記事の目次

    2021年度、第1回目の開催となる本コンテスト。テーマは今回も「3DCGを用いた静止画作品」で、過去最高の171点の作品が応募された。審査は国内外のアーティスト28名によって行われた。優秀賞&審査員講評コメントをご紹介しよう。

    ※本記事はフリーペーパー「CGWORLD Entry vol. 26」掲載の「WHO'S NEXT?」掲載の内容に審査員講評結果など追加したものです。
    ※講評コメントは全て原文ママ

    • CGWORLD Entry vol.26
      特集:CG映像職 キャリアガイド
      価格:無料(フリーペーパー)
      判型:A4ワイド
      発行日:2021年1月25日
      URL:https://cgworld.jp/news/book/entry26.html

    ■作品応募条件・審査方法について
    応募作品テーマは「3DCGを用いた静止画作品」。作品審査はCGWORLD連載陣など特別審査員が10名、CGプロダクションの審査員18名によって行われた。審査員はいずれも全作品の中からお気に入りの作品を選び、持ち点20の中から配点する。合計得点の高い作品から表彰。参加対象は高校生から専門学校生、大学、大学院生など教育機関在学中の方を対象。通学中でなくても、クリエイティブ分野における就業経験のない方であれば応募OK。

    CGWORLD特別審査員 総評

    審査企業 総評、新卒採用募集内容

    CGWORLD Entry vol.26 はこちらから

    第1位:『THE SPARK : BLACK WOLF』 獲得点数:78点

    鄒 沛樺さん(京都精華大学)
    誇りを持って「これは私が作った!」と言えるようなキャラクターや作品を作りたいです。
    Twitter: @andrewtsou86521

    ●作品解説
    2097年、各政府は自分の領地を管理できず、「Dark Zone」と呼ばれる無秩序のエリアが現れました。そこでDark Zoneを混乱から戻し、秩序と人々を守ろうとしている「THE SPARK」という組織が現れました。その中、ほとんど身体改造に頼らず、最強の男「Black Wolf」と呼ばれる男がいた。この作品は特に頭の造形、肌の質感、髪を拘りながら作りました。

    ●使用ツール
    ZBrush、Marvelous Designer、MARI、Substance Painter、XGen、Maya、Photoshop

    【受賞コメント】
    コメントを全部読ませて頂きました。自分の作品だけでなく、他の人の作品のコメントも読んで、前線に立っているプロたちは一つの作品に対し、何を見っているのか、どこに拘っているのかを見ながら、自分の考えと比べるのが楽しかったです。そして額のパーツですが、元々は埋め込むつもりでしたが、綺麗に作れなかったので、付いている感じにしました。あそこはまたアレンジして行きたいと思います。 夢の一位、ありがとうございました。


    ●審査員コメント 抜粋

    トランジスタ・スタジオ 秋元純一(取締役副社長)
    造形力がずば抜けて高く、質感の設定も非常にリアリティがある。プロが作ってもここまで持っていくのは非常に難度が高い。驚くべき技術力だと思う。毛髪や髭、産毛に至るFurはHairのセッティングも申し分なく、肌に馴染んでいる。表情の作り方もよく、目に生気が宿っており、フォトリアルなキャラクターに必要不可欠な要素を持ち合わせている。また、衣装に至るまでトーンがしっかりしており、世界観にマッチしたリアリズムを持っている。特筆すべきは髪型の絶妙な上手さだ。難しい生え際も丁寧に調整されている。人物でここまで高評価をつけられる事は少ないが、この作品に至っては、申し分ないと思う。

    SAFEHOUSE 鈴木卓矢(取締役/モデリングSV)
    めちゃくちゃリアルですね。 顔の造形や肌の質感は今回の作品の中では一番じゃないでしょうか? 毛の表現もとてもよくできていると思います。 細かい部分でいうとおでこのパーツがシールで表面にくっついているように見えてしまっているので。 埋め込まれているのか、どういういみを持っているのかなど見た人がわかりやすくなっているともっとこの世界観の設定にキャラクターが入り込んでくるのかなと思いました。

    宮川英久(コンセプトアーティスト)
    非常に高いクオリティに感服しました。傷跡の生々しさなど、細かいところまで気配りされているがゆえにトータルで違和感を感じさせない出来になっていて、素晴らしいです。また、そこに満足することなく映像作品を意識した非常に適切なライティングで見せている点など、評価する点は多くあります。是非次は頭部のみならず全身を特定のシチュエーションの中で演技させた状態で見せて欲しいです。このクオリティが維持できるのであれば相当に見ごたえの作品になるのではないでしょうか。

    Sony Pictures Imageworks 石井伸弥(シニアモデラー)
    キャラクターモデリングが良くできている。インパクトがあり良い。肌の質感、ディテールが良く表現できている。技術力の高さが見て取れます。改善点:キャラに表情を付けて感情表現があるとストーリが伝わり、もっと良くなる。

    モデリングブロス 今泉隼介(代表取締役)
    左右非対称に作られた造形、皮膚の質感、服の生地、ライティングまでとても良く出来ていると思います。もしこれを企業へのスキルのアピールと捉えるなら、手や足、その他の部位など別の箇所も見てみたかった様に思います。

    Eallin Martin Hovorka(取締役)
    It's a face which could alive in a second. The expression is so realistic and believable. It is good to be smart by selecting the correct angle and framing. We don't see whole eyes and whole hairs. But the part which is in the picture is great. (実在するのではないかと思わせる程の生命感のある表情に仕上がっています。 髪や目などを意図的にカメラに収めない巧みなレイアウトも巧みです)

    イアリン ・ジャパン 渡邊竜実(プロデューサー/CGディレクター)
    本当に存在しそうな絶妙なキャラクターですね。 シンプルにクオリティが高いです。 顔の造形、肌の質感、髪の毛等とてもよくできています。 毛の生え際や眉毛の間の産毛まで、細かいところまで丁寧に仕上げられており、スキルの高さがうかがえます。

    Striking Distance Studios 瀬尾 篤(Lighting Director)
    髪の毛やひげの生え際の自然さ、肌の質感、特に目球やその周りの質感が素晴らしいです。 作者が見せたかったであろうディテールの素晴らしさがはっきりと伝わるフレーミングで、ポスト処理のチョイスもそのディテールを際立たせるのに役立っていると思います。 かつ目の作りこみや表情の設定からキャラクターの秘めた感情が滲み出るような絵力が感じられました。 絵の見せ方も見る側にインパクトを与える重要な要素なので、作者は自分の見せたいスキルと強みをちゃんと理解してるのが感じ取れます。将来が楽しみですね。

    ジェットスタジオ 赤崎弘幸(ディレクター)
    一目見て「お!これはすごいな」と思いました。シンプルな構図なので必然的にキャラクターの顔に目が行きますが、肌や傷の質感、毛の生え際のランダムさ、たまにある色素の抜けた毛など、細かい部分どこをとっても全てに気を配られており技術的にも非常に良く出来ていると思います。アップにして隅々まで観察してしまいました。キャラクターの設定を正確に表現するような迫力を感じる表情付けやクールなライティングも、作品意図にマッチしているようで好印象です。

    シーズクラフト 立花大輔(代表取締役)
    傷がもっと生々しいとよかった。皮膚が切れてできた傷というよりは、穴が開いている感じで、傷口という雰囲気でないのが残念。 後は皮膚についているオブジェクトが浮いているのが気になる。皮膚にくっつているのであればわかりますが。そういう設定なのだろうか。それ以外はよくできていると思います。

    東映デジタルセンター ツークン研究所 市田俊介(CGデザイナー)
    キャラクターのクオリティが高いのはもちろん、 眼の表情にもドラマを感じ、画として惹きつけられました。 全体の「黒」の印象に対して、 首元のライトや傷の「赤」がアクセントになっているので、 引き締まったダークな雰囲気がとてもかっこ良いです。 見れば見るほど作り込みに気付く素晴らしい作品だと思います。

    スタジオリント 伊藤龍太(代表取締役)
    肌の質感、毛髪の生え際や髭の感じがとても良いです。 眼球のディテールとアイキャッチにもっとこだわるとキャラクター性が もっと良くなります。 また髭のように眉毛のクオリティを上げるとなお良いです。

    デイジー 太田修司(シニアCGディレクター)
    すごい!の一言につきます。 壁紙にしたくなるクオリティに脱帽です。 重箱の隅をつつくようですが、額のメカパーツと皮膚の接合部分だけどうなってるんだろうちょっとだけ気にになりました。

    TREE Digital Studio ルーデンス事業部 泉川健二(CGディレクター)
    毛の一本一本までリアリティが感じられて素晴らしいと思いました。男性のCGキャラで日本人が感情移入できる雰囲気に仕上げているバランス感覚も 良いと思いました。

    テレビ朝日 島田了一、他CGディレクター陣
    髪をポマード?で撫でた所と無造作にしている所の光沢感の違いや、皮膚の皺や静脈が下に透けて赤く見える感じなど人間としてのマテリアル感がピタッとハマってる感じがしました。また、髪の生え際と髭の不揃い感や額にかすかに見える血管の凹凸、鼻筋の微妙な曲がりなど、生物が持っている対称性と非対称性のバランスが絶妙です。最終的にそれらをまとめる陰影のつけ方がまた良き塩梅で、背面からのライティングで輪郭を浮き上がらせるスパイスを入れるなど、「プロの仕事」を思わせる出来です。

    ポイント・ピクチャーズ CG部一同
    フォトリアルとしてのクオリティがとても高く、特に毛の質感表現や布、肌の質感などが素晴らしいです。最低限の情報量で世界観を表現できていて、まるで映画のワンシーンのようだと感じさせる説得力がありますね。 上下の黒余白や、右下のロゴもデザイン性向上に寄与していると感じます。

    コロビト 大島夏雄(代表取締役)
    作品のコンセプトもしっかりしており、CGの技術力も高く、 説得力のある作品に仕上がっていると思いました。

    東映アニメーション 佐藤直樹(CGスーパーバイザー)
    作品の背景に設定された世界観をしっかり持ったキャラクターを表現できています。絵画としてのクオリティーも大変高く、肌の質感、髪の生え際や髭、傷などび細部にも強いこだわりを感じますし、何よりも強い意志を感じる眼力のある目に魅力を感じます。そして、衣装に関してもシンプルな素材のスーツではなく、ニット素材とチューブを上手く組み合わせたデザインがとてもカッコいいです。

    KATACHI 曽根良洋(代表取締役)
    肌や髪の毛の質感は素晴らしいと思います! 圧倒的クオリティなので目線を上げて視聴者と目が合うと良いと思いました(惚れさせる) 目線を外すのであればカメラを引いて頭の上部や体、背景に情報量を増やしてストーリー性を上げたほうが良いのかなと。

    第2位:『暁日』 獲得点数:52点

    金澤珠里さん(神戸電子専門学校)
    リアルで、心が動かされるような作品を作れるように猛勉強中です。
    juu_jayo.artstation.com

    ●作品解説
    夜明けの東洋の街をコンセプトに制作しました。 朝の冷えた新しい空気や、どこか懐かしさを感じられる風景を目指しました。

    ●使用ツール
    Maya、Substance Painter、Photoshop

    【受賞コメント】
    2位を頂くことができ、とても驚いています。WHO'S NEXT?は入学当初からの憧れと目標であり、卒業前にこのような結果を残すことが出来て本当に良かったです。モデルの作り込みの甘さ等が心残りで、他にも講評していただいて初めて気づく部分が沢山あったので、これから満足のいく作品にしていきたいと思います。また、次の作品にも活かしたいです。 本当に嬉しいです。ありがとうございました。


    ●審査員コメント 抜粋

    トランジスタ・スタジオ 秋元純一(取締役副社長)
    拡大してよく見ると、まだリアリティのある作り込みとまでは行かないのが勿体ないが、画作りとしてのクオリティは非常に高いと感じた。アシンメトリーだが、バランスが良く、縦長のレイアウトの目を引く部分に、橋桁とそのリフレクションが円をなして見えてくる様に構成されている。大胆かつ繊細さを兼ね備えており、私的には非常に好みのレイアウトだ。もしこの風景に出会えたら、こう撮影したいと思うだろう。また、逆光のライティングも時間帯を演出しており、空気感が非常によい。靄のエフェクトも非常に効果的に作られている。惜しむらくは、人の営みを感じにくい点だろうか。もう少し人影(直接的でなくとも)を感じられると、自然と感情移入出るスキが出てくるのではないだろうか。

    SAFEHOUSE 鈴木卓矢(取締役/モデリングSV)
    パッと見のバランスがすごくいいですね。 ライティングの雰囲気もいいですし、何よりもモデルとテクスチャーのパランスがとてもいいです。 モデルの環境に合わせてテクスチャーが書かれているのでモデルからテクスチャーへの情報の伝達がとてもスムーズです。 橋の中から中景が見えるっていう構図がおしゃれですね。 手前の雰囲気をじっくり見せつつ奥行きを表現できるのはこの構図のおかげといえます。 その役割を担っている橋のクオリティーをもう一段アップさせたいですね。 石造りがテクスチャーっぽさが出ているのでモデルで表現してもいいんじゃないかなと思うのと遠景の山がぼけすぎてすごく巨大なものに見えてしまっているのでこの部分を調整するともっと全体的なまとまりがアップするのではないでしょうか?

    宮川英久(コンセプトアーティスト)
    面白い構図ですし、雰囲気やライティング、水面の表現など(ちょっと細かすぎるかもしれませんが...)光るところが随所に見受けられる見応えのある作品だと思います。微妙にゆがんだ建物や、質感表現など作りこみの凄さに感銘を受けますが、部分的には汚し方やパーツ同士の接合する部分などの違和感を感じる箇所が見受けられます。若干陽光が強すぎるように感じます。さりげなく配置されている水面に浮く花など、ちょっとした味付けで魅力を引き立てる細やかな気遣いが素晴らしいです。

    DreamWorks Pictures 山本原太郎(Senior Surfacing Artist)
    大変完成度の高い作品で、朝の匂いや音まで伝わってくるようです。ライティングも、開いたガラスを通って乱射する光、石橋に反射する光、霧が受ける光の表現もとても良いと思います。テキスチャのディテールも丁寧に、大変よく作りこまれていると思います。完成度が高すぎて言う事もあまりないのですが、あえて申し上げれば、ベランダなどの木のテキスチャに解像度のバラつきがあるようなのでもうすこしレゾルーションをあげても良いと思います。建物を支える足元周辺をもう少し作り込んでもよいかもしれません。石橋、山にブラーのフィルターを使っているようですが、この位置関係ではボケないと思います。鳳凰古城を参考になさっているのでしょうか?よい題材とレファレンスを見つけたことも評価に値すると思います。今後のご活躍を期待しております。がんばって下さい。

    Eallin Martin Hovorka(取締役)
    I like this picture from the very first moment I saw it. I felt, that it's a part of some interesting story. I was able to watch this picture for minutes and wait if something happens. It didn't! But anyway, the atmosphere, amount of details and complexity of this picture is amazing. For me, this is the TOTAL WINNER. So 4 points together from me. (初見から非常に惹かれる作品でした。 まるで何かの物語の1シーンかのようでこのまま何かが動き始めるのではないかと眺め続けてしまいました。勿論なにも起こりはしませんでしたが。。雰囲気、精細な作り込みどれも最高得点でした!)

