第6位:『オオスカシバと朝の森』 獲得点数:25点
小南春斗さん(HAL名古屋)
好奇心を大事にしてます!
https://www.artstation.com/luwden
●作品解説
オオスカシバという不思議な見た目の虫に衝撃をうけ、作品として表現したいと思い制作しました。独創的な世界観を表現するために、質感とライティングには特に力をいれました。
●使用ツール
Maya,ZBrush,SubstancePainter,PhotoShop,Xgen
【受賞コメント】
開催に関わった方々や審査をして頂いた皆様、素敵な機会をありがとうございました...!
作品に詰め込んだライティングや色遣い等、こだわった表現を伝えることに成功したようでとても嬉しいです。次回もさらに成長して参加させていただこうと思います!
CAPCOM、GAME FREAK を目指して今後も頑張り続けます!
●審査員コメント 抜粋
【神央薬品 ノブタコウイチ(CGプロデューサー)】
沢山の緑がある世界の中でしっかりと色々な緑を表現していて素晴らしいと思いました。レイアウトや光の表現の仕方等もとても良いと思いました。
【デイジー 太田修司(シニアCGディレクター)】
暗い作品が多くなりがちなのですが、ぱっと鮮やかなグリーンが目を引きました。
【プロダクション・アイジー 田中宏侍(撮影監督/CGIプロデューサー)】
ご自身でも書いておられる通りライティングと毛の質感が素晴らしいです。画面左上の葉と雫がピント合っているのでキャラに近いと思うのですが、サイズや収まりの所為か距離感が分かりづらいと感じました。葉と虫を中心に据えるなら構図を一向してみるのも良いかもしれません。
【KATACHI 曽根良洋(代表取締役)】
応募作品全体としてくすんだ色遣いが多い中、鮮やかな色遣いで光の使い方もとても綺麗で上手です。
オオスカシバも可愛く、まるで生きているようなポージングでストーリーを感じさせます。
応募作品の中で一番好きな作品です。
【MAPPA CGI部一同】
オオスカシバ、可愛いです。透きとおった翅とまんまるの目がたまりません。葉から落ちそうな水滴が背景に溶けているので、もう少し立てても良かったかなと思います。
【Aiming 久保貴美(アートディレクター)】
良い点:虫という題材なのに、光の加減や色合いなどによって、嫌悪感なく表現できていると思います。
悪い点:目の色だけ少し浮いてしまっているので、補色を配置したりして画面に馴染ませられると
違和感が軽減できると思います。
【Z-FLAG CG TEAM ひるま克治(薄毛系ポジティブ社長)】
題材は実在の虫ですが、ファンタジーとリアリティの間の、かなりイイ線を行けているなと感じました。とてもキレイにできています。
第7位:『夜明け。』 獲得点数:22点
大柳和也さん(仙台高等専門学校 名取キャンバス)
主にTwitterでblenderで制作したCG作品を投稿している、大柳かずやです。フォロワーは最近1000人を突破し、勢いがついてきました。主にblenderを使ってのCG制作を得意としています。
●作品解説
ポリゴン数を削減しつつ、クオリティの高い作品を作ることにこだわった。前方の通路の光の差し込みと、遠くの建物への光の当たり方の対比で、夜が明け始めていることを表現した。また、虫除けの殺虫灯があるにもかかわらず虫が飛んでいることから、古い殺虫灯が効力を失い放置されており、人の手が行き届かないほどにパンクした世界観を表現した。
●使用ツール
Blender
【受賞コメント】
7位に選んで頂き、有難うございます。素直に嬉しいです。正直なところ、今回の作品はかなり焦って作ったため、受賞した時にはとてもびっくりしました。自分でも多くの粗が目立つ作品だなと後悔していました。審査員の方々から的確かつ貴重な指摘を頂いたので、次作に活かします。Twitterでの投稿に力を入れています。日々の進捗や作品などを上げています。よかったら覗いてみて下さい→@adana_xxx
