作品を多くの方に見てもらえたら幸いです。

●作品解説
「水没都市」をテーマに制作しました。こだわった点は、海の深さとゴシック建築の空を目指す姿勢を表現する構図と海中という特殊なシチュエーションを表現するためのライティングやテクスチャリングです。

●使用ツール
Maya,ZBrush,SubstancePainter,PhotoShop,AfterEffects

【受賞コメント】
この度は入賞作品に選んでいただきありがとうございます。CGを初めて1年間、このコンテストで入賞することを目標に勉強をしてきたのでとても嬉しいです。その一方で他の同世代の方と自分との技量の差に悔しさを感じました。今後は上位の方々に追いつき追い越し、より高い順位で多くの人に自分の作品を見ていただくために技術を高めていきます。


●審査員コメント 抜粋

アニマ 松尾彰大(Department Manager(Environment))
素晴らしいです!!やりたいことが上手く表現出来ていると思います。 題材のチョイスも素晴らしいです。モデルやテクスチャの荒い部分を、ライティングや水中という環境で上手く隠せています。効率的かつ効果的な本当に賢い作品だと思います。
↓作業者様へ
色数が少なすぎる印象です。水面側は空が見えているのでもっと青くて良いと思います。また、サンゴ礁などを配置して色味を足すと色相豊かな絵になります。南国っぽくなってイメージと違うかな?単純なアイデアです。。。

Z-FLAG CG TEAM ひるま克治(薄毛系ポジティブ社長)
スマホの壁紙にいい絵ですね。構図・明るさのバランス・水中感、うまく出せてると思います。色使いも素晴らしい。泡のスケール感が出せれば、巨大感が増したのではないでしょうか。

第20位:『下校時刻 B棟3F 可塑美術室』 獲得点数:6点

中條大地さん(大同大学)
普段は大学でプロダクトデザインの研究や作品を作っています。作品のPRのためにBlenderを独学ので初めたのがきっかけで、数ヶ月前からCG業界に興味を持ちました。3DCGアーティスト兼プロダクトデザイナーとして将来仕事をしていき、色々なことに挑戦していきたいです。

●作品解説
"心地の良い空間"をコンセプトに、好きなことに熱中して気がついたら下校時刻というシーンを想像し、温かくも寂しく表現しました。オブジェクトは実物をみてできる限り丁寧に作成しました。

●使用ツール
Blender,Illustrator,Photoshop,SubstancePainter

【受賞コメント】
この度は入賞作品に選んでいただき光栄に思います。講評の中には「応募作品の中で個人的に好きな作品」と言っていただき、ものづくりをしている身としてはとても救われました。反面、改善点が多く挙がっており、悔しくも成長段階と感じました。 これを機に次は上位に入れるように頑張りたいです。最後に、講評が貰える場を用意していただいたCGWORLD.jpの関係者の方々にとても感謝しています。ありがとうございました。


●審査員コメント 抜粋

宮川英久(コンセプトアーティスト)
ライティングと構図がちょっと面白い作品ですね。なかなかに魅力的だと思います。 各オブジェクトの作りこみも良い感じで、完成度は高いと思います。雑然とした雰囲気も上手くそのオブジェクトの配置から表現できていると思いました。 スケッチブックが少し綺麗過ぎる点や、絵の具の皿の綺麗過ぎる点、一部のオブジェクトの配置が少し不自然な点が残念な点です。

こびとのくつ 工藤美樹(代表取締役社長/ビジュアルテクノロジスト/レタッチャー)
シチュエーションやディティールへの観察眼の高さを感じました。フェルメールのような室内の光の美しさに共通する光の捉え方も素晴らしいと思います。惜しいと感じるのは構図と光の位置で、手前はむしろ暗部でフォーカスをぬるく、真ん中の絵具と筆立て付近にメインの光とフォーカスがくれば、絵全体のドラマチックさが増した気がします。そのためにもアングルは若干上にして、モチーフがもう少し見える角度だといいかもしれません。そういった全体の構図を見直したうえで、センターの描写に集中するだけで、絵全体の深みとレベルを引っ張り上げてくれると思います。いろいろ書いてしまいましたが、応募作品の中で、個人的に1番好きな作品です。素晴らしい作品を見せていただきありがとうございました。特定の職分や肩書に縛られずその感性を育てていってあげて下さい。

ポイント・ピクチャーズ CG部一同
木、プラスチック、絵画や小物等々、それぞれの質感がとても良く表現できていて、構図も面白いと思いました。イーゼルの下に敷いてある新聞紙に絵の具の汚れがついていたりするとより現実感が出るような気がします。作品全体が絵画のような雰囲気と空気感のある作品だと感じました。