    イアリン ・ジャパン 渡邊竜実(プロデューサー/CGディレクター)
    空気感が良く出ていて雰囲気があり、絵としてとてもきれいな作品です。 柱や窓、扉、屋根などの人工物のエッジが真っすぐにならないように細かく調整されており、CGが持つ独特の固さがうまく消えています。

    Striking Distance Studios 瀬尾 篤(Lighting Director)
    マジックアワーの淡い光の描写がとても印象的かつ自然に表現されていて見ていてとても心地よくなる作品でした。 全体的に絵作りのための意思決定がキチンと考えられていますね。だから、絵から見て感じとれる作者の意図したコンセプトがとても分かりやすい。 作者のコンセプトを事前に知らなくても、観る側も同じコンセプトを感じ取れるという意味では絵つくりとしてとても成功している思います。 フォグや朝もやを使った複数層の奥行きの作り方、凛とした空気感、全体的なコントラスト比率もバランスがとれていて、 また橋のアーチが水面の反射で弧を描く形の構図や中心に灯の消えた提灯が朝日によって火がともされたような演出に作者のセンスを感じます。

    ジェットスタジオ 赤崎弘幸(ディレクター)
    ライティングや空気感にとても魅力を感じる作品だと思いました。橋のアーチが水面の反射で円を描いている点にも美しさを感じます。この奥にはどんな景色が広がっているんだろうと想像させられ、なんだか小舟で先へ進んでみたくなりました。細かいところを指摘してしまいますが、画面最下部に少しだけ映っている明るい部分は無くしてしまったほうがまとまりが良い気もします。

    東映デジタルセンター ツークン研究所 市田俊介(CGデザイナー)
    水面の反射と構図によってコンセプトを表現しているのが面白いです。 全体的な雰囲気はとても良いのですが、 柱が不自然にめり込んでいたり、細部のディテールが不足しているなど、 細かい部分の粗が目立っているのが惜しいです。 めり込みを石の奥に隠すなど、ちょっとした工夫で改善できる部分もあると思うので、 ぜひ気を配ってみてください。

    テレビ朝日 島田了一、他CGディレクター陣
    まず構図がとても良く、橋の下の霞んだ表現、水面の質感と光の反射の表現、古びた建物におぼろげな提灯も効いています。明と暗の対比が非常に上手く使われ、朝の澄んだ空気が感じられるよう。背景の空と山も、建物で見えない日の出の感じを良く表現しています。とてもリアルで技術面だけでなく作品性も高く仕上がっていると感じます。

    スマートエンジニア 田川敢志(CGデザイナー)
    早朝の朝靄の空気感がフォトリアルに表現されていて素晴らしい画像だと思いました。 水面から立ち込める靄と朝日との調和がきれいです。 また、構図やライティングもうまく表現されていてフォトリアルCGとしても高いレベルだと思いました。 もう少し陰影感が出てくると見せたいところにより引き込まれるようになり、力強さが増してくると思います。

    コロビト 大島夏雄(代表取締役)
    物の構造を考えながら丁寧に製作されているなっという印象を受けました すりガラスの開かれた窓や提灯を光が透過してる感じも効果的だと思います。

    東映アニメーション 佐藤直樹(CGスーパーバイザー)
    コンセプト通り、朝の冷えた空気がしっかり感じられるとても魅力的な作品に仕上がっています。奥の建物を照らし石橋のアーチを際立たせる朝日が蒸気霧によって淡く水面に映り込んでいる描写がとても綺麗で感動しました。建物の柱と岩の接地など細部の処理や材木の質感に詰めの甘さを感じますが、建物全体の作り込み具合や間接光による影の表現はバランス良く纏まっています。

    インテグラル・ヴィジョン・グラフィックス CGディレクター陣一同
    構図やライティングなど、初見の惹きにかかわる要素がとてもよくまとまっています。 作者の作りたい情景を作れている感じがして、好印象です。 また、白飛びしがちな明部も自然な印象になっており、まとめるのが上手だと感じました。 半面、アップにしたときにディティールの詰めが甘く感じる部分が多かったので、 そこを詰め切るとよりクオリティが上がると思います。

    KATACHI 曽根良洋(代表取締役)
    夜明けの雰囲気が出ておりとても良いと思います! 水面に広がる光景も不自然を感じさせず波打つ水面がとても綺麗です。

    第3位:『Mystical Book』 獲得点数:42点

    長谷部 瑶さん(HAL東京)
    今回応募した作品を掲載しているArtStationのリンクです。
    www.artstation.com/artwork/WKzDWN
    いくつかのアセットはSketchfabにアップロードしているので、こちらもぜひご覧ください。
    sketchfab.com/Amatsukast

    ●作品解説
    中世ファンタジーと錬金術をコンセプトに、CGならではの表現を目指して制作しました。一つ一つのアセットを細部まで拘って作り込みました。

    ●使用ツール
    Blender、Maya、Substance Painter、CLIP STUDIO PAINT、Photoshop、Illustrator

    【受賞コメント】
    まずはCGWORLD関係者並びに審査員の方々にお礼申し上げます。CGの勉強を始めて以来、WHO'S NEXT?の受賞作品を見ることで、多くの刺激をもらっていました。いつしかここに掲載される程の作品を作ることが一つの目標になっていました。私の作品もこれまでの素晴らしい受賞作品のように、見た人に何らかの刺激を与えられれば幸いです。今回得た経験を糧に、より良い作品が作れるよう尽力します。


    ●審査員コメント 抜粋

    SAFEHOUSE 鈴木卓矢(取締役/モデリングSV)
    世界観も絵作りも作りこみも綺麗なのですごく好きですね。 丁寧に作られているのがとてもいいです。 静止画のとしての完成度はかなり高いのではないでしょうか? 全体的なバランスの良さが逆にそう思うわせると思うのですがメインのピアノのクオリティーをもう一段階上げたいなという印象です。 現状だとミニチュアに見えてしまっているので、クッションの柔らかさだったりテクスチャーや質感の細かさだったりで実際のグランドピアノの大きさのように見えてくるともっとファンタジーな世界観になると思います。 配置感でいうと二本の木が同じような大きさなので右側の木を左側の木よりも少し小さくすると左側の木がフックになって、よりピアノが主役のような存在になってくるとおもいます。 草原の四隅の配置感が規則的なのも崩したほうがいいのと崩れた柱が崩れた感がないのでそういったところを詰めていけばもう少し絵にリズム感が出てくると思いました。

    モデリングブロス 今泉隼介(代表取締役)
    作品としてのクオリティもさることながら、一つの作品の中で屋内と屋外の両方のスキルを見せられる、「ポートフォリオ作品」としてとても素晴らしいアイディアだなと思いました。クオリティの面では地面の表現がとても良く出来ていると思います。レリーフも細かく入っていて作品全体の雰囲気作りに貢献しています。その上で、一つ一つの質感制作にもう少しこだわると今後もっと伸びて行けるのでは感じました。燭台や、青い壺の持ち手、羊皮紙、本の上の石柱、奥に見える部屋の壁など、丁寧に観察して一つ一つ質感を作り込んでいく事で作品のクオリティとしてもご自身のスキルとしてもアップしていくのではないかと思います。

    Striking Distance Studios 瀬尾 篤(Lighting Director)
    錬金術で飛び出す絵本がファンタジーな世界観が上手に表現されている作品だと思います。 一つ一つのプロップの質感も細部までこだわって作っている感じがしますし、その質感を際立たせるライティングの当て方もちゃんと考えられているなと感じました。 ただ惜しいなと思った点として周りのプロップが精巧にできている分、中央の木が迫力で負けてしまってるような感じがするので画面の中央に置かれた木の造形を もう少し太くダイナミックなうねりを加えるなどのおとぎ話に出てくるような感じを誇張した造形も追加してあげると一番目立つ場所に置くのに値する迫力が得られたのかもしれません。

    神央薬品 ノブタコウイチ(CGプロデューサー)
    想像力やデザイン等はとても素晴らしいと思いました。パッと見てもっと見たくなりました。 木の幹や石柱のディティールをもう少し詰めていけばクオリティはもっと上がると思うので、引き続き頑張ってください。

    TREE Digital Studio ルーデンス事業部 泉川健二(CGディレクター)
    ありえない世界なのに、あって欲しいと思わせるリアリティが素晴らしいと思い ました。これが動き出したらどんな映像になるのだろうとワクワクして見てしまいました。

    イグニス・イメージワークス 長谷川勝章(CGディレクター)
    センスオブワンダーを感じさせる不思議な作品ですね。錬金術によって本の上に呼び出されたのは、術者の思い出の風景でしょうか。 樹木の幹部分は、質感をさらにつめられる部分(層を感じさせるように)かと思います。本の厚み、重さから生まれる歪みももう少しあってよいかもです。また、この世界観であれば、ライティングに一歩踏み込んだ方が、さらに異化効果としてのファンタジーを感じさせることができるのでは、と思いました。例えば、本の上に別の照明装置をつくってしまうとか。

    コロビト 大島夏雄(代表取締役)
    細部の作りこみや質感などとてもよくできていると思います。 特にいろいろな物に入っている模様がかっこいいです。

    東映アニメーション 佐藤直樹(CGスーパーバイザー)
    緻密にモデリングされ画面全体の細部にまで拘りをに感じる大変クオリティの高い作品に仕上がっています。樹木、草花や岩などもバランスよく配置されプロの方が作られた作品なのかと思いました。少し残念に感じるのは、画面全体のディテールが均一に高く、もっとも輝度の高いロウソクの炎をとその周辺の小物類に視線が引っ張られるため、絵として何を見せたいのかがわかりずらい事です。必ずしも光源を画面内に収めなくても本や樹木ピアノなどを魅力的にライティングする事は出来ます。また、被写界深度を浅くし手前にピントをあわせより画面四隅と奥の重なった本を柔らかくボカシテあげる事でより雰囲気のある作品になります。

    インテグラル・ヴィジョン・グラフィックス CGディレクター陣一同
    中央を木を境界に左右に明暗のコントラストを付けていて、惹きのある絵づくりができていると思います。 作者の作りたい世界観を魅力的に表現できているのではないでしょうか。 一方、ひとつひとつのアセットのクオリティなどはまだまだ詰める余地があります。 左奥の工芸品はそれぞれどういう質感なのか、もう少しよく観察して詰めてみるとよいでしょう。 本もページのふちが破れていたり、しみを残したりすると奥の古書となじみ、より良くなると思います。 また、被写界深度を調整し、奥行きを表現できるとクオリティアップが図れると思います。

    第4位:『Traveling Alone』 獲得点数:40点

    岩間つぐみさん(東京電機大学)
    初めて応募しましたが、これを通じて自身の未熟さに気が付きました。自分自身が良いと言える作品を作れるよう、これからも精進します。

    ●作品解説
    一人での海外旅行中に一服しているおじさんのイメージで作成しました。 実物を採寸してスケールに気を付けたり、構図や色遣いにも気を使いました。

    ●使用ツール
    Blender、Substance Painter、Substance B2M、Megascans、Illustrator、Photoshop、After Effects

    【受賞コメント】
    この度は4位を受賞でき、大変嬉しく感じております。 初めて応募したコンテストであることに加え、作成中多くの方々からアドバイスや励ましをいただき、ようやく完成させたものなので喜びもひとしおです。 お世話になった方々、講評をしてくださった審査員の皆様には感謝の念に堪えません。 今後はさらに良い作品を作れることができるよう、一層努力いたします。


    ●審査員コメント 抜粋

    トランジスタ・スタジオ 秋元純一(取締役副社長)
    非常にシンプル。だがそれがいい。それこそがこの作品に必要なメッセージだと思う。一人の中年男性は、恐らく柵の多い現実から逃れて、シンプルに何も決めない旅をしているのだろう。ただともにするのは長年の相方であるタバコだけ。それがこのシンプルに何も言わない、メロウな世界観を作り出している。実に渋い。私も愛煙家だが、こう有りたいと思うばかりだ。モデリングやテクスチャワークも申し分なく、それを演出するカメラやライティングは抜群にうまいと思う。絶妙な光量や深度の使い方も、作者が日常でファインダーを覗いているのかも、、と思ってしまう程だ。また、レンダリングのクオリティ管理もうまい。絶妙なフィルムノイズだけのザラつきを残し、サンプリングノイズなどは感じさせず、非常に写実的な一枚に仕上がっている。

    SAFEHOUSE 鈴木卓矢(取締役/モデリングSV)
    シンプルな作品ですが細かなこだわりを感じるので好きですね。 たばこの形が一個一個違うとか灰皿のなかの灰の感じとか細かい部分が丁寧に表現されていて好感が持てました。 造形や質感的に難しいチャレンジはないですがコスパの良さは素晴らしいですね。 少ない手数で想像する結果を上回るようなCGならではの表現かと思いました。 細かい部分でいうならコインやタバコがポケットから無造作に出した感じなので タバコが箱にすっきり入っているよりも何本かは少し先っぽが箱から出ていると 箱からタバコを取り出したという動きが表現できるかなと思います。

    Sony Pictures Imageworks 石井伸弥(シニアモデラー)
    コンポジットが上手。 色の取り方が上手で、雰囲気が良くでていて、シーンの見せ方がとても上手です。 シンプルに見えて、個々のモデルのディテールをしっかり表現できている。 改善点:この作品に対する改善点は特にない。 次回の作品を見てみたいと思います。

    モデリングブロス 今泉隼介(代表取締役)
    モデリング、テクスチャリング、ライティング全てがとても高いレベルで融合した作品だと思います。灰皿にしている缶の傷、フィルターのないタバコ一本一本のヨレ、ライターを置いたことでしなる箱、箱の銀紙のシワ、少し崩れ箱に落ちたタバコの葉、奥のノートの写真のたわみ、など一つ一つをとてもよく観察して再現されている事が見て取れる作品だと思います。あえて改善点をあげるとすれば、タバコと灰皿にもう少しだけ前後関係を付けて、視線を奥に気持ちよく送れるように作ると構図としてよりよくなるのでは無いかと思いましたが、全体的にはとても高いレベルの作品になっていると思います。

    Striking Distance Studios 瀬尾 篤(Lighting Director)
    窓から差し込む柔らかい光と暖色を中心とした「なごみ」が感じられるバランスの良い類似色を意識した配色にとても好感を持ちました。 光の階調度(ダイナミックレンジ)もとても広く表現されていて、とても目を引かれる絵に仕上がっていると思います。 それぞれの小物のディテール、使い古し感やサイズ感もリアルでポスト処理のボケ味も写実的な描写に貢献している思いますし、コンセプトとしての「休息のひと時」が上手に表現されていると思います。 ただ旅の合間の休息を伝えるのであれば、もう一つ旅行の雰囲気を醸し出すプロップが在ると、旅感がもっと出たのかなと思います。 例えば、旅感の演出としてたばこの横に外貨コインを置いたのはとても良いと思うのですが、そのコインとたばこの下にパスポートがさり気なく敷かれていたりするだとか、 もしくはくしゃくしゃになったボーディングパスの切れ端が隣に置かれていたりすると一気に旅感が増すのではないでしょうか。 またカメラの被写界深度をもう少し深めに設定してあげて前景だけでなく中景の情報も使って旅感を上げるレイアウトにしてみると、意図した情景に近づけるのではないかと思います。 もしくはくしゃくしゃになったボーディングパスの切れ端が隣に置かれていたりすると一気に旅感が増すのではないでしょうか。 またカメラの被写界深度をもう少し深めに設定してあげて前景だけでなく中景の情報も使って旅感を上げるレイアウトにしてみると、意図した情景に近づけるのではないかと思います。

    ジェットスタジオ 赤崎弘幸(ディレクター)
    シンプルながら綺麗にまとまっていて魅力ある作品だと思います。小物の配置やライティング、ボケの具合も程よく、自然と画面に引き込まれました。タバコの銘柄や配置物のチョイスから"おじさん"のイメージがしっかり感じ取れました。強いて言うなら奥にある冊子の置き方が整い過ぎているかもしれません。

    神央薬品 ノブタコウイチ(CGプロデューサー)
    光の差し方やフォーカス等も上手く出来ていて何気ないショットですがとても印象的で良いと思いました。 コイン等も味が出ていて良い感じですね。煙のディティールを少し詰めればもっと良くなると思います。

    東映デジタルセンター ツークン研究所 市田俊介(CGデザイナー)
    実物を採寸されたということもあり、 スケール感の破綻が無く、とてもリアルに感じました。 タバコケースがライターに重さで窪んでいたり、タバコの葉が少し散っているなど、 一つ一つのディテールがリアルさを感じさせます。 強いて言うならば、この1枚からは作者のイメージである 「一人旅のおじさん」を感じさせる要素が少ないので、 ライターやコップを銀製にするなど、見た人が連想しやすいヒントがあると、 意図が伝わりやすくなると思います。

    スマートエンジニア 田川敢志(CGデザイナー)
    ライティングや質感の良さが非常に伝わります。 フォトリアルな表現として、クォリティの高さを感じました。 ただ構図のせいか、初見で何を見せたいのかが見えにくいと感じました。 もう少し空間を広く見せるなどして、窮屈感を払拭できればさらに良くなると思いました。

    インテグラル・ヴィジョン・グラフィックス CGディレクター陣一同
    白く飛ばす部分がカメラで撮影をしたような露光の仕方がうまく出せていて、 自然な画になっていると思います。 それぞれのアセットのクオリティも高いレベルで詰められていると感じました。 より詰めるとすれば、レイアウトや構図が整然としていて単調に感じたので、 そこをもう一工夫してみても面白いと思います。

    次ページ:
    第5位〜第12位 優秀作品講評結果

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    第5位:『反逆者』 獲得点数:38点

    岩佐一輝さん(日本電子専門学校)
    将来は、人の心を揺さぶることができるような作品を作っていきたいです。

    ●作品解説
    「蜂起を起こしたエリートのサイボーグ」をコンセプトに制作しました。 映画のワンシーンのような絵を目指しました。

    ●使用ツール
    Maya、Photoshop、ZBrush、Substance Painter

    【受賞コメント】
    この度は、ありがとうございました!受賞することが出来て、とても嬉しいです。 今回のプロの方々からの講評のお陰で、自分の中で自分の良いところ、悪いところを明確にすることが出来たと思います。 今後の制作に活かしてこれからも頑張っていきたいです!


