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学生CGトライアル「WHO'S NEXT?」2021年第2弾 結果発表! 優秀賞&審査員講評コメント一挙公開

学生CGトライアル「WHO'S NEXT?」2021年第2弾 結果発表! 優秀賞&審査員講評コメント一挙公開

2021年度、第2回目の開催となる本コンテスト。
テーマは今回も「3DCGを用いた静止画作品」で、過去最高の185点の作品が応募が集まった。審査は国内外のアーティスト24名によって行われた。優秀賞&審査員講評コメントをご紹介しよう。

※講評コメントは全て原文ママ





■作品募集ページ

■結果発表イベント

■作品応募条件・審査方法について
応募作品テーマは「3DCGを用いた静止画作品」。作品審査はCGWORLD連載陣など特別審査員が7名、企業審査員17名によって行われた。審査員はいずれも全作品の中からお気に入りの作品を選び、持ち点20の中から配点する。合計得点の高い作品から表彰。参加対象は高校生から専門学校生、大学、大学院生など教育機関在学中の方を対象。通学中でなくても、クリエイティブ分野における就業経験のない方であれば応募OK。

CGWORLD特別審査員 総評

審査企業 総評、新卒採用募集内容

第1位:『クリーニング』 獲得点数:57点

佐藤駿平さん(日本工業大学)
趣味でCGを始め、気づけば業界への就職を目指すようになっていました。フォトリアルなCGが好みでリアリティのある作品作りを心掛けています。

●作品解説
射撃競技者の作業場をコンセプトに制作しました。作業場の空気感や、その人の人柄を感じられるような背景を目指しました。

●使用ツール
Blender,Photoshop,Substance Painter

【受賞コメント】
この度は沢山の方に講評していただきありがとうございます。WHO'S NEXT?で入賞することが一つの目標だったので大変うれしく思います。審査員の方々の講評を通して、質感や構図などまだまだだと改めて感じ、自分に足りない箇所や今後の課題を見つけることができました。この作品を作るにあたってお世話になった方々には本当に感謝しています。今後も精進してまいります。


●審査員コメント 抜粋

トランジスタ・スタジオ 秋元純一(取締役副社長)
この作品の素晴らしい所は、その人物像が想像できる様なプロップの使い方だと思います。さり気なく置かれている子供の書いた画ですが、これが人物を説明する上で重要な小道具だと認識できます。重火器と家庭の対極にあるような要素ですが、この人物にとっては、子供との繋がりのひとつなのかもしれないと考えされられます。少なくとも、シューティングレンジに子供を連れて行っている事は、絵から容易に想像可能です。もしかすると、子供用のライフルを整備しているのかもしれない、次の休みの前の一時なんだろうと、ストーリーを想像させます。CGとしてのディテールも申し分なく、見せたい箇所へのフォーカスも効果的です。客観的な構図が、見るものを世界に引きずり込む様な構成は、非常に素晴らしいと感じました。

SAFEHOUSE 鈴木卓矢(取締役/モデリングSV)
物量、作り込み、テクスチャー、バランス、全体的にとても高いレベルで丁寧作られていて好感が持てます。 物の配置感も細かいところまで気を配られてる感じがして素晴らしいですね。 パッと見ただけで、おっとなるような印象的な作品です。 正直粗探しみたいになってしまいますが緑の木の棚が全体的に同じテクスチャー表現になってしまっているので、棚の裏側は汚れていないとか、上の棚はペンキが剥がれていないとか位置や高さを考えた表現にするといいかなと思います。

こびとのくつ 工藤美樹(代表取締役社長/ビジュアルテクノロジスト/レタッチャー)
構図・深度・シチュエーションやディテール、すべてにおいてレベルが高く抑揚のきいた申し分のない作品だと思います。敢えてコメントするならば、光源がもう少し弱いほうが雰囲気があったかもしれません。光源を少し弱めることで中間調のヴァルールを増やし、少し色味を加えることで画面が豊かになる気がします。また視線の流れ的に、左側の段ボールとカレンダーの明度を抑えたほうが、黄金比率に近い構図と主題に視線誘導できると思います。いろいろ書いてしまいましたが、作者の性格や生活の匂いまで伝わってくるような、味わい深い作風にとても感動しました。益々のご活躍を祈念しております。