●審査員コメント 抜粋
【こびとのくつ 工藤美樹(代表取締役社長/ビジュアルテクノロジスト/レタッチャー)】
構図・設定・ディティールの抑揚など、バランス感覚と光の表現に優れた作品だと思います。ここまで光をデザインできるのでしたら、もっと室内と窓外の明暗差を演出してもいいかもしれません。完成度の高い室内を暗くするのには抵抗があるかもしれませんが、敢えてそうするほうが絵全体の深みが増すと思います。また窓外の陰影に関しては、夜明けの朝日を感じるハイライト色表現やコバルトブルーを含んだ建物影のカラーコントロールなど、光への感覚をさらに研ぎ澄まし、色調にまで落とし込んだ表現を追求できれば素晴らしいのではないでしょうか。
【Industrial Light & Magic 佐々木 稔(Enviro Generalist)】
Detail, Texture, light, Design全てにおいてよくできてると思います。環境光は追って詰めていけばいくらでもテストできるので更にBrushUpできるので完成度は高いと思います。Textureの質が高いのに各種ケーブル類が雑に感じるので、もっと各種ケーブル類が、重力で落ち込む位置や量や、接続部位からサポート部位などを足したり壊したりしてダメージの強弱を加えると質が上がると思います。BGの奥行にAtmosphereを足せば更に完璧だと思います。応援しています。
【神央薬品 ノブタコウイチ(CGプロデューサー)】
個人的にこういうレトロなフューチャー?感は凄い好きで目に入ってしまいました。
手前奥で遠近感が出ればもっと良くなるなと感じました。あとは空気感等も足してみるとよりリアリティが出ると思います。
【KATACHI 曽根良洋(代表取締役)】
サムネイルで見た時からクオリティの高さは目につきました。画面全体のコントラストの付け方が上手でその世界に行ってみたくなるほど惹きつけられるものがありました。
テクスチャの解像度?レンダリング精度?か原因はわかりませんが、質感のテクスチャに低解像度な部分がありもったいないと感じました。
同じオブジェクトを配置する場合も、複製した感じがバレバレで、ぱっと見で差を付けられたら良いと感じました。
【スクウェア・エニックス イメージ・スタジオ部 一同】
細部まで非常に丁寧に作られていて、全体的にも上手く世界観が出せていますね。
敢えてコメントするならば、各パーツの質感のクオリティやアセットの一つ一つに更に設定を増やし、ディティールを追加することでリアリティが増すと思います。
テクスチャのストレッチなどにも気を配るとよろしいかと思います。
【MAPPA CGI部一同】
適切な情報量と構図の良さで、絵として力があります。癒し系SCI-FI背景...。この世界で生きるキャラクターや物語を想像してワクワクしました。
天井等、一部階調飛びに見える箇所を補正できるといいですね。
【Aiming 久保貴美(アートディレクター)】
良い点:オブジェの配置や密度感など、世界観に沿った自然な現実味が表現できていると思います。
悪い点:まず焦点が定まっていないため、どこをみていいのかわかりませんでした
そして空気感がないため、遠近感や世界の広がりを感じられなくてもったいなく感じます
また、エッジが平衡垂直のままなのでポリゴンでできているように見えました
意図的にわずかな歪みを入れてあげることで、自然さが表現できると思います。
第8位:『残月』 獲得点数:18点
山田瑞来さん
独学でCG初めて一年半くらいです。Vitaly BulgarovやDaniel Hahnの作品が好きです。
https://twitter.com/mizuki1504toho1
●作品解説
ロボットの整備基地を作りました!残月は機体名です。甲冑に陣羽織を着せたようなデザインにしてみました。
