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No.25:人工光を学ぶボックス・スタディー

No.25:人工光を学ぶボックス・スタディー

こんにちは。ビジュアルデベロップメントアーティスト(Visual Development Artist)の伊藤頼子です。連載 第24回では、ボックス・スタディーを通して時間経過による自然光(太陽の光)の色とバリュー(value/明度)の変化を学びました。今回は、同じくボックス・スタディーを通して、人工光の色とバリューについて学んでいきましょう。

TEXT&ARTWORK_伊藤頼子 / Yoriko Ito(twitter / instagram
EDIT_尾形美幸 / Miyuki Ogata(CGWORLD)

人工光を使えば、さらにクリエイティブな色使いが可能

夜の屋外、暗い室内など、月明かりや人工光によって照らされたいろいろな状況を設定し、ペイントしてみましょう。人工光を使うと、自然光を使う場合以上に、クリエイティブな色使いが可能になります。まずは自然光でのペイントをマスターし、さらに人工光でのペイントもマスターすることで、ペイントの力がグレードアップし、面白みのある画面をつくれるようになります。

Lesson54:カラーボックスに月明かりを当て、ペイントする

人工光を使う場合であっても、黒・白のボックスをペイントしたときと同じ原理を使い、バリューをコントロールします。ボックスにどんな色を適用したとしても、光と陰影のルールは常に変わりません。ただし自然光とちがい、人工光には様々な色を設定できるため、光の色に応じてローカルカラー(モチーフの本来の色)が変わります。光が当たっている部分だけでなく、全体の色も影響を受けて変わるため、色が濁らないように注意しましょう。

▲連載 第24回の図を再掲載します。上段の黒・白のボックスと、中段の3色のカラーボックスには、暖かくも冷たくもない、ニュートラルな光を当てています。下段の3個のグレーボックスは、中段のボックスの彩度を下げ、各ボックスのバリューをわかりやすくしたものです。色がある状態だとバリューがわかりにくい人は、ときどき彩度を下げてチェックするといいでしょう。各ボックスの赤色の×印をつけた面は、全て陰になっている部分です。ここでのルールは5〜10の範囲内が暗い領域(陰影)なので、×印のバリューは必ずこの領域でなければいけません。そして明るい領域(光)は、1〜4 の範囲内のバリューになります。なお、ここでは地面からの反射光のみ考慮してありますが、本来であれば周囲の色の反射も考慮しなくてはいけません。周囲の色の反射については追って説明します


▲同じく、連載 第24回の図を再掲載します。光源、地面からの反射光、グラデーションの関係を表しています。ボックスの上面は、光源に近い場所ほど明るく(Lighter)、遠い場所ほど暗く(Darker)なります。ボックスの側面は、地面からの反射光の影響を受け、地面に近い場所ほど明るく、遠い場所ほど暗くなります。床のキャストシャドウ(Cast Shadow/投影)は、ボックスに近い場所ほど暗く、遠い場所ほど明るくなります


▲月明かりに照らされた、黒・白・黄・赤・青のボックスをペイントしています。ひとくちに月明かりと言っても、その表現方法は様々で、決まった色はありません。ここでは暗い夜を青、月明かりはレモン色がかった青で表現してみました。反射光の色は特に設定していません。なお、光の色は画面全体に影響します。このシーンの光は冷たい色なので、全てのボックスと背景が冷たい色へと変化します。月明かりは弱い光なので、ハイライトも弱くなり、画面全体のバリューの領域が狭くなります


▲先の月明かりの設定の場合、上のようにバリューの領域が狭くなり、暗い領域に偏ります。このようにバリューの領域が暗くなることをローキー(low-key) 、あるいはローキーレンジ(low-key range)と言います。領域がローキーに変わっても、光と陰影のルールは常に変わりません

Lesson55:カラーボックスに人工光を当て、ペイントする

▲人工光に照らされた、黒・白・黄・赤・青のボックスをペイントしています。ここでは、夜もしくは暗い室内に置かれたボックスに、電球の暖かい光がメインの光源(light source)として当たっている設定としました。また、画面の向かって右横のやや離れた位置からは、ピンク色の光がセカンドライト(second light source)として当たっています。このシーンの光は暖かい色なので、全てのボックスと背景が暖かな色へと変化します。電球は強い光を発するので、ハイライトも強くなります

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Lesson56:赤と青のリンゴを
ローキーとハイキーでペイントする

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