Lesson56:赤と青のリンゴを、ローキーとハイキーでペイントする
▲前述のローキーに対し、バリューの領域が明るくなるなることをハイキー(high-key) 、あるいはハイキーレンジ(high-key range)と言います
▲【左】クロード・モネ(Claud Monet/1840〜1926)の睡蓮の絵で、ハイキーで表現されています/【右】ジェームズ・アボット・マクニール・ホイッスラー(James Abbott McNeill Whistler/1834〜1903)の港の絵で、ローキーで表現されています
前述の絵画などを参考にしながら、赤と青のリンゴを、ローキーとハイキーでペイントしてみましょう。
▲赤と青のリンゴをハイキーでペイントしています。ここではモネの絵のように、明るく暖かく柔らかい日光が当たっている設定にしました。柔らかな光は、朝の時間帯、薄い雲や靄がかかった天候などを表現できます
▲赤と青のリンゴを、ローキーでペイントしています。ここでは弱い月明かりが当たっている設定にしました。同じリンゴでも、ライティングやバリューの領域が変わると、絵の雰囲気や色もかなり変わります
Lesson57:赤と青のリンゴに人工光を当て、ペイントする
▲人工光に照らされた、赤と青のリンゴをペイントしています。ここでは、画面の向かって左側から青く強い光がメインの光源として当たっている設定としました。また、画面の向かって右側からは、ピンク色の光がセカンドライトとして当たっています。人工の強い色の光が当たると、モチーフの色も変わります
今回のレッスンは以上です。第26回も、ぜひお付き合いください。
(第25回の公開は、2019年5月を予定しております)
プロフィール
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PHOTO_弘田 充 / Mitsuru Hirota -
伊藤頼子
ビジュアルデベロップメントアーティスト
三重県出身。短大の英文科を卒業後、サンフランシスコのAcademy of Art Universityに留学し、イラストレーションを専攻。卒業後は子供向け絵本のイラストレーション制作に携わる。ゲーム会社でのBackground Designer/Painterを経て、1997年からDreamWorks AnimationにてEnvironmental Design(環境デザイン)やBackground Paint(背景画)を担当。2002年以降はVisual Development Artistに転向し、『Madagascar』(2005)でAnnie Award(アニー賞)にノミネートされる。2013年以降はフリーランスとなり、映画やゲームをはじめ、様々な分野のアートディレクションとビジュアルデベロップメントを担当。2013年からはAcademy of Art UniversityのVisual Development Departmentにて後進の育成にも従事。
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本連載のバックナンバー
第1回∼第13回まではこちらで総覧いただけます。
No.14:画の中のスケールとディテール
No.15:ダイナミックな動きのある画を描く
No.16:イメージづくりに使うレイアウトコンポジション
No.17:ライティングデザイン
No.18:ライティングデザインによる感情表現
No.19:自然光を使い分け、ライティングをデザインする
No.20:人工の光を使い、ライティングをデザインする
No.21:ライティングと天候を使い、ムードを表現する
No.22:自然光でのペイントにおける、色とその温度
No.23:時間経過による、自然光の色の変化
No.24:色とバリューの関係を学ぶボックス・スタディー