●使用ツール
Maya,Substance painter,Photoshop
【受賞コメント】
もっと上の順位を狙っていたので正直悔しいです!審査員の方々にいただいた講評をもとにさらに精進していこうと思います。また、これからはモデリングをするだけでなく、HoudiniやClarisse iFX、Nuke などの様々なソフトに手を出し、大きな背景の1シーンを一人で作れるように頑張っていこうと思います。
●審査員コメント 抜粋
【SAFEHOUSE 鈴木卓矢(取締役/モデリングSV)】
作り込みすごいですね。これだけの物量を作るのは大変だったと思います。
スケール感もしっかり出ていて巨大なロボットの存在感が際立っています。
前後の細かいディティールがロボットの一つ一つのパーツの巨大感を出しているのでとても効果的な表現ですね。
色味に関しても全体的には白やシルバーを基調とした中の真っ赤なロボットが主役として表現できていていいですね。
もったいないのが脇役のパイロットのような人物が目立っていないことですね。
ロボットの白いデカールとかと混ざってしまっています。
ここが分かりやすくなってくると作品としてのストーリー性がもっと増すと思います。
【Khaki 田崎陽太(Environment Artist/Generalist)】
モデルの作りこみ、質感、ライティングどれもクオリティが高く素晴らしいです。見ていてワクワクするようなシチュエーションやコンセプトもGoodだと思います。
【Industrial Light & Magic 佐々木 稔(Enviro Generalist)】
Detail, Texture, light, Design全てにおいてよくできてると思います。環境光は追って詰めていけばいくらでもテストできるので更にBrushUpできるので完成度は高いと思います。Textureの質が高いのに各種ケーブル類が雑に感じるので、もっと各種ケーブル類が、重力で落ち込む位置や量や、接続部位からサポート部位などを足したり壊したりしてダメージの強弱を加えると質が上がると思います。BGの奥行にAtmosphereを足せば更に完璧だと思います。応援しています。
【アニマ 松尾彰大(Department Manager(Environment))】
メカデザインが好きなのでしょうか?題材に対して、たくさん研究されているのが伝わります。直線の崩し方やディテールの出し方など、様々な努力が見えて良いです。全体的に情報量が多過ぎるので、ディテールを抜く場所もあって良いのでは?と思います。
配色や絵作りなど、このジャンルはたくさん創作物があるので、資料には事欠かないと思います。知識はすでに豊富だと思うので、オリジナリティを目指してみてはどうでしょうか?
甲冑に陣羽織のような装甲デザインということで、色やディテールにそういった要素が入っていますが、少し弱いように感じます。シルエットなどの大きな要素にも甲冑っぽさを入れてみると良いかもしれません。
【スマートエンジニア 沖田一成(CGデザイナー)】
非常に作りこみがすごく、それらがこの世界観に説得力を持たせていると思います。
メインのロボットに対し、手前のオブジェクトの質感等がやや見劣りするのがもったいないなと感じました。
また、中心で立っている人物が視認しずらいのでレイアウトやライティングなどで工夫があれば、より訴求力が高まると思います。
【Z-FLAG CG TEAM ひるま克治(薄毛系ポジティブ社長)】
パシリム感が出ていて素晴らしいです。ちょっと和風テイストもオリジナリティがあってステキです。ディテール感もありますがウチのロボ担当に言わせると文字の反転が許せなかったようです。そこここに勢いで作ってしまった感が見えているので、その辺が丁寧になれば文句ないでしょう。頑張ってください!
