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    フリーペーパー「CGWORLD Entry」にて展開中の、学生限定3DCG作品投稿コーナー「WHO'S NEXT? CG GALLERY」。本連載は当コーナーと連動し、CGWORLD Entry誌上での講評結果を受けて受賞者のコメントや優秀者の個別インタビューなどを紹介していく。

    ※本記事はフリーペーパー「CGWORLD Entry vol. 19」に掲載の内容に一部追加したものです。

    WHO'S NEXT? CG GALLERY vol.1 概要

    募集テーマ:「3DCGを用いた静止画作品」
    募集期間:2018年5月23日(水)~31日(木)
    応募作品総数:81点

    審査方法:
    作品審査はCGWORLD編集長をはじめ、CG・ゲーム業界の第一線で働くデジタルアーティスト6名が審査を担当。審査員は持ち点10点を、お気に入りの作品に配点。合計得点の高い作品から表彰した。
    審査員:
    朝倉 涼氏(Seventhgraphics)、伊藤大輝氏(コロプラ クリエイティブ本部第2デザイン部 部長)、鈴木卓矢氏(フォトン・アーツ Modeling Supervisor)、村上一帆氏(アカツキ CDO)、山崎伸浩氏(フレイム CGディレクター/ゼネラリスト)、沼倉有人(CGWORLD編集長)
    ※肩書きは審査当時のものです

    結果発表:CGWORLD Entry vol.19(2018年6月25日発行)誌上にて

    CGWORLD Entry vol.19 電子版はこちらから

    第1位:『走るダックスフント』

    芦田淳人さん(津山工業高等専門学校)
    昔からキャラクターモデリングに興味があり、独学でモデリングの勉強をしています。作ったモデル等はゲーム開発に用いたりしています。

    ●作品解説
    今回は私が飼っている犬をCGで再現しました。1週間でいかにリアルに本物の犬の顔の表情や毛の質感を近づけられるのか試行錯誤しながら作成しました。また、他のツールも使うか考えましたが今回はBlenderだけで完結させました。

    ●使用ツール
    Blender

    ●審査員コメント
    【フォトン・アーツ鈴木さん】
    この静止画から犬の10フレーム先の未来が想像できるし、形状から感情すら伝わってくるほど躍動感のある絵になっていてすばらしいです。細かいところまでこだわって作られているのに愛を感じます。 毛の空気感や鼻のちょっとぬれている感じをもう少しつめていけばさらに生き生きした感じになるのかなと思いました。

    【朝倉さん】
    躍動感・毛並みのエアリーな表現・目にしっかりと合ったフォーカスと、リアルな可愛さとコミカルな愛らしさが上手く同居した1枚です。舌や歯の質感も非常に観察されていて、犬が好きなのだなというのが伝わってきます。背景がグレーなのが少し残念です。せっかくのかわいい子なので屋外の明るくて広い空間を走らせてあげるともっと良くなると思います。

    【コロプラ伊藤さん】
    愛犬を制作されたとのことで、とても愛を感じました。率直に可愛いです。毛並みや口周りの表現をはじめ、舌の質感や唇の凹凸感などリアルに再現されているので素晴らしいと思いました。毛並みの調整は大変だったかと思いますが、異なった毛並みの境界がわかってしまうので、少しグラデーションをつけて調整できると良いですね。

    ●受賞コメント
    この作品で初めてフォトリアルな動物のモデリングに挑戦し、個人的にも力を入れてネット等で資料を探しながら作成したので、このような形で評価していただけてうれしく思います。普段は趣味で個人的にモデリング等をやっている程度で、作品をこのようなコンテストに応募したのも初めてだったため、まさか優秀賞をいただけるとは思わなかったです。今回の受賞で今後作っていく作品へのモチベーションの向上にも繋がったと思います。

