アドビ株式会社は、Adobe Substance 3Dツールの新たなイノベーションを発表した。これによりクリエイターやブランドは、独立した3Dコンテンツやメタバース対応の没入型体験の制作を可能にするエンドツーエンドのソリューションを実現できるようになる。Adobe Substance 3Dポートフォリオのフルラインナップは、経験豊富な3Dクリエイターだけでなく、自分の作品に新たな次元を追加したいと考えている2Dクリエイターのニーズにも応える。さらに、アドビは、Substance 3DのツールをメタのQuestプラットフォームに導入し、没入型3Dコンテンツの構築と共有を可能にすると発表し、メタはアドビのパワフルで使いやすい3D制作ツールをユーザーに提供する。
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■概要
Adobe Substance 3D Samplerは、フォトグラメトリ(写真測量)技術を使用して実写の画像から直接3Dモデルを作成する全く新しい3D Capture機能を強化し、魅力的な3Dコンテンツの作成に関心のあるクリエイターにとって大幅な時間短縮を実現する。さらに一般向けに提供を開始したAdobe Substance 3D Modelerは、3Dオブジェクトやシーンのスカルプティングを、簡単かつ直感的に実行できるように設計されたもので、一般向けに提供を開始した。アドビはまた、従来型のスタジオ撮影やロケに伴う二酸化炭素排出や資源消費の抑制につながる新ツール「Adobe Substance 3D Sustainability Calculator」をリリースした。
アドビの3D&メタバース担当バイスプレジデントのセバスチャン ドゥギ(Sebastien Deguy)氏は、次のように述べている。「ブランドによる3Dおよび没入型コンテンツ制作への投資は、過去1年の間に驚くほど急増しています。アドビのミッションは、没入型体験を含む、新たなメディアに移行するクリエイターやブランドを支援することです。本日提供する新製品・新機能は、3Dコンテンツの制作をかつてないほど簡単で身近なものにします」。
Adobe Substance 3D Collectionの複数の機能強化点は以下の通りである。
・Adobe Substance 3D Modelerでの3Dモデリング制作:楽しく、早く、そしてジェスチャーベースの3Dアセット制作が行えるAdobe Substance 3D Modeler は、アーティストやプロダクトデザイナーが、デスクトップコンピューターと手持ちのコントローラー付きVRヘッドセットを、シームレスに切り替えて使用することを可能にする。このAdobe Substance 3D Modelerは、これまで3Dモデリング技術へのアクセシビリティを制限していた急激な学習曲線を回避するため、「ハンズオン」アプローチを採用し、3Dでのアイデア共有プロセスを促進し、そして簡素化する
・Adobe Substance 3D Samplerにより現実世界の表面テクスチャを3Dで再現:ベータ版での提供を開始した新たな3D Capture機能により、クリエイターは物理的なオブジェクトを瞬時にデジタルアセットに変換することができる。また、AIとフォトグラメトリ(写真測量)技術により、カメラまたは既存の画像セットを使い、実際のオブジェクトを撮影してから、Adobe Substance 3D Sampler でテクスチャ化された3Dモデルを生成することが可能になる。初めて3Dに携わるデザイナーでもAdobe Substance 3D Samplerの 3D Capture機能を使用すれば、従来の技術的なモデリングワークフローを学ぶことなく、素早く3Dモデルとベーステクスチャを作成することができる
・Appleシリコンによるスピードと安定性でエクスペリエンスが向上:Adobe Substance 3Dツールで、M1およびM2シリーズを含むApple シリコンへ対応した。これによりMacユーザーにAdobe Substance 3Dツール利用時のスピードと安定性を提供する
・Adobe AeroのiOS のApp Clip統合でARコンテンツに瞬時にアクセス:iOSデバイス上で、Adobe AeroベースのエクスペリエンスにおいてApp Clipを使用できるようになり、視聴者がアプリをダウンロードしなくてもARエクスペリエンスが高速に表示できるようになった。App Clipのサポートによって、Adobe AeroはアーティストがiPhone上でARコンテンツを最も高速に作成、提供できる手段の1つになる
3Dとメタバース:The Connected Worldの新たな領域
現在、グローバルなパブリッシャーであるActivision、 Electronic Arts、 Microsoft、Ubisoftといったゲーム会社の大多数がAdobe Substanceツールを使用して、表現力豊かで没入型のゲームエクスペリエンスと世界観をつくり上げている。Epic Games、NVIDIA、Robloxなどの大手デベロッパーは、Adobe Substance 3Dツールを使って初期のメタバース体験をプロトタイプ化し、展開を行なっている。
さらに、アドビとMetaは、パートナーシップを通じてAdobe Substance 3D Modelerと近日提供予定の共同作業用レビューアプリをQuestプラットフォームに直接統合する計画である。これにより、Meta Quest VRヘッドセットのユーザーなら誰でも没入型3Dコンテンツを制作・共有し、体験することができる。今回発表された、Adobe Substance 3D ModelerのMeta Quest ProおよびQuest 2への対応は始まりに過ぎず、今後数年にわたり、新しいVR環境対応のドキュメント生産性ワークフローなど、より多くのAdobe Substance 3DテクノロジーをMeta Questユーザーに提供していく予定である。
多種多様な業界のブランドがメタバースに対応するために、3Dコンテンツへの投資を強める中、全世界の3D業界は2026年までに2000億ドルを上回る規模に達すると予想されている。Adobe Creative CloudとAdobe Substance ツールは、HUGO BOSS AG、Ben & Jerry’s、ザコカ・コーラカンパニー、ミズノなどのブランドや、エンターテイメント、自動車、小売を含むさまざまな業界で、既に没入型体験を力強く支援している。教育やツールによってこうした変革をさらに後押しするため、アドビは3Dと没入型カリキュラムにおいて、カリフォルニアのArtCenter College of Design、フランスのRUBIKA DESIGN Valenciennes Design Schoolを含む教育機関と提携している。