第20位:『schoolbuscamp』 獲得点数:6点

坪田知美さん(神戸電子専門学校)
私は常に高みを目指す向上心をもっており、現状に満足せずどうすればより良くなるのかを考えることができます。 進級制作では背景こだわり、先生や友人、家族の反応も見て制作した結果、学内の発表会で、賞を頂くことができました。

●作品解説
アメリカの1970年代のバスをモチーフにこんな旅ができたらいいなと思い制作しました。キャンプが終わって一日の終わりを感じながら、日が沈んでいく空気感を大切にしながら作りました。初めてこの作品を見た人でも、先程まで誰かかがいたことがわかるような雰囲気を出すことを頑張りました。

●使用ツール
Photoshop,SubstancePainter,Maya

【受賞コメント】
この度は私の作品に目を向けてくださり、ありがとうございます。まさか入賞できると思っていなかったので驚きました。審査員の方々の評価や他の作品を見て、新たに学ぶこともあり、とても良い刺激を受けました。背景や構図は私自身も悩んでいたので、どうすれば良いのかを具体的にアドバイスしていただき、とても勉強になりました。今回の経験を生かしこれからも作品作りに励みます。


●審査員コメント 抜粋

SAFEHOUSE 鈴木卓矢(取締役/モデリングSV)
モデリング自体がとても丁寧に作られていて好感が持てます。 スケール感もあるし細部にこだわりを感じました。 世界観の雰囲気もすきですね。 ただ車が廃車のように汚れすぎているのがきになります。 まだ使っているのであれば整備しているだろうしきれいな部分は残されているはずです。 簡単なところでいうとフロントガラスにワイパーのあとでもあれば変わるかもしれません。 全体的に汚くなってしまっているのでもう少し綺麗な部分と汚れた部分とでメリハリがあるといいなと思います。

こびとのくつ 工藤美樹(代表取締役社長/ビジュアルテクノロジスト/レタッチャー)
ロケーションの選択やモチーフの選択に独自の世界観があり、キャンパーとしても好感度の高い作品です。カーミットチェアやローテブール、フォード車の選択、クッション柄の他モチーフとのリンクなど、細部まで心憎い演出が効いており、作者の観察眼の高さを感じます。勿体ないのは、構図と背景描写です。構図はもう少し引いてタイヤの設置よりも下に余白があるほうが、画面外への広がりと主題への目線の導入がしやすい印象です。また背景の奥行き表現が不足しており、描き割りに見えてしまいます。一番奥の山脈、中間の山脈、手前の山、そして流れるような奥行きのある雲を選択すれば、手前モチーフに負けない豊かさを演出してくれると思います。遠景を強くした分、手前主題にさらに手を入れる必要が出てきますが、それこそが1段高みに達するための秘訣だと思います。

Framestore London 井上倫孝(シニアモデラー)
題材が面白く、細かいところからその生活感を感じとることができ、雰囲気のあるとても良い作品だと思います。個人的に好きです。ぱっと見少し窮屈な気もするので少し引いてもよいかなと思います。また、この画角と距離なら背景はそこまでボケないのではないでしょうか。そのせいか前景にミニチュア感が出てしまっているように思います。バスは非常によく作り込まれて素晴らしいと思いますが、その反面、地面がすこしぬるっとしているように感じるので、もうすこし手をかけてあげられたらなと思います。改善次第ではもっと良くなる作品だと思います。

Z-FLAG CG TEAM ひるま克治(薄毛系ポジティブ社長)
ディテール感や雰囲気は十分にあると思います。ランプが蛍光灯タイプなのがこだわりなのでしょうか。この画角、前景の感じから考えると、背景の山々がボケすぎかと思います。実際のカメラで撮影するとどうなるかを考えると、より良くなるのではないでしょうか。

第20位:『ベルセルク』 獲得点数:6点

瀧上太一さん(ECCコンピュータ専門学校)
2D・3D問わず、キャラクターについて考え制作することが好きです。

●作品解説
北欧神話に登場する狂戦士を基に、荒々しさ・緊迫した情景を表現したいと思い制作しました。 また、キャラクターのシルエットは筋骨隆々でありながらも、女性らしさが消え去らないように気を付けました。

●使用ツール
Maya,Zbrush,Substance Painter,Arnold,Photoshop

【受賞コメント】
この度は「WHO'S NEXT?」という大きなコンテストにて、入賞をいただけたことを大変喜ばしく思います。ただ、こうして初めて選んでいただいたことで、今まで呆然と眺めるだけだった上位陣をより身近に感じ、これまで以上に自分との間に空いた歴然たる差をに感じる結果となったので、「このままではいられない!」という想いを胸に、更なる作品制作へ臨みたいと思います!


