>   >  学生限定投稿コーナー「WHO'S NEXT?」:2020年第1弾 結果発表!学生CGトライアル「WHO'S NEXT?」優秀賞&審査員講評コメント一挙公開
2020年第1弾 結果発表!学生CGトライアル「WHO'S NEXT?」優秀賞&審査員講評コメント一挙公開

2020年第1弾 結果発表!学生CGトライアル「WHO'S NEXT?」優秀賞&審査員講評コメント一挙公開

リニューアル後、第3回目となる本コンテスト。テーマは今回も「3DCGを用いた静止画作品」。 3DCG業界をリードする審査員計25名による厳正な採点の結果、優秀賞を勝ちとった23名を一挙に紹介しよう。

※本記事はフリーペーパー「CGWORLD Entry vol. 24」掲載の「WHO'S NEXT?」掲載の内容に審査員講評結果など追加したものです。
※講評コメントは全て原文ママ

  • CGWORLD Entry vol.24
    特集:はじめよう、3DCG!
    価格:無料(フリーペーパー)
    判型:A4ワイド
    発行日:2020年2月28日(電子版)、3月4日(ペーパー版)
    URL:https://cgworld.jp/news/book/Entry24.html

作品応募条件・審査方法について
応募作品テーマは「3DCGを用いた静止画作品」。作品審査はCGWORLD連載陣など特別審査員が10名、CGプロダクションの審査員15名によって行われた。審査員はいずれも全作品の中からお気に入りの作品を選び、持ち点20の中から配点する。合計得点の高い作品から表彰。参加対象は高校生から専門学校生、大学、大学院生など教育機関在学中の方を対象。通学中でなくても、クリエイティブ分野における就業経験のない方であれば応募OK。

CGWORLD特別審査員 総評

審査企業 総評、新卒採用募集内容

協賛企業からの応援のメッセージ

CGWORLD Entry vol.24 電子版はこちらから

第1位:『Messy Room』 獲得点数:60点

山田達紀さん
リアルで人の心を動かすものをつくりたいです。今はBlenderで静止画がメインですが、他のソフトや表現方法にも興味があります。仕事でCGができるようにがんばります。
www.artstation.com/htmi

●作品解説
散らかった部屋です。家主が普段どんな生活をしていて、どんな趣味趣向があるかを考えながら制作しました。この部屋にはどんな人が住んでるのかをぜひ想像してください。生活感が出るように小物や細かいゴミ等を多く配置しました。

●使用ツール
Blender 2.81


●審査員コメント 抜粋

Kakela Studios 一丸敦生(代表)
生活感があってとても好きな作品です。かなり雑な性格の女性の部屋だということが想像できます。本の置き方など、相当こだわって作られていると思いました。この部屋の住人はノートPCの前で確実に歯磨きや食事をしてる(私の学生時はそのような状態でした)と思うので、画面に細かい飛び散った乾いた水滴などがあればもっと良いと思います。いくつか服の質感や厚みが感じられないこと、左のカーテンの形が不自然なことなど、いくつか改善できそうな点はありますが、それを補って余りある作品への熱量が感じられ、素晴らしいです。

SAFEHOUSE inc. 鈴木卓矢(取締役/背景モデリングSV)
単純に物の配置感が素晴らしいですね。これだけの物量をつくりテクスチャーを書く地味な作業を想像すると頭が下がる思いですね。結構散らかっているので、ここに住んでいる人を想像したときに、座椅子の座る部分ももっと劣化しててもいいのかなと思いました。クッションが固そうだったり、洋服の質感などをまだ詰められる部分はありますが、全体的にストーリーテリングも含めてよくできていると思います。

studio picapixels 帆足タケヒコ(代表取締役社長)
生々しさが良いです。女性的な色身が狂気すら感じさせてくれ、その場所にキチンとストーリーを想像できる作風が良い。作業も丁寧で好感が持てますね。レンダリング後にあれこれいじってないのもプラス。