    ●審査員コメント 抜粋

    SAFEHOUSE 鈴木卓矢(取締役/モデリングSV)
    全体的にバランスよく作れていると思います。 特に顔の表情が何かを物語っているようでいいですね。 胸の血液も戦ってきた感があっていいと思います。 造形に関しても細かく作られていていいと思うのですが質感に関して言うと全体的に似たような質感になってしまっているのでもう少しテクスチャーや質感にこだわってあげると画にメリハリが出ていいのかなと思いました。 腕の人工筋肉?の付き方が不自然に感じるのとメッシュが刺さっているように見えるので細かい部分に気を付けてもいいかなと思いました。

    宮川英久(コンセプトアーティスト)
    これは中々の力作ですね!素晴らしい。ですが完成度が高いからこそ気になる点があります。例えば右胸に着いている金属のプレートは何故左胸には無いのでしょうか。もともアシンメトリーなデザインなのか、それとも戦闘の最中外れてしまったのでしょうか。血しぶきが付いているようですが、これはこのサイボーグ自身の血ではないのでしょうから、敵の血なのでしょう。だとすれば血しぶきが顔や胸に付着するのであればそれはほかの部分にもより付着しているべきなのではないでしょうか。武器が剣なのでしょうから、そうすれば腕などに返り血が付かないとは思えません。更に、この一枚絵がグラビア撮影のように決めポーズを取っているような印象を抱かせてしまう部分があるのは非常に勿体無いです。武装蜂起して敵を倒して一息ついているとすれば後ろに空間があるような場所で堂々と座っていることは難しいのではないでしょうか。アーマーの外殻部分の素材もあまり硬そうに感じませんし、戦闘で付いた傷跡が確認できないのは気になるところです。しかしながらどこか哀愁を感じさせる表情といい、丁寧に作られた身体は素晴らしいです。是非もう少しブラッシュアップしてみて欲しいです。

    モデリングブロス 今泉隼介(代表取締役)
    高い造形力とストーリー性、そしてそのストーリーを補強するデザイン力のある作品だと思います。一見生身の人間に見える男も黄色い瞳孔と顔に走るラインがそうではない事を表していますし、左右非対称のアーマーやその汚れもここに来るまでに至った時間の経過を感じさせます。もう逃げる事を諦めてしまったかのような悲哀のある表情などとても良く出来ていると思います。一方で、ここまで作ってあると「背景」と「武器」にももう少しこだわって欲しかったと考えてしまいます。男が座っているコンクリートの塊の様な物は背景の路地にあるには少しおかしいですし、腰の後ろに携えている剣?もこの兵士の装備には不釣り合いに見えてしまいます。一見して武器と分かるデザインや配置に変えるだけでとても良い作品になると思うので、その部分で少し減点となってしまいました。

    イアリン ・ジャパン 渡邊竜実(プロデューサー/CGディレクター)
    キャラクターの後ろにある物語が気になってしまう、良いキャラクターデザインではないでしょうか。 もう少し細かいパーツを丁寧に作りこみ、パーツの接合部分の仕組み、グレーディングを調整すればもっと魅力的な1枚になると思います。

    Striking Distance Studios 瀬尾 篤(Lighting Director)
    全体的にモデルも質感もよくできていて近未来的なアーマーのデザインも素晴らしいと思います。 細かい所でキャラクターの周りにレンズの収差を模したポスト処理(パープルフリンジ)もシーンに合った演出をしてると思います。 あと何かを達観した顔の表情と後光を表すようなライティングの配置と相まって凄惨な戦いを彷彿させる返り血を浴びた顔やアーマーとのコントラストが良いですね。 その点で欲を言えば蜂起を起こした者の「凄み」もポージングで表せられていると作品に深みが出るのかなと思いました。 ポージングも色々選択肢がありそうですが、個人的には後ろに隠れている剣を使ったポージングも見てみたかったですね。

    シーズクラフト 立花大輔(代表取締役)
    なぜ路地で石に座っているか分からない。背景の雰囲気とあっていればもっと良かった。

    東映デジタルセンター ツークン研究所 市田俊介(CGデザイナー)
    アーマーのデザインや質感含めて非常にかっこいいと思います。 現状では「ボディスーツを着た普通の人間」に見えてしまうので、 「サイボーグ」というコンセプトを強調するならば、 眼光が非人間的に光っていたり、メカパーツが顔面に埋め込まれているなど、 機械と人間が融合している情報を増やすと、よりコンセプトが際立つと思います。

    デイジー 太田修司(シニアCGディレクター)
    モデル質感とてもよくできています。戦いの後の束の間の休息でしょうか。 逆光によるリムライトの境界がジャギっていたりノイズの載せ方が違って見えたりして、背景と少し馴染んでいないのがちょっと残念に感じました。

    テレビ朝日 島田了一、他CGディレクター陣
    ここまで完成度が高いとどんなデータになっているか気になりますね。ビジュアルだけで見れば十分プロとして現場で活躍できるのではないでしょうか。重箱の隅をあえてツツくとしたら、スーツのzbrush造形でアセットをどれくらい使っているんだろうかと思いました。アセットブラシを使うのは悪くないし、配置のバランスも良いので文句なしですが、FPS系以外のものも見たくなる。創作の幅を期待したい1作品だと思います。

    コロビト 大島夏雄(代表取締役)
    造形、デザイン共にとてもよくできていると思います。 パーツの端や異なる素材の接合部の処理にもう少し手を加えくことが出来れば もっと良い作品になるかと思います。

    KATACHI 曽根良洋(代表取締役)
    とても良い作品だと思います!ぱっと見の印象として腰に横に差している剣が背景の板に見えたので どこに座っているのかわからなくなりました(自分だけ?)座っている岩も鎧と同系色ですし。 あと、通路の真ん中に岩が置いてあり座っているのも不自然かなと。 眼球ギリギリの傷(赤い血)はエグいのでずらすか彩度を落としたほうが良いかもです。

    オムニバス・ジャパン 瀧澤 栄(CGスーパーバイザー)
    視聴者に訴えかけるキャラクターの表情に驚かされました。キャラクターの見せ方が特に印象にのこるところを評価しました。またキャラクターと背景のバランスと色のトーンもシンプルでとても見やすい作品となっています。

    第6位:『変恋』 獲得点数:31点

    重田勇輔さん(HAL東京)
    将来はクリーチャー関連のキャラクターアーティストになりたいです。 色んなアプローチで制作することが好きで、モデリングとシェーダに興味があります。

    ●作品解説
    「恋」をコンセプトにフォトリアルかつファンタジーな雰囲気を目指しました。 感情によって色が変わるというカメレオンの特性を活かして、コンセプトを表現しています。

    ●使用ツール
    ZBrush、Maya、Houdini、MARI、Substance Painter、Megascans、Photoshop、NUKE

    【受賞コメント】
    この度は入賞させていただき、ありがとうございます。 初めての応募で受賞出来て、喜びと驚きの気持ちでいっぱいです。 多くの審査員の方からいただいた講評を受け止め、コンセプトをうまく伝える力や細部へのこだわりなどを改善し、残りの一年でより良い作品を生み出せるように努めていきます。 お忙しい中、ご対応や講評、アドバイスをくださった皆様、本当にありがとうございました。


    ●審査員コメント 抜粋

    SAFEHOUSE 鈴木卓矢(取締役/モデリングSV)
    綺麗な雰囲気の作品ですね。 キャラクターのポージングもリアルですし構図のバランスもいいんじゃないかと思います。 ただモデルが少ないがゆえに個々の粗が目立ちますね。 蝶の羽が分厚い感じがするのとカメレオンの皮膚のテクスチャーが表面の凹凸感を表現できていないので肌がのっぺりとしているようにみえますね。 そこらへんに注意すると全体のクオリティーがもう一段アップする気がしました。

    Sony Pictures Imageworks 石井伸弥(シニアモデラー)
    コンセプトも良く、全体的なつくりがとても良い。作品からストーリーが伝わってくる。 改善点:蝶々をカメレオン同様に作りむと良い。蝶々の羽に厚みを感じる。

    モデリングブロス 今泉隼介(代表取締役)
    カメレオンらしい歩き方のポーズと横長の構図、そして枝の質感のすばらしさがとても印象に残った作品です。暗い場所から光の射す場所へ、頭にやわらかく逆光を当ててテーマである出会いを表現されているのもとてもキレイだと思います。せっかく素晴らしい表現力をお持ち(枝の青いカビの表現素晴らしいです)なので、爬虫類を表現する上で避けては通れないウロコの表現、蝶々の羽根のリアルな質感表現に力を入れられればさらに良い作品になるかと思います。

    Eallin Martin Hovorka(取締役)
    This picture has a really nice atmosphere. I like the second of the dominance of the butterfly. The moment, when he is sitting on the nose of the chameleon. I love the skin of the chameleon. Great work! (カメレオンの皮膚の表現の仕上がりは勿論素晴らしいのですが、 個人的には鼻先に触れる蝶との瞬間を切り取った美しい情景のような雰囲気を感じさせる作品表現でした)

    ジェットスタジオ 赤崎弘幸(ディレクター)
    カメレオンの質感が非常に細かく表現されており、ディティールがしっかりと分かるライティングが好印象でした。気になる点を挙げると、蝶の質感に人工物っぽい厚みを感じるところでしょうか。カメレオンの作り込みが丁寧なだけに気になります。画面左の枝葉のボケの切り替わり部分が不自然な点も改善したいポイントだと思います。

    東映デジタルセンター ツークン研究所 市田俊介(CGデザイナー)
    「感情によって色が変わるカメレオン」と「恋」を 組み合わせるコンセプトが素敵だと思います。 カメレオンの色味や表情をもう少し強調して、 木漏れ日を使って全体の雰囲気を作れば、 ハッとするような恋の一瞬をさらに演出できそうだと思いました。

    デイジー 太田修司(シニアCGディレクター)
    ほっこりしました。 かるくパラ、フレアなどたいて明るくしてもよいですね。

    テレビ朝日 島田了一、他CGディレクター陣
    ドキュメンタリー番組でそのまま使えそうな素晴らしいカットです。カメレオンの鱗や棘の凹凸感と、骨や筋肉の存在を感じさせてくれる皮膚の伸びや皺、それを反映するライティングの妙が見て取れます。また、光を淡く反射するカメレオンと蝶にタイトルで言ってる空気感を感じました。構図に関しては、主人公の蝶とカメレオン付近にだけピントを合わせて奥行きを出しているところや、右からカメレオンがやってきて中央で蝶と出会うストーリーを感じさせる配置、左には植物のシルエットでにぎやかしを置くなど、前後左右を使っての上手な構図だなと勉強になりました。一点、蝶の透け具合に翅脈の情報感があるとよりフォトリアルになるかなと思いました。

    ポイント・ピクチャーズ CG部一同
    食べる側(捕食者)と食べられる側(被捕食者)の恋模様というテーマの面白さと、 そのカメレオンの特性を活かした感情表現がひと目見てとても伝わりました。 フォトリアルとしてのクオリティもとても素晴らしかったです! カメレオンの頬の火照りに気づかせることがこの作品としてのとても大事なポイントになると思いますので、少し大胆に色を入れても面白いと思いました!

    スマートエンジニア 田川敢志(CGデザイナー)
    リアリティのある空間にCGならではのファンタジーな表現がうまく溶け込まれていて面白い作品だと思いました。 構図やカメラ設定等フォトリアルCGの表現も素晴らしく、コンセプトが伝わる良い画だと思いました。 ただ、主役の一つである蝶の質感が他と違い、画としての説得力が弱くなってしまっているのが少し残念です。

    第7位:『My best buddy』 獲得点数:27点

    坂田冬士さん(大阪デザイナー専門学校)
    背景モデラーを目指して日々勉強しています。
    Twitter: @Sakata_Toji

    ●作品解説
    長期間整備され、大切に使われている銃をイメージし、制作しています。 メインである銃の形状、質感にこだわりました。

    ●使用ツール
    Maya、Substance Painter、Toolbag 3、Photoshop、Illustrator、After Effects、V-Ray

    【受賞コメント】
    作品発表時、受賞の報告を受け非常に驚きました。 作品としては私の趣味を前面に押し出した物でしたが、それゆえにこだわった作品でもあるので、評価されたことは大変嬉しく思います。 また、審査員の方々の講評を読ませて頂き、まだまだ作品の質を上げることができることを痛切に感じ、自身の成長にも大きな余地があることを実感しました。 今回の件を踏まえ、自身の成長に繋げれるよう、更に努力していきたいと思います。


    ●審査員コメント 抜粋

    トランジスタ・スタジオ 秋元純一(取締役副社長)
    モチーフをしっかりと観察し、高い再現率でモデリングしている。モデラーに求められるのは速さと正確性だと考えるが、少なくとも正確性においては申し分ないと言える。テクスチャへの気配りも十分で、単一な雰囲気の中にも、細かな質感の違いなども再現しており、レイアウトやトーン、ライティングに至るまで、モチーフへの愛情を感じられる作りになっている。モノトーンな配色の中に、少しだけ真鍮やデカルでワンポイントディティールが入り、尚の事作品が締まって見える。クールなライティングのトーンも世界観にあっている。

    Sony Pictures Imageworks 石井伸弥(シニアモデラー)
    とても上手です。モデリングでしっかりディテールを付けている。このレベルは卒業で良いと思う。次は乗り物やロボット、背景の作品を見てみたい。

    モデリングブロス 今泉隼介(代表取締役)
    シンプルにモデリングに対する技術点が高い作品です。形状の追い方、ベベル幅の取り具合、細部の作り込み(星形のトルクスねじや六角ねじも作り分けています)、どれを取っても文句のないモデリングのレベルに達していると思います。惜しむらくは経年劣化による汚しがプロシージャル的なムラになってしまっている所だと思います(特にグリップとマガジン部分)。言い換えると度重なる使用により傷や劣化が進みやすい部分とそうでない部分の描き分けをもう少し強調すると良くなると思います(銃もケースも)。その上で、この銃を所持する人物の「癖」や「歴史」の様な物を感じさせる特徴を追加する事も魅力的なアセットを制作するコツと言えると思います。繰り返しになりますが、モデリングのスキルは非常に高い事が見受けられますので、これからもたくさん作り続けて下さい。

    イアリン ・ジャパン 渡邊竜実(プロデューサー/CGディレクター)
    スケール感の合っているエッジのベベル具合、 新品ではなく少し使い込まれた感じが出ているテクスチャと質感、 細かいエッジ部分に少し入るハイライト等、 どれもわざとらしくなく、とても丁寧に良い塩梅で作られています。

    スタジオリント 伊藤龍太(代表取締役)
    銃のCG作品は例年多数ありますが久々に秀作見ました。 ウェザリングの入れ方にもう少しどう使われてきたかのストーリーを 感じさせる説得感があるとなお良くなると思います。

    カナバングラフィックス 制作部
    エアガンのパッケージに使われているような写実的な作品だと思いました。全てのオブジェクトが綺麗に作られているので、以外ない(逆にめちゃくちゃ整然に並べられているとか)レイアウトで見れたら絵的に面白かったかもです。ですが、本当に綺麗に作られていると思います。

    TREE Digital Studio ルーデンス事業部 泉川健二(CGディレクター)
    時の流れや金属の重量感がしっとりと伝わってきて素晴らしいと思いました。 対象を引き立たせるクールなライティングも良いと思います。

    Z-FLAG CG TEAM ひるま克治(代表取締役)
    ウチのチームのハードサーフェスモデラー兼ガン担当が絶賛していました。あなたはエアガン好きですね?絵としてはガンのカタログにあるような写真をよく観察しているんだなと感じます。汚し方・ぼかし方も絶妙です。各部のハイライトの出し方が考慮されたモデルになっているのではないでしょうか。素晴らしいと思います。強いて挙げれば、目を細めてみれば分かるのですが絵の中での目立つ部分が画面右上に集中しています。そこで私なら、左下に当たっているライトの方向を工夫するなどして銃身にもまっすぐハイライトのラインが出るようにしたり、銃以外の部分の明るさを調整するなどして銃本体のシルエットを目立たせたりすることで、主人公である銃を引き立たせるのではないかと思います。

    第8位:『帰宅』 獲得点数:25点

    前田虹太さん(倉敷芸術科学大学)
    普段はハードサーフェスを中心に制作しています。背景モデリングは始めたばかりですが、魅力的な作品を目指して勉強中です。

    ●作品解説
    一人暮らしの男性が住んでいるアパートを作りました。玄関のドアを開け、帰宅する瞬間がテーマです。夕方ならではの空気感や哀愁が出るようにライティングにこだわりました。

    ●使用ツール
    Blender、Photoshop、Substance Painter

    【受賞コメント】
    このたびはこのような賞をいただき誠にありがとうございます。「WHO'S NEXT?」に応募するのは今回が初めてで結果発表まで緊張していましたが、受賞できたこと、とても嬉しく思います。また、様々な視点からご講評していただいた審査員の皆様には感謝申し上げます。大変貴重な経験ができました。コメントしていただいた部分を反省して、より良い作品を作るために頑張ります。


    ●審査員コメント 抜粋

    トランジスタ・スタジオ 秋元純一(取締役副社長)
    トータルバランスに優れた作品だと思う。背景やプロップの丁寧な作り込みや、テクスチャやシェーディング、ライティングに至るまで、非常によく出来ている。モーメントを切り取っていて、一人暮らしの男性にしては割と整然としている室内の雰囲気は気になったが、Amazonのダンボールがそのままにしてあったり、面倒な洗濯物を効率的にこなせる様な雰囲気を見て取れたりするうちに、割と几帳面さと理論的なところが同居した人なんだろうと、ある意味で納得した。そういった事を思わせるということ自体が、作品として素晴らしく、見飽きない様な説得力を備えているのだと思う。細かい事を言えば、私も料理をする方だが、フライパンに対して卵焼き器の方が大きく、使い込んであるというのは、若干納得が行かない。客観的な視点だからこそ、粗を探してしまうもので、やはり、ここに住んでいる主人公になりきった、リアリティのあるプロップ制作や、配置などを心がける事が重要だと考える。あまりにも整然としていたり、あまりにも煩雑だったり。主人公がどういった人物なのかは、その背景で物語るのがこの一枚だと思うので、是非もっとチラ見せしている主人公への感情移入をしやすくなるような演出をしてくれると、更によい作品に仕上がったと思う。

    ジェットスタジオ 赤崎弘幸(ディレクター)
    夕方のライティングがとてもきれいだなと思いました。部屋の規模や置いてある物から、1人暮らしの男性の部屋であることは受け取れたのでいろいろと想像してしまいました。「キャリーケースが玄関に置いてあるので出張が多い人なのかな?」「キッチン周りが整頓されているのでキレイ好きなのかな?」など。半開きの玄関の奥に見える人影が視認しにくいのと、全体を見せようとしている俯瞰アングルが相まって"帰宅"という意図は伝わりにくくなってしまっているかなと思います。

