第19位:『GREED』 獲得点数:6点
松山紋子さん(デジタルハリウッド大阪校)
●作品解説
光り物や骸骨の造形をがんばりました。
●使用ツール
Maya, Photoshop, Substance Painter
●審査員コメント 抜粋
【トランジスタ・スタジオ 秋元純一 (CGディレクター・取締役副社長)】
全体的に丁寧にレイアウトされていると思う。造形の上手さや質感へのこだわりはこれからの技術力向上に期待したいが、作品を仕上げる為の丁寧さは評価に値すると思う。
【DCG Entertainment】
細かい部分など作り込まれていて、またランダムな配置も良く出来ていると思います。乱雑な感じがあるので、もう少し全体的に使い古した感じを入れるとより一層纏まった絵になるかと思います。
優秀作品にご選出頂き、ありがとうございます。また、制作過程にて助言を下さった方々に厚くお礼申し上げます。一方で、目標としていたグランジ表現、質感表現を追求しきれないままの提出となり、悔いの残る作品にもなりました。今回の経験を糧に、今後の制作に役立てて参ります。また、TA志望でもあるので、ツール開発やプロシージャル処理も同時に追求していきたいと思っています。
第19位:『弦の張り替え』 獲得点数:6点
柳田響生さん(デジタルハリウッド大学)
●作品解説
自分が昔、起きてすぐ趣味のギターを弾いていたらあっという間に夕方になっていた、というのを思い出し「夢中になれるものを少し儚げに表現できないかな」と思い、制作しました。
●使用ツール
Maya, Substance Painter, Redshift, Photoshop
●審査員コメント 抜粋
【Niantic 行弘 進 (Art Director)】
このようなシンプルな物を如何によく見せるかを追求した作品は好きです。見せたい所にうまくライティングを当て、光沢を効果的に見せている所に作者のセンスを感じます。弾いた時に付いてしまう細かい傷や、コーティングされた木の質感など素晴らしいですね。日々このギターと触れ合っているからこそ、作者だけが知っている魅力的な表現が伝わってきます。気になった点は、床の木のバンプ値が少し高いためか、カーペットのように見えました。あと構図をもう一工夫されると、さらにかっこいい絵になったかもしれません。
【StudioGOONEYS】
作りたいもの・見せたいものがはっきりしている作品で、ライティングにもこだわりを感じました。ピックの傷ばかりがおおく、人が使い込んでいた後の汚しが少なく、違和感を感じるギターになってしまっている部分が惜しいなと思います。作品作り頑張ってください!
【東映 デジタルセンター ツークン研究所】
ギターが好きなのが良く伝わる作品です。弦を切るための工具や弦のケースや袋がしっかり作られてあり、ギターもねじ穴がちゃんとあったりちょっとした傷もあって、使用感が感じられていて良いです。ブリッジがキラッと光っているライティングがギターのカッコよさを引き立たせています。下に敷いてあるものが何かわからないので、素材がわかるようにした方が良いです。
第19位:『Cute』 獲得点数:6点
菱田寛忠さん(トライデントコンピュータ専門学校)
●作品解説
観光客が森を散策し日が暮れてきた帰り際、ふと枝にカタツムリがいる事に気づき写真を撮影した。そんなシチュエーションをイメージして制作しました。
●使用ツール
Maya, MudBox, Substance Painter, After Effects, Photoshop
●審査員コメント 抜粋
【伊藤頼子(ビジュアルデベロップメントアーティスト)】
ライテイングと構成、モデリングも良くできています。もうすこしウェットな感じが出ていたら更に良くなると思いました。
【SAFEHOUSE inc. 鈴木卓矢 (取締役/背景モデリングSV)】
いい感じですね。カタツムリのぬめり感が出ていて今にも動きそうです。もう少し質感で透明感がでるともっといいかなと思います。あと枝をモデルを詰めて、アングルも少し斜めにしてあげると自然な感じが出るのではないでしょうか?
【 StealthWorks. 米岡 馨 (代表取締役 FXスーパーバイザー)】
モデリング、テクスチャだけにとどまらず、ちょっと色収差を加えてマクロレンズで撮ったような演出に作者の仕事の丁寧さを感じる。ここまで丁寧にやっていると、逆に背景の描き割り感が勿体ない。中景に当たる草や枝などを配置して、より空間の立体感を狙って演出が出来ればより素晴らしい作品になると感じる。
【 神央薬品 】
カタツムリの感じが出ていて良いですね。深度のぼかし方も雰囲気があって良いと思います。
まさか私がこのような素晴らしい賞を頂けるとは思いもしませんでした。受賞がすることができ、とても嬉しいです。また現場で活躍する方から率直な講評を頂けることができ、どの点がよかったか改善点はどこなのかを知ることが出来ました。今後の制作に生かしてこれからもこの業界で生き残れるように頑張っていきたいと思います。今回は貴重な経験をさせて頂き本当に有難うございました。
第19位:『Henry』 獲得点数:6点
山田絢都さん(名古屋造形大学)
●作品解説
ピクサーのCGアニメのような見た目を目指しました。『Mr.インクレディブル』という作品がお気に入りなので、その作品にオマージュを込めて、『Henry』というオリジナルキャラクターを制作しました。
●使用ツール
Maya, After Effects, Photoshop
●審査員コメント 抜粋
【Kakela Studios 一丸敦生 (代表)】
自信に満ちた堂々としたキャラクターというのが伝わってきました。Mr.インクレディブルのオマージュということで、彼がどういった特殊能力があるのか知りたくなりました。体のプロポーションがベーシックな印象があるので、体全体のSカーブやCカーブを意識しながら誇張してもよいかもしれません。
【Method Studios Montreal 傘木博文 (エフェクトアーティスト)】