    ※受賞コメントは全て原文ママ

    第2位:『夢兜』

    長谷川拓海さん(京都造形芸術大学)
    目標は、3DCGアーティストとして、国内外問わず活躍することです。ライフワークとして、虫をモチーフにした作品をつくり続けます。
    hase_insectart.artstation.com

    ●作品解説
    森の守り神をイメージしてつくりました。金属の質感で生物っぽさを出すべくSSSを利用し、色味を複雑にしています。

    ●使用ツール
    3ds Max、ZBrush

    ●審査員コメント
    【フレイム山崎さん】
    モデリングからコンポジットまで総合的にレベルが高く、応募作で最も「作品」としての完成度を感じました。金属的質感の中に若干のSSSを入れることで存在感がグッと増しています。ローカルなライトを当てることで、モデルを際立たせるだけでなく、背景の黒をも「空間」に変えています。プロの作品と言われても何ら疑いはありません。また、作風が個人的に好みでした。

    【アカツキ村上さん】
    一枚絵として、とても綺麗です。モチーフ、構図、質感から、テーマにある森の守り神という世界観も上手く表現されています。背景や虫の「動き」をより突き詰めることで、さらに独自の世界をより表現できるのではと思います。例えば、羽のデザインや動きの表現を詰めることや、触手の位置をよりランダムにすることで、軽やかな飛行の動きを表現できると思います。

    【朝倉さん】
    造形力と質感高さ、レイアウトのシンプルさからくる1枚絵としての空気感やインパクトと、今回の応募作の中では圧倒的さを感じました。頭部~角の造形の生物感のような、あるいは古代の人為的な文様のような感じも非常にグッと来ました!腹部にも文様なのか、あるいは昆虫にうっすら生えている産毛等、もう少しディティールを詰められたらより良かったと思います。

    ●受賞コメント
    多数の作品の中で準優勝という結果をいただき大変光栄です。「夢兜」は虫の王道といえるカブトムシですので、その存在感をどこまで増幅させられるかという、挑戦の作品でした。まだまだ大自然の生み出す繊細な生きる造形物達の素晴らしさを伝えきれてはいないので、この受賞を励みに、今後も虫作品を作り続けます!

    第3位:『The Nixie Tube』

    中尾圭秀さん(トライデントコンピュータ専門学校)
    ゼネラリストを目指しています。ライティングやコンポジットなど、画づくりに密接にかかわる部分に興味をもっています。3Dモデルやシーンをより印象的なものにするように心がけて制作しています。
    keshn.artstation.com

    ●作品解説
    コンセプトは、「手作業で制作された美しいニキシー管」です。ニキシー管以外の物の色をくすませたりすることで、完成したニキシー管の美しさが際立つようにしています。

    ●使用ツール
    3ds Max、Photoshop、After Effects

    ●審査員コメント
    【フレイム山崎さん】
    モデリングが細かく質感やライティングが写実的で、コンポジットも上手く、よくできていると思います。空気中にホコリを漂わせ、ノイズや色収差を与えるなど、実写特有のリアリティを与える工夫が見られ、丁寧なコンポジットも好感が持てます。コンポジットは応募作品の中でも一番良かったかもしれません。

    ●受賞コメント
    初めてのコンテストで3位という評価を頂けて非常に嬉しく思います。この結果を糧に今後もCG制作を精進していきます。

    第3位:『Concept Helmet Design』

    大塚智哉さん(同志社大学)
    コンセプトデザイナーとしてゲームや映画のプロジェクトに参加することが現在の目標です。独学ですがいつかプロの方々と張り合えるようがんばりたいです。
    swav-works.tumblr.com

    ●作品解説
    サイバーパンク調のヘルメットデザインです。ガラスの土台に載せることで現実世界において実現化、もしくは製品化された場合どのように飾られ、どう見えるのかイメージしました。