    シーズクラフト 立花大輔(代表取締役)
    やさしい雰囲気がよかった。色使いもあっている。

    スタジオリント 伊藤龍太(代表取締役)
    全体的な絵のまとまりが良いと思いました。 日常感をもっと出す為に経年劣化や汚れを感じさせるウェザリングや 物の配置をカオス的にするとより良くなると思います。

    スマートエンジニア 田川敢志(CGデザイナー)
    夕日が差し込む室内のリアリティが非常に目を引き、見事に哀愁感と生活感のある空間を表現されており、質の高い画像だと思いました。 モデルやテクスチャ、物の配置などしっかり作り込まれているのも良いと思います。 男性の一人暮らしというところも意識されているという事ですが、もう少し男性の部屋であるという表現が付加されて来ると、より印象的な画像になると思います。

    東映アニメーション 佐藤直樹(CGスーパーバイザー)
    今回のコンテストの応募作品の中で最高点を入れさせて頂きました。作品を一目見た瞬間にその画面にいっきに引き込まれました。作品の題材やテーマが特出しているわけでもなく、特別インパクトのある対象物や仕掛けがあるわけでもないのに、構図、配色、そしてなによりもライティングによってここまで絵としての完成度を上げらるのだという事に深く関心しています。このような写実的な表現をされている作品を拝見すると、どうしても重箱の隅をつつくような見方をしてしまうものなのですが、そういった事をしたいと思わせない深い味わいがあり何度見ても飽きのこない大変良い作品です。CGスキル全般的な評価としてはタオル、ティッシュペーパー、ビニール傘など一つ一つのオブジェクトの質感を追求する事でより質の高い作品になると思います。今後の作品に大きな期待を込めさせて頂きます。

    Z-FLAG CG TEAM ひるま克治(代表取締役)
    数ある室内系・台所系の中で、私は今回のベストだと思います。個々のパーツのモデルと質感がしっかりしているし、外の強い光でのコントラストが効いています。惜しいのはティッシュと箱の現実感がないこと・ドアを開けている人のモデルの粗がわかってしまう事・床の質感にもう一工夫欲しい事くらいでしょうか。丁寧に作られていると思います。

    第9位:『探検ごっこ』 獲得点数:24点

    山田達紀さん
    趣味で3DCGをしています。 人の心を動かす作品を作りたいです。
    htmi.artstation.com

    ●作品解説
    小さいころ近所に廃屋があり、中に入ってよく探検ごっこをしていました。 不思議なものを見つけたり、怖い人が出てきて追いかけられたり、いろんなことがありました。 そんなことを思い出しながら制作しました。

    ●使用ツール
    Blender

    【受賞コメント】
    今回は9位を賜り誠にありがとうございます。 全体的に自分の好きな雰囲気を出すことができてよかったと思います。 審査員の方々からとても参考になるコメントをいただきとても嬉しく思います。 それらを参考にしつつこれからもいい作品を作り続けていけるようにがんばりたいと思います。


    ●審査員コメント 抜粋

    トランジスタ・スタジオ 秋元純一(取締役副社長)
    世界観があり、そこにストーリー性も感じさせる作品に仕上がっている。モデルやテクスチャはリアリティというよりは、その世界観にマッチしたトーンでまとめられており、絵の雰囲気にグッと統一感をもたせている。風化した写実的なテンペラ画の様な風合いを持っていて、埃っぽく、サビ臭い空気感がうまく伝わってくる。想像力を掻き立てる様な雰囲気に、私はジョルジュ・メリエスの世界を感じた。

    SAFEHOUSE 鈴木卓矢(取締役/モデリングSV)
    まず世界観がいいですね。それを伝える画の中のストーリーというものが見えてきてとても好きです。新しいものを発見したときのワクワク感というかまさにタイトルの探検ごっこという名にふさわしい作品になっているかと思います。ひとつひとつのバランスがいいですね。ちょうどいいデフォルメ感というか、それすらも世界観の一部としてなじんでいるように見えます。ライティングが少しフラットな印象があるのでもう少しコントラストをつけてあげるともっと探検感が出るのかなと思いました。

    カナバングラフィックス 制作部
    コマ送りの映像作品の一場面のような、生き生きとした印象を感じる素晴らしい作品でした。画面内のオブジェクトが多い中でも、良い風合いで統一されていて、映像としても見たくなりました。

    ポイント・ピクチャーズ CG部一同
    画面全体の白黒のバランスやテクスチャ感・マチエール感がとても良いです。CGでありながら1枚の絵画としても見れる作品だと思います。

    イグニス・イメージワークス 長谷川勝章(CGディレクター)
    デヴィッド・ボウイのpvを彷彿とさせる世界観ですね。退廃的なムードに魅力を感じます。ただ、汚しの表現のスケール感がややばらついているせいで、リアリティが若干弱いかもしれません。 また、光源自体もやや単調なために、全体的にオブジェクトが埋もれてしまっていますね。ランタン光源を効果的に使えば、主題がさらに強調され、ドラマティックになると思われます。

    コロビト 大島夏雄(代表取締役)
    絵画的な質感で魅力的な作品だと思いました。 正方形の画面に収めるにはモチーフが多く、構図が難しいかと思いますが、 右の椅子に座っているキャラクターの左肩は画面に収めた方がよいかと思いました。 また、本棚の棚受け金具とその付近の汚れが黒く壁の色とのコントラストが強すぎるかと思います。 棚受け金具や汚しをもう少し壁と近い色にすると、プラネタリウムの投影機がより見やすいかと思います。

    インテグラル・ヴィジョン・グラフィックス CGディレクター陣一同
    パペットの配置による3角形構図のバランスや中央の機械が 良い感じにまとまったレイアウトを構築していて、好印象でした。

    第10位:『吊船街』 獲得点数:23点

    本郷友尋さん(日本電子専門学校)
    私は自分の理想の作品を、自身で短編でも長編でも映像で作りたいと思っています。そしてその作品が一人でも多くの見た人を圧倒させ、楽しませる作品を作ることが今後の自身の目標です。 Artstation
    www.artstation.com/jumbledge
    Twitter: @jumbledge1

    ●作品解説
    作品のコンセプトは「理想のフィクション」です。 私はSF作品が好きで、高層の建物で貧富の差が明らかに表現されている部分で貧困の街を作品にしました。 その街での人々の足がゴンドラとなって支えているのを表現しました。 こだわった点は、被写体のゴンドラと背景の兼ね合いです。両方とも雰囲気が似ていたものだったため、ライティングとコンポジットでバランスをとりました。

    ●使用ツール
    Maya、Arnold、Substance Painter、Photoshop

    【受賞コメント】
    この度、入賞することができ、とても嬉しいです。 自身が思っていた作品の意図と実際に見てもらった感想との相違はとても良い経験でした。 審査員の皆様に講評をいただけたことからは、得るものがとても大きく、参加して良かったです。 これからもスキルを磨き、表現の幅を広げ、コンセプトが伝わる画作りを追求していきます。 作品を審査していただきありがとうございました。


    ●審査員コメント 抜粋

    Sony Pictures Imageworks 石井伸弥(シニアモデラー)
    SFのコンセプトが面白い。色の統一感が良く、全体的にまとまりが良い。 ゴンドラのデザインがとても良く、細部までしっかりとできている。 ゴンドラの見せ方も上手。 改善点:背景の街並みから生活感が感じられない。貧しい街であれば、もう少し雑然とした感じが欲しい。テクスチャー(色)で表現しているので、モデリングで、壊したりラインを崩したりすることで表現すると良い。 きれいにまとまりすぎているので、モデルでゴミを置いたり、洗濯物が外に干してあるなど、ラインの単調さを崩すと良い。

    モデリングブロス 今泉隼介(代表取締役)
    何と言っても作品の世界観とモノレールのデザインが素晴らしい作品です。そして、完全なフォトリアルではない、少しだけディフォルメ化された造形も製作者の世界観を感じさせます。こういった造形で説得力を持たせる事はとても難しく、細かなディテールとそうでない所のバランス、スケールの取り方、汚れをはじめとした質感の付け方などが上手にマッチしていないと成しえません。とても素晴らしい作品だと思います。その上で、製作者のコメントにもありましたが、やはり背景と主役のモノレールが同じデザインパターンの中で埋もれてしまって見えずらいのがとてももったいなく感じます。フォグを使ったり色、明暗の対比を使うなどして主役を浮き上がらせる事が出来ればさらに良い作品になるんじゃないかと思います。

    Striking Distance Studios 瀬尾 篤(Lighting Director)
    世界観が素晴らしいですね。 ライティングで前景と背景にコントラストを付けた点ではゴンドラと背景の切り離しに少しプラスなっていると思うのですが、画面の情報量がとても多いという点で絵のわかりやすさでは損をしていると思います。 具体的な点でいうとゴンドラの窓のサイズと線の向きが背景のビルの窓ととても似ているというのが被写体のゴンドラが背景に溶け込んでしまう印象を与える原因になっていると思います。 一つの解決方法として背景のディテールは保ちつつ、背景の情報としてシンプルにしてあげるといいと思います。 例えば、背景のビルの窓の前に洗濯物を干している様子を付け足してあげて意図的に色の壁を作ってあげると窓枠を少し隠れて俯瞰的に見たときに背景のディテールは保ちつつ背景の情報の簡素化ができて 観る側の情報処理がやりやすくゴンドラも際立って見せることができるかもしれませんね。

    シーズクラフト 立花大輔(代表取締役)
    見せたい部分がきちんと目に入ってくるのでよい。背景と乗り物の作りこみに差を感じる。背景をもう少し丁寧に作りこむとよかったかも。

    メタサイト 菅原一敏(代表社員CEO/CGIディレクター)
    スチームっぽくもありサイバーっぽくもあり、この雰囲気は良いですね。Substanceを使う事でモデルの質感が良くなってきた昨今ですが、こうなると空気感も汚すようにしないとモデルは汚く空気は綺麗な状態になってしまいますね。

    テレビ朝日 島田了一、他CGディレクター陣
    岸壁のような街や吊船の造形が九龍城砦や2階建バスのように見えてディストピア香港感が感じられて良いと思いました。情報量が密なCGは個人的に好みです。見ていていろいろなことに気づかされます。建物=背景と吊船=フォーカルポイントに当たる光量や影の部分の差をもっと付けるなどして"見せたいもの"の優先順位が整理されてると、より魅力的なCGになってたかなと思います。

    ポイント・ピクチャーズ CG部一同
    オブジェクトが丁寧に作り込まれていることに加え、色彩的な見栄えの良さを感じられた点が素晴らしかったです。 ゴンドラのデザインも一目でかっこいいと思える魅力がありました。 ビルの周囲に煙やフォグを足すことで画面の奥行やゴンドラの存在感を強調できてより良くなると思います。

    イグニス・イメージワークス 長谷川勝章(CGディレクター)
    ゴンドラのデザインが魅力的ですね。作品の外を感じさせるスケールのある作品だと思いました。各部の作りこみに関してはまだ着手できる部分は数多くある(背景が建築構造的に危うい、人々の導線を踏まえた劣化など)と思いますが、大変ですよね。。また、貧困層のゴンドラ、ということであれば、人々が普段の生活で使用している汎用的な部品をデザイン的に使うのもアリかもですね。

    KATACHI 曽根良洋(代表取締役)
    ゴンドラは良い雰囲気なのですが、背景に馴染んでしまっているのと、 背景の柱や手すりが同じような太さでメリハリが無くCGっぽさが抜けてないです。 白い壁も質感が荒いのでもう少し細部を詰めれればぐっと良くなると思います!

    第11位:『Cyber Wolf』 獲得点数:21点

    平石晃二さん(日本工学院八王子専門学校)
    見ただけでキャラクターのバックボーンを想像させられるような魅力的なキャラクターを作れるようになりたいです。

    ●作品解説
    科学技術と人体の融合(トランスヒューマニズム)が広く世間で浸透した未来の世界。冴えないメカオタクの少年が自作の身体能力強化ヘルメットを装着し、夜の街で悪と戦う、というコンセプトで制作いたしました。

    ●使用ツール
    Maya、ZBrush、Marvelous Designer、Substance Painter、Photoshop、Illustrator、After Effects


    ●審査員コメント 抜粋

    ジェットスタジオ 赤崎弘幸(ディレクター)
    カッコイイキャラクターですね!アクロバティックに動いているところを想像してしまいました。少し惜しい点は「機械の手」が背景の白さに飲まれて視認しにくいところです。このキャラクターにおいて生身の人間ではない(?)ということを示す重要なパーツだと思うのでしっかりアピールしたいところだと思います。服のしわのノーマルマップ感が目立つのもできれば改善したいポイントです。

    デイジー 太田修司(シニアCGディレクター)
    寒暖色の使い方がとてもうまくいって素敵な作品だと思いました。 背景のピンぼけがちょっと潰れすぎたかもしれません。

    カナバングラフィックス 制作部
    色と光の風合いがとても良い作品でした。モチーフが映えるような光源の配置とキャラクターの光の当たり方がかっこ良かったです。背景のディティールに拘れたらもっと良くなるかなと思います。

    ポイント・ピクチャーズ CG部一同
    シチュエーション、世界観、背景、差し色を使った構成やレンズフレア等の演出がキャラの邪魔をせず、むしろ引き立たせています。こういった土台作りがいかに大切さを思い出させてくれるような作品だと思います。 キャラクターがフルフェイスである事の意味付けがされており、コスチュームデザイン等の細部もシンプルかつ凝っていてクールな印象です。腕が義手なのか、完全なロボットなのか等、想像できる余地があって楽しいです。

    イグニス・イメージワークス 長谷川勝章(CGディレクター)
    バックグラウンドにあるストーリーをしっかりと感じることができる、魅力的な作品ですね。 ただ、部分的な作りの甘さ(ジャケットの裾などの処理や質感など)がまだあるように思います。厚みを意識しながら調整するとよいと思います。 また、ライティングに関しては階調がなくなってしまっている部分があるので、そちらも気を付けるとなおよいと思います。 アナモルフィックレンズの横長フレアは、やはり水平にしておいた方がよいと思います。

    カナバングラフィックス 制作部
    色と光の風合いがとても良い作品でした。モチーフが映えるような光源の配置とキャラクターの光の当たり方がかっこ良かったです。背景のディティールに拘れたらもっと良くなるかなと思います。

    KATACHI 曽根良洋(代表取締役)
    近未来の雰囲気が出て良いと思います! ダウンのシワが不自然で目立つのと、シルエットが単調なので「MWR BULLETPUNK - FX01フォックスハウンド」あたりで検索すると参考になる作品が出てきます。 手が小さくて華奢な印象で背景と溶け込んでしまっているのでもう少し力強く目立つように作りこむと 良いかも、悪と戦うには心許ないかなと。武器を持たせても良いですね。

    第12位:『切り離された世界』 獲得点数:17点

    本間翔大さん(日本電子専門学校)
    CGを初めてもう少しで二年になります。いろいろとまだまだですが勢いつけて頑張ります。

    ●作品解説
    初めての背景作品で、自分の「好き」を詰め込みました。世界観や構図のまとまりを意識しました。楽しかったです。

    ●使用ツール
    Maya、Substance Painter、Photoshop、An Ivy Generator、ZBrush

    【受賞コメント】
    学生人生の思い出として10位以内を目標に作品作りに励みました。結果は惜しくも目標には届かなかったですが入賞することができ嬉しく思います。 世界観と雰囲気作りにかなり時間をかけてしまって肝心なモデリングにあまり時間を割けなかったことが心残りです。晴れて4月からクリエイターとしてゲーム制作に携わることができるので、今回の反省やいただいたコメントを仕事に活かしていきたいです。


    ●審査員コメント 抜粋

    宮川英久(コンセプトアーティスト)
    面白い作品で、ライティングや構図、色味も高水準に纏まっていて個人的に好きな作品です。しかしながら、地面や靄がかった空気を見るに雨上がりの印象なのにもかかわらず水滴の付いていないビニール傘はやはり気になりますし(あとちょっと新品過ぎるように思いました。)、昼間の時間帯にもかかわらず屋外屋内問わずライトを付けているのはこの作品の生み出す高水準のリアリティを阻害してしまっています。それ以外にも細かい不調和が散見されていて、そこをしっかりと調和させられれば素晴らしい作品が完成すると思います。

    Sony Pictures Imageworks 石井伸弥(シニアモデラー)
    まとまりも良く世界観も伝わってくる。建物が良くできている。改善点:視線が中心に集まるので、椅子や、木のシルエットをもっと工夫すると良い。

    ジェットスタジオ 赤崎弘幸(ディレクター)
    レイアウトとロボットの視線から、この上に何があるのかなと思わせる作品でした。中央にある木はとても象徴的ですので、もう少し質感やライティングを詰められると尚良くなるかと思います。

    テレビ朝日 島田了一、他CGディレクター陣
    2年でこれほどまでになれるとは驚きですね。廃墟汚し系シーンの部類の中ではピカイチの出来だと思います。画面中央タテ1本でレイアウトの軸を据えてあるところは、ふとすると退屈になりやすい構図なのですが、光軸を少しずらすことで保っていますね。室外機や屋外配線の汚しバランスも絶妙だと思います。上部左上看板、右下ドアと傘電球、左下の水溜り。ビニール傘の濡れテカり感。目線を愉しませてくれます。