森田悠揮(デジタルスカルプター・クリーチャーデザイナー)
作り込みがすさまじい作品で、かつ物の配置などもとてもリアルを意識しながら作られたのが感じられます。しいて言うなら洋服の質感が少し曖昧になってしまっているように感じられるので、そこを直すとさらにリアルに近づくと思いました。

Niantic 行弘 進(Art Director)
これでもか!と言わんばかりに細かな所まで作り込んでいて、膨大な種類のアセット数に作者の忍耐と熱意を感じます。この散らかり具合は男性の部屋か?と思えば、テーブルに置いてあるものやカーテン・衣類の色がピンク色で女性の部屋を連想させたりで、作者の意図していた"どんな人が住んでいるのか"を考えさせられました。本や雑貨の絶妙な並べ方、また座椅子を中心にコタツ周りで手の届く範囲に必要な物を配置している様子に、生活感を感じます。コタツ布団や毛布の質感は素晴らしいのですが、なぜか衣類だけがビニールの様な薄さとプラスチックさを感じてしまいます。これらをもう少し工夫するだけで、初見ではこれを写真だと信じさせられるのでは? 作者の将来が楽しみです!

StealthWorks. 米岡 馨(代表取締役 FXスーパーバイザー)
一目で「片付けが苦手な女子大生」のような人物像が浮かび上がるストーリー性が素晴らしい。オブジェクトの配置やライティングなど抜かりが無く、観察眼の高さが伺える。強いて言えば服やクッションなどのしわのより方が「手付感」が強く、そこだけ違和感として残るので、クロスを使うなどしてみるとより完成度が高まるであろう。

ディレクションシーズ
CGで表現するのが難しい布の柔らかい質感が良く出てます。一部、布がビニールっぽく見えたり、左のサンスベリア(観葉植物)が紙っぽく見えるのがやや残念に感じました。

コンセプトラボ
細かなひとつひとつまで圧倒的な物量感で、凄くリアルな生活感のある部屋になっていると思います。細かく言うと、一部まだ質感を詰め切れていない部分があると思うので、そこを突き詰められると、よりリアリティが増すと思います。

東映 デジタルセンター ツークン研究所
生活感があって、そこに人が住んでいる感じがリアルで良いです。一見、女性の部屋?なのかと思いきや、男性と暮らしている感じもして、色々想像できて面白いです。また、狭い部屋の中の物量感もあり、それぞれの質感設定もしっかり丁寧に作られています。狙い通りに「こんな部屋ある!」と思える良い作品です。台所の方もどうなっているのか覗いてみたくなるような楽しさもあります。

クロ
生活感のある部屋の表現をやりきった部分を評価したいと思います。モデルひとつひとつ(カーテンや寝具、服など)の質感などをブラッシュアップはしたいところですね。リアリティを追求するなら、今回の作品に足りないもの、勘違いした部分など、女子の部屋を観察して、色味や汚れ具合、小物の種類配置などを見比べてみるといいと思います。

exsa
圧倒的な物量感ですね。それが生活感の演出に上手くつながっており、作品のクオリティを上げていると思います。質感も丁寧に詰めているので、気持ちよく見ることが出来ました。割と表現が難しいファブリック系も無難に対応しているのは素晴らしいと思います。

●受賞コメント

今回、一位をとることができてとてもうれしいです。住人の性格、趣味趣向や生活パターンを考えながら作っていくのはとても楽しかったです。他の人が想像した住人の性格や生活パターンについてのコメントを読むのも楽しかったです。中には住人の現在や将来の健康状態などについて想像してくれた人もいました。布の質感など今後の課題として練習したいこともたくさん見つかりました、これからも頑張っていきます。