    ●使用ツール
    ZBrush、KeyShot、Mol3D、Photoshop

    ●審査員コメント
    【フォトン・アーツ鈴木さん】
    コンセプトをモデルにちゃんと落とし込めていてデザインも格好良いです。首のメッシュが鎖帷子に見えるのが良いですね。個人的には頭部分の各パーツの幅の取り方やディティールの入れ具合が似通ってしまっているので、頭頂部から後頭部にかけてはもう少しすっきりさせて情報量の逃げ場を作っても面白いかなと思いました。

    ●受賞コメント
    審査して頂いた先生方にお礼申し上げます。これに満足せず、頂いたアドバイスを次に活かし精進していきたいと思います。ありがとうございました。

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    入賞作品

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    入賞作品

    『I came』

    猪巻美夏さん(東京工科大学メディア学部メディア学科)
    ゲームの3DCGキャラモデラーを目指しています。グラフィック的視点や考え方からゲーム全体を面白くする提案が出来るアーティストになるのが目標です。

    ●作品解説
    敵メカとエフェクトを全てフォトバッシュで制作しています。見る人の視線の流れの意識や、空気感を統一するための色調整、遠近感を出すために雨の粒のサイズを変えたりといった調整をしました。

    ●使用ツール
    Maya、CLIP STUDIO PAINT、Unreal Engine 4

    ●審査員コメント
    【コロプラ伊藤さん】
    画面構成がよく練られており作品へのこだわりと愛を感じます。ロボットのシルエットのバランスも良いです。見る人は必然的にキャラクターの顔に目がいきますが、ロボットの顔が隠れてしまう形状になっているのが勿体無いです。色々な角度からの見え方も意識しモデリングするとさらに洗練されてくると思います。

    ●受賞コメント
    受賞大変嬉しく思います。ロボットが好きで画面構成やシルエットはかなり意識していたので、コロプラの伊藤さんから『作品へのこだわりと愛を感じます』と言っていただけたのは本当にうれしかったです。制作時間が限られていたので、いかにクオリティを出すかを意識してフォトバッシュに挑戦してみたのも良い結果に繋がったと感じています。

    『Richard』

    Dekhil Lamisさん(ECCコンピュータ専門学校)
    クリーチャーとキャラクターのスカルプト、Substance Painterでテクスチャーを描くこと、Marvelous Designerで服を作ることが得意です。

    ●作品解説
    テーマは「渋いおじいさん」です。リアルなおじいさんを作るには顔のシワやスキンシェーダーに力を入れて作りました。

    ●使用ツール
    ZBrush、Maya、Substance Painter

    ●審査員コメント
    【CGWORLD 沼倉】
    高い造形力、質感スキルが伝わってくる作品です。ただ、「渋いおじいさん」という、高齢の男性にしては女性的な印象も感じてしまいました。あとは、ポーズと首にまいたスカーフの形状にもう一工夫あるとさらに良くなると思います。

    ●受賞コメント
    作品を選んで頂きありがとうございました。色んな人に見てもらうことがとても嬉しいです。これからもスキルをあげるように頑張ります。

    『Gotcha!』

    小原芹菜さん(ECCコンピュータ専門学校 高度情報処理研究学科)

    ●作品解説
    モンスター捕獲を生業とする両親の下に生まれたヴェロニカとヴィクターの2人が力を合わせてモンスターボネボネを捕まえた時の記念写真というコンセプトで制作しました。

    ●使用ツール
    Softimage、Maya、Photoshop

    ●審査員コメント
    【コロプラ伊藤さん】
    キャラクターの表情が生き生きとしており、ワクワクしてアニメーション作品も見てみたくなりますね。ただ、モデルのエッジ部分、髪の毛や服の形状が一律に丸められてしまっている印象を受けるので、エッジを立てるところはしっかり立てつつ、モデルの中でもメリハリをつけられると画が引き締まると思います。

    ●受賞コメント
    この度はこのような素晴らしい賞をいただき、たくさんの方に作品を見ていただける機会となり、とても嬉しいです! 私自身物凄く気に入っていて、終始楽しみながら作り上げたものです。支えてくれた友人にもとても感謝しています! これからも新しい技術など様々な事に挑戦し、勉強し続けたいと思います!