    スマートエンジニア 田川敢志(CGデザイナー)
    構図やライティング、プロップの配置などをうまくまとめ上げられており、独自の世界観を一枚の画像にしっかりと表現できている良くできた作品だと思いました。 また雨上がりの湿った空気感や目線のコントロールなどがうまく表現されており、品質の高い作品であると思いました。

    インテグラル・ヴィジョン・グラフィックス CGディレクター陣一同
    各アセットの作り込みはまだまだ甘いですが、 構図や演出、モチーフなどは表現したいことが伝わってきて好感が持てました。

    Z-FLAG CG TEAM ひるま克治(代表取締役)
    独自の世界観ですね。ちょっとフォグが強すぎな気もしますが良い具合なのかもしれません。背景のディテールが効果的です。樹がちょっと目立たない気がしました。

    オムニバス・ジャパン 瀧澤 栄(CGスーパーバイザー)
    異世界空間のデザイン、カメラアングルなど、不思議な空間をとらえているところが素晴らしいです。よくを言言えもう少し広角レンズでとらえると作品の見せ方が良くなると思います。

    次ページ:
    第13位〜第21位 優秀作品講評結果

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    第13位:『壊死する幻影 トリスティティア』 獲得点数:13点

    星名マコトさん
    映画とゲーム両方に関われるようなアーティストになり、H.RGigerがゼノモーフを作り上げたように、クリーチャーの歴史に残り、後世に影響を与えるような私といえばこのクリーチャーという代表作のクリーチャーとその子の住む世界や物語を生み出したいです。 artstation:
    makoto_6.artstation.com

    ●作品解説
    有機物と無機物を綯い交ぜににしてこの世のものではない動き出した芸術作品をモチーフに作成した作品です。 西洋美術において教会の権威と紐づけられるパイプオルガンとゴシック、そして辛い現実からの逃避とも位置付けられることもあるロココなどの要素を加え作品の持つ象徴の補強を図りました。

    ●使用ツール
    Maya、Substance Painter、Photoshop、ZBrush

    【受賞コメント】
    13点で13位になりました。私はどちらかというと13という数字がとても好きなので、13点での13位はとても嬉しい結果と言えるでしょう。 今回は様々な方に見てもらい色々なコメントをいただきました。これからもCGだけではなく本業の画家の方も続けていき、デジタルやアナログに縛られない自由な作品を作り続けていきたいと思います。


    ●審査員コメント 抜粋

    DreamWorks Pictures 山本原太郎(Senior Surfacing Artist)
    ディテールまでよく作りこんであって、見ごたえがあります。メタルの質感や映りこみもよく作りこまれていると思います。上部に配置している、有機物の象徴の部分になるのでしょうか、透明なのかメタリックなのかがいささか分かりづらいかもしれません。部分的に有機的な質感、例えば木や皮膚、などの違った要素を加えると、よりメタリックな個所が引き立ち、有機質と無機質の対比がより演出できるかもしれません。ちなみにプロダクションでお仕事を希望される場合は、ファンタジー以外にも、もっとプラクティカルなトピックの作品もリールに加えておくと良いでしょう。がんばってください!

    東映デジタルセンター ツークン研究所 市田俊介(CGデザイナー)
    ゴシックな無機物とギラギラした有機物の組み合わせが 不気味だけど美しいと感じました。 ただ、この物体のサイズ感がイマイチ伝わりづらいので、 周囲に飛んでいる白い生き物が鳥なのか、蝶なのか、 スケール感が伝わる程度に描き込むとさらに雰囲気が増すと思います。

    カナバングラフィックス 制作部
    カードゲームのイラストに使われているかのような世界観があり、且つ画面内のバランスが取れた良い作品と思いました。真ん中のモチーフと背景の明暗が明確なので、背景の情報量を上げられると、全体としての絵力が高まるかと思いました。

    テレビ朝日 島田了一、他CGディレクター陣
    クリーチャーの皮膚感やヌメっと見えるところの表現に"有機物"をしっかり感じ取れました。また、煤を被ったような鈍い輝きの金色がゴシック様式の重厚感を効果的に引き立ててるように感じます。全体のバランス感も下部の整然さと上部の崩壊する危うい感じが良い対比で、しばらく眺めてたいなと思わせる絵画的な魅力がありますね、好きな作品です。

    インテグラル・ヴィジョン・グラフィックス CGディレクター陣一同
    独自の造形デザインでモデル制作をしており、 拙い部分はありますが、意気込みを感じました。

    KATACHI 曽根良洋(代表取締役)
    雰囲気はとても良いのですが、見せ場となる部分(顔?)の形状が曖昧なのでもったいない気がします。 曖昧な形状にせずにもう少しわかりやすいデザインにするともう少し見やすくなるのではないでしょうか。

    オムニバス・ジャパン 瀧澤 栄(CGスーパーバイザー)
    オリジナリティーが感じられ世界感も素晴らしい。作者が表現したいことができており、この作品を見て心を動かされるところを評価しました。

    第13位:『Left Behind -残存-』 獲得点数:13点

    松永倖汰さん(日本工学院専門学校)
    ゲームの背景アーティストを目指し、ライティングや絵作りを勉強しています。

    ●作品解説
    過去に画家が住んでいた部屋の廃墟をテーマに制作しました。 長い年月が経ち、森の奥で孤独に描いていた画家の心情や残された画材たちの無秩序さを表現しました。

    ●使用ツール
    Maya、Substance Painter、Photoshop、Megascans、After Effects

    【受賞コメント】
    審査員の方々、講評ありがとうございます。 今後の課題とし、自主制作に活かしていきたいと思います。


    ●審査員コメント 抜粋

    宮川英久(コンセプトアーティスト)
    ライトシャフトに安易に頼らない、本当の意味でのリアリティを意識しつつもしっかりと演出の出来ているライティング、建築物の構造をしっかりと意識した崩し方、個々のオブジェクトの非常に丁寧な作りこみ。とても素晴らしいと思います。この作品を見て受けた印象としては純粋な経年劣化が中心で、泥棒などに荒らされた訳ではないのではないか、と思いました。少なくとも誰かに悪意のある破壊活動をされたわけではないのでしょう。だとすると全ての窓ガラスが悉くこんなに綺麗に割れているのには違和感を感じます(確かにガラスは経年劣化で割れるものですが、この作品中のガラスは悪ガキが意図的に全てを割ってやろうとした位に割れてしまっています。)。また、椅子の壊れ方にも疑問が残ります。完成度が非常に高いがゆえにこういった細かい点が気になられてしまうのは苦痛かもしれませんが、是非さらにもう一歩奥に歩みを進めてみて欲しいです。

    DreamWorks Pictures 山本原太郎(Senior Surfacing Artist)
    大変よく作り込まれています。完璧をめざす作者の心意気が感じられます。カメラアングルもいいですね。ライティングも雰囲気を演出していてグッドです。CGのクオリティは大変高いのですが、情報量が多く均一なので、演出としてのフォーカスポイントがほしいかもしれません。天井や壁の汚れはロスト&ファウンドにして少し抑えると手前が引き立つと思います。一番明るい部分が手前の床なので、そこに何かしらのキーアイテム、例えば描きかけて放置したキャンバスを置き、椅子も絵画用のスツールにすれば、アトリエであったことが伝わりやすいかもしれません。将来の作品が楽しみです。

    Striking Distance Studios 瀬尾 篤(Lighting Director)
    自然な環境光を上手に使ったライティングがとても印象的な作品です。テクスチャのディテールや汚しのセンスも良い感じで廃墟感が申し分なく出ています。 こういう環境光を模したライティングをリアルかつ自然に見せるのは意外と難しかったりするので作者の観察力の高さと感じました。 ただ画家が住んでいた部屋の廃墟というテーマであるならば、プロップの選択をもう少し工夫してあげると画家の家としてのパーソナリティーがより伝えられたのではないでしょうか。 一番わかりやすい選択としてロッキングチェアの代わりにキャンバス掛けの方が断然画家がいた場所として伝わりやすい。そこをフォーカルポイントとして画家と部屋としての動線を想像してあげるとレイアウトの改善点が自然と見えてくるかと思います。

    ジェットスタジオ 赤崎弘幸(ディレクター)
    建造物の朽ちた感じや植物の侵食具合が心地よく、廃墟らしさを表現できていると思います。迂闊に入り込むと抜けてしまいそうな床もいい感じです。画面全体がだいぶ暗く落ちてしまっているのでもう少し持ち上げてもいいと思います。床に散らばった画材からも画家の家であることは受け取れますが、イーゼルなどを置いてしまったほうが分かりやすくなるかなと思いました。

    神央薬品 ノブタコウイチ(CGプロデューサー)
    雰囲気がとても良いですね。 草など細かくて制作が大変だったと思いますが、丁寧に作り上げていてとても関心しました。 折角なので室内でももう少しだけ明るい部分も作って見せて貰いたいなと思いました。

    メタサイト 菅原一敏(代表社員CEO/CGIディレクター)
    雰囲気すごく良いです。拡大した時のディティールもこだわりが感じられます。ここまで来ると椅子や階段などの木のエッジが綺麗過ぎるのが惜しいですね。これだけ朽ち果てていると経年劣化があると思いますので、その辺の表現を目指すのも良いと思います。

    イグニス・イメージワークス 長谷川勝章(CGディレクター)
    ライティングのまとまりが非常に良いですね。住居の生活感が経年劣化していく様子も自然に伝わってきます。 木材や壁面の劣化に関してはまだいくつかバリエーションとして調整できる部分があると思われます。腐っていく、表面塗装がはがれる等。後は構図ですかね。画家の家がモチーフである割には額縁などの主張が弱いので、主題としてそのあたりの配置を調整するとさらに良いと思います。

    Z-FLAG CG TEAM ひるま克治(代表取締役)
    情報量・写実感もあり、クオリティが非常に高いです。手前の草と汚れた草の複雑さがCGくささをなくしていて素晴らしい。フォグもボカし方もいい感じです。ただ絵として全体を見た中に「核」になるものがないので、ほかの作品に比べると押しが少し弱い気がします。構図として椅子を大きく見せるとか、他にテーマ性のあるものを中心に据えるとかしたくなりましたが、贅沢な話かもしれません。よくできていますね。

    第15位:『Can You Hear Me?』 獲得点数:9点

    山田瑞来さん(東北大学)
    大学で研究をしながら独学でcgを勉強をしています。トランスフォーマーにあこがれてこの世界に入りました。メカ好きです。周りにCGを触っている人が誰もいないのでもし宮城でCGに携わっている方がいらしましたら、お話してみたいです。
    Twitter: @mizuki1006toho1

    ●作品解説
    戦うロボットがいるなら、ギターを弾く陽気なロボットがいてもいいじゃないか、そんなコンセプトです。色々なところに見てて飽きない工夫を凝らしています。見た人の印象に残るように色のコントラスト強めにしました!

    ●使用ツール
    Maya、Substance Painter、Arnold、Marvelous Designer、Photoshop

    【受賞コメント】
    初めての応募でこのような章を受賞できてとても嬉しく感じます。今回のコンテストでは、自分の今のレベルを考えた上で、技術ではなくアイデアで挑み、パッと見て記憶に残る作品を作るにはどうすればいいかを考えました。今回頂いた講評を元に次回は自分の技術で真っ向から勝負したいと思います。


    ●審査員コメント 抜粋

    宮川英久(コンセプトアーティスト)
    パっと見の印象がとても良いです。配色を工夫されたとの事ですが、そのお陰でキャッチーさやポップさを演出することに成功しています。ライティングも本来なら強すぎるという印象になるところですが、宇宙空間の何もさえぎることの無い太陽光であることを考慮に入れれば自然な仕上がりになっていると言えるのではないでしょうか。オブジェクトの作りこみも素晴らしいですし、見所が多くあり、あきさせない作品ですね。ただ、それだけにジャケットやパンツの作りこみの甘さが目立ってしまっているのが惜しいところです。

    DreamWorks Pictures 山本原太郎(Senior Surfacing Artist)
    大変よく作り込まれています。メカのセンスもつじつまが合うように出来ていて、見ていて気持ちいいです。トゥーンシェイダーのバージョンも拝見しましたが、そちらの方が個人的には好きかも。リアルな質感の方はまだ追求の余地があるようです。全体の印象ですが、コントラストをあげるのは手っ取り早く印象を得るには良いのですが、テクニカルな理由で、やりすぎには注意しましょう。プロの世界では、CGはコンロラストはおさえて納品し、最終の編集で調整します。CGの白と黒の値がMAX値にならないように注意を。顔のせっかくのディテールが白すぎて見えなくなっているのでもったいないと思います。おさえて、しっかり細部も見せてあげましょう。黒のベストの質感のバンプがちょっときついかも知れません。テキスチャも分かりづらいので、写真などを参考にしながら質感にこだわってあげるとリアリティが増すと思います。ロボットメーカーのワッペンをつけても面白いかも。ギターの切れた弦は良いアイディアですが、ちょっと分かりづらいので静電気が走っているとかハイライトをのせるとか、見せ方に工夫をしてもいいかも。次回作が楽しみです。

    イグニス・イメージワークス 長谷川勝章(CGディレクター)
    >>戦うロボットがいるなら、ギターを弾く陽気なロボットがいてもいいじゃないか
    ↑その通りですね。コンセプトを貫いているよい作品です。 メカ的な部分にはフェティッシュなものも感じることができるのですが、布周りの質感やしわ表現がもったいないかと。また、コントラストを締めること自体は賛成ですが、閉めすぎて階調がつぶれてしまうのは避けた方がよいと思います。場所的には環境光をもう少し作った方が説得力が増すと思われます。

    東映アニメーション 佐藤直樹(CGスーパーバイザー)
    ダイナミックかつ不安定な構図で実際に宇宙空間にいるように感じられる大変インパクトのある作品に仕上がっています。コントラストの強いライティングと原色を基調とした配色も相まってとて印象的でコンセプトがしっかり反映されている事に好感を持ちます。ロボットのデザインも独創的で細部までしっかりとモデリングされているため、寄り引きで楽しませてくれます。 地球の輪郭とロボットの左肩、右腕が重なっているが残念に感じられます。地球をもう少し左下に配置することで更にロボットのシルエットが浮き立ち空間の広さも強調される事と思います。

    Z-FLAG CG TEAM ひるま克治(代表取締役)
    明るい作風が新鮮でいいですね。よく見るとディテールも作りこまれていてライティングも宇宙ぽくしてあって背景との違和感がありません。オリジナリティとセンスがある人だなと思います。暗部にノイズが乗ってたり、黒い服やギターのネック・フレットの質感にちょっと詰めの甘さを感じてしまいました。

    第16位:『待ち合わせ』 獲得点数:6点

    坂井悠斗さん
    物語のある作品を作っていきたいです。

    ●作品解説
    3Dと2Dのいいところをバランス良く見せられるように試行錯誤しながら制作しました。

    ●使用ツール
    Blender、SAI2、Marvelous Designer

    【受賞コメント】
    審査、講評して下さった皆様ありがとうございます。捉え方はどうあれ狙った見せ方ができたと思います。今回の制作を通して学んだことを今後に活かせるよう頑張ります。


    ●審査員コメント 抜粋

    Sony Pictures Imageworks 石井伸弥(シニアモデラー)
    雰囲気が出ていて良くできている。2Dと3Dが上手に組み合わされている。次の作品を見てみたい。改善点:顔と髪の毛が完全に2Dになっているので、もう少し3D感を残して表現できると作品として面白くなる。

    DreamWorks Pictures 山本原太郎(Senior Surfacing Artist)
    とてもきれいに、丁寧に作ってあると思います。ストッキングの質感も生地感が出ていています。TOONSHADER を使っているのでしょうか。2Dと3Dのバランスはハリウッドでも苦労しています。顔のライティングと下半身のストッキング&革靴の質感をもう少し統一してあげると良いかもしれません。キーライトの方向を意識してハイライトの配置を戦略的に。目の解像度が低いように見えます。目の美しさはキャラクター制作のキモですので、しっかりディテールを、解像度をケチらずに。できれば目もIRIS,PUPIL,EYEWHITE,と分けてモデリングしてRAYTRACEでレンダリングしてあげると立体感が出てよいかもしれません。マフラーの質感が少しTOONSHADERでつぶれてしまってもったいないので、ハイライトとシャドウをしっかり。マフラーのエッジがシュレッダーで切ったように見えるので(ごめんなさい!)グルーミングできちんとロープ状の形状作成にチャレンジしてもいいかもしれませんね。作者の方にはこのスタイルの研究を続けて頂きたいです。

    ジェットスタジオ 赤崎弘幸(ディレクター)
    冬ならではの可愛い要素が詰め込まれているキャラクターですね!カメラアングルは待ち合わせ相手の主観なのか、又は第三者目線なのか、はっきりと意識するとより良くなるかと思います。欲を言えば背景もあるとより状況が伝わってストーリーが生まれると思います。

    東映デジタルセンター ツークン研究所 市田俊介(CGデザイナー)
    シンプルに女の子が可愛いと思いました。 さりげない女の子の目線も、ぼーっとしているのか、 待ち合わせ場所の時計を眺めているのか、それとも誰かを見つけたのか... その一瞬を想像させる表情がとても良いです。 タイツや靴の質感など、足回りにもこだわりを感じます。

    Z-FLAG CG TEAM ひるま克治(代表取締役)
    ウチのチームのふともも担当が絶賛していました。欲望が作品に昇華しています。髪・マフラー・ほくろ・袖・脚のハイライト・靴のツヤ、よく言えばマニアック・悪く言えばフェチっぷりが素晴らしい。ただ上半身や顔の2次元ぽさに比べ、ストッキングの表現が妙に立体感がありアンバランスなところが気になったので私の嫁にも見てもらったところ、やはりその点と「そもそも女子高生はこんな薄いストッキング履かない!」と気味悪がっていました。一般の反応はそんなものかも知れませんが、欲望の具現化と考えれば私としてはマニアックさに乾杯です。