第2位:『Really?』 獲得点数:38点

小松崎 笑帆(北海道芸術デザイン専門学校)
ハードサーフェスやフォトリアルCGが好きです。情報量の多い作品をよくつくります。

●作品解説
雑貨屋の雑貨たちが踊りだす、不思議で賑やかな空間を演出しました。リアルな表現にこだわっています。

●使用ツール
Blender, Substance Painter, Photoshop, Illustrator


●審査員コメント 抜粋

伊藤頼子(ビジュアルデベロップメントアーティスト)
色も光も綺麗に出来ています。浮いたり飛んだりさせるというアイデアをもっと活かして見る側に伝えるには、いくつかのオブジェクトももっと重ねて、飛んでる感をだした方が伝わりやすいです。影のところにある浮いているオブジェのキャストシャドウが抜けているので、浮いている感が欠けています。

studio picapixels 帆足タケヒコ(代表取締役社長)
ライティングと物量に対する作りこみが良い。同じものを色を変えて並べたりと、あまり複製されてる感を感じさせないのはテクニックだと思います。ただ、何でものが浮かんでいるのだろう、、と不思議に重い説明を読んだら「ダンス」と書かれているのですが、これはわかりにくいかなと思う。手前のツリーが絵作りに一役かっているのはセンスですね。

Niantic 行弘 進 (Art Director)
よくここまで沢山の種類のアセットを作ったものだと感心します。陳列された商品の質感、例えば金属、ガラス、木、プラスチック、紙などそれぞれのエレメントにはっきりとした違いが感じられ、とても上手く表現されていてます。ライティングも大変良く、全体が明るく設定されているため、白いマテリアルに当たる光が若干白飛びしている露出感にリアリズムを感じます。残念なのは、これだけのこだわりが感じられる中、右下の樽がかなり安っぽく感じる点、全ての商品札が綺麗すぎる点が惜しいです。札は全て同じ板感があるので、若干歪んでいたり、軽く折れていたりするなど、それぞれ違いを出していれば、もっとリアルに見えるでしょう。また本来あるはずの場所に影がないので、空間認識に時間がかかり、飛び跳ねてるという印象を受けませんでした。静止画では無機物が踊っているような躍動感を表現させるのは難しいでしょう。

StealthWorks. 米岡 馨 (代表取締役 FXスーパーバイザー)
絵のクオリティは高く、窓から指す光のボリュームライトの演出など抜かりが無い。惜しいのは「雑貨が踊りだす」というコンセプトが初見では伝わりづらいので、もっとオブジェクトの配置を崩して欲しいが、作者の几帳面さがそれをとどまらせたのかと思わせる。もっと振り切ったレイアウトが出来れば大化けする可能性を強く感じる。

アスコープ
ライティング、シェーディングが自然で、ひとつひとつのオブジェクトが活き活きとしていますね。

スマートエンジニア
モデリングについて抜くところは抜く、ディティールを出すところはしっかり作りこむ、という緩急のバランスがよく、結果、圧倒的な量感でよくできていると思いました。またライティングもよく、光が差し込んだ表現もリアルで、非常によくまとまった作品と感じました。

StudioGOONEYS
一つ一つのものにこだわりを感じる作品で、小物のカラーリングにもセンスを感じました。全部が全部同じような動きをしてしまっていたので、全体としての大きな動きを作ってみたり、大きい動きのものを入れてみたり、パッとみた第一印象が「あれなんか浮いてない?」ではなく、「え!なんか楽しそう!」が伝わりやすいものになると、絵として完成できるかなと思います。作品作り頑張ってください!

クロ
絵の情報量や色使い、配置のランダム感、全体の空気感などよくできていると思います。「雑貨屋」という題材はよく目にするので埋もれてしまいがちですが、本作は粗密のバランスがちょうど良く、明暗と色合いのコントラストが心地よい作品にまとまっていると思います。商品を踊らせる事によってポップなランダム感は出ていますが、踊りだしているのが伝わってこないので、もっと大胆な動きをつけて、受け手にキチンと伝わる絵作りを今後学んでいってほしいです。

exsa
丁寧なモデル、質感で、とても好感がもてる作品です。せっかく踊っている表現なので、アニメーションで観てみたいなと思いました。もっと色々な時代や設定のものを制作してみると力になるのではないかと。頑