●審査員コメント 抜粋

SAFEHOUSE 鈴木卓矢(取締役/モデリングSV)
ベルセルクというタイトル通りの戦士の雰囲気が出ていていいと思います。 特に表情がいいですね。 ただ生首がよく見ないと分からないので構図かポーズを変えても良いのかなと思いました。 あと左手のスキニングが伸びて見えてしまうのでショットスカルプトをしたりして握りこんだ時の手の皴とかを追加するともっと肉感がでるのかなと。 返り血や汚れも全体的に満遍なくついているのでもう少しメリハリがあったり血が乾いてしまって見えるのでもう少し鮮やかな生感があったほうが臨場感が出るのではないでしょうか。

Framestore London 井上倫孝(シニアモデラー)
一人片付けた後のまだ興奮冷めやらぬ状態といったところでしょうか。表情がついて特に力強い作品だと思います。比較的難しいファーの多い衣装ですが、それもうまく馴染んでいると思います。顔の造形はよくできていてカッコ良いですね。反面、握った手の造形が少し甘かったりもするので、衣装を含めもう一押しできそうな所も見受けられます。少し寄ってみると書き込まれてはいるが表面がフラットに見える箇所(顔のシワ、胸の縄等)もあるのでディスプレイスメントを使ってみるのも良いかもしれません。まだクオリティの上がる余地のある良い作品だと思います。

スマートエンジニア 沖田一成(CGデザイナー)
造形力が高く、荒々しさがよく表現されていると思います。表情も非常に良いです。生首を持っている手がもっとリアルになればより説得力が増すでしょう。

KATACHI 曽根良洋(代表取締役)
しっかりと作りこまれていて主人公の狂気が伝わってきます! 満遍なく血のりがついてしまっているので全体的に汚く見えてしまっているのがもったいないです。 血のりの多さから、沢山の敵を殺した感は伝わってきますが、オブジェクトの影に隠れた部分は血のりを少なめにする等メリハリをつけると良いと思いました。 相手に斧を突き立てた時の場面を想像して、血しぶきがどこから飛んで主人公のどこに多くかかるのかをイメージすると良いです。 左腕の三角筋辺りには血しぶきはあまり飛ばないんじゃないかなぁと思います。 あと、革のベルトが質感がいまいちなのでディティールアップしましょう。革の質感は見せどころなので頑張りたいところです。

第20位:『Inside my room』 獲得点数:6点

野尻芽美さん(デジタルハリウッド東京本校)
映画や、3Dアニメーション(ディズニーやピクサーなどのかわいいキャラクターやアニメーション)が大好きです。長年アメリカで生活していたので、英語が得意です。

●作品解説
自分の好きなもの、興味があり、普段見ているものを中心に制作し、難しくても制作の意欲を失わないよう工夫した。

●使用ツール
Maya,Photoshop

【受賞コメント】
この度の受賞と講評を頂戴し、誠に光栄に存じます。 これは私自身を描いた『私の空間(my room)の中』という意味です。 作品内のモデルは全て、私の趣味思考、思想、記憶などを表現しています。 トランプの絵柄は、社会的性差について。鏡の反射は、単に綺麗だから。 複雑なものから単純なものまで自分自身を形成するものを並べました。 今回の栄誉を励みとし、頂いた講評を参考に技術面も一層の研鑽を重ね、 引き続き精進いたします。この度は誠に有難うございました!!


●審査員コメント 抜粋

宮川英久(コンセプトアーティスト)
うーん...これでタイトルが「ラスベガス」とかだったら個人的には凄くしっくりくるのですが...。ちょっと作品の主題を理解するのに苦しんでしまいました。 こういった混沌とした構図ながら、見やすく興味を掻き立てられる物に仕上がっているのは驚きました。なかなか容易なことではありません。 一方で、造花、ハイヒールの置物、眼球の造形物、受話器の置物、などなど「模造品」を数多く配置されている点は個人的には残念に思いました。 結果的にすべての質感が似通ってしまい、作品の魅力が損なわれていると思います。(「模造品」をあえて配置することでその虚飾感を演出したかったのかも知れませんが...)ドル紙幣はもう少し皺のシャープな部分を作ることで、モデリングで質感を伝えることが出来ると思いました。 とても興味深い作品です。

デジタル・メディア・ラボ 根生航/窪田靖久/山端克利/桂川亮太(CGディレクター)
レイアウト、世界観が綺麗にまとまってました。ライティングや質感も良い。 光の入れ方や色温度の統一感が見事でした。昔のアメリカ映画とか好きそう。
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レイアウト、色のバランス、質感などよくできていると思いました。 が、何がしたいのかはよく分かりませんでした。 タイトルを見てもパッとしません。



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