    第16位:『ゾンビドラゴン』 獲得点数:6点

    ヤマモトアキさん
    Twitter @akakttt31 に沢山載せてます。ぜひ見てください。

    ●作品解説
    グロい、キモい中にドラゴンのカッコよさを出せるよう顔にはこだわりました。

    ●使用ツール
    ZBrush、KeyShot、Procreate

    【受賞コメント】
    この度は拙作に対して審査やコメントありがとうございます。趣味でずっと1人で作業をしていると時々訳が分からなくなりそうですが、こうして色々な方々にコメントを頂けると続けていて良かったなと感じます。 折角今すぐにでも役に立つようなコメントを頂けたので、近いうちにゾンビドラゴン2を作ってみようと思います。改めてこの度は本当にありがとうございました。


    ●審査員コメント 抜粋

    イグニス・イメージワークス 長谷川勝章(CGディレクター)
    発想がよいですね。グロテスクな雰囲気が伝わってきます。ただ、それぞれの質感の違いを詰め切れていないのがもったいないと思いました。ウェットな感じや、乾いている部分などを整理したりする必要がありそうです。また、質感を詰めていく中で、おそらくスケール感のばらつきに気づくと思いますので、そのあたりも調整できるとよいですね。

    テレビ朝日 島田了一、他CGディレクター陣
    しっかり描けるモデラーさんとして期待大ですね。Twitter掲載のものも含めて描くスキルをどこで身に付けたのか気になります。モデル単体の造形バランス、ディティールの描き込みにセンスを感じます、KeyShotとProcreateでの仕上げ調整まで隙なしですね。あとはデータの受け渡しといった現場経験を積めばフリーランスで十分やっていけそうです。もしかすると世界へ!羽ばたいて行けそうです。

    Z-FLAG CG TEAM ひるま克治(代表取締役)
    ディテール感が素晴らしいし、こういうのが好きなんでしょうね。大きさとしては小さいものなのでしょうか。ちょっとスケール感が分かりにくく感じます。

    オムニバス・ジャパン 瀧澤 栄(CGスーパーバイザー)
    キャラクターのディテールが素晴らしく、今にも動き出しそうですね。このキャラクターが動いているところが見たいです。またフォーカスのかけ方も凝られていて良いですね。

    第16位:『神棚』 獲得点数:6点

    大神隆之介さん(デジタルハリウッド大阪本校)
    キャラクターの造形に興味があります。 生命感を感じられるようなキャラクターモデルを今後は制作してみたいです。

    ●作品解説
    置物の不思議な魅力や神秘性のようなものを表現しようと考え制作しました。 実物を忠実に再現できるよう造形やテクスチャにこだわりました。

    ●使用ツール
    Maya、ZBrush、Photoshop、Substance Painter

    【受賞コメント】
    この度は入賞作品に選んでいただきありがとうございます。 審査員の方々のコメントを受けて、反省点は多いながらもこだわった個所には好評をいただけたようで励みになりました。 また、他の方々の作品と並べて見ることで、自分の作品に足りていないものを知ることもできました。 今回の貴重な経験を糧に、これからも作品制作に励みたいと思います。


    ●審査員コメント 抜粋

    宮川英久(コンセプトアーティスト)
    コンパクトな題材に見えて意外に物量の多いオブジェクト達を一つ一つ丁寧に作りこんであるとても印象の良い作品です。ライティングも良い感じですね。一方で構図に関して言うと、シンメトリーを敢えて用い、その中で対称性を崩そうとしている意図は見えるものの上手く崩せてはいないようです。この様なオブジェクト配置ならば、むしろカメラをもっと動かしてアシンメトリーな構図にしてしまった方が良いと思いました。

    DreamWorks Pictures 山本原太郎(Senior Surfacing Artist)
    非常に細かいところまでモデリングと質感を作りこんであり、作者のこだわりが伝わってきます。質感もそれぞれの置物の特徴をよく表現していると思います。左右のランプの明るさが飛んでしまってフラットでCGっぽくなってもったいないかもしれません。内部の光にグラデーションを足すとリアルになると思います。画面の上の板の位置関係が分かりにくいので、ライティングを調節したほうが良いでしょう。木材のパーツのエッジは面取りしてハイライトを乗せると立体感が出て形状も分かりやすくなると思います。陶器類は全体的にグロスがきついかも知れません。個所によってスペキュラや映り込みの強弱をつけるともっとリアルになるでしょう。がんばってください。

    モデリングブロス 今泉隼介(代表取締役)
    一見シンプルながら、質感の対比の付け方に目を奪われた作品です。陶器、木、塗料、金属をとても丁寧に描き分け、それを表現する必要十分なライティングを当てている、という感じがしました。全体としての色の使い方も面白く、なぜか見ていて飽きない作品です。置物の造形もよく出来ていて、どういった経緯でこれを作っていったのか、細かく聞いてみたいと思う作品です。

    スタジオリント 伊藤龍太(代表取締役)
    造形と質感がとても良く出来た作品だと思います。 ライティングの方向性をもっと強調すると絵に締まりがでると思います。 またノイズの乗せ方が黒く濁ってしまっているので勿体無いです。

    第19位:『XX番街』 獲得点数:5点

    大上慶人さん(学生)
    CGを始めてちょうど1年になります。ジェネラリストになるために、モデリングのスキルアップを目的に作成した作品です。 沢山の人に影響を与えるような作品を作れるようにこれからも楽しく励んでいきたいです。

    ●作品解説
    ある日の夕方の街の様子をコンセプトに作成しました。 ゲームフィールド的要素を加えながら、生活感のある町並みを作りました。

    ●使用ツール
    Maya、Photoshop、Substance Painter、After Effects

    【受賞コメント】
    今回、最初で最後のwho's next?で受賞でき、とても嬉しいです。 1年間の短い学生生活でしたが、これからプロの世界で活躍できるように日々精進していきます。


    ●審査員コメント 抜粋

    宮川英久(コンセプトアーティスト)
    作りこみに熱意を感じさせる作品ですね!まず何よりも感じたこととしてはライティングです。暗い部分が出来る事を恐れないで欲しいと思いました。また、少々整然としすぎている点が散見され悪目立ちしてしまっているように思いました。解り易い点で言えばバンの上に積んである荷物はこんなに綺麗に並んでいるのが正しいのでしょうか。ステッカーも割りと丁寧に張られているようですが、もっと雑然としていて良いのかもしれません。背景の作りこみを見るに熱意を大いに感じます。それだけに惜しいなぁ、と思いました。

    DreamWorks Pictures 山本原太郎(Senior Surfacing Artist)
    雰囲気もあって、よく作りこまれている作品だと思います。カメラアングルも下からでかっこいいと思います。車の使い込んだ質感、例えばバンパーのエッジのペンキが剥がれて、エッジが凹んだ処理などを加えると生活感が出ると思います。画面右上の電車が少し分かりずらいかもしれません。ここはあえてモーションはいらないかもしれません。この絵ではフォグを使っているように見えますが、全体的にかかっているのでフラットな絵になってしまってもったいないかもしれません。コンセプトも夕暮れという事で、ライティングはもう少しコントラストをあげても良いかもしれません。そうすると、手前のトラックや先の電車の鉄の質間に対し、強めの夕日の映り込みを加えると良いかもしれません。手前の草は遠近感が増してナイスタッチです。ただ良く見ると透けて背景が見えています。トラックの横のディテールがもっと見えるように、横に回りこんで、せっかく作った屋台の細部をみせてあげてもいいかもしれません。地面にごみなどのデブリをスキャターしたらリアリティが増すと思います。よくできていると思います。がんばって下さい。

    ジェットスタジオ 赤崎弘幸(ディレクター)
    質感のデフォルメ具合がほど良く、目指すルックがしっかり定まっているように感じました。どんな人たちが住んでいるのか気になってきます。車両の窓口や建物のネオンなど目立つ要素が画面左に寄っているのでもう少し配置を探ってみても良かったかもしれません。

    メタサイト 菅原一敏(代表社員CEO/CGIディレクター)
    モデリングのクォリティは素晴らしいと思います。ここまで来ると曲面を多用したモデリングを見てみたいですね。画としての空気感も程よく自然に見えて良いと思います。気になる点としては光物のエッジが固いくらいでしょうか。

    イグニス・イメージワークス 長谷川勝章(CGディレクター)
    コミカルで独特の世界観が魅力的ですね。一つ一つの配置物のデザインにこだわりを感じることができて、飽きさせない作りになっていると思いました。ただ、その一つ一つの作りこみ部分にはやや甘いところがありますね。(例→全体的に箱の組み合わせor一体成型のような印象で、少しプラモデルっぽいところがあるかも。)革、布、地面などさらに深い観察をして、細やかな歪み、正しい経年劣化表現などを追加するとよいと思います。※もちろん世界観のリアリティ設計に即した形で

    Z-FLAG CG TEAM ひるま克治(代表取締役)
    オリジナリティもあり、雰囲気も良いと思います。汚れ感・ボケ感もいい感じなのですが、日常感を狙ったせいか絵としては派手さが少なく感じられます。静止画としての力をもっと求めて、夕日の照り返しをもっと強くするとか、空をドラマチックなものにするとか、世界をもっと広く見せて情報量を圧倒的なものにする等、さらに工夫してみるともっと良くなるのではないでしょうか。

    第19位:『Journey's End』 獲得点数:5点

    前田大輝さん(ECCコンピュータ専門学校)
    普段は専門学校でゲーム制作やCG制作について勉強しています。質感表現やマテリアル作りが好きです。将来的にはゲーム関連に携わっていきたいと考えております。

    ●作品解説
    「冒険家を乗せた船が最後にたどり着いた島」という設定で制作しました。絵作り、質感表現にこだわりました。

    ●使用ツール
    Maya、Photoshop、Substance Painter、Substance Alchemist、ZBrush、SpeedTree、Unreal Engine 4

    【受賞コメント】
    私にとってWHO'S NEXTでの受賞は学生時代の一つの目標でした。 そんなWHO'S NEXTに私が入ったことを光栄に思います。 「Journey's End」は放課後に少しずつ制作して3カ月かかった作品です。 様々な課題があり、苦戦を強いられながら制作したのが今では良い思い出です。 企業様からありがたいお言葉いただき大変嬉しく思い、これからも自身の能力を上げることに全力を注いでいきます。


    ●審査員コメント 抜粋

    DreamWorks Pictures 山本原太郎(Senior Surfacing Artist)
    よくもまあこれだけの内容を一人でつくりあげたと思います。プロダクションだと数人は必要です。船の質感ですが、メインボディの板は、微妙にバリエーションを加えて、継ぎ接ぎ間を出してもいいかもしれません。船長室の屋根部分の黒い個所の構造が少し分かりづらいかもしれません。個人的には船長室のなかが少し見えたかったですね。生活の拠点が船から島へと変わった事を演出するために、物資を船から海岸へ運ぶ簡単な橋があっても面白いかも。海の質感もよく出来ています。海岸沿いの形に合わせて波や潮の泡を、岩や船の周りにリップルを入れるとリアルになると思います。帆の布の表現ですが、布の感じを出すために色は明るめにして、トランズルーセンシーをつかって光が透けている感じにし、布のパターンの影を描き入れてあげるとリアルになると思います。雨風にさらされた汚れや布がところどころちぎれた個所があってもいいかも。たいへんな力作だと思います。今後も期待しています。がんばって下さい。

    神央薬品 ノブタコウイチ(CGプロデューサー)
    とても綺麗な感じで細部までしっかり作られていて素晴らしいです。 作りこみは出来ているのですが、各パーツでなじみ切れておらずに綺麗な絵になってしまっている点が惜しいと思いました。 例えば船と水の接地部分に少し白波を入れてあげたり、フォーカスや光の当たってる部分とそうじゃない部分等を意識してあげるともっと良くなると思います。

    テレビ朝日 島田了一、他CGディレクター陣
    水面の反射・ゴッドライトで見せてる空気感など、環境の作り込みが非常に良い作品です。右から中央に向かうように船を置く事で、冒険家達の進んでいた方向性やその先にあるであろう何かしらの存在を感じさせていて効果的だなと思います。一点、船体のくたびれ感が有ったりロープやラットラインが切れたりたるんでいるなど、汚しのモデリングがあるとより一層、冒険家達が「最後」に辿り着いた島というストーリーに適しているのではと思いました。さらに言えば、もっと低い位置にカメラを置いて煽り気味に船と奥の島の全景も一緒に撮ると、冒険家達がどんな島に行きたがっていたのか、というストーリーも描けるのかなと思いました。

    Z-FLAG CG TEAM ひるま克治(代表取締役)
    情報量が多く迫力があります。波のディテールがありすぎて絵がちょっとわかりにくくなってしまっているのが惜しいです。あと、chromaticAberrationが効きすぎかと、、

    第21位:『GREEN CITY』 獲得点数:4点

    小山内 澪さん(日本工学院八王子専門学校)
    背景モデラーを目指している19歳の専門学校一年生です。 プロを目指して技術向上に日々努力して行きたいです。

    ●作品解説
    植物と人工物の組み合わせが好きで制作しました。 テクスチャとライティングに力を入れました。

    ●使用ツール
    Maya、Blender、Substance、Painter

    【受賞コメント】
    この度はこのような賞をいただき光栄に思っています。 今回の作品は反省点が多くあるので、それらを改善し次のコンテストではさらに上位に入れるよう努力していきたいです。


    ●審査員コメント 抜粋

    宮川英久(コンセプトアーティスト)
    良いですね!各オブジェクトの作りこみがモデリング、質感設定ともに素晴らしいと思います。地面のアスファルトなど、一部が少々おざなりになっているのが残念です。構図としては色合いなども上手く機能していて良い意味でのリアリティを感じます。ただ、画面全体が若干白みがかっている事や、ライティングが少々強すぎる感じは気になります。とはいえ力のある素晴らしい作品である事に疑いの余地はありません。

    Sony Pictures Imageworks 石井伸弥(シニアモデラー)
    全体的に統一感が取れている。ライティングが上手。セットドレッシングがきれい。 改善点:ルックがゲームっぽいので、個々のアセットをモデルで詰めることができるとハリウッド映画にも通用するレベルになれる。

    モデリングブロス 今泉隼介(代表取締役)
    書店の壁の表現、壁を横に伝うパイプのゆがみ、歩道の縁石のランダムさ、地面に落ちたゴミの表現など、とてもよく観察されていて素晴らしい作品だと思いました。半面、奥にある赤レンガの建物が目立ちすぎてしまっている部分が残念に感じます。主役である手前の書店を引き立たせるべき所かと思いますが、暗い色彩の主役に対して赤い壁(しかも木の緑と相まって余計に)の方にどうして目が行ってしまいます。目が行ってしまうと、書店に比べ作り込みの足りない部分がどうしても見えてきてしまうので、そちらを調整する事でさらに良い作品になるのではないかと思います。

    東映アニメーション 佐藤直樹(CGスーパーバイザー)
    大変完成度の高い作品に仕上がっています。モデリング、シェーディングなど基本的な技術スキルの高さも伺えますが、なによりも一枚の絵として魅せる事が大変上手だと感じました。特にライティングと入射光の処理には強いこだわりが感じられ、鮮やかな緑の葉を強調しながらも建物と上手く調和させています。画面手前の道路のボケが少しあざとく感じられるので弱めたほうが違和感なく鑑賞できると思います。

    第21位:『Bad Influence』 獲得点数:4点

    山﨑 遼さん(大阪情報コンピュータ専門学校)
    コンセプトアート・3Dモデリングを主に制作しています。今後も新しいものに触れながらさらなる向上を目指していきます。

    ●作品解説
    リアルなモデル制作に力を入れ、ダークな背景設定が伝わるような絵作りを意識しました。

    ●使用ツール
    Maya、ZBrush、Substance Painter、3D-Coat、Marvelous Designer、Megascans

    【受賞コメント】
    この度は講評していただいた審査員の方々や、スタッフの皆様 ありがとうございました!最後のwho's next?の参加ということもあり、悔しい気持ちと同時に、これからの制作活動も満足することがないのだと身に染みて感じることができました。日頃から高い目標を持ち続け、結果に満足せず今後も素晴らしい作品を生み出し続けられるよう頑張りたいと思います!