第9位:『WRAPPED』 獲得点数:14点
塩谷涼平さん(多摩美術大学)
作品を見た人に「なんかかっこいい」、「なんか美しい」と思ってもらえる作品を目指して制作しています。
Artstation→
https://www.artstation.com/mulgraphics
●作品解説
この作品は自分自身が行ってみたい場所を大きなテーマとしており、コンクリートで作られた無機質な空間が時を経て瓦礫や砂が積もることでどこか落ち着くような、安心できるような空間になることを目指しました。
●使用ツール
Blender,Photoshop
【受賞コメント】
この度は、学生CGトライアル「WHO'S NEXT?」にて9位に選ばれたことをとても光栄に感じています。
また事細かく講評していただいた審査員の皆様には、誠に感謝しております。
私自身の3DCG制作についてはまだまだ初心者ですので、これからもより素晴らしく、クオリティの高い作品が作れるように頑張ります。
この度は、本当にありがとうございました。
●審査員コメント 抜粋
【トランジスタ・スタジオ 秋元純一(取締役副社長)】
シンプルに表現する事は、非常に難しい事です。簡潔なもの程ごまかしが効かないので、絶対的な自信のもとに表現するしかないと思います。作者は、かっこいい、美しいの定義を自分自身で持っているのだろうと感じました。事実、素晴らしくかっこよくて、どこか神々しさもあります。CGとしての質感はもう一つですが、それをカバーするだけの大胆な構図やライティングの端的だけど的確な使い方があります。今回のコンテストにおいては、周りとの作品の方向性から余計に感じましたが、印象を残す上でのブランディングも上手だと感心しました。更にグレーディングでもっとかっこよく持ち上げられそうなポテンシャルを秘めた作品だと思います。私が個人的に感じたのですが、少々グレインが強すぎたかもしれないですね。
【こびとのくつ 工藤美樹(代表取締役社長/ビジュアルテクノロジスト/レタッチャー)】
シンプルがゆえにセンスの良さと精神性が求められるモチーフを素晴らしく統合して定着している印象を受けました。哲学的で、対象物を表現とコンセプトが越えていると思います。このままアーティストとしての作品制作を続けていただきたい、そんな作家性を感じました。
【スパイス 大田智久(ディレクター)】
日本の『もの派』の芸術作品のような芸術的要素を感じました。自然さと不自然さが面白い表情を与えてくれていると思います。個々の要素はまだまだ詰める要素はあるかとは思いますが、ここで止めることも絵としては一つの正解なのかもしれないと思わせてくれます。欲を言えばもっとそこにいる意味を感じれるような仕掛けがあったら面白いかなとおもいました。ただ絵としての完成度はかなり高いと思います。
【MARK 齊藤壮平(CGディレクター)】
シンプルな構成でありながらパーツ一つ一つのクオリティはとても高く、絵としてとても魅力のある一枚だなと思いました。暗い空間に天窓から刺す光のコントラストがとても素晴らしいです。
【白組 花房 真(アートディレクター)】
構図力が高く、イラスト作品として、完成度が高いと思います。本の表紙などにそのまま採用できそう
です。砂の表現も緻密で世界観に説得力も出せていて、なんかかっこいいと思えるものになっていると
思います。
第10位:『Fairy Dance』 獲得点数:13点
宮田英之さん(デジタルハリウッド大学)
頑張ります。
●作品解説
頑張ります。
●使用ツール
Maya,SubstancePainter,Photoshop,ZBrush
●審査員コメント 抜粋
【SAFEHOUSE 鈴木卓矢(取締役/モデリングSV)】
とてもきれいな作品で好きですね。すごく丁寧に作られていて好感が持てます。
電球の中のチリのようなものが星に見えてすごく幻想的です。
モデリング、質感、ライティングなど基礎的なレベルが高いですね。
ただカメラアングルがすごく客観的なので角度を付けたり変えてみると見せ方もかわってもっと幻想的に見せれるんじゃないかなと思いました。
【こびとのくつ 工藤美樹(代表取締役社長/ビジュアルテクノロジスト/レタッチャー)】
幻想的な主題選択と演出が、ミクロなモチーフにもかかわらずマクロな世界観を感じさせてくれます。速水御舟のような幻想的な作風を持っており、抑揚もあり完成度が高いので、特定の職分や肩書に縛られず、アーティスティックな作品作りは継続していってほしいと思います。
【神央薬品 ノブタコウイチ(CGプロデューサー)】
世界観が凄い面白いと思いました。こういうアイデアは独創的で良いですね。電球のソケットの部分やディティールの部分が少し単調につぶれてしまってるのをもう少しライティング等で若干見えるようにしつつ色合い等も足したらもっと良くなると思いました。
【ポイント・ピクチャーズ CG部一同】
白熱電球というノスタルジックなモチーフとその狭い空間内に星空ともとれる光の散らばりが、別の宇宙へとつながっている、そんな想像を掻き立てる作品だと思いました。3DCGを感じさせないクオリティと絵作りはうまいと思います。
【Z-FLAG CG TEAM ひるま克治(薄毛系ポジティブ社長)】
社内では最もアート的に評価の高かった作品です。絵作りのセンスの高さを感じます。そのままポストカードに使えそうな綺麗さとクオリティがありますね。