Framestore London 井上倫孝(シニアモデラー)
作業場の1区画、これだけの量を作るのは大変だったのではないでしょうか。不自然に何もない箇所もなく、情報量を含んだ密な絵になっていると思います。少し右の前景部分の圧迫感はありますが、しっかり目線が机に向くので、それでも上手くいっていると多います。机の下、床の絨毯、そこに落ちている物等々、初見では目が届かないところまでしっかりと手を入れているのが素晴らしいと思います。寄って見ると、画全体に均一なノイズの様なものがかかっているのが少し気になりますが、引きでみれば特に問題ないかなとも思います。とてもクオリティの高い良い作品だと思うので別角度からのバージョンも見てみたいですね。

Industrial Light & Magic 佐々木 稔(Enviro Generalist)
object detail, texture, light, layout, design 全てにおいて完成度が高くオリジナルシーンは使い方で既に完成してるプロの材料として使えるものだと思います。あえて言うなら、ブラインドの数本が折れてるとか、デスクの足とラグの設置個所にはもっとゴミやじゅうたんの毛や小さなごみを広げたいかもしれません。でも良い完成度です。もっと構図を変えた新しい画を見てみたいです。がんばってください。

ジェットスタジオ 赤崎弘幸(ディレクター)
ライティングとレイアウトで作業机への視線誘導がしっかりできていると感じました。子供がいるお父さんなのかなとか、2日後に何があるのかな、などとストーリー的なところも想像させられました。

ポイント・ピクチャーズ CG部一同
質と量という点で今回印象に残ったのがこの作品でした。大量のオブジェクトがある中で一点一点丁寧に作られており、画面の隅々まで妥協がない感じがしました。テクスチャについても非常に凝っていますし、オブジェクトをこれだけ緻密に作ってあるので蛍光灯で照らされた際にそれらが引き立ちますね。

スパイス 大田智久(ディレクター)
雑然と並べられた工房の中に自然に物語に没頭させてくれる。 この次のコマがみたいと思わせてくれるような作品でした。 子供が描く家族の絵やカレンダーの印がこの空間の時間を感じ させてくれます。 無機質なものの組み合わせですがちょっとした 歪みや不規則感がよく観察されているなと思いました。

アニマ 松尾彰大(Department Manager(Environment))
物量がとても多い中、質感差も個々のディテールの出し方も的確でかなり完成度の高い作品だと思います。 経年劣化や汚れの中にも統一感や整頓されている雰囲気が出ていて、この工房を使用する人物の几帳面な性格が伺えます。 「射撃競技者」ということで、このたくさんのオブジェクトの中で、銃は一番目立って見せなければならないと思うのですが、銃と奥の壁の明度が似ているので目立って見えません。 ですので、銃を暗めに設定して、自然に目がいくようにしてみてください。

MARK 齊藤壮平(CGディレクター)
圧倒的な物量とクオリティに圧倒されました。一枚絵としてのクオリティや魅力が高いのは当然ですが、ものすごい物量の一つ一つがとても良く出来ていて感心しました。汚しのメリハリも良くついていて、ただ汚しただけではなく、しっかりと理由が考えられているなと思いました。

白組 花房 真(アートディレクター)
形状の違う大量のオブジェクトが、所狭しと溢れていて、一つ一つ見て、どう使われているのか等を 思案していくのがとても楽しい作品だと思います。全ての物が、同じ角度にならないように配置して あり、生活感やリアリティーへの拘りが緻密で素晴らしいです。一つ一つ、手に取ったり、小さい引き 出しも開けて中を見てみたいです。ライティングも綺麗で絵としても美しいと思います。構図的に、 画面中央に近い部分まで、手前のものが隠しているのが、少し気になります。もう少し右にずらして、 奥の世界をもっと見せても良かった気がします。