    ●審査員コメント 抜粋

    宮川英久(コンセプトアーティスト)
    人物とその衣服や装飾は非常に高水準に感じました。丁寧に作りこんであると思います。(翼の翼膜の質感は少々疑問が残りますが・・。)もし3Dの技術とその作り込みを頑張ったのならば、それが見易く提示する方法を考えたほうが良いかもしれません。折角の作りこみが若干見えづらく、勿体ない印象を受けました。

    Sony Pictures Imageworks 石井伸弥(シニアモデラー)
    コンセプトが伝わってくる。人間のモデルがとても良い。改善点:キャラクターのポーズがもっとアグレッシブに出来たらもっと良い。

    DreamWorks Pictures 山本原太郎(Senior Surfacing Artist)
    完成度の高い作品だと思います。モデリングだけでなく、質感、ライティングにも時間をかけており、錬度の高さを感じます。ちなみに翼の赤のまだらのテキスチャーの向きは水平ではなく、骨格に沿って縦に扇形に広がる方が自然だと思います。天井の蛍光灯が少し明るすぎて白く飛んでいるのでご注意を。手に持った骸骨が影で隠れてしまっているので、ライティングをすこし工夫して見えやすくするといいかもしれません。大変よくできている作品だと思います。がんばってください。

    ジェットスタジオ 赤崎弘幸(ディレクター)
    キャラクターや衣服の造形がとても良く出来ていると思います。冷たい表情や目線からもダークな世界観を感じさせます。画面右奥には何かがあるのでしょうか。翼があるとはいえ背後を大きく空けたレイアウトなので意味深な印象を受けました。少し惜し点は腕のポージングです。右手はどくろを片手で掴むには少々無理のありそうな角度ですし、左腕は力んでいるのかリラックスしているのかどっちつかずな下げ方に見えます。このあたりが整理されるとよりキャラクターを魅力的に映せるかと思います。

    シーズクラフト 立花大輔(代表取締役)
    キャラがもう少し目立つとよかった。全体的にはよくできていると思う。

    イグニス・イメージワークス 長谷川勝章(CGディレクター)
    ダークな世界観が魅力的ですね。悪魔のような女性。手に持つ骸骨は、誰の、そして何のために。 Tシャツのしわや、女性の髪の毛の流れなど、部分的に調整を残す部分がまだあると思います。手に持っている骸骨も、部分的に破壊されていると、ドラマをさらに強調できるかもです。また、立ち姿ですが、やや棒立ちな印象ですので、この場合は顔、胸などを上手側に向けることで状態のひねりを作るとよいかもしれません。そうすることでより生き生きとした動的な造形になると思います。(アイキャッチも入れやすくなると思います)

    Z-FLAG CG TEAM ひるま克治(代表取締役)
    かっこいいですね。雰囲気があって、コンセプト・構図・ライティング・質感・情報量、どれも素晴らしいと思います!些末で関係ないことかもしれませんが、この人は頭蓋骨をどう持っているのでしょうか。後頭部だけをこのように片手で持つと、下顎骨が落ちてしまいそうなw

    次ページ:
    CGWORLD特別審査員 総評

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    ▼審査参加企業・アーティスト

    <<特別審査員>>

    • 秋元純一
      トランジスタ・スタジオ/CGディレクター・取締役副社長

      2006年に株式会社トランジスタ・スタジオ入社。専門学校時代よりHoudiniを使用し続けて現在ではCGWORLD.jpにて「Houdini Cook Book」を連載中。

      www.transistorstudio.co.jp

    【総評】
    回を重ねる毎にレベルも上がっていっている印象を受ける。毎回講評を書かせて貰うのを楽しみにしていて、偉そうな事を言わせて貰う代わりに、全員に講評する事を目標にしているが、今回は叶わなかった事をまず申し訳なく思っている。事実、これからの世代のレベルが、私の時代とは圧倒的に違っていて、勿論技術的進歩もあるとは思うが、それを差し引いたとしても非常にレベルが高いと思う。反面、便利になって行くなかで、表現技法や使用する技術面でのオリジナリティが失われつつあるとも感じた。なんとなく流行りがあるのだろうと思いつつ拝見しているが、どうも似通っている印象は受けてしまう。当然流行に敏感な事は非常に重要で、私も常々アンテナを張るように後輩には伝えてきたつもりだが、流行りに安易に乗ることは勧めていない。やはり我々は、どこかに発信者としての一部を持ち続ける必要もあるのだろう。私自身、発信者であり続ける為に、新たな挑戦を忘れない様にしたい。それをこのWHOSNEXTは思い出させてくれる。そういった意味でも、応募してくれている皆さんから学んでいると言える。挑戦するという事の大事さを痛感し続けられるのは、幸せな事だと思う。皆さんも是非、いつまでもチャレンジャーでいていただきたい。

    [ 採点結果 ]
    鄒 沛樺さん:5点 金澤珠里さん:3点 岩間つぐみさん:3点 坂田冬士さん:2点 前田虹太さん:4点 山田 達紀さん:1点 比嘉 憧さん:1点 櫻井日向子さん:1点 



    • 鈴木卓矢
      SAFEHOUSE / 取締役・背景モデリングSV

      大学卒業後、Square-EnixのVisualWorksに入社。その後アメリカに渡り、BlizzardEntertainment のCinematics 部署でSeniorArtistとして背景のデザインからモデリングまでを担当。2019年初めにドイツのArtDirectorとタッグを組んで、日本にSAFEHOUSE inc.を設立。自身の経験をもとにBlizzardと同じ環境レベルでのアーティスト教育を心掛けている。

      safehouse.co.jp

    【総評】
    今回は過去のWho'sNextの中でも審査が難しかったですね。 理由はいくつかあるのですが一番は応募作品全体のレベルが上がってきたことですね。 良い意味でも悪い意味でも均一化して来たのかなと。 その中でもほかの作品と差別化が出来ているとしたら細かいところまで丁寧に作れているか、基本的なことがしっかりできているかというところが判断基準になってきました。 たとえばパッと見の見た目は良い作品でもモデルのスケール感が狂っていたり、モデルとテクスチャーのスケールやバランスがずれていたりとかの粗が目立つようになりました。 こういう基本的なところがしっかりできている作品は頭一つ抜けている印象があります。 スケール感が狂ったモデルに対して何をしてもそこからは抜け出すことは難しいです。 テクスチャーを張っていないLambertの状態でスケールや質感がわかるようなモデルを作れるように注意するとまた全体のレベルが一段上がると思うのでチャレンジしてみてください。

    [ 採点結果 ]
    鄒 沛樺さん:4点 金澤珠里さん:3点 長谷部 瑶さん:4点 岩間つぐみさん:1点 岩佐一輝さん:4点 重田勇輔さん:1点 山田達紀さん:2点



    • 宮川英久
      コンセプトアーティスト

      熊本県出身。リードシネマティクスコンセプトアーティストとして携わった『Disneyland Resort: Guardians of the Galaxy - Mission Breakout!』(2017)をはじめ、『The Marvel Experience』(2014)、 映画『A Wrinkle in Time』(2018)、インドネシア最大級のテーマパーク『MNC Park』などを中心に、世界的なプロジェクトの第一線で活動しています。2019年7月下旬からは、マイクロソフトの343 Industriesに所属し、ゲーム『HALO Infinite』のコンセプトアートを手がけています。

      www.artstation.com/supratio twitter.com/HidehisaM

    【総評】
    ソツがなくプロレベルの完成度の高い作品や、完成度では一歩及ばないものの意欲とエネルギーを感じさせる作品など、素晴らしい作品の数々にこの様な形で触れさせていただけることはとても光栄なことです。 そういったありがたい機会のお陰で私自身もまた、創作者としての意欲を大いに刺激されました。この様な貴重な機会をいただきまして本当にありがとうございます。

    [ 採点結果 ]
    鄒 沛樺さん:1点 金澤珠里さん:1点 長谷部 瑶さん:1点 岩間つぐみさん:1点 岩佐一輝さん:1点 坂田冬士さん:1点 前田虹太さん:1点 山田達紀さん:1点 本間翔大さん:1点 松永倖汰さん:1点 山田瑞来さん:1点 小山内 澪さん:1点 橋本大輝さん:1点 坂田大河さん:1点 西尾郁美さん:1点 荒谷瑠果さん:1点 鈴木貴久さん:1点 長島亜希子さん:1点 亀山知紗さん:1点 比嘉敦樹さん:1点 



    • 石井伸弥
      Sony Pictures Imageworks/シニアモデラー

      愛知県出身。2010年サンフランシスコにある芸術大学在学中に、ロサンゼルスにあるメソッド・スタジオに声を掛けられCGモデラーとしてキャリアをスタート。 卒業後、ソニーピクチャーズ・イメージワークスLA, ドリームワークス, ブリザード・エンターテイメントを経て、 2014年、バンクーバーのソニーピクチャーズ・イメージワークスのモデリングチームの立ち上げメンバーとして参加。 代表作:スパイダーマン・スパイダーバース、キングスマン・ゴールデンサークル、スパイダーマン・ホームカミング、他多数。

      www.imageworks.com

    【総評】
    コンセプト、デザインの良い作品が多い印象でした。ただ、近年の優れたテクスチャツール(Substance Painterなど)に頼り切ってしまい、肝心のモデル自体のクオリティがおろそかになっている印象も受けました。海外ではモデル自体のクオリティ(シルエットやディテール、物の質感)を極限レベルまでモデリングで表現した後、初めて残りの部分をテクスチャで表現します。皆さんにもっとモデルで表現できるようにモデリング力を付けて欲しいと思いました。

    [ 採点結果 ]
    鄒 沛樺さん:4点 長谷部 瑶さん:2点 岩間つぐみさん:3点 重田勇輔さん:5点 坂田冬士さん:1点 本郷友尋さん:2点 坂井悠斗さん:1点 佐藤康文さん:1点 田坪祐志さん:1点



    • 山本原太郎
      ドリームワークス / Senior Surfacing Artist

      慶應義塾大学経済学部卒業後、オムニバス・ジャパンを経て2003年よりドリームワークスに転籍。代表作はマダガスカル、シュレック、ヒックとドラゴン、メガマインドなど。最新作は2020公開予定の『The Croods: A New Age 』

      www.dreamworks.com

    【総評】
    今回、数々の応募作品を拝見し、皆様の制作への情熱と学ぶ事への意欲は海外のクリエイターに比べても、勝るとも劣らない事を実感しました。応募してくださった皆様には是非このまま制作を続けて頂き、将来の日本のCG業界を盛り上げて頂きたいと思います。

    [ 採点結果 ]
    金澤珠里さん:4点 松永倖汰さん:3点 前田大輝さん:2点 橋本大輝さん:2点 福地翔妃さん:3点 高橋萌香さん:2点



    • 今泉隼介
      モデリングブロス/代表取締役

      高校卒業後に渡米、カリフォルニア州立大学を卒業後ロサンゼルスの「Sight Effects Inc.」「Zoic Studios」でモデラーとして8年の勤務を経て、2012年に帰国。帰国後はフリーランスとして様々な映画やコマーシャル製作、専門学校講師などを務める。2018年に株式会社モデリングブロスを設立、現在は代表としてモデリングチームをまとめている。

      www.modelingbros.com

    【総評】
    編集部さん曰く、今回が今までで最も応募総数が多かったらしく、これを書いている時点では分かりませんが、今回は票が割れたんじゃないかなと思っています。その位クオリティが拮抗したものが多かったように思います。これからもこのコンテストが学生さん達の登竜門であり続けられるよう学生の皆様にはこれからももっともっと応募して頂きたいと思います。

    [ 採点結果 ]
    鄒 沛樺さん:3点 長谷部 瑶さん:1点 岩間つぐみさん:4点 岩佐一輝さん:3点 重田勇輔さん:2点 坂田冬士さん:2点 本郷友尋さん:4点 大神隆之介さん:1点 



    • Martin Hovorka(マルティン・ホボルカ)
      INCOGNITO/取締役/共同経営者/プロデューサー

      ASAFチェコアニメーション協会代表 UCC大学アニメーション&VFX学部 講師 Czech Film Fund チェコ・フィルムファンド 経済アドバイザー チェコ美術大学 FAMU卒

      eallin.jp

    【総評】
    I did my selection in two steps. I had focused on the general feeling from the picture at first. Then have judged the technical quality, amount of details and complexity of the preselected work. After a few cycles of these selection process, I have last 4 pictures. Each one is the best one in one of the next categories:
    NATURE
    ENVIRONMENT
    ART
    PEOPLE
    (先ずはじめに、 どれも素晴らしい完成度の作品ばかりでその中からポイントを付ける事はとても困難でした。 そこで個人的に2段階の評価基準を設けて審査させて頂きました。 まず第一に、全体の印象が優れているか? そして第二に、技術的な部分で丁寧で綿密な作り込みが成されているいるか? この基準で複数回審査を繰り返し、結果4つの作品を選ばせて頂きました。)

    [ 採点結果 ]
    鄒 沛樺さん:2点 金澤珠里さん:4点 重田勇輔さん:2点 小牧穂乃佳さん:2点



    • 渡邊竜実
      プロデューサー兼CGディレクター

      石巻出身。民放キー局CG部在籍中、放送業務に関わる3DCGを中心にドラマやバラエティ、バーチャルスタジオのCG業務に従事。イアリンの立ち上げ時より参加し、多くのCM、MV制作に携わってきた。また制作プロデューサーとして多くの映像ディレクター、CGアーティストの育成指導を行い、CGチームを率いている。

      eallin.jp

    【総評】
    このようなコンテストで審査をさせて頂く事は初めてでしたので、何を軸に審査させて頂くか悩みました。 シンプルにスキルの高さが伺えるもの、1枚の絵として魅力的なもの、物語性を感じられる作品を中心に選ばせて頂きました。 持ち点の配分上、点数を入れることがかなわなかった良い作品もいくつもありますので、 選ばれなかった方もあまり気を落とさず創作し続けていってほしいと思います。(渡邊)

    [ 採点結果 ]
    鄒 沛樺さん:3点 金澤珠里さん:1点 岩佐一輝さん:2点 坂田冬士さん:3点 中江 葵さん:1点



    • 瀬尾 篤
      Striking Distance Studios / Lighting Director

      2002年、Academy of Art Universityを卒業後、Escape Studioにて映画「Matrix Revolution 」、「Catwoman」の制作に参加。2005年 Electronic Artsにてゲーム開発に参加。主な参加作品は「Dead Space 」三部作。2013年 Sledgehammer Games にて「Call of Duty: Advanced Warefare」、「Call of Duty: WW2」の開発に参加。2019年、Striking Distance Studios にLighting Directorとして参加。現在に至る。

      strikingdistancestudios.com

    【総評】
    今回が過去最高応募数の171点もの作品ということで、さまざまなジャンルやスタイルに富んでおり見ごたえがありました。 全体を見るとレベルの差は感じるものの、多くの作品の中に光るポテンシャルも感じることができました。 なので20点をどう割り振るかはかなり迷いました。その中で頭一つ抜き出る応募者は、何を見せたい/見てほしいのかがはっきりとしているなと思いました。 作品のテーマを知らなくても作者のコンセプトや物語が読み取れる構図、ポーズ、顔の表情の選択だったり、 それを支えるライティングや質感の細部へのこだわりやリサーチがしっかりされていることを想像させられました。 特にライティングや構図選択で作品の印象がガラッと変わります。「見せ方」にこだわるだけでも自分の作品のクオリティーのステップアップにも繋がるので是非その辺にも掘り下げてリサーチしてみるのも良いかと思います。

    [ 採点結果 ]
    鄒 沛樺さん:3点 金澤珠里さん:4点 長谷部 瑶さん:2点 岩間つぐみさん:4点  岩佐一輝さん:2点 本郷友尋さん:2点 松永倖汰さん:3点



    • 沼倉有人
      CGWORLD

      2000年4月より(株)東北新社所属のオフライン・エディターとして、CMやVPの編集を手がける。主な参加作品は、YKK ap『EVOLUTION』VP、第一生命『第一でナイト(2代目ファミリー)』シリーズなど。2005年10月にCGWORLD編集部に加わり、2012年7月より現職。

      cgworld.jp

    [ 採点結果 ]
    鄒 沛樺さん:1点 金澤珠里さん:2点 岩間つぐみさん:1点 坂田冬士さん:2点 前田虹太さん:2点 山田 達紀さん:2点 本郷友尋さん:1点 山田瑞来さん:5点 大上慶人さん:1点 師 直樹さん:1点 鹿島大人さん:1点 中山貴仁:1点

    次ページ:
    審査企業 総評、新卒採用募集内容

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    <<企業審査(求人企業)>>

    続いて採点に加わった審査員企業の総評を紹介しよう。いずれの企業も現在 CGWORLD.jp JOBSで求人を掲載している。 あわせてチェックしてもらいたい。

    • ジェットスタジオ

      ジェットスタジオは2001年にスタートしたCGプロダクションです。 設立以来、ゲーム、パチンコ、映画、CM等様々な3DCG映像制作を手掛けてきました。 近年の取り組みとしては、ベトナムのホーチミン市に制作会社「ジェットスタジオベトナム」を設立し、『新しい制作体制の構築』と『コンテンツビジネスの具現化』を図っています。自分のアイディアから新しい価値を築き上げたい、そんな熱い想いをもった会社です。

      cgworld.jp/jobs/46.html

    【総評】:赤崎弘幸(ディレクター)
    一部の分野の技術にフォーカスしすぎず、レイアウトや見せ方も考慮し静止画作品としての完成度を高めていらっしゃる方が多く、大変見応えがございました。 皆様の今後の活躍が想像でき、期待感でいっぱいな気持ちになりました。一緒に業界を盛り上げていけたら幸いです!