あえて細部を作りこまず全体を「シンプル」にまとめ上げることで、視聴者がこのキャラクターが登場する物語を容易に想像することができます。たった一枚の画像ですが、そこまで想像力を膨らませる事ができる作品だと感じました。作者のコメントに「オマージュ」とありますが、それはただ単に見た目をコピーする事とは違い、そのデザインに至るまでの過程を理解した上で、コンセプトはそのまま、自身のアイディアを加えて具現化しようとした事が分かる作品に仕上がっています。手足のバランス、ポーズ、装飾品等、確かに原作に影響を受けてはいますが、それは細部に至るまでその作品を入念に研究したからこそ再現できたのだと思います。素晴らしい観察眼をお持ちだと思います。ここまでコンセプトを再現するスキルをお持ちであれば、次はぜひ「オリジナル」の作品も拝見して見たいと思います。
【DCG Entertainment 】
可愛らしさとカッコよさ両方バランスよく取れていると思います。動いている所が見たくなりますね。若干ヒーローになりたて感があるのですが、表情を付ける事で慣れた感じを出すことができそうです。
まさか自分が入選するなんて思いもしなかったのでとてもびっくりしました。ありがとうございます。こうして学外の人に評価され、少しでも認められたことはとても嬉しいことですし、何より自分の自信に繋がります。講評コメントの方読ませていただきました。ありがとうございました。今後の制作に役立てていきます。これから一流を目指して日々努力していきます。今回は本当にありがとうございました。
選外優秀賞(※):『陶芸絵師の工房』 獲得点数:25点
川辺悠大さん(日本工学院専門学校)
ゲームと映像の背景を両方携わるのが目標です。
https://kawabeyudai.artstation.com
●作品解説
陶芸絵師をしていた亡き父の思いと工房を受け継ぎ、形見である大切な道具たちをコンセプトに制作しました。レンズに付着する汚れや、空気中の埃なども作成し、年季が入った部屋であることを意識しました。
※編集部注
本作はCGによる模写作品です。結果発表時には「5位入賞」としておりましたが、本コンテストはオリジナル作品であることを応募要件として定めているため、選外優秀賞とさせていただきました。なお、コンテスト意向としては今後もCGによる模写作品は選考対象外といたします。今回は審査終了後に模写であることが判明したこと、さらには応募作品に模写であっても優秀賞に相応する技術力が伺えると主催者が判断したこと、この2点から特別措置を講じた経緯をご了承いただけたら幸いです。
※参照元
http://utsuwa-note.com/
https://utsuwanote.exblog.jp/21224261/
●使用ツール
Maya, Substance Painter, After Effects, Photoshop, SpeedTree, ZBrush
●使用ツール
Maya, Substance Painter, After Effects, Photoshop, SpeedTree, ZBrush
●審査員コメント 抜粋
【 トランジスタ・スタジオ 秋元純一 (CGディレクター・取締役副社長)】
ディテールがしっかりと詰められており、どこを見ても納得のクオリティに仕上がっていると思う。プロップ一つ一つに気を配っており、外から入ってくるライティングも自然で良い。惜しむらくは、木目だろうか。非常に難しい所ではあるが、木口をこだわるだけでグッと説得力が上がると思う。
【 伊藤頼子(ビジュアルデベロップメントアーティスト) 】
大変構図もよく、テクスチャーも程よい感じでよく出来ています。完成度は高いです。暗く落とすところがうまくできていてとてもいいです。窓から入る光は優しく入りいい感じです。ライティングデザインがとても上手な方です。ただ外の空が一番明るく、手前の部分のライティングが比較的フラットなので、焦点が定まりにくく、ストーリーテリングも欠けてしまいます。彩度と明度でもう少し遊んでみたらどうでしょうか。
【 SAFEHOUSE inc. 鈴木卓矢 (取締役/背景モデリングSV)】
モデル、テクスチャー、質感など高いレベルでリアルに再現されていて素晴らしいと思います。ひとつひとつのモデルが丁寧につくられているものこだわりを感じます。一つ残念なのが、隙間を埋めるように物を置いているので、絵にリズム感がなくなっているところです。特に一番目立つ机の上は配置感が平面的になっているので、もう少し背景演出をした配置をしてもいいと思います。
【 Niantic 行弘 進 (Art Director)】
個人的には工房という響きだけでテンションが上がります。年期の入った道具には、長年お父様から大切に使われ、共に沢山の作品を送り出した歴史を感じられます。また、この筆はどの様に使うのだろう?と好奇心をくすぐられます。見れば見るほど発見があり、古びた写真立てがあるかと思えば、むき出しに置いてある写真もあり、大変説得力のある絵だと思います。あえて柔らかい間接光の様なライティングなのかもしれませんが、少し薄暗い印象を感じます。もう少し木漏れ日を当てるなど、若干コントラストを上げると、メリハリが出て良くなると思います。更に細かいことですが、電気スタンドと大筆にタンジェントが発生しているので、手前にあるスタンドを多少ずらすことで位置関係が明確になり、分かりやすい絵になるのではないでしょうか。
【 アスコープ 】
窓向こうの木々の自然な配置バランスと、薄く繊細な日差しを表現しきったライティングセンスが素晴らしい。
【 スマートエンジニア】
明暗の使い方が上手い。階調を広く使っている。使い古された道具やテーブルの表現も味があって良い。
【 メタサイト 】
ホコリっぽい田舎のロッジを連想させる空気感がとても良い感じです。
【 DCG Entertainment 】
年季の入ったような質感や色味、自然を感じるライティングなど、細部までしっかりと表現出来ていて良いと思います。筆先の柔らかさやロープの硬さなどもリアルで臨場感のある作品だと感じました。