    『Metalic Tortoise』

    熊谷海斗さん(東北芸術工科大学)
    ハリウッド映画に携わることが夢です。イチから発想を膨らませてモデリングすることが好きなので、デザインスキルも鍛えていきたいですね。

    ●作品解説
    一目でカッコいい、強そう、と思えるようなルックスを目指し制作しました。質量から生まれる堂々とした立ち振舞いのかっこよさに共感してもらえると嬉しいです。

    ●使用ツール
    Maya

    ●審査員コメント
    【アカツキ村上さん】
    メカデザインとしての密度感や構造がとても良く、ディテールや重厚感からなる雰囲気が素敵です。テクスチャ表現にこのキャラクターの前後のストーリーを詰めることで、物語性=引き込む絵になると思います。合わせて、金属感がより浮かび上がる背景に調整することでグッと魅力がたつと思います。

    『-Devil's armor- G.T』

    水野巧登さん(日本工学院八王子専門学校 CG映像科)
    世界で大活躍するアーティストになるため日々精進しています。毎日毎日ご飯を食べるのを忘れるくらい制作に没頭しています。制作はワクワクが止まりません。
    takutomizuno.artstation.com

    ●作品解説
    ZBrushを用いたハードサーフェスモデリングに挑戦。デザイン、モデリングを一貫して行いました。先に全体のシルエットを決定できたので、面にディティールを入れやすかったです。

    ●使用ツール
    ZBrush、Maya、Photoshop

    ●審査員コメント
    【フォトン・アーツ鈴木さん】
    ZBrushを用いたチャレンジということですがデザインも含めモデルバランスよくまとまっていると思いました。一目見て造形の情報から、異形のもの、邪悪な物という印象が伝わってくるポイントがとてもよく出来ており、おさえなければいけないポイントがしっかり出来ているという印象を受けました。

    ●受賞コメント
    優秀賞を受賞することができ、大変嬉しく思います。特に嬉しかったのが、自分のイメージが審査員の方に伝わったことです。プロの方に直接コメントをもらうことはあまりできないので、非常にいい機会になりました。また、同世代の方の作品も見ることができ良い刺激になりました。今後もワクワクするような作品を生み出していきたいと思います。

    『吸血鬼のハナムコ』

    山端 啓さん(東京都)
    ガンダム愛ならだれにも負けません!必殺技はロボットの名前を100体以上言えること。夢は自分のデザインしたロボットを映画、プラモデル化し愛されることです。

    ●作品解説
    重量級刺突武器での一撃離脱・高速戦闘を目的とした人工知能搭載型実験機。ロボットのかっこよさ・リアリティの追求をしました。

    ●使用ツール
    Maya、3ds Max、ZBrush、Marmoset Toolbag、Substance Painter、Photoshop

    ●審査員コメント
    【朝倉さん】
    3D部分だけにとどまらず、コンポジットによるトータルの画づくりの重厚さが非常に良いと思いました。羽部分のパーツが平面的なことや、背景の煙様の合成のスケール感のバラツキ・平面感が気になったので、羽をもっと生体的にしたり、煙表現をもっと空間的にすることでより絵に奥行きが出てくるかと思います。

    ●受賞コメント
    私の作品を選んでいただきありがとうございます、コンテスト等で受賞するのは初めてです。ですが、まだサイバーコネクトツーの松山さんに面白いと言われるだけの作品を作れているとは思ってないですし、海外での就職や自分のプラモデルを発売する事もまだです。調子にのらず、生きてる間に一つでも多く何かを残したいです。

    『Briteeny-tiny island』

    Axel Mounierさん(多摩大学 経営情報学科)
    私は、フランスのラバル3Diの学生で、多摩大学でVRゲームを作るインターンシップをしています。将来、ゲームの3Dグラフィックデザイナーか、アニメーターになりたいです。
    axelmounier.artstation.com