    【募集対象】
    2020年度採用/2021年度採用/CG未経験可



    • デイジー

      弊社は2004年に3DCG・ビデオゲーム等のデジタルコンテンツ制作会社として発足、VFX・アニメ・ゲームだけにとどまらずアプリの企画・制作、大手電機、自動車メーカー等とのプロトタイピングの開発も行ってきました。また、近年では現代美術作品として美術館に招待展示しNHKで紹介されるなど、受注のコンテンツ制作と共にアート作品製作にも力を入れています。

      cgworld.jp/jobs/21110.html

    【総評】:太田修司(シニアCGディレクター)
    皆さんの作品をとても楽しく拝見致しました。 今回はキャラクターモチーフのレベルの高い作品が多かったと感じました。 回を重ねる事に作品のクオリティが上がっているのを感じ、とても刺激を受けます。

    【募集対象】
    2020年度採用/2021年度採用/アルバイト募集/インターン募集



    • シーズクラフト

      シーズクラフトは、アニメ、ゲームのムービー制作を中心に「造形力・表現力・提案力でオンリーワンを目指し、世界に通じるクリエイティブの創出」をビジョンとして掲げ、秋田と東京に事務所を展開。 業務内容は、アニメ、ゲーム、遊技機、イベント映像、インタラクティブコンテンス制作と多岐にわたります。 ムービー制作を最初から最後まで手掛けるので、モデリング、アニメーション、コンポジットと幅広く対応していただきます。 弊社の育成方針は独特で、「楽しく仕事をする」為、まずは「出来る」ことを増やし、ゼネラリストを目指していただきます。その後1つの力を伸ばし、スペシャリストを目指していただきます。

      cgworld.jp/jobs/21040.html

    【総評】:立花大輔(代表取締役)
    非常にクオリティが高いものが多くよいと思いました。今後の活躍が楽しみです。 今回はぱっと見でよいものを選ばせていただきました。静止画では「魅せる」というのが非常に重要だと思っています。

    【募集対象】
    2020年度採用/2021年度採用/インターン募集



    • Z-FLAG CG TEAM

      Z-FLAGは「CGで人を幸せにする」プロダクションです。 人とは、クライアント・社員も含むすべての人です。 相手に喜んでもらえるような期待以上のものを作り、それが作り手としての幸せにもなる。そんなポジティブなループのできるCGプロダクションを目指しています。今まさにチームは変革と成長を続けています。 アニメ、実写、多彩なジャンルの仕事に関われて、幅広い成長ができます。 ナイスな仲間と、ナイスな仕事をしましょう!

      cgworld.jp/jobs/21041.html

    【総評】:ひるま克治(代表取締役)
    ここに応募されている方々は、ここに応募したという行為、もうそれだけですごくポジティブな、素晴らしいことをしたんだという事をぜひ、再認識して頂ければと思います。30年前の私にはできなかったことですから。応募者全員にコメントを残しました。リスペクトとエールのつもりです。頑張ってください!

    【募集対象】
    2020年度採用/2021年度採用/アルバイト募集/インターン募集/CG未経験可



    • 神央薬品

      魅力的な大型案件が多数始動中!一緒に色々なキャラクターに生命を吹き込みませんか? 映画、CM、TV、ゲームと様々な媒体を扱い実写、アニメ、からフルCG、そして薬品・・までは取り扱っておりませんがカートゥーンアニメーションからリアルなアニメーション生み出すハイエンドかつハイブリッドなアニメーションスタジオです!

      cgworld.jp/jobs/21046.html

    【総評】:ノブタコウイチ(CGプロデューサー)
    毎回応募者が増えていてとても良い傾向だと思ってみさせて頂いております。それに伴ってクオリティーも上がっていて皆さんのCGに対する意識の高さに毎回感心させられています。 これから業界に行ってもこのまま向上心を持って羽ばたいてください!

    【募集対象】
    2020年度採用/2021年度採用



    • 東映デジタルセンター ツークン研究所

      ツークン研究所ではCGアーティストとして腕を磨いたり、特殊な撮影のプロフェッショナルとして撮影現場で活躍するなど個人のスキルに応じた多岐に渡る活躍の場があります。 組織の力と個人の力を合わせ、多くの映像コンテンツに貢献しCGプロダクションの中枢を担っていきます。デジタルヒューマン、バーチャルセットなど最先端の映像技術を主軸に、実際に作品を作りながら業界へ新しい技術を取り入れています。 モーションキャプチャー、フェイシャルキャプチャーなどCG処理だけでなく撮影技術も業界で高く評価されています。

      cgworld.jp/jobs/21107.html

    【総評】:市田俊介(CGデザイナー)
    個性あふれる様々な作品を講評させていただき、とても刺激を受けました。 これだけ沢山の作品を見ていくと、アセットのクオリティの留まらない「魅せ方」が 作品として差をつける大事な要素だと改めて感じました。 いつか皆さんと一緒に働ける日を楽しみにしております。

    【募集対象】
    2020年度採用/2021年度採用/アルバイト募集/CG未経験可



    • メタサイト

      【2021年3月卒業見込の学生募集中!UターンIターンも歓迎】 合同会社メタサイトは2014年にスタートアップした新しい会社です。現在業務拡大の為大幅な採用をします。3DCGは勿論の事、Live2Dの実力もかなり高いです。

      cgworld.jp/jobs/30529.html

    【総評】:菅原一敏(代表社員CEO/CGIディレクター)
    全体的に作品のクォリティが上がってきている印象でした。 その中でも点数を付けなければならないのは苦労します。皆さんが一線で活躍されるのを楽しみにしております。

    【募集対象】
    2020年度採用/2021年度採用/インターン募集



    • スタジオリント

      3DCGのクリエイターが定年まで安定して働き続けられる会社を作りたい。 本当に「好き」と思えるからこそ、「もっとうまくなりたい」と情熱を持って貪欲に制作をしたい。当社はそんなクリエイターのために誕生した会社です。 新しいソフトウエア、機材はいち早く取り入れており、技術&アートにおけるスキルアップには最適な環境です。

      cgworld.jp/jobs/30459.html

    【総評】:伊藤龍太(代表取締役)
    全体にレベルが高くなっており、CGへの積極的な取り組みに好印象を持ちました。 今後の業界でのご活躍を楽しみにしております。

    【募集対象】
    2020年度採用/2021年度採用/アルバイト募集/インターン募集



    • カナバングラフィックス

      カナバングラフィックスはオリジナルCGアニメーションを作る唯一無二のスタジオです。原案、企画、脚本、絵コンテ、キャラクターデザイン、背景デザイン、CGアニメーションの全てを担当することが可能です。他社には作れないユニークなアニメーションを作ることを重視しています。また制作以外のビジネス面も積極的に動いています。今後は、国内外に向けたTVシリーズ、ゲームの分野に挑戦を始めます。世界に向けて一緒に活躍してくださる新たなメンバーを募集しております。

      cgworld.jp/jobs/10028.html

    【総評】:カナバングラフィックス制作部
    講評の機会に参加することは制作において非常に良いことだと思います。学生の活動でとどまらずデザイナーであるうちは、講評される機会を活かすようにされると良いかと思います。今後の皆様の活動が良いものになりますようお祈りしております。

    【募集対象】
    2020年度採用/2021年度採用/アルバイト募集/インターン募集/CG未経験可



    • TREE Digital Studio ルーデンス事業部

      当社は2021年1月に株式会社デジタル・ガーデン、株式会社TTR、株式会社メディア・ガーデン、株式会社ルーデンスが統合され設立した総合コンテンツプロダクションです。 これまで各会社が長い年月をかけ培ってきた技術や知識、そして人材をひとつの会社に結集。 デジタルの進歩によってますます広がっていくこれからのコンテンツ制作領域を、制作現場からステップアップさせ、クライアントの要望を超える良質なサービスとコンテンツを提供しています。

      cgworld.jp/jobs/10068.html

    【総評】:泉川健二(CGディレクター)
    私自身が学生の時に、業界の先輩方から頂いたアドバイスは、未だに記憶として残っています。その時は分からなくても、後々その言葉の意味が分かる時が来ると思います。作品の講評の場所としてだけでなく、人材の育成や発掘の場所という意味でも素晴らしい試みだと思います。受賞された方もそうでない方も、ぜひこの場所から何かをつかみ取って欲しいと思います。

    【募集対象】
    2021年度採用/CG未経験可



    • テレビ朝日

      テレビ朝日は、地上波・BS・CS・Internet・メディアシティを5メディアと位置付け、様々なコンテンツを手掛けています。CGセクションでも、ABEMAや、動画配信事業、夏祭りなどイベント事業、eSports事業(RAGEの運営とコンテンツ制作)など、様々なデジタルコンテンツの制作・開発を行っています。いわゆる番組内のグラフィックだけでなく、コンテンツ展開の幅はあらゆる分野に広がっています。

      cgworld.jp/stdatabase/30603.html

    【総評】:島田了一、他CGディレクター数名(CGディレクター)
    全体的にレベルが高くて驚きました。特にモデリングについて、レベルの高い作品が多かったように感じます。優れた(好きな)作品も多く広く点数を付けたため、ひとつひとつの作品の点は少し低くなってしまいましたが、もっと高い点を付けたいものも多々ありました。 背景や空間を表現した作品のレベルが高かったことも、今回の特徴かと思います。今回は静止画でしたが、動画作品を見てみたいというもの多くありました。若い皆さまがこれだけの熱意とスキルを持ってCGに取り組んでいるということは、今後のCG業界にとっても明るいことであり、嬉しく頼もしく思います。ゲームや映画志望の方が多いですが、テレビでもVFXやバーチャルリアリティ映像コンテンツなど多く作っていますので、是非多くの方に興味を持って頂ければ嬉しいですね。

    【募集対象】
    2020年度採用



    • ポイント・ピクチャーズ

      ポイント・ピクチャーズは、作画アニメーションをベースに、デザイン感覚を多く取り入れたショートムービー制作を得意とする映像会社です。 特に音楽と映像の仕掛けを、フレーム単位で合わせる事で、より表現効果の高い魅惑的な映像になるように注力してまいりました。おかげさまで業界内から高い評価を受け、弊社の顔となる「ゲーム」や「TVアニメ」のOPムービー、最も得意とするモーショングラフィックスを駆使したプロモーションムービーなど、数多くのクライアント様からご依頼を頂いております。

      cgworld.jp/jobs/20040.html

    【総評】:CG部一同
    非常に若い方の作品も多く、CG業界の今後に期待大です。自分達にもかつてあった学生時代を思い出しながら審査させていただきました。 昔とは技術力も作品クオリティーも隔世の感がありますが、自身の「やりたいこと」の表現は、常に変わらない魅力を伝えてくれると改めて感じます。 今回もCG技術の評価というよりは、1枚の絵としての完成度を重視して審査いたしましたが、 フォトリアルな作品が多い中、思い切って絵画的、アニメ的な絵作り、コンポジットなどもお勧めです。

    【募集対象】
    2020年度採用/2021年度採用



    • スマートエンジニア

      スマートエンジニアは、「レクサス」を初めとした幅広い車種の海外/国内のカタログや、 モーターショーなどのイベント、自動車メーカー社内検討などに使われるCG画像を 制作している会社です。 発表前の新車のデータを使用し、設計・デザインチームと議論をしながら、静止画や動画制作を行っています。自動車業界未経験でもOK。Uターン、Iターン大歓迎。自動車の知識が無くても、先輩社員がしっかりサポートしますので、女性も活躍できます。

      cgworld.jp/jobs/30208.html

    【総評】:田川敢志(CGデザイナー)
    フォトリアルであったり、ファンタジーな表現であったりと独創的で技術レベルの高い作品が数多くあり驚きました。 コンセプトもきちんと考えられており制作者の想いの強さが感じられ、とても楽しく拝見させていただきました。

    【募集対象】
    2020年度採用/2021年度採用/アルバイト募集/インターン募集



    • イグニス・イメージワークス

      国内大手ゲーム会社を独立したCGクリエイター達が中心となり設立しました。フォトリアルからトゥーンまで、さまざまなテイストのプリレンダームービーを手がける弊社の特徴は、質の高い映像を作り出す、その制作力だと思っています。スタッフの経験値を活かし、ハイエンドな3DCGムービーを作ることで業界内から高い評価をいただいています。

      cgworld.jp/jobs/20019.html

    【総評】:長谷川勝章(CGディレクター)
    今回拝見させていただいた皆様の作品ですが、軒並みレベルが高かったと思われます。すごいですね。皆さん。 ディティールに対してのアプローチ、ライティングのレベルが どんどん上がっているように思われます。 悩みながら作品を選ばせていただきました。 皆さんの作品を見る限り、各ディティールの説得力や、スケール感の統一というのがクオリティアップのポイントになりそうだったので、そこをさらに磨いていくとよいと思われます。 皆様とご一緒に仕事できる日を待ち望んでおります。

    【募集対象】
    2020年度採用/2021年度採用/アルバイト募集/インターン募集



    • コロビト

      株式会社コロビトは今年10年目を迎える3DCGをメインにした映像制作会社です。 これまでに、ゲーム、映画、TVアニメ、CM、など多岐に渡る作品に関わらせて頂きました。 今後、ボリュームのある案件を社内で完遂できるよう、新たにスタッフの募集を行います。 複数の職種に対応できる方、また色々やってみたいと考えている方も優遇致します。

      https://cgworld.jp/jobs/30163.html

    【総評】:大島夏雄(代表取締役)
    3年前に1度「WHO'S NEXT?」の審査員をさせていただいたのですが、 そのときよりも応募作品の数が随分と増えており驚きました。 前回のときも同様ですが、積極的に勉強をされていてとても見ごたえのある作品がそろっているなっという印象をうけました。

    【募集対象】
    2020年度採用/2021年度採用/アルバイト募集/インターン募集



    • 東映アニメーション

      東映アニメーションは国内最大手のアニメーション製作会社です。60年以上の長きにわたり、「世界の子どもたちと人々に『夢』と『希望』を与える"創発企業"となることを目指す」という経営理念のもと、数々の名作・ヒット作を生み出してまいりました。 デジタル映像部では、東映アニメーションが長年蓄積してきたアニメーション製作のノウハウと、最先端のデジタル技術とを融合させて、フルCGの映画やテレビシリーズ、アニメーションのCGパート、イベント映像、VR等幅広いジャンルの映像作品を製作しております。 働きやすい職場環境づくりにも注力しており、綺麗で快適なスタジオでご活躍いただくことができます。

      https://cgworld.jp/jobs/10073.html

    【総評】:佐藤直樹(CGスーパーバイザー)
    レンダラーなどの技術が進歩したことで以前よりも写実的な作品が増えた印象ですが、ただリアルな質感のCGを作るということだけで終わらず、作品のコンセプトや世界観を上手に表現されている作品から刺激を受けながら楽しく講評させて頂きました。多くの方がこれからプロの現場でCG制作を行うことになると思いますが、大切なことは制作したものをいかに魅力的に人に伝えるかではないかと思います。

    【募集対象】
    2020年度採用/2021年度採用/アルバイト募集/インターン募集



    • インテグラル・ヴィジョン・グラフィックス

      弊社は2012年5月にCGプロダクションとして発足し、VFXやイベント演出など様々なコンテンツのCG制作を担当してまいりました。2020年現在、発足当時とはメンバーもだいぶ入れ替わり、第2創業期を迎えております。 現在はゲーム案件やARなどのエンターテインメントコンテンツに軸足を置き、そこで得たリアルタイム技術の知見を活かしながら、これまで以上に幅広いコンテンツのCG制作・企画・演出を行っております。

      https://cgworld.jp/jobs/30125.html

    【総評】:CGディレクター陣一同
    世界観表現に熱量を注ぐ方、CGの技術的な部分に熱量を注ぐ方、いろいろな方がいらっしゃいましたが、比較的、前者が多かったように思います。 昨今、CGの間口が広がってきたことにより、「こういう表現をしたい」という人がCGにどんどん参入しているのだなと感じ、現場で働く人間としては嬉しく思いました。 皆さまと仕事でご一緒できる日を楽しみにしております。

    【募集対象】
    2020年度採用/2021年度採用/インターン募集



    • KATACHI

      ABOUT KATACHI

      「かたち」
      ・見たり触れたりできる物の姿
      職業柄から立体物での「かたち」と捉えられがちですが、もちろん、その意味も含めておりますが他にも沢山の想いを込めました。

      「かたちにする」
      ・抽象的なものを具体的なものとして表すこと
      夢をかたちに 皆の夢を実現できる企業でありたい
      発想をかたちに 皆の発想を具現化できる企業でありたい
      願いをかたちに 皆の願いを叶える企業でありたい

      KATACHIに関わるすべての人達の幸せをかたちに、 そんな企業でありたいと考えています。

      https://cgworld.jp/jobs/30413.html

    【総評】:曽根良洋(代表取締役)
    このような審査は初めてなのですが、想像以上のレベルの高さに驚きました! 将来を担う若手デザイナー様の作品に刺激を受けて、自分も負けてられないなと笑 この調子でガンガン上手くなって業界で活躍しちゃってください!

    【募集対象】
    2020年度採用/2021年度採用/CG未経験可



    • オムニバス・ジャパン

      CM、ドラマ、映画などのハイエンドなVFX制作やフルCGアニメーション、イベントアート作品などの映像作品まで手がける当社ではスペシャリスト、ジェネラリストを問わずを新たな価値を創造するというミッションに向かって、共に邁進できる仲間を募集しています。 ※テレワークも可能です! 確かな「技術力」と変わらぬ映像への「情熱」を胸に、トップランナーとしてCG業界を牽引するオムニバス・ジャパンでは、新しい価値を創造するというミッションに向かって、共に邁進できる仲間を募集しております。

      https://cgworld.jp/jobs/10026.html

    【総評】:瀧澤 栄(CGスーパーバイザー)
    皆様、レンダリングのクオリティーが高く、それぞれの視点で狙いがあり、非常に良き作品が多かった印象があります。またレイアウトをこだわられていたり、カメラの被写界深度を凝っていたり、作品に命を吹き込むことに意識の高さが感じられました。

    【募集対象】
    2020年度採用/2021年度採用/アルバイト募集/インターン募集/CG未経験可