Aiming 久保貴美(アートディレクター)
良い点:個々のオブジェクトのクオリティや配置の密度感など、自然に表現できていて そこをおさえた上で、子供の描いた絵が主張し過ぎずに配置されていることで リアリティが増していると思います。
悪い点:画面構成として、右側の部分が少し間延びしていて視線の誘導が弱くなっているので 右端はカットしてあげたほうが綺麗な構図になっていたと思います。

第2位:『わすれもの』 獲得点数:47点

池内啓人さん(HAL東京)
普段は専門学校で映像作品を制作の監督等をしながら、背景モデラーを目指し勉強しています。
www.artstation.com/it2

●作品解説
制作時間が限られていたので、その中で何が自分に出来るのか考えて作りました。 静止画でもストーリーを感じられるような絵作りを意識して制作しました。

●使用ツール
Photoshop,Maya,SubstancePainter,Blender,Zbrush

【受賞コメント】
今回は人に何かを伝えられる作品を作りたいということ以外に、自分の作品評価基準がプロの方々とどう違うのか比較したいという目的がありました。 狙い通りいった点、詰め甘さを思い知らされた点、私の想像外の評価軸を知れた点等、本当に勉強になりました。 今回の経験で得た知識を活かして、次の制作に取り組みたいと思います。講評をしてくださった審査員の皆様、ありがとうございました。


●審査員コメント 抜粋

トランジスタ・スタジオ 秋元純一(取締役副社長)
普段の学校生活圏に実際にある電話ボックスなのでしょう。このシンプルな構図の中に、様々な歴史や人間模様が詰まっていると感じさせられました。作品のクオリティは見事で、プロップの細かい仕上げや、細部に至るまで丁寧に作られており、作品に対する情熱が伝わってきます。今ではあまり見ることも少なくなった電話ボックスですが、そこには人々の思いがけない事情の残り香があると、思い出させてくれる様です。CGとしてのクオリティは申し分なく、ガラスに映る、近くの自動販売機まで、細かく世界観を演出していると思います。実際にあるそのものをしっかりと再現し、それでいて物語のレイヤーを重ねて作品に仕上げる技量は、プロ顔負けの実力だと感じました。素晴らしいですね。

SAFEHOUSE 鈴木卓矢(取締役/モデリングSV)
日常の一部を切り取った作品ですが。フォトリアルにとてもよくできています。 モデル的には難しい題材ではないですが細部の作り込みとテクスチャー質感が素晴らしいです。 特に電話機ではなくて後ろのグレーの壁がとてもよくできています。 蜘蛛の巣やミクロなごみのような物がとてもりあるな表現になっていると思います。 電話機がすこし黒い汚れがおおすぎかなと思うのでおさえてもいいかもしれませんね。 シールのはがれているのでそこだけ日に焼けていない跡などあると時間がたっている表現ができるのかなと。

宮川英久(コンセプトアーティスト)
とてもクオリティの高い作品だと感銘を受けました。ライティングの自然さと説得力が素晴らしいです。各オブジェクトの作りこみも良い感じです。 ここまで過不足無くしっかりとバランスよく作りこまれているのは凄いことだと思います。 ここまで来ると揚げ足取りみたいになってしまいますが、硬貨や受話器のケーブルなどがきれい過ぎる点は気になります。また、表面のパネルのネジ隠しの山の部分はもう少し削れていてもいいのではないでしょうか。 とはいえ、相当に素晴らしい作品だと思います。

Khaki 田崎陽太(Environment Artist/Generalist)
技術的なクオリティが今回の中で一番高い作品だと思いました。エイジングや汚しの量のバランスが絶妙です。高い観察力と技術力があってこそ作れる作品だと思いました。

Framestore London 井上倫孝(シニアモデラー)
フォトリアルという点においては一番ではないでしょうか。しっかりと観察されて書き込まれたテクスチャーにそれを映させるライティングは目を見張るものがあります。硬貨の質感、ガラスの水滴、蜘蛛の巣などメインのオブジェクト以外のディテールが全体的な説得力を底上げして素晴らしいです。比較的フォトリアルに寄せやすい題材ですが、とはいえここまで持ってくるのは誰もができることではなく、とてもクオリティの高い作品に仕上がっていると思います。

ジェットスタジオ 赤崎弘幸(ディレクター)
いかにも「ありそう」と思える情景で、すっと違和感なく入ってきました。質感も汚しすぎずキレイすぎずの程よい調整がなされており、シールの剥がれ具合や飲み物の置かれ方など、各所で納得感が得られました。手前の10円玉だけはちょっとピカピカすぎるかなと思いましたが、全体的には好印象です!

デイジー 太田修司(シニアCGディレクター)
最近使う事もなくなり、見かけることも少なくなった公衆電話。雨のなか飲み干したチルドコーヒーと残り僅かな小銭。昭和世代にはぐっときます。リアルな質感がとても物語に没入させてくれます。

デジタル・メディア・ラボ 根生航/窪田靖久/山端克利/桂川亮太(CGディレクター)
レイアウトでストーリテリングする構成能力がある かつ、生活感のある、細かいディティール表現もうまい。 もうすこしだけ細かいところに気が配れると尚良くなりそう。
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ライトの統一感がよく視線誘導も上手ですね。 コインを少し曇らせたり、カップ真下のAOあたりを調整するといいかも メンタルレイかな?電話の見た目がそれっぽい ラフネスなど、細かいところで直したほうが良いところはありますが、 そういった細かいところに目が行くくらい上手にできていると思います。

アニマ 松尾彰大(Department Manager(Environment))
すごく好きです。公衆電話の形状と質感に嘘っぽさがないので、触れそうなくらいの生々しさがあります。お金が無造作に忘れ去られていたり、マウントレーニアの蓋が外れていて、ストローが曲がっていたり...。ストローを入れるビニールがカップにくっついているのに、わざわざそれが外されているあたりに、「忘れていった人がこの場で何をしていたか」が想像できる素晴らしい作品だと思います。物量を絞ってこだわるところを限定し注力できていますね。最終的なルックに対して効率的に努力出来るのは素晴らしいです。

スマートエンジニア 沖田一成(CGデザイナー)
非常にリアルで写真かと思いました。質感の表現が素晴らしく特にストローの入っていた透明の袋のリアルさに感心しました。 誰しもが見たことがあるのモチーフで構成されているので嘘などがばれやすいかと思うのですが、しっかりと説得力を持って表現されていると感じました。

MAPPA CGI部一同
何かが終わったのかこれから始まるのか、雰囲気があって表現力も高いですね。素晴らしいです。

Z-FLAG CG TEAM ひるま克治(薄毛系ポジティブ社長)
雰囲気もあるし、リアリティが素晴らしいです!電話ボックスに籠って写真撮りまくって良く調べたのでしょうね!コインにもこだわりが感じられますが、ちょっと円柱っぽすぎる気がします。

第3位:『WWII Panther Tank』 獲得点数:36点

小林太一さん(日本工学院八王子専門学校)
CGを始めて1年になります。背景モデラーを目指して日々勉強しています。絵作りに力を入れていきたいです。
ArtStation: https://www.artstation.com/kobayas

●作品解説
当時の戦場にタイムスリップして撮影したような臨場感を求めて制作しました。

●使用ツール
Maya,Arnold,SubstancePainter,Photoshop

【受賞コメント】
この度は3位を頂くことができ、驚きながらも大変嬉しく思っています。WHO'S NEXT?で受賞されている作品にはいつも魅了されていましたので、この場に作品を残せた事は大変光栄です。そしてプロの皆様から貴重なご意見を頂くことができ、今自分に足りないスキルや今後の課題も知れました。頂いたお言葉を活かし、より良い作品を制作できるよう尽力していきたいともいます。


●審査員コメント 抜粋

SAFEHOUSE 鈴木卓矢(取締役/モデリングSV)
全体の作り込みがすばらしいです。 戦車のテクスチャーの書き込みやキャタピラの重たい質感、薄い装甲のゆがみなど細部にこだわりを感じます。 背景に関しても瓦礫の表現がとてもよくできていて戦場の臨場感が伝わってくるとてもいい作品です。 建物の表面自体に漆喰が剥がれたり弾痕のようなダメージはあるんですが梁などのシルエットがその