    ●作品解説
    この想像上の小さな島はグレート・ブリテンとブルターニュ(フランス)間の海上の境界線あたりにある設定で制作しています。単純な形状(ローポリ)、微妙な色使いの手描きテクスチャに特徴があります。

    ●使用ツール
    3ds Max、3D-Coat、Photoshop

    ●審査員コメント
    【CGWORLD 沼倉】
    明確なコンセプト、そしてそれを具現化するにあたってのアプローチがとてもロジカルでCG制作についての高い素養がうかがえました。

    ●受賞コメント
    I'm really happy to be selected between so much great 3D creations! I come from France and it's the first time I won a price for my work. I'm so glad to win this in Japan thanks to CGWorld magazine, Thank you so much!

    『Welcome to Hong Kong!』

    Chi Tai Loiさん(東京デザイナー学院 映像デザイン科)
    香港出身の21歳の背景モデラーです。ArtStationやYouTubeから良いアイデアや技術を柔軟に取り入れています。CGを学び始めて1年、自分の成長を感じることができています。今まで出会った人に感謝!

    ●作品解説
    Unreal Engine4を使った背景作品です。私の出身地である香港を舞台に、木々に浸食された街をCGで表現しました。街中に植物を加え、ユニークかつ立体的な画作りを目指しました。

    ●使用ツール
    Maya、Photoshop、Unreal Engine 4、Substance Painter、Substance Designer、SpeedTree

    ●審査員コメント
    【CGWORLD 沼倉】
    意図した世界観がしっかりと描かれていると思いました。欲を言えば、地面や草木にもっとディテールがあるとさらにクオリティが向上すると思います。

    『Demon』

    古賀悠悟さん(海城高校)
    中学2年生のときにBlenderでCG制作をはじめました。主にモデリングをしています。将来は海外のスタジオで働きたいと思っています。
    @RianDigital
    riandigital.artstation.com

    ●作品解説
    制作中の映画に出てくるヴィランキャラクターとして作りました。不気味で怖い印象を出すために前からの表情を無くし、さらに横から見ると笑ったような表情が浮かび出るように工夫しました。

    ●使用ツール
    Blender、GIMP

    ●審査員コメント
    【CGWORLD 沼倉】
    15歳(高校1年生)とは思えない、高いデザインセンスと造形スキルを感じました。最終的なゴールはアニメーション化ということですが、さらなる展開も楽しみです。

    ●受賞コメント
    今回このような賞をいただいて、とても嬉しく思っています。応援してくださった方々に感謝したいと思います。私の将来の目標はILMなどの海外のスタジオで働くことです。まだ作品数が多くないのでさらに多くの作品を作っていきたいです。また、既に2019年のKLab Creative Fesに向けての制作を始めています。去年の反省を活かして今年こそは賞を取りたいです。将来を見据えて、奢らず謙虚に頑張りたいと思います。

    『Throneroom』

    アゼベド ブチェック ロドリゴさん(ECCコンピュータ専門学校)
    昔からゲームが好きで、完全に新しい世界が造れることに関心を持ってきました。特に背景のモデリングやレイアウトやライトが好きで、ゲームエンバイロンメントアーティストを目指しています。

    ●作品解説
    中世ファンタジー的な、豪華で大きく、インパクトの強い謁見の間をコンセプトにしました。ルネサンスとバロック時代の建築の資料を参考にデザインを描き、ZBrushでスカルプトしました。

    ●使用ツール
    Unreal Engine 4、ZBrush、Substance Designer、Substance Painter、Maya

    ●審査員コメント
    【フレイム山崎さん】
    空気感や雰囲気がよく出ています。モデルの質感分けもできていて、暗くてよく見えないところもしっかり作られています。ただ、上からの入射光が中途半端に若干斜めなのが気になりました。入射光の広がりも左右対称の方が良いかも知れません。斜めにするなら下手の窓から入射光が入るくらい斜めにしてもいいかもしれません。

    次ページ:
    応募作品総評

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    応募作品総評

    ▷朝倉 涼さん
    非常に多彩な作品を見ることができ、楽しかったです!今回選ばれなかった方の作品も、磨けば光るものを感じるものが多く、皆さんの今後を非常に楽しみにしています!反面、全体的にメインのモチーフ「以外」まで意識を持てている作品が少なく感じたため、料理で言うところの「備え付け」部分を意識した画づくりをしていくとレベルの底上げに繋がると思いますよ!

    ▷伊藤大輝さん(コロプラ)
    皆さんの「3DCGデザイナーになりたい」「世界で大活躍したい」といった熱が作品から伝わってくるようでした。私も昔はやりたいことがうまく表現できないことがたくさんありましたが、ひとつひとつ着実に技術を身につけた今、自分が関わったキャラが生き生き活躍しているのを見ると感慨深いです。みなさんも自分の夢や目標を叶えるために、悔いのないようがんばってください!

    ▷鈴木卓矢さん(フォトン・アーツ)
    全応募作品のうちモデリングスキルに差はあれど、数点を除いてはほとんどの作品がアート作品のように感じました。観る人にどういう印象を与えたい、どう思わせたい、そうやって観る人の感情にフォーカスしていくのが僕はエンターテイメントだと思っています。そしてそこがプロとしての第一歩だと思います。スキル+αをもったエンターテインメント作品がもっと出てくれば良いなと思います。

    ▷山崎伸浩さん(フレイム)
    色々な魅力の詰まった作品ばかりで、選考がとても楽しかったです。未選出作品も含め、どの作品にも良いところがありました。ただ全体的に「モデリングができました。見てください」という作品が多く、1枚の「作品」として成立しているものが少なかった印象です。「作品」の質はレイアウトやライティング、コンポジットがとても重要です。今後はぜひ「画としての魅せ方」に気を使ってみて下さい。

    ▷村上一帆さん(アカツキ)
    高いポテンシャルを感じる作品が多く、これからの成長がとても楽しみです。より映像性や動きを意識することで、どれも素晴らしい魅力や世界観が引き出されていくのではと感じました。日本を飛び越え、世界でも活躍するCGアーティストが増えることを応援しています。

    ▷沼倉有人(CGWORLD)
    5月上旬、辣腕ディレクターの「できるかな?じゃねえよ、やるんだよ」という鶴の一声によって急遽スタートした本企画。蓋を開けてみたら、全国から81もの力作が寄せられ、審査員も第一線で活躍中のアーティストの方々にご協力いただくことができました(ただただ感謝)。次回も新たな作品、新たな才能との出会いを楽しみにしてます!

    「WHO'S NEXT?」次回募集のお知らせ

    「WHO'S NEXT?」は2019年3月26日(火)発行予定のCGWORLD Entry vol.22にて大幅リニューアルを企画中! 審査員には、国内外の多くのCGプロダクション、クリエイター総勢50社(者)が参加予定だ。優秀者は過去号同様にCGWORLD Entryで紹介されるが、誌面掲載の優秀者以外にも、投稿作品についての講評結果がフィードバックされる(※)。自分のスキルアップや就職活動の一環としてぜひ活用してもらいたい。
    ※講評コメントが付いた作品に限ります

    WHO'S NEXT? CG GALLERY Vol.4 概要

    作品応募受付:2018年12月中旬~2019年2月中旬(予定)
    審査:2019年2月末~3月上旬
    優秀作品の発表:2019年3月26日(火)CGWORLD Entry vol.22の発行をもって
    講評結果のフィードバック:2019年3月26日(火)以降

    詳細は追ってCGWORLD.jpにて発表いたしますのでお待ちください。



    • CGWORLD Entry vol.19
      特集:CGやろうぜ!
      価格:無料(フリーペーパー)
      判型:A4ワイド
      発行日